Apple(アップル)が、米国時間6月24日にモバイルデバイス管理ベンダーのFleetsmith(フリートスミス)を買収したことを発表したとき、それは自然な買収のように思えた。だが、Fleetsmithのユーザーたちは、すぐに機能の主要な部分が動作しなくなったことを知り、大多数はそのことについて満足していない。
アップル製品を扱うシステム管理者たちは、買収が発表された朝からFleetsmithがサードパーティのアプリケーションへの接続を許可しなくなったという不満を、ソーシャルメディア上に書き込み始めた。
「本来Fleetsmithは、サードパーティーのアプリカタログを管理していました。このおかげで管理者はChromeやZoomのようなツールをMacに展開することができ、Fleetsmithはそれらのアプリのセキュリティ更新を続けていたのです。これがFleetsmithを購入した主な理由でした」と、FleetsmithのあるユーザーはTechCrunchに語った。
この顧客は、同社がこの機能を会社のブログ投稿で、主要な機能として説明しているのだと付け加えた。
Fleetsmithカタログを通じて管理されるChromeのようなアプリに対して、私たちはテスト、パッケージ化、トリアージ、展開のすべての側面を自動的に処理いたします。(セキュリティパッチを含む)アップデートがある場合には、いつでも迅速にそれらをカタログに追加して、お客様が最新バージョンを適用できるようにいたします。今回のケースでは、アップデートが発表されてから数時間以内にChrome 78.0.3904.87パッチを登録いたしました。
あるシステム管理者が指摘したように、自動化された方法でChromeブラウザーのセキュリティを管理できることは、非常に大切な部分だったのだが、それもまたサードパーティのアプリのサポートとともに削除された。
結局アップルは、移行当日にFleetsmithのユーザーへの電子メールで、この機能を中止することを明らかにした。このメールには、管理者の移行に役立つことを意図したいくつかのヘルプ記事へのリンクが含まれていた。(メール全文は本記事の最後に掲載)。
私が話を聞いた管理者たちの一般的なコンセンサスは、これらのヘルプ記事はまったく役に立たなかったというものだった。課題を解決する方法を説明はしているが、アップルは高度な自動化されたエクスペリエンスを高度な手動化へと変え、更新機能が組み込まれているという対応の早さと使いやすさの利点を、実質的に排除したのだと管理者たちは述べている。
アップルは今週行われた変更後に、ヘルプチケットのリクエストに対応したことを認め、カタログアプリの一部の設定をほどなく復元し、影響を受けた顧客に対して必要に応じて対応していると述べた。しかし、なぜこの機能をまず削除してしまったのかの理由については、同社は明らかにしていない。
Fleetsmithは、Macシステム管理者にとって魅力的ないくつもの重要機能を提供していた。手始めは、箱から出して立ち上げるだけで自動的に新しいMacがセットアップされる機能だ。これにより、新しいMacまたはその他のアップル製デバイスが従業員の手元に届き従業員が電源を入れてWi-Fiに接続すると、すぐにそれはFleetsmithに接続し、システム管理者が使用状況と更新を追跡できるようになる。さらにFleetsmithを使うことで、システム管理者は会社のデバイスに、アップルのセキュリティとOSのアップデートを実施することが可能になる。
そしてさらには、Google Chrome、Zoomなどのサードパーティ製アプリケーションでも同じことが可能だった。そうしたサードパーティーが新しいアップデートをリリースしたときには、システム管理者はすべてのユーザーがそれぞれのマシンで、最新バージョンを実行していることを確実なものとすることができた。だが、この最後のものが今週削除された重要な機能なのだ。
アップルがなぜこの機能を削除したのかは、顧客へのメールの中からははっきり読み取ることはできない。しかしカタログアプリの一部の設定を復元することを除いて、この機能のほとんどは戻ってこないようだ。
買収の日にFleetsmithの顧客に送信された、変更の概要を示すメールは以下のとおりとなる。
Fleetsmithの創業者にコメントを求めたが、回答はない。何か動きがあれば記事を更新する。
画像クレジット:Ron Miller / TechCrunch
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(翻訳:sako)