ユーザーを維持するのは人とのつながり、瞑想にソーシャル要素を加えるChorus

瞑想アプリのChorus(コーラス)は2020年3月16日にオンライン体験をローンチした。このタイミングは、運が良かったともいえる。それは奇しくも、地元カリフォルニア州で、7つの自治体の保健所が共同で屋内退避命令を出したのと同じ日だった。

数え切れないほどの他の企業と同様に、2020年は同社の計画どおりにはいかなかった。しかし、同社のサイトは、「体験的」ハイブリッドな対面クラスを完全にバーチャルなインターフェイスに転換するために奔走した。最終的にはそれがかえって良い結果を生んだかもしれない。

もちろん昨今、瞑想アプリの選択肢には事欠かない。CalmとHeadspaceがリストのトップに位置するが、ユーザーたちは、テクノロジーが直接の原因となっているストレスの一部を軽減するために(皮肉なことに)テクノロジーに注目しており、マインドフルネスのカテゴリーは非常に人気があることが証明されている。

しかし、瞑想は難しい。それを始めるのは難しいし、維持するのも難しい。アプリによっては、そのプロセスで他よりもうまくユーザーをガイドしてくれるものもあるが、それでも孤独な体験のように感じることが多い。これは人々が、効果を実感する前に習慣を投げ出してしまう原因の1つだ。

Chorusは初期の対面イベントですでに成功を収めていた。共同設立者兼CEOのAli Abramovitz(アリ・アブラモヴィッツ)氏はTechCrunchにこう語った。「最も没入感のある最初の体験を提供してくれるので、ほとんどのユーザーにとってはこれが第一歩でなくてはと考えていました。サンフランシスコで対面ポップアップを実施しました」。

同社はまた、約100万ドル(約1億円)のプレシードラウンドを調達することに成功した。さらに最近では、Y Combinatorの2021年冬バッチのスタートアップの一部として追加の出資を受けている。

公式アプリは近日発表の予定だ。今のところ、体験のサインアップはウェブポータルを通しており、実際のクラスはZoomを介してライブで行われ、オンデマンド視聴のためにアーカイブされている。これは多くのジムやパーソナルトレーナーがパンデミックの間に利用しているセットアップに似ている。最も洗練されたものではないが、アブラモヴィッツ氏によると、Chorusのユーザー数は現在「数千人」に達しており、実際の数字は明らかにしていないが、主に口コミによるものだという。

月額40ドル(約4200円)の料金を支払う数百人のユーザーのうち、約3分の2が「非常に熱心に参加している」と分類されており、これは平均して1日おきにクラスに参加していることを意味する(対して、約1050円でドロップイン参加もできる)。同社のサービスは、人気のある曲をベースにした呼吸法で人々を惹きつけ、他の多くの瞑想アプリと比べより共同の体験を提供することで、ユーザーの関心を保っている。

「当社が解決しようとしている問題には、2つの部分があります」とアブラモヴィッツ氏はいう。「もともと私たちは、特に瞑想が難しいと感じている人たちのために、新しい瞑想体験をデザインしていると考えていました。顧客がクラスの後に居残って語り合う姿を見た後、私たちが学んだことは、人々をまた戻って来させるものは、自分自身や他の人とつながるための新しい方法だということです」。

同社の体験は、対面式のクラスで得られる体験をバーチャルにしたもので、つまり、クラスの後に仲間の参加者と交流できるようになっている。社会的に孤立した時代にあって、ユーザーがこのような体験に特に興味を持つ理由は明らかだ。

パンデミック後の世界でこの体験がどのようなものになるかについては、同社は今後もユーザーのニーズに合わせて適応していく予定だという。

「当社は基本的に体験を提供する会社です」とアブラモヴィッツ氏は語る。「私たちは、従来の瞑想は取っつきにくいと感じていた人々のための瞑想体験の会社です。それが当社のコアです。当社はプラットフォームやチャネルを問わず、私たちのコミュニティにとって最高の体験を提供していきます。今はアプリがそれです。将来的にはコミュニティのために、VRのようなハードウェアデバイスを導入したり、Pelotonのような戦略的なスタジオになるかもしれません。しかし、今はデジタル体験に集中しています」。

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カテゴリー:ヘルステック
タグ:Chorus瞑想資金調達

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

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