トラック輸送の改善に取り組むサンディエゴのFlock Freight

「貨物の動きを変えたい」。Flock Freightの創業者でCEOのOren Zaslansky(オーレン・ザスランスキー)氏は話す。

過去2年、ひっそりと操業してきた同氏の会社は、貨物輸送の新しいソリューションを伴ってステルスモードで登場した。「そのソリューションは運送業者により多くの金をもたらし、現在貨物向けに展開されているハブアンドスポークモデルにおける非効率をなくし、荷主に良い条件を提供する」と同氏は主張する。

サンディエゴに拠点を置く同氏の会社はまた、直近では最大となる5000万ドル(約54億円)を調達した。

ザスランスキー氏にとって貨物輸送は家業だ。「私の両親は引越し業を生業とする家庭で育った。そして私自身は起業と貨物という環境で育った」と語る。

この2つのものへの情熱が、大学を中退し、サンディエゴエリアでのトラック事業開始へと彼を駆り立てた。彼はまた、サプライチェーンのロジスティックをサポートしようと仲立業も立ち上げた。トラック事業、そして仲立業に馴染んでいたことがFlock Freightの創業と、今週初めにクローズした新たな投資ラウンドにつながった。

Flock Freightは、荷主が少量の商品を動かす方法を変えるために資金調達した。ハブアンドスポークオペレーションで動かさなければならないトラック積載量に満たない量のものが対象だ。ハブアンドスポークオペレーションでは商品の輸送にかかる時間が長くなり、また車両への積み下ろしで商品破損の可能性が増す。

「ハブアンドスポークを省きたい」とザスランスキー氏は話す。「我々はカープールになりたい。貨物の動きを変えるためにテクノロジーを使う」。

Roadieのようなサービスを通じて届けられるかなり少量のオーダーのことをザスランスキー氏は話しているのではない。配達会社Roadieは2019年2月にHome Depotのリードで3900万ドル(約42億円)を調達した。

あくまでもトラックの話で、長さ70フィート(約21m)のトレーラートラックのカープールだ。Flock Freightは中小のトラック輸送会社に声をかけ、こうした企業がすでに請け負っている荷物のオーダーを統合する。「トラックの荷台の空きを埋めるためにサードパーティーと連携を取るのに慣れている業者に働きかけている」とザスランスキー氏は言う。

目下、それは1100億ドル(約12兆円)の貨物・ロジスティック市場の15%にあたる。

Flock Freightへの新たな投資はSignalFireGLP Capital Partnersが2月中旬に実施した。この2社は、損害請求が減らせる、複数の荷主から荷物を集める、排気ガス40%抑制のための最適化したルートの配達ができる、配達率97.5%を保証するというFlock Freightの主張にかなり魅せられたようだ。

Flock Freightの発表文によると、Tuft & NeedleやTitan Supply Groupといった企業がすでにFlock Freightのサービスを使っている。

Flock Freightはトラックの余剰の輸送能力を確保し、荷主に使った分だけの料金を課すことでマーケットを形成している。「我々は荷主に対して『荷物はトラックの75%を占めた。だからその75%分だけを請求する』と言いたい」とザスランスキー氏は話した。「運送業者向けには、Flock Freightが支払うのは100%で、10フィートの貨物を追加してさらに1000ドル払う」と述べた。

画像クレジット:5m3photos / Getty Images under a Royalty-free license.

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。