米国時間3月2日、Microsoft(マイクロソフト)はAzureのAIサービスをエッジで活用するハードウェアとソフトウェアの新しいプラットフォーム、Azure Perceptを発表した。Perceptは、デバイスを管理しAIモデルを作るためのMicrosoftのAzureクラウドツールと、同社のデバイスパートナーが製作するハードウェアを組み合わせるプラットフォームだ。物体の検出、異常の検出、棚の分析、キーワードスポッティングなどをエッジで実行するためのAIをあらゆる業種の企業が簡単に構築し実装できるようにすることを目指し、そのためにAIモデルの構築から互換性のあるハードウェアへのデプロイまでのエンド・ツー・エンドのソリューションを提供する。
スタートに弾みをつけるために、MicrosoftはビジョンのユースケースのためのインテリジェントカメラであるAzure Percept Visionのハードウェア開発キットも同日に発表した。このキットにはエッジでモデルを実行するハードウェア対応のAIモジュールが搭載されているが、クラウドにも接続される。開発キットは広く使われている80/20 Tスロットフレームアーキテクチャに対応しているので、ユーザーは現場での概念実証を実施することもできる。
Percept Visionの他、オーディオのユースケースのためのAzure Percept Audioも発表された。
Microsoftのエッジ&プラットフォームグループ担当コーポレートバイスプレジデントであるRoanne Sones(ロアンヌ・ソーンズ)氏は「我々はよく使われる2種類のAIワークロードである、ビジョンとボイス、サイトとサウンドから始め、メーカーが我々の取り組みの基本を把握できるように計画を明らかにしました。しかしメーカーは実際に利用されるパターンに対応するあらゆるフォームファクターを考案できます」と述べた。
Perceptの利用者はAzureのコグニティブサービスと機械学習モデルを利用でき、Perceptデバイスは自動でAzureのIoTハブに接続される。
Microsoftによれば、半導体や装置のメーカーと連携して「Azure Perceptプラットフォーム上での動作を認証したインテリジェントなエッジデバイス」のエコシステムを構築しているという。今後数カ月の間にMicrosoftはこのプログラムに関わる他社製デバイスを認証する計画で、利用者が概念実証を実施し簡単に認証済みデバイスにデプロイできるようにすることが理想だ。
MicrosoftのAzureエッジ&プラットフォームグループのプロダクトマネージャーであるChrista St. Pierre(クリスタ・サン・ピエール)氏は「この開発キットのいずれかを使ってプロトタイプを作れば、認証済みデバイスを購入した場合に追加の作業は不要です」と述べた。
さらにサン・ピエール氏は、このプラットフォームのコンポーネントはすべてMicrosoftの「責任あるAI」の原則に従い、広範囲にわたるセキュリティのテストに合格する必要があると言及した。
カテゴリー:ハードウェア
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画像クレジット:Microsoft
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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)