EメールサービスのスタートアップであるSuperhuman(スーパーヒューマン)は、シンプルで高速なメールアプリとしてテック業界で高い評価を受けている。しかし月額30ドル(約3200)円という高額なサブスクリプション料金は、多くの潜在ユーザーを遠ざけてきた。
米国時間9月23日、同社はその「プレミアムメール」サービスにテックワールド以外のユーザーを取り込むべく、学生と教職員向けにアカデミック価格を提供する。月額10ドル(1050円)の割引プランは、大学生、大学院生、教職員で学校が発行したメールアドレスを持っているユーザーに適用される。
CEOのRahul Vohra(ラフル・ボーラ)氏はこの取り組みについて「新型コロナウイルスの感染蔓延下でメールへの依存がますます高まっている学校関係者に、自社のサービスを使ってもらうことが目的であり、Superhumanは彼らのニーズ多くによく合っています」と語った。
「学術分野では、論文の執筆、カンファレンスの開催、論文誌や雑誌の編集など多くの仕事がメールによる共同作業です」とボーラ氏。「そして学生のほぼ全員が授業をバーチャルで受けているいま、メールは学生と教職員にとって不可欠になりつつあります」と続ける。
同サービスには潜在ユーザーの長い長いウェイティングリストができていて、現時点で35万人が載っているが、多くの人が待っている理由は、彼らの使っているプラットフォームでSuperhumanがまだ動かないからだ。設立6年のスタートアップは未だにAndroid版モバイルアプリを提供しておらず、メールもGmailのみが対象だ。Vohraは、有名100大学のうち61校がG Suiteを使っていると言う。来年末までにはOffice 365対応と待望のAndroidアプリを提供するつもりたとVohraは言っている。
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「.edu」のアドレスを持っている学生と大学教職員は、Superhumanのウェイティングリストの長い待ち行列の先頭に繰り上がるに違いない。
Superhumanの機能には、アルゴリズムによるスプリット(フィルターの一種)インボックス、豊富なショートカットキー、リマインダー、最近加わった強力なカレンダー連携などがある。こうした機能の数々は、同社が昨年Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)のリードでシリーズBラウンドを完了し、評価額2億6000万ドル(約274億円)で3300万ドル(約35億円)を調達するためには十分だった。
同社は1種類のサブスクリプションサービスを販売するという単一目標を続けている。今回のアカデミック価格がいずれ標準価格になるのではないかと聞かれたボーラ氏は、月額30ドルは現時点の適正価格であることを強調した。「決してないと言うつもりは決してありませんが、Superhumanの価格は適正だと考えています。現在私たちの置かれてる立場では特に」と締めくくった。
Superhumanのアカデミック価格は米国時間9月23日から提供される。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )