どうやらノーコードが今年のテック界の合言葉のようだ。これは、ドラッグ&ドロップすることで通常なら開発者がコーディングする必要があるものを作成し、開発者の役割を置き換えられる能力を意味している。ノーコードにより、技術的な背景がほとんどないビジネスユーザーでも開発タスクに参加できるようになる。そんな中、米国時間10月7日、Okta(オクタ)が、IDを使用して顧客中心のワークフローを起動する、新しいノーコードワークフローを発表した。
Oktaの共同創業者でCEOのTodd McKinnon(トッド・マッキノン)氏は「販売およびマーケティングツールを含むワークフローに、IDを簡単に接続できるようにするための一連のコネクタを開発した」と語る。これは、4月のOktane顧客会議で紹介されたIDライフサイクルワークフローに続くものだ。
「このリリースで私たちは、顧客IDワークフローを導入します。これはSalesforce(セールスフォース)やMarketo(マルケト)などの、顧客IDを扱いたいすべての顧客中心アプリケーション用コネクターに焦点を当てたものです。そして時間が経つにつれて、企業が使用したいと思うあらゆる種類のシナリオをカバーする、ますます多くの分野に、これが展開されていくことは、ご想像いただけるでしょう」とマッキノン氏はTechCrunchに語った。
マッキノン氏は、昨年同社がPlatform Services(プラットフォーム・サービス)を導入したことを述べた、このサービスは同社のプラットフォームから様々な部分を取り出し、個別のサービスとして利用できるようにしたものだ。これにより、大企業の顧客は必要に応じてそれを利用することができる。同氏は「今回の発表はそのアイデアを拡張したもの」だ説明するが、例えば、OktaサービスをSalesforceに接続するには、技術者を使って複雑なコードを書く代わりに、ユーザーは単純にSalesforceコネクターをワークフロー内にドラッグすればいい。
マッキノン氏は、アーリーアダプターのMLB(メジャーリーグ)を例に挙げて説明している。ユーザーがMLBアプリをダウンロードし、アカウントを作成(サインアップ)してサインインしたとしよう。もしその時点でMLBのマーケティング担当者が、Okta外のアプリケーションに接続したいと考えた場合、これまではプログラミングの助けを借りてそれを実現する必要があった。
しかし、新しいワークフローツールを使用すると、マーケティング担当者はそのログインが不正か否かをチェックし、ログインした人物の情報をSalesforceに自動的に送信して顧客レコードを作成し、Marketoでウェルカムメールを送信するように指示するワークフローを設定できる。そして一連のこの仕事は、顧客がサインアップすることで自動的に実行できるのだ。
この機能は、昨年、OktaがAzuqua(アズカ)を5250万ドル(約55億6000万円)で買収した(未訳記事)ことによって可能になった。COOで共同創業者のFrederic Kerrest(フレデリック・ケレスト)氏は、買収時にブログ投稿に以下のように書いた(Oktaブログ)。
OktaとAzuquaを使用することで、ITチームは事前に用意されたコネクタとロジックを使用して、合理化されたIDプロセスを構成し、運用速度を向上させることができます。また、企業の製品チームは、Oktaのコア認証およびユーザー管理テクノロジーとともに、このテクノロジーを自社のアプリケーションに組み込んで、統合されたカスタマーエクスペリエンスを開発できるようになるでしょう。
そして、それこそがまさに、同社が今回新しく提供を始めたアプローチなのだ。現在のところ、同機能はアーリーアダプタープログラムとして利用できるが、Oktaが諸問題を解決するにつれて、このビジョンの拡大に伴い機能が拡張され、他のエンタープライズワークフローコネクタも追加されるだろう。このことはOkta自身に、純粋なID管理企業の枠組みを超え、組織の他の部分と接続する手段を与えることになるだろう。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Okta、ノーコード
画像クレジット:Olena_T / Getty Images
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(翻訳:sako)