Pew Research Centerが、アメリカの成人がどのソーシャルネットワークからニュースを取得しているかという調査を行った(以前、FacebookとTwitterに関して行った調査の続編のような感じだ)。
ニュースを印刷メディアから入手するというスタイルはますますマイナーなものとなりつつあり、その代わりにソーシャルメディアの場がニュースメディアにとってさらに重要な場となりつつある。ソーシャルメディア側とすれば、自身の広告ビジネスを一層拡大するために、魅力的なニュース消費の場を提供して、多くの人の注目を集めたいと考えているわけだ。つまりニュースメディアおよびソーシャルネットワークは、同じ方向に向かって互いを大事にしつつ踊るダンスパートナーのような存在になっているのだ。今回のPewの調査は、相互依存ないし相互発展の方向性が、うまく機能しているのかどうかをチェックする意味もある。
調査結果の報告内容を見て行こう。おそらく読者の方の想像通りだろうが、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookが、アメリカ国内においてもやはり強大なパワーを持つ。66%のアメリカ成人が利用していて、利用する人のうちのほぼ半数(全体からみると30%ほど)が、ニュースをFacebookから得ていると回答している。
ところでニュースの人気投票のようなサービスを提供しているRedditについて見てみる。すると調査対象のうちの2%がRedditからニュースを得ていると回答している。しかしRedditを使っていると回答している人はわずか3%だ。つまり、Facebook利用者では50%がサービスからニュースを得たと述べているのに対し、Redditでは66%の人がサービスによってニュースを得ているということになる。内容から考えれば当然のことかもしれないが、ニッチとしてのRedditの存在意義がよく表れていると思う。
ニュースを得ている人数がFacebookに次いで多いのはTwitterだ。利用者数はアメリカ成人の16%で、そのうちの半数ほど(52%)がニュース目的であるとしている。全体に占める割合でいえば8%ほどということになる。
ちなみに全体に占める割合(人数)だけに注目するのなら、実はFacebookの次はYouTubeとなっている。Pewのレポートによると、アメリカ成人の51%が定期的にYouTubeを利用しているのだそうだ。もちろんここでニュースを取得したという人の割合は20%に留まっている。しかし母数が大きいことで、アメリカ成人全体の10%が、YouTubeからニュースを得ている計算になるのだ。
ちなみにLinkedInからニュースを得たと回答した人は少ない。利用者率は19%だが、ここでニュースを入手したと回答した人は13%となっている。すなわち全体に占める割合でいうと3%ということになる。当該サイトからニュースを得たと回答した人の割合でいえば、(なんと)MySpaceの方が上回ることとなっている。
LinkedInがPulseを買収したのには、こうした状況についての対応策としての意味もあったのだろう。LinkedInと融合したサービスを提供しようとしているのだ。こうした動きが奏功するかどうかについては今後を見守りたい。取りあえず利用者層について言えば、ニュース消費を積極的に行う層と重なっているとは言えそうだ。
それぞれのソーシャルネットワークからニュースを得ていると主張する人の割合と、利用者数を乗じて全体に占める割合を示した図を示しておく。
構成層データ(Demographics). 先にも記したように、LinkedInの利用者と言うのは、ニュース消費者としても積極的な層であるということができよう。しかし18-29歳の人口層におけるTwitter人気の高さも注目に値する。アメリカ国内における18歳から29歳までの人口層では、45%がTwitterからニュースを得ているというデータもある。もっと言えば、50歳以下の層ではTwitterの強さは圧倒的でもあるのだ。50歳以下のアメリカ人のうち83%が、Twitterからニュースを得ていると話している。Facebookもこれより10%低く、73%ということになっている。
ちなみに、Twitterは男女構成がほぼ50/50であるという点にも特徴がある。Facebookは58%が女性利用者となっている。一方でYouTubeおよびLinkedInでは男性利用者が多いようだ。計算してみると、ソーシャルメディアからニュースを入手しているアメリカ成人女性全体のうちの52%が、Facebookからニュースを得ていることになるようだ。
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(翻訳:Maeda, H)