Pinterestは人気を増しているストーリー形式の「ストーリーピン」について発表した。ストーリーピンは画像、ビデオ、ボイスオーバー、オーバーレイテキストのページを複数組み合わせるものだ。
TechCrunchでは6月にストーリーピンについて掲載し(未訳記事)、2019年から同社が取り組んできたさまざまな形式のバージョンがあるようだと報じた。しかし米国時間9月23日、Pinterestはストーリーピンのベータ版1種類を正式に公開した。このプラットフォームを利用するクリエイターのために設計された多数のツールも同時に公開した。
米国時間9月22日、Pinterestのコンテンツ、クリエイター、ホームフィード製品責任者のDavid Temple(デビッド・テンプル)氏は、記者からストーリーピンはSnapchatやInstagramなど他のソーシャルメディアプラットフォームのストーリーとどう違うかと問われ、Pinterestのアプローチには重要な違いがいくつかあると答えた。
テンプル氏は「他のプラットフォームのストーリー機能は、人々が何をしているかを見せるために作られている。ストーリーピンは、人々が新しいアイデアやプロダクトをどう試みているかを見せるために作られている。そのため、機能や意図が劇的に違う」と述べた。
そのひとつとして同氏は、ストーリーピンは一時的なものではない、つまり一定の時間が経つと消えてしまうのではなく、検索やその他の発見のメカニズムによって現れるものだと指摘した。「ベストアイデアとストーリーピンには何カ月経っても関連性がある」。
また、ストーリーピンの主な役割は(Pinterest上にあるコンテンツの他の形式と同様に)、単なる「いいね」ではなく後で見るために保存しておくことだ。そしてストーリーピンには必要な道具や材料のリストを含めることができる。
こうしたことから、ストーリーピンはインスピレーションや便利さを重視し、総じてポジティブなトーンを示す傾向があり、それはPinterestが徐々にそうしてきたものだとテンプル氏は主張する。
「我々はここに至るまでの成功について慎重に深く考え、コンテンツやコミュニティのポジティブなトーンを維持したい」と同氏は述べた。
ストーリーピンにより、Pinterestはクリエイターのコンテンツがどこか他のところで公開された後で拡散され共有されるというだけでなく、これまで以上にコンテンツが直接公開されるプラットフォームにもなる。
そのためにPinterestは、クリエイターが保存したピンを表示するだけでなく、その人が公開したコンテンツを紹介できるように設計された新しいクリエイタープロフィール機能も提供する。新しいエンゲージメントタブと分析ダッシュボードも提供されるので、クリエイターはPinterestユーザーが自分のコンテンツにどう反応したかを知ることができる。
ストーリーピンは米国の一部のクリエイターに公開されている。一方、新しい分析機能はビジネスアカウントのPinterestユーザーが利用できる。
今回の発表は、iOS 14の画面デザインが関心を集めているおかげでPinterestがApp Storeで1日のダウンロード記録を更新し、ランキングの上位に躍り出たタイミングで発表された。
良い話ではないが、Pinterestの従業員が人種差別と性差別に関する不満から夏にストライキを決行した直後のタイミングでもある。これについて米国時間9月22日の記者会見で直接の言及はなかったが、同社のゴールはストーリーピンを公開するクリエイターの半数以上を少数グループのバックグラウンドを持つ人々にすることであり、それと同様の多様性を同社の「クリエイターの拡充、マーケティング、編集の面」に反映させることだとテンプル氏は強調した。
同氏は「Pinterestを利用する誰もがインスピレーションを見つけて初めて、我々はすべての人が望み通りの生活を作るための支援をするというミッションを達成できる。そして人は、表現していると感じられなければインスピレーションを感じることはきわめて困難だ」と述べた。
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(翻訳:Kaori Koyama)