ファイザーとビオンテックの新型コロナワクチン管理温度が緩和へ、輸送管理が容易に

Pfizer(ファイザー)とBioNTech(ビオンテック)が共同開発した新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの輸送管理要件が当初よりも緩和される。もともとmRNAベースのワクチンは有効性を維持するために輸送中に摂氏マイナス60度〜マイナス80度という超低温を維持する必要があった。両社が集めた品質安定性に関する新たなデータが米食品医薬品局(FDA)に提出され、そこには大半のクリニックや医療施設にある標準の医療用冷凍庫で対応可能な摂氏マイナス15度〜マイナス25度で保存できる、とある。

この温度で最大2週間ワクチンを保管でき、これは輸送オプションのフレキシビリティ、接種会場でのラストマイル保管を大きく改善する。これまでワクチンは接種会場に届けられるまでの管理を主に既存の「コールドチェーン」インフラに頼ってきた。こうした制約はModerna(モデルナ)のワクチンにはなく、同社のワクチンは冷蔵庫の温度で最長1カ月品質を維持できる。

今回の管理温度の改善は、米国や世界各地の当局によって緊急承認されすでに使用されているワクチンに関する取り組みが継続していることを示す1つの例だ。PfizerとBioNTechは、そうした保管のための温度要件をさらに緩和できる方向で取り組んでいると話しており、Modernaワクチンの要件に近づく可能性がある。

加えて、PfizerとBioNTechのワクチンは2回接種することになっているが、1回の接種で最大85%の効果があるというイスラエルの研究者による調査結果があり、これは世界の接種プログラムにとって大きな前進だ。新しい保管温度要件は、配車サービスやオンデマンド配達を展開する潜在プレイヤーの参加に扉を開く。ここには、バイデン政権に協力を申し出たAmazonワクチン教育プログラムでModernaと提携したUberのような巨大ネットワークも含まれる。

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また、大規模対応能力がない、あるいは超低温のコールドチェーンストレージのための特殊装置がないロジスティックやケアデリバリー分野のさまざまなスタートアップや零細企業にも参加の扉を開く。アシストする方法を模索しながらも必要なハードウェアや効率的に行うための専門性を持たない業者にとって、テクニカルな問題が参入を阻んでいた。

カテゴリー:バイオテック
タグ:PfizerBioNTech新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:Dogukan Keskinkilic / Anadolu Agency / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

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