全てのニュースが経済活動をマイナスに押し下げるものとなっているこの時期に、Synergy Research(シナジー・リサーチ)は23日、今四半期のデータセンターM&Aがかなり活発で、すでに2019年の実績を上回ったとする新たなレポートを発表した。
急増は主に、84億ドル(約9000億円)ものDigital Realty(デジタル・リアルティ)によるInterxion(インターシオン)の買収だ。Synergyによると、これはこれまでで最大のデータセンターM&Aで、このディールにより四半期の計28件の総額は150億ドル(約1兆6000億円)に押し上げられた。
年間総額が最も大きかったのは2017年で、200億ドル(約2兆1000億円)超だった。しかし今年この調子が続けば、2017年の記録はあっさりと塗り替えられそうだ。
当然のことながら、現在の経済状況ではそれが実現するかは保証されない。しかしクラウド使用が今後も堅調で、データセンター需要がすぐに弱まることがなさそうなのは明らかだ。実際、SynergyのチーフアナリストJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏は、さらなるディールが間もなくクローズする見込みで、データセンターM&Aは引き続き増えると考えている。ディンスデール氏は、非常に活発な年になるはずだ、と話す。
「今年に入って4カ月もしないうちに、M&A金額はすでに2019年の実績を上回った。加えて、交渉を終えたディール17件がクローズ待ちであることも我々は把握している。ほかにも、数十億ドル規模の案件がいくつか動いている」とディンスデール氏は発表文で述べた。
そして「クラウドサービスのアウトソーシングの傾向やアグレッシブな成長は、データセンターの対応能力に対する需要をかつてなく押し上げている。これは業界再編と新たな投資資金源を探す必要性を生み出している」とも付け加えた。
Synergyは2015年からデータセンターM&Aの動きを追跡している。開始以来、計388件、総額900億ドル(約9兆7000億円)以上のディールがあった。外部の経済要因がどうであれ、これらの数字は今年増えるばかりのようだ。
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(翻訳:Mizoguchi)