UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の研究者チームが、HIV発生の激甚地域を見つけるのにTwitterが役に立つ、という意外な事実を見つけた。彼ら曰く:
“この研究によって、ソーシャルメディアのリアルタイムデータを遠隔地域の保健衛生状況をモニタし検知するために利用できることが、始めて明らかになった。ソーシャルネットワークのリアルタイムデータを見ると、HIVのリスクに関連したコミュニケーションと、そのような会話の多い地域を同定できるのである。”。
研究チームは性や薬物に関連した約1万近いツイートの位置情報を地図上に落とし、それらの地域におけるその後のHIVの流行を、正しく予想できることを発見した:
“ソーシャルメディアのデータは今後も増加していくので、研究者や保健衛生行政の担当者たちはこの方法を応用することによって、地域の保健衛生状況や疫病の発生などをより正確に同定できるようになると思われる”。
この研究には、いくつかの重要な限界がある。まず、ツイートなどのデータはあくまでも“明示的な”情報であるため、まだ人に知られていないHIVなどの発生をとらえることはできない。第二に、ソーシャルメディアの普及率は全国均質ではないので、普及率の低いところが研究者にとって盲点になる。
実は、2008年にも、Googleの検索を利用してインフルエンザの大量発生地域を研究者たちが発見した例がある。また最近では、ソーシャルメディアを利用して暴動の発生を予測する、という研究もある。また大物VC Ron Conwayが主宰している非営利の銃規制運動団体は、警察がギャングの暴力の予兆をソーシャルメディア上に発見して銃撃を未然に防止する方法をテーマに、ハッカソンを行ったことがある。
ソーシャルメディア上の共有過剰には負の側面があると同時に、このような役に立つ側面もあるのだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))