Founder Instituteは、これから新しいスタートアップを立ち上げる起業家を助けるだけでない。その新たな部門であるVC Labで1000の新しいベンチャーキャピタルファンドの立ち上げを促進したいという。
FIの共同創業者であるJonathan Greechan(ジョナサン・グリーチャン)氏はこれを「スタートアップのエコシステムに大きく欠けている部分をなくすためだ」と語っている。
「スタートアップの世界がもっと充実し、インパクトのあるエコシステムに円滑に資金が行き渡るようになったら、それは人間性にとって本当にポジティブなものになる」と彼はいう。
VC Labのセッションはすでに2回行っている。1回目は2020年春で、グリーチャン氏によるとそれはかろうじて通用するプロダクトのようなものだったという。夏から秋にかけてのもう1回のセッションはいわばベータテスト、そして次回の申込の締め切りは2021年2月15日に迫っている。
Greechanによると、以前の受講者からは48のファンドが生まれ、2021年第1四半期には計1億ドル(約105億円)の投資資金を調達する予定だという。
これらのファンドの多くがまだ原資調達の過程にあり、一般公開はできないが、彼によると1/3のファンドは米国社会で弱者と呼ばれているような人々がパートナーとなり、その半数以上が社会的インパクトのあるスタートアップの支援を狙っているという。その例としてグリーチャン氏が挙げるのは、アフリカのサハラ砂漠以南地区にスタートアップを育てようとするPacer Venturesだ。この300万ドル(約3億2000万円)のファンドは、VC Labが育てようとしているVCの好例だ。
「これらの新しいファンドマネージャーが抱える問題の多くは、新しい起業家が抱える問題とよく似ている。彼らは、事業として無事に離陸するまでの1つ1つのステップが、まだよくわかっていない」とグリーチャン氏はいう。
VC Labはまさに、VC志願者が踏むべきステップを教える。カリキュラムがあり、ウェビナーも利用する。オフィスはバーチャルで、Slackで会話をする。参加者は公徳課程のThe Mensarius Oathを受講して、「スタートアップとファンドは。人間性に貢献すべき」とか「不公平や悪徳に導く権力の濫用を避けよ」といった倫理項目も叩き込まれる。
受講は無料だが、専用オフィスは月額500ドル(約5万3000円)だ。Founders InstituteとVC Lab自身は、財政的にはファンドに参加しない。
ビジネスモデルについて尋ねるとグリーチャン氏は、「それは我々のビジネスの次の段階と見ていない。これまでVCとして、おもしろくてインパクトのある企業を作る人たちのコミュニティを育ててきたが、これからはそれと並んで、インパクトのある企業に投資する人々のコミュニティを作ろうとしている。チャリティのためではないが、長期的には卒業者の全員にとって何らかの利益があるはずだ」。
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画像クレジット:Iaremenko/Getty Images
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(文:Anthony Ha、翻訳:Hiroshi Iwatani)