複数の情報筋によると、Tesla(テスラ)の所有者は9月23日の朝、同社のネットワーク全体に影響を与える停止の影響で、約1時間にわたってテスラ車とそれに付随するアプリからロックアウトされたようだ。
詳しい情報筋によると、その原因はアプリケーション・プログラミング・インターフェース(またはAPI)の内部的な破損によって引き起こされたとのこと。
不具合は、テスラの最高経営責任者であるElon Musk(イーロン・マスク)氏が8月のツイートで「恥ずかしいほど遅れている」と呼んだ新しい2要素認証(2段階認証)のセキュリティ機能の展開に関係している可能性がある。
2要素認証は、パスワードとスマートフォンの携帯電話など複数のデバイスや情報を組み合わせて、本当のアカウント所有者、つまり車の所有者のログインを証明し、ハッカーではないことを確認するために利用される。
しかし一部のウェブサイトでは、テキストメッセージでコードを送信するため、ハッカーはこれらを傍受して不正ログインすることが可能だ。より安全なのは、スマートフォンの電話アプリを介して登録された電話番号にコードを送信することだ。
テスラ車は2018年からピンコード入力が可能になり、所有者に車両を追跡させるGPS機能も搭載されているが、二要素認証がないことが問題となっていた。
テスラのアプリは、オーナーにとって重要なツールであり、車の多くの機能をコントロールできるようになっている。テスラのオーナーは、セキュリティの追加レイヤーとして二要素認証機能を求めている。
電気自動車市場でのテスラの優位性に挑戦するには、より多くのオプションが登場しているため、ますます多くの消費者に自社の電気自動車を選ぶべきだと納得してもらう必要がある。
2021年と2022年には、ほぼすべての価格帯でテスラに対抗する車が続々と発売される予定であり、所有者を長期間ロックアウトすることは、購入希望者に同社の車の購入を説得するにはいい方法とは言えないだろう。
それでも、同社は消費者感情を揺さぶる可能性がある計画を進めている。具体的には、同社が昨日発表したような種類のバッテリーの革新を通じて、その車のコストを削減するために取り組んでいることだ。
イーロン・マスク氏と同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリノ)氏は、さまざまな発表を行った「Battery Day」の記者会見で、最終的には年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産を実現する計画と進捗状況を明らかにした。最終的な目標は、2万5000ドル(約260万円)で電気自動車を製造・販売できるほどバッテリーコストを減らすことだ。
テスラには記事公開時までにコメントを求めた、いまのところ回答はない。
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(翻訳:TechCrunch Japan)