OpenGL ES 3.1がGPUによるコンピューティングなどPC級のグラフィクスをモバイルに持ち込む

3Dlabs、ATI、Discreet、Evans & Sutherland、Intel、NVIDIA、SGI、Sun Microsystemsなどなどが集まってリッチメディアのための標準規格を作ろうという団体Khronos Groupが、今日(米国時間3/17)サンフランシスコで行われるGame Developer’s ConferenceでOpenGL ESの最新バージョンをリリースする。

OpenGL ESという一般にあまり見慣れない名前は、組み込みシステム(Embedded System)のためのOpenGL規格なので、この規格が指定するグラフィクス機能は今後のモバイルデバイスなどが実装し、もちろんアプリもそれを利用することになる。ただし今のところ、メジャーなモバイルプラットホームの中でWindows PhoneだけはOpenGL ESをサポートしていない。

モバイル向けに最適化されている、ということは、GPUがあまり強力でないことが前提になっているのだが、今日のリリースではそのギャップがかなり填められている。OpenGL ES作業部会の会長でARMのグラフィクス研究部長Tom Olsonは、“OpenGL ES 3.1はデスクトップ向けのOpenGL 4.4で人気の高い機能の多くをモバイルデバイスに適した形で提供している”、と発表声明の中で述べている。

今回の新しい規格ではたとえば、アプリケーションがGPUに、グラフィクスのレンダリングと密接に関連した一般的なコンピューティングタスクをやらせることができる。それは多くのデスクトップアプリケーションがすでにやっていることだが、これによりモバイルアプリの一層の高速化が期待される。

そのほかの改良点として、シェーダオブジェクトの分離、マルチサンプルとステンシルテクスチャ、シェーディング言語の改良、サンプルごとのシェーディング、新しいブレンディングモードなどなどの拡張がある。詳細は、ここに。

Khronos Groupの理事長でNVIDIAのモバイルエコシステム担当VP Neil Trevettは、今日の発表声明の中で、“OpenGLのAPI集合を構成するOpenGL ESとOpenGLおよびWebGLは、モバイルデバイスとPCとWebにおける3Dグラフィクスの共通的基盤と認められるに至っている。本日のOpenGL ESのリリースは、グラフィクスの世界におけるまた新たなマイルストーンであり、ユーザにより高いレベルのリアリズムと対話性の体験を、広く普及しているメインストリームのデバイスにおいて可能とする”、と述べている。

今週後半にKhronos Groupは、このGame Developer’s Conferenceで、さらに新しい発表をいくつか行う予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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