フェデックスが輸送中の貨物の状態をリアルタイムで可視化する「SenseAware」を提供開始

グローバル物流大手の日本法人であるフェデックス エクスプレスは8月5日、輸送中の貨物の状態をリアルタイムにモニタリングできる「SenseAware」(センスアウェア)のサービスを国内で提供することを発表した。事前申込制で、近日中に順次利用可能となる。

複数のセンサーを搭載する専用機器を貨物と一緒に積み込み、輸送中に発信する信号を顧客がオンラインでモニターすることで、貨物の状態を可視化できるというもの。具体的には、貨物の位置、温度、湿度、露光、気圧、衝撃の6つの項目をリアルタイムに確認できる。温度変化などの異常を知らせるアラートを受け取ることもできる。もちろんアラートを受け取った場合は、フェデックスに対して輸送中の荷物の対処を依頼できる(航空機内を除く)。航空機に積載されている時間帯は航空法に準拠するため、SenseAware機器はデータ通信を停止するが、データの蓄積は継続する。同機器には気圧を感知するセンサーが備わっており、飛行機が離陸すると自動的に通信は遮断される。

SenseAwareの主な目的は、ヘルスケア業界の顧客から依頼される検体や、研究・開発段階の薬品など、温度に敏感で代替品がない貴重物品を輸送モニタリングすること。ちなみに薬品などの輸送時の温度は2度~8度ぐらいに設定されることが多いという。そのほか、知的財産を伴う荷物、試作品、貴重品、高価なワインや宝飾品、服飾などでの利用も想定しているとのこと。

対象となる荷物は、アジア域内および米国向け翌営業日配達、ヨーロッパおよびその他の地域向け貨物には通常2営業日以降の配達となる「インターナショナル・プライオリティ」、世界各地へ1〜3営業日で荷物を届けられる「フェデックス・インターナショナル・プライオリティ・フレイト」で、それぞれのサービスのオプションとして用意される。いずれも対象は68kg(約150ポンド)以上の荷物。

価格は、サービス利用料、機器レンタル料、機器返送時の送料、機器への関税などを含む「オール・イン・ワン」が2万3500円、サービス利用料、機器レンタル料のみの「機器レンタル」が1万4500円だ。

SenseAware機器による貨物のモニタリングは、日本を含む世界約50か国で利用可能で、フェデックスを含む120社以上の航空会社を利用する貨物に積み込める。気になる専用機器のバッテリーの駆動時間だが、1分単位レポートだと5日、30分1回だと2週間は継続してモニタリングできるという。

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TechCrunch Japan

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