スライド動画作成の「SlideStory」、Skyland Venturesらから3000万円を調達

2013年はVineやInstagram Video、LINEの動画対応などと動画アプリ・サービスが色々と出てきたわけだが、日本から10月に出たシンプルな動画アプリで伸びているものがあるようだ。

BGM付きショートムービーを手軽に作成できるiOS向けアプリ「SlideStory」を開発する日本のスタートアップ企業ナナメウエは今日、Skyland VenturesEast Venturesから3000万円を第三者割当増資により調達した。

写真や動画を使って32秒のムービークリップを作成する。素材とする写真は、iOS端末のローカルに保存されている写真やFacebook、Flickr、Instagramなどの写真を選択してインポートすることで利用できる。写真を数点選択してエフェクトを選び、BGMを選ぶだけで32秒のムービーが作成できる。BGMは数種類用意されている。作成した動画はFacebook、YouTube、Tumblr、Google+などで共有できるほか、AirDropやDropboxへの保存にも対応する。

12月6日のアップデートでは素材として動画も利用可能になった。撮影ボタンを押して数秒の動画クリップを何度か撮影し、それが32秒になったら1本の動画となる。ボタンを押したり離したりしながら、周囲を撮影すれば、その場を伝えるショートムービーが手軽に撮れていい感じ。先に動画を数点撮影して、それをカット編集するのに比べたらはるかに手軽だ。必ず32秒の長さまで撮らなきゃいけないというのは個人的にはちょっと大変という気もするけど、「32秒で作る記憶の物語」というのが製品コンセプトだそうだから、まあそういうものなのだろう。ワークフローのUIは良く出来てて、迷うところはないし、出来上がりのムービーもいい感じ。

SlideStoryは、きわめてシンプルなショートムービー作成ツールだけど、2013年10月のリリース後2カ月で40万ダウンロードを達成したといい、ニーズはあるようだ。ダウンロードの6割を台湾やタイが占めていて東南アジアでも伸びているそうだ。

複数の写真を繋ぎあわせ、BGMを付けてムービーとするというのは、PC時代の写真管理アプリ、アルバムアプリの定番だったわけだけれど、モバイル&ソーシャルネイティブというのは伸びそうだ。実際、この12月3日にはDreamWorksからCTOごとスピンアウトした「Ptch」(ピッチ)が米ヤフーに買収されるということがあったばかり。Ptchはフォローやlikeがあるほか、SNSで写真に付けられたコメントも動画に入れ込めるなどソーシャル要素もあるプラットフォームだが、写真や動画を繋ぎあわせて動画にするというのはSlideStoryと同じ。だいぶ方向性は違うけれど、YouTubeの共同創業者の2人もMixBitというのを立ち上げている

SlideStoryへの投資をリードしたSkyland Ventures代表パートナーの木下慶彦氏はスマホ分野へのシード投資の比重を今後は増やしていくという。Skyland Venturesの第1号ファンドは2012年8月設立で、4億円規模を見込んでいるそうだが、このうち2億円をスマホ分野スタートアップ投資枠と設定。2014年6月までの投資で使い切る予定だそうだ。Skyland Venturesはシード・アーリー特化のファンドで、主な投資先は八面六臂イベントレジストgamba!など。日本・アジアのスタートアップの創業出資を行うEast Venturesも出資者として参画していて、提携関係にある。


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TechCrunch Japan

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