データクリーンアップのスタートアップ、インドネシア拠点のDelmanが約1.7億円を調達

ジャカルタに拠点を置くデータ管理のスタートアップであるDelman(デルマン)が、シード資金として160万ドル(約1億7000万円)を調達した。このラウンドはIntudo Venturesによって主導され、Prasetia Dwidharma VenturesとQlue Performa Indonesiaが参加した。調達資金は研究開発センターの設立ならびにソフトウェアエンジニアとデータサイエンティストの採用に使われる。

Delmanの設立は2018年である。創業者はカリフォルニア大学バークレー校の同級生である最高経営責任者のSurya Halim(スーリヤ・ハリム)氏と最高製品責任者のRaymond Christopher(レイモンド・クリストファー)氏そして最高技術責任者のTheo Budiyanto(テオ・ブディヤント)氏の3人だ。彼らは卒業後、Google(グーグル)やSplunkなどのシリコンバレーのテクノロジー企業で働き、その後インドネシア市場に注力することを決断した。

元々はエンドツーエンドのビッグデータ分析プロバイダーとして立ち上げられたDelmanは、インドネシアのクライアントと議論を重ねる中で、データの準備と管理にその焦点を移した。多くの企業は、高価なデータ分析ソリューションに予算を割り当てていたが、データが複数のフォーマットに分散しているために、分析が始められる状態にないことに気がついたという。Delmanの使命は、データをクリーンアップして準備することで、データエンジニアや科学者が仕事を簡単に行えるようにすることだ。

ハリム氏によると、インドネシアの大企業の多くは通常、データのクリーンアップと保管に最大20万ドル(約2200万円)ほどを費やしているが、Delmanはそれよりも費用対効果が高く、より迅速な代替手段を提供するのだという。

「私たちもクライアント向けに分析とデータの視覚化を行う能力を持っていますが、それを行う企業はすでに多すぎるほど存在しています。それこそが私たちが自分たちのビジネスモデルを、よりニッチで必要とされているものにシフトした理由なのです」とハリム氏は語る。「また、こうすることでデータ分析サービスを行うすべての企業とのパートナーシップへの扉を開くことができるのです」。

ハリム氏によると、新しい会社やスタートアップのデータセットは比較的きれいだが、多くの古いインドネシアの企業、特に複数の都市に支店がある会社は手書きの台帳、Excelのスプレッドシート、その他のソフトウェアに、分散した大量のデータを持っていることが多い。そうしたデータには、修正が必要なコード、キーワード、タイプミスが含まれる場合もある。

「新しい会社にとってはそれは比較的簡単です、なぜならすべてがすでに標準化されているからでう」とハリム氏。「しかし、1970年代に設立された会社が、前世代のデータを自身のシステムに統合して、将来のライバルと競争するために、顧客の行動についての記録を残したい場合には、データ駆動型のポリシーが必要になります」。

Delmanは業界に囚われておらず、そのクライアントは大企業やコンサルティング会社から政府機関まで、多岐にわたっている。その顧客にはPWCとQlueも含まれている。ハリム氏は同社が他の東南アジア市場への拡大を計画していると語る。そして、新型コロナウイルス(COVID-19)が人々の働き方を変えるために、企業はITインフラストラクチャへの投資を増やし、中央以外の場所からデータベースにアクセスしやすくすることを望んでいるのだと語った。

Intudo Venturesの創業パートナーであるEddy Chan(エディ・チャン)氏は、プレス発表の中で次のように述べている。「Delmanは高度にローカライズされたアプローチとグローバルな技術的専門知識を組み合わせることで、インドネシアのビジネスにインドネシアで開発されたビッグデータソリューションを提供し、最終的にはエンドユーザーにより良い結果をもたらしているのです。2017年にシリコンバレーでDelmanの創業者チームに会って以来、経営陣としての成長を目の当たりにしています、今後も起業家としての旅で彼らをサポートできることを楽しみにしています」。

画像クレジット:3alexd  / Getty Images

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(翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

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