AdobeのドキュメントサービスでデベロッパーはPDFが扱いやすくなる

この1年、Adobe(アドビ)はデベロッパーが自分のアプリでPDFを使うためのツールを、静かに拡張してきた。2020年4月には、現在PDF Embed APIおよびPDF Tools APIと呼ばれている(Adobeブログ)ものを発表し、それと共にAdobe Document Servicesプラットフォームも公開した。狙いは、アプリケーションとワークフローにPDFを組み入れるための使いやすいツールをデベロッパーに提供することにある。米国時間12月16日、同社はMicrosoft(マイクロソフト)と新たな提携を結び、Document Serviceをマイクロソフトのローコードワークフロー自動化プラットフォームであるPower Automateと統合することを発表した。

「このビジョンは1年半ほど前、『自分たちのアプリを便利にしているものをサードパーティーアプリにも提供するというのはどうだろうか』と話したときに始まりました」とアドビのDocument Service担当上級マーケティングディレクターであるVibhor Kapoor(ビブホル・カプール)氏はいう。「Acrobatの機能をマイクロサービスに分解し、APIとしてデベロッパーやパブリッシャーに提供しようというごく単純な発想で、なぜなら、正直なところデベロッパーやパブリッシャーにとってPDFは、よくいっても苦痛だったからです。それでこうしたサービスを公開することになりました」。

開発チームは、PDFをウェブ体験に埋め込む方法を改善することなどに取り組んだ(そしてカプール氏は、これまでのデベロッパー体験は「あくまでも次善の策」であり、ユーザーにとっても直感的な体験とはいえなかった、と率直に語った)。これからはDocument ServiceとEmbed APIを使えば、JavaScriptを数行書くだけでPDFを埋め込める。

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カプール氏は、一連の機能をSDKやAPIで公開することはちょっとした挑戦だったことを認めた。理由は単純で、もともとチームはこうした利用場面を考えたことがなかったからだ。しかし、技術的課題に加えて、これは発想自体を変える問題でもあった。「私たちはこれまでデベロッパー指向の製品を提供したことがなく、それはデベロッパーを理解し、これらのAPIをどうやってパッケージにして公開するかを考えるチームを作らなければならないことを意味していました」。

新たなPower Automateとの統合によって、PDFを中心とした20以上の操作がPDF Tools APIからマイクロソフトのプラットフォームで利用できるようになる。その結果ユーザーは、たとえばOneDriveフォルダーにある文書からPDFを作ったり、画像をPDFに変換したり、PDFにOCRを適用したりできる。

アドビがこのプラットフォームを公開して以来、約6000のデベロッパーが利用していて、カプール氏によると、使われているAPIコールの回数は「著しく増加」している。ビジネス面では、Power Automateの追加が、新たなデベロッパーを呼び込む新たな経路になることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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