フィアットが新型コロナ対応で月100万枚マスク生産へ

Fiat Chrysler Automobiles(FCA、フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は3月23日、数週間内にマスクの製造を開始し、救急隊員やヘルスケアワーカーに提供すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に対する自動車メーカーの対応としては最新の動きとなる。

FCAはTechCrunchに対し、中国にある工場の1つにマスク生産設備が設置され、主に米国、カナダ、メキシコに送られると明らかにした。1カ月にフェイスマスク100万枚を生産する計画だ。マスクはすべて警察、救急医療スタッフ、消防隊員、病院やヘルスケアクリニックの職員に提供される。

「警察や消防といったファーストレスポンダーやヘルスケアワーカーが今ほど重要なときはない」とFCAのCEOであるMike Manley(マイク・マンリー)氏は声明で述べた。「人工呼吸器の増産サポートに加えて、ヘルスケア業界に話を聞いて回ったところ、緊急かつ切実なフェイスマスクの需要が認められた。FCAグループ従業員に直ちにマスク生産のための設備設置と、新型コロナ感染を食い止めるために最も必要とされている人たちをサポートするよう命じた」

今回のFCAの動きは、建設会社に対しN95マスクの在庫を病院に寄贈するよう、Mike Pence(マイク・ペンス)副大統領の先週の呼び掛けを受けたものだ。建設会社はこの求めに応じたとペンス副大統領はその後の記者会見で述べている。そしてApple(アップル)やFacebook(フェイスブック)、IBM(アイビーエム)、Tesla(テスラ)など他の企業も同様にマスクを寄付している。

新型コロナウイルスが引き起こすCOVID-19により、N95マスクや手袋、ガウンなどが不足している。

ペンス副大統領は建設会社に対し、ストックとして蓄えているN95マスクを地元の病院に提供し、新たなマスク注文は当面控えるよう要求した。N95マスクは0.3ミクロンの微小物質の少なくとも95%をブロックできることからその名がつけられているが、かなり不足している事態を受けての要求だ。

GM(ゼネラル・モーターズ)、Ford(フォード)、VW(フォルクスワーゲン)、Teslaなどの自動車メーカーも人工呼吸器の製造という複雑な課題に取り組み始めた。人工呼吸器もまたCOVID-19で入院している患者にとって重要な医療機器だ。この病気は肺を攻撃し、急性呼吸窮迫症候群や肺炎を引き起こす。確立された治療法がないため、患者の呼吸や闘病は人工呼吸器に頼っている。米国には16万台の人工呼吸器があり、これとは別に国家戦略備品として1万2700台があるとニューヨークタイムズ紙は報じた。

GMは20日、人工呼吸器のような呼吸ケア機器の増産をサポートするためにVentec Life Systemsと協業していると明らかにした。一方、TeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は先週、人工呼吸器についてMedtronicと話し合いを持ったと述べた。Medtronicも話し合いがあったことをツイッターで明らかにしている。マスク氏はこれより前に、SpaceXとTeslaが人工呼吸器の製造に取り組むとツイートしていたが、詳細は示していなかった。

画像クレジット: Joe Raedle / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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