アップルのマーケティングトップを長年務めたフィル・シラー氏が裏方へ後任はグレッグ・ジョスウィアック氏

30年以上におよびApple(アップル)を登りつめ、マーケティングのチーフを務めていたPhil Schiller(フィル・シラー)氏が同社で一歩退き、同社で長年プロダクトマーケティングを率いたGreg Joswiak(グレッグ・ジョスウィアック)氏にその役を譲った。

シラー氏は、Apple Fellowとしての新たな役割を引き受け、App Storeと同社のイベントの指揮を継続する、と同社のプレスリリースで述べられている。シラー氏は1987年からアップルに在籍し、20年あまり同社の役員チームに所属し、アップルのイベントでは頻繁にステージに立った。Apple Fellowに就任し、CEOであるTim Cook(ティム・クック)氏の直属になる。

シラー氏に代わって彼の仕事の大半を引き継ぐジョスウィアック氏は、アップルのプロダクトマーケティングのベテランで、最近はイベントやメディア発表に登場する機会も多く、アップルの新しい顔になっている。ジョスウィアック氏のワールドワイドマーケティング担当上級副社長への昇進は、アップルへの20年近くの在籍を踏まえている。

これによってシラー氏は、主にアドバイザー的な役割に移るようだ。特に現在、同社が米国のテクノロジー企業の反競争的行為をめぐる話し合いの最前線に立ち続けている中、シラー氏がApp Storeのメッセージングを引き続き担当するのは興味深いところだ。App Storeは、デジタルサービス上の収益共有モデルを批判されており、CEOのティム・クック氏は最近、他の大手テクノロジー企業のCEOらとともに米国下院の反トラスト委員会で証言した。

「フィルは、アップルの今日を築いた功績者の1人であり、彼の貢献は多様、広大そして深いものだった。新しい役割で彼は、すばらしい思想的パートナーシップと、彼が数十年間アップルでそうであったような指導力を発揮し続けるでしょう。一方プロダクトマーケティング部門におけるジョズの長年のリーダーシップは、今回の彼の新しい役割に完全に適しており、チームが重要でエキサイティングな仕事に取り組んでいる今この時に、シームレスな移行を確実にしてくれるでしょう。経営陣全員が、彼の協力とアイデア、活力に助けられると思うと、私もわくわくしています」とクック氏は声明で述べている。

画像クレジット:Apple

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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