このところTechCrunchでも、その激しい乱高下をお伝えしているP2P型暗号通貨のBitcoinだが、決済手段として採用する国内事業者が現れた。日本で手に入れづらいKickstarter発の海外ガジェットなど中心にテッキーな生活雑貨なども扱うRAKUNEWというサイトが本日、Bitcoinの取り扱いを開始した。
RAKUNEWといっても聞いたことがない人がほとんどだろう。私も知らなかった。2013年3月にベータサービスをオープンしたRAKUNEWは、キュレーションECサイトを名乗る新しい物販サイトだ。まだ開発途中の商品や、これから人気が出そうな商品を閲覧できること、商品の詳細確認・支払い手続きなどが日本語でできるのが特長で、20~50代の男性を中心に約4000人の会員と月間20万PVを集めているという。ちょっと見てみると、Qualcommのスマートウォッチや、Kickstarterで資金が集まったばかりのLock8が並んでいたりして、ギークなら人なら見ているだけで楽しいサイトかもしれない。ちなみに、iOSアプリやAndroidアプリもあるそうだ。
TechCrunch読者ならご存じの通り、Bitcoinは政府や中央銀行、金融機関の介在なしに、売り手と買い手だけで決済が完結する現金に似た特徴を持つ暗号通貨だ。Bitcoinを扱いやすくするCoinbaseなど他のサービスを介在させなければ、決済手数料はゼロ、そして決済の匿名性も高いということで、売り手にも買い手にもメリットがあるわけだが、一方で、まだ多くの課題を抱えている。各国の法体系との整合性とか犯罪目的の利用ということ以上に、現状だと1 Bitcoinが100ドルとか800ドルの間を乱高下していて、まだとてもマトモな決済手段になるように思えない。現実の通貨とのレートが安定しないのは、Bitcoinが金や主権国家の実体経済といった価値の裏付けがなく、まだ流通量が少ないために投機的な利用が多いことが原因だろう。
RAKUNEWを運用する楽ニューの広報担当者によれば、「正直、Bitcoinの取扱高が多くなることはないからリスクは小さい。むしろ、こうした新しいものを日本でも紹介していくことはサイトの趣旨に合う。現在Bitcoinを使っているような層、新しい価値観で既存のものを切り崩していくような人々にサイトを知ってもらいたいという気持ちでBitcoin採用に踏み切った」とのこと。「バクチのようなことになったら、そのときまた考えます」と、とっても正直なコメントをしている。
海外ではWordPressやReddit、OkCupidがBitcoinの支払いを受け付けているほか、10月には中国のBaiduが一部セキュリティ系のサービスでBitcoinの受け付けを開始している。