デンマークのスタートアップ、RobocatはAppleのiOSデバイス向けに数多くのソフトウェアを開発してきたが、今日(米国時間3/7)同社は新分野に手を広げ、iPhone、iPad、およびAndroidデバイス用に新しいハードウェアを発表した。Thermodoは、非常に小さな温度計で、デバイスのヘッドホンジャックに差すと、本物の温度データをアプリに送り込む。
Thermodoのハードウェアは、受光式温度センサーをオーディオジャックの中に組み込み、少さな円筒状のキャップで保護したもので、デバイスからわずか1/4インチ[6~7mm]しか突出しない。専用の電源を必要とせず、気象データを音声信号にして端末に送信し、API経由で対応する温度に変換される。同APIはThermodoの専用アプリで最初に利用される他、同社が過去に発売したHazeとThermoの両アプリでも使用できる。
Thermodoはオフラインで室内でも室外でも動作し、付属のキーホルダー型ケースを使えば、使用していない時にもこの小物体をなくさずにすむ。Robocatは、同社のオープンソースSDKを使えば、究極的には、Raspberry Pi、Mac、ArduinoベースのガジェットなどどんなデバイスでもThermodoを利用可能だと言っている。
私はRobocatのファウンダー、Willi Wuにこのプロジェクトについて、そもそも何がきっかけで始まったかを聞いた。彼によると、会社が元々中核としていたモバイル天気アプリから、ユーザーのフィードバックに基づいて多角化した結果だという。
「実はThermodoのアイディアは、ユーザーからの間接的な要望が基になっている」と彼は言った。「われわれは多く人から星1つの評価を受け、それはユーザーの求めていたものがその場の温度自体だったからだった。現在iPhoneにはデバイス内の温度を読み取る機能も、そのための専用センサーもない。そこでわれわれはこの問題に挑戦し、考えられる最もシンプルな解として見つけたのがThermodoだった」
SquareのクレジットカードリーダーやJawboneのUPフィットネスバンドも、ヘッドホンジャックを使ってスマートフォンと通信しているが、WuによるとThermodoのアプローチは全く異なるという。これによって今後同社がこの技術を使ってさまざまな種類のセンサーを作る可能性が大きく広がった、と彼は言った。
「ThermodoはSquare等のソフトモデムベース製品のように、音声をデータに変換しているのではない」と彼は言う。「われわれはこの手法をあらゆる種類のアプリケーションに応用できることに気付いた。やっているのは、温度を電気インピーダンスに変換することで、このインピーダンスはわれわれが『Thermodo原理』と呼んでいるものによって決定する。今では、あらゆる種類のデータをこの電気インピーダンスに変えることができるようになった。例えば、風速、圧力、明るさ等だ」
Wuによると、Robocatの技術責任者はすでにこの方法で抵抗やコンデンサーを測定しており、会社ではこれらの新しい検知能力の実験段階に入っている。いずれThermodoは、太陽の下のあらゆるもの(太陽の明るさを含む)を測るための姉妹デバイスをいくつも作ることができるだろう。
Thermodoの目標金額はわずか3万5000ドルで、予約購入のためのプレッジはThermodo1台19ドルから。これはすぐに目標を達成するプロジェクトなので、Robocatの新たなハードウェアへの取り組みから、次に何が出てくるか楽しみだ。
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(翻訳:Nob Takahashi)