米国時間7月7日、Zoom(ズーム)は、新しい「Hardware as a Service(サービスとしてのハードウェア)」を発表した(Zoomリリース)。ServiceNow(サービスナウ)のプラットフォームで運用する。Zoomはこれと同時に、ServiceNowと提携して同社の1万1000人の社員がZoomおよびZoom Phoneを標準として使用する契約も発表した。これはSaaS連携の新たなケースだ。
ちなみにこの新しいHardware as a Service製品は、Zoom Phone(ズームフォン)、Zoom Rooms(ズームルームズ)を利用している顧客が、月額固定で同社から関連ハードウェアを同社から提供してもらえるというものだ。Zoomは当初のソリューションではDTEN、Neat、Poly、およびYealinkを提供するという。
この新サービスを使えば、低価格のハードウェアを利用してソフトウェアとハードウェアの費用を1枚の請求書で支払える。企業はハードウェアの初期コストを低減しつつ、関連するオンラインコミュニケーションの管理を合理化できる。
企業が望めば小規模なシステムから始めて、必要に応じてハードウェアを追加できるだけでなく、完全に管理されたサービスを利用できる。必要ならハードウェアの設置や管理をサードパーティーに任せることもできる。
Zoomはこの新サービスを、ServiceNowのプラットフォームであるNowで運用する。Nowは、サービス要求が入るごとに処理できる方法を提供する。両サービスが提携した結果、ServiceNowは社内コミュニケーションをZoomプラットフォームに統一する。これはパンデミック下で社員の在宅勤務が増える中でますます重要になっている。同社は現行の電話システムもZoom Phoneに置き換える計画だ。
SaaS業界の明確な特徴であり従来型テック企業と大きく異なっているのが、理に適うとなれば、SaaS企業同士が協力してサービスを繋ぐという意識を持っていることだろう。こうした提携は関連する企業だけでなく、顧客にも恩恵を与える。
CRM EssentialsのファウンダーであるBrent Leary(ブレント・リアリー)氏はこれを、上昇中のSaaSスター同士の提携であり、両社にともに利益があると見ている。「猫も杓子もZoomとの提携を発表し、ビデオコミュニケーションを主要分野に統合しようとしている。しかしこの提携で特に注目すべきなのは、ServiceNowがビデオコミュニケーションの強化のためだけにZoomと組むのではなく、現行の電話システムをZoom Phoneで置き換えることだ」。
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