Amazon(アマゾン)は米国時間10月21日、プライム会員向けに食料品をネット注文から1時間で受け取れるサービスを全米のWhole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)に拡大すると発表した。プライム会員はアマゾンのアプリまたはウェブサイトで、Whole Foods Marketタブから買い物して注文できる。そして35ドル(約3700円)超の買い物の精算時に1時間でのピックアップを選べる。
Whole Foods店舗に行く前に、客はAmazonアプリを使って店舗スタッフに向かっていることを知らせることができる。たいていの場合、到着後の注文品受け取りの待ち時間は1分だとアマゾンは話す。この点は他のオンライン小売は達成するのに苦戦している。
1時間受け取りサービスの拡大により、アマゾンはオンライングローサリーの競合他社、特にWalmart(ウォルマート)、Target(ターゲット)そしてInstacart(インスタカート)と張り合うことができる。例えばWalmartはオンライングローサリーが部分的に貢献してeコマースのオペレーションが第2四半期に97%成長した。業界の成長平均27%を大きく上回った。オンライングローサリーの成長はまた、経済刺激策として政府が発行した小切手も含め、新型コロナウイルスの影響も理由だ。
Targetも8月にグローサリーピックアップサービスを全米に拡大し、スケジュール前倒しで全店舗の85%での提供を達成した。Drive Upや配達を含め、オンライン注文のピックアップは、Targetの直近の四半期におけるデジタル成長の大半を占める。カーブサイドピックアップは734%超も利用が増えた。
一方で、米国のオンライングローサリーマーケットの半分超はInstacart利用だった、との報道が今夏あった(ただし、アマゾンやInstacart似の他のデリバリーサービスよりもWalmartの利用が多かった、という報道もあった)。
アマゾンのグローサリー戦略は依然として一貫性を欠いている。
アマゾンは2つのオンラインサービスを展開している。Amazon.com経由で買い物できるWhole Foods、それからAmazon Freshだ。同社はまた、最近Whole Foods店舗のグローサリー倉庫としての活用も始め、8月には初のAmazon Fresh実在店舗も開店させた。2020年初め、キャッシャーなしの技術が目玉のAmazon Go Grocery storeもオープンした。
消費者にとって、アマゾンの似たようなグローサリーブランドの増加はまぎらわしい。
しかしアマゾンはオンライングローサリーマーケットは依然として初期段階にあり、ライバルに追いつくことができると確信している。
アマゾンは本日、Whole Foods Marketの毎月のピックアップ注文の40%超がサービス初利用者によるものだと指摘した。同社はまた、パンデミック期間に急増したオンライングローサリーショッピング小売の数がすぐに減るとは考えていない。他の多くの産業と同様、パンデミックはすでに成長していたトレンドの浸透を加速させただけのことだ。
「Global Data Researchの最近のデータによると、顧客の68%がパンデミックが落ち着いてもカーブサイドピックアップの利用を続ける、と話しています」とアマゾンは声明で指摘した。
ピックアップに加えて、2000超の市町村に住むプライム会員はAmazon FreshとWhole Foods Marketが扱うアイテム17万点超から選んで35ドル超買い物すれば無料で2時間内の配達を利用できる、ともアマゾンは話した。
同社によると、全米にWhole Foodsは487店舗ある。今後オープンさせる新店舗も含め、全店でピックアップサービスを提供する。
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(翻訳:Mizoguchi)