Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)の元CEOが今後7年間、株式会社の経営に携わることをを禁止された。汚れたデータ会社となった同社は2016年のトランプ氏の選挙運動に協力し(未訳記事)、大量のFacebook(フェイスブック)データを利用して有権者を操作しようとしたスキャンダルで2018年に閉鎖した(未訳記事)。
Alexander Nix(アレクサンダー・ニックス)氏は今月初めに不適格処分を受諾する署名を行った。英政府は9月24日に署名を受け入れた(英政府リリース)と述べた。禁止は10月5日に始まる。
「ニックス氏は受諾文書で、倫理性を欠いていた可能性があるサービスを見込み顧客に提供するべくSCL Elections Ltdまたは関連会社に売り込みをさせた、またはそれを許可したとされたことに対し、異議を唱えなかった。商業的誠実さの欠如を示している」と英Insolvency Service(破産サービス)はプレスリリースで述べた。
ニックス氏はFacebookのデータスキャンダルがピークに達したときに、Cambridge AnalyticaのCEOの停職処分を受けた(未訳記事)。覆面のレポーターが撮影した映像で同氏は、偽情報を広めたりクライアントのニーズを満たすために政治家を罠にかけたりしたことを自慢していた。
Cambridge AnalyticaはSCLグループの子会社であり、同グループの傘下にはSCL Elections部門があった。ニックス氏は、同グループの主要人物の1人であり、SCL Group Ltd、SCL Social Ltd、SCL Analytics Ltd、SCL Commercial Ltd、SCL Elections、Cambridge Analytica(UK)Ltdのディレクターを務めていた。6社はすべて2018年5月に管理下に入り、2019年4月に強制清算が始まった。
ニックス氏が異議を唱えなかった、同社が行っていたとされる「倫理性を欠いていた可能性がある」活動は次のとおりだ。
- 汚職を暴くために仕掛けた賄賂とハニートラップ
- 有権者に対する投票棄権キャンペーン
- 政敵の信用を傷つける情報の入手
- 匿名での情報拡散
FTC(米連邦取引委員会)は昨年(未訳記事)、データ悪用スキャンダルに関してニックス氏と和解した。同氏は、今後自身が関与できる事業を制限する行政命令に同意した。行政命令は事業で収集した個人情報の削除と破棄も求めた。
ニックス氏は2018年、英議会のDCMS(デジタル・文化・メディア・スポーツ)委員会にも厳しく尋問された(未訳記事)。同氏は2回目の聴聞でCambridge Analyticaが「Acxiom、Experian、Infogroupなどの非常に大規模で著名なデータアグリゲーターやデータベンダーから、米国人に関する数百万のデータポイント」に関するライセンスを取得したと主張し、Facebookデータは同社の「基盤となるデータセット」ではなかったと主張した。
データ悪用スキャンダルには、いまだ答えられていない問いがまだ大量にあると言っても過言ではない。例えば英国のデータ監視当局は3月、データ分析調査に関する最終レポートを発行しないと発表した。同当局は2018年にCambridge Analyticaの英国事務所を捜索し(未訳記事)、証拠押収後に罰金を科し(未訳記事)、スキャンダルについてFacebookと和解した(Facebookは責任を認めなかった)。
Cambridge Analyticaに関する最終報告書の運命について尋ねられたICO(英個人情報保護監督機関)の広報担当者は次のように述べた。「データ分析調査の結論の一環として、2019年4月からの未解決の質問に回答するためにDCMS特別委員会に書簡を送る。我々の最終的な調査結果について特別委員会に最新の状況を伝えるが、これは報告書の更新という形にはならない」
DCMS委員会がICOに対する書面の回答を公開するかどうかは明らかではない。同委員会は新しい委員長とともに刷新された。オンライン偽情報の影響に関する調査の一環として、2018年にCambridge Analyticaのスキャンダルを掘り下げたのは別の委員長だった。昨年の最終報告書はデータ保護と競争の懸念に関してFacebookの事業の調査を求めていた(未訳記事)。
TechCrunchによるニックス氏へのインタビューをここで読むことができる(未訳記事)。Facebookのデータスキャンダルが起こる前の2017年のものだ。同氏はインタビューで、同氏の会社がトランプ氏の選挙運動をどう支援したかについて語っている。
画像クレジット:Matthew Chattle / Barcroft Images / Barcroft Media via Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)