捨てることも含めたコンテンツSEOに必要な戦略とその考え方


Content is king

という言葉そのものはSEOにおいて定着したが、正しい理解がなされているとは言い難いと思う。

「Content is King にまつわる誤解と真実という住太陽氏の記事にいかにこの言葉が誤解されているか?について詳しく書かれているが、私もほぼ同感である。

私なりにこの記事の内容を踏まえて、それ以外に色々思うところもあってこんな記事を書いてみる次第なのだ。

コンテンツには戦略がなくてはならない

これが私の言いたいことである。

戦略とは目的を達成するための、大枠での考え方だ。
戦争での勝利には戦略と戦術の2つのレベルがある。

個々の戦闘で勝つための方策を戦術という。

これに対して戦略とは戦争に勝つために、どのような方面に戦力を集中してどこを取りにいくか?
といった高い視点から考えることである。

戦術は現場指揮官が考え、戦略とは国家指導者レベルが考えるものだ。

コンテンツは戦略であるというのは、

1.コンテンツはビジネスの中でどのような位置づけであるのか?

を明確にし、

2.どのようなユーザーを集めたいのか?

を定めて、

3.集めたユーザーをどのようにコンバージョンにつなげるのか?

これを見定めて構築することを指している。
コンテンツを作ってもまったくコンバージョンが取れない、という失敗の多くはこの戦略がない。もしくは戦略が根本から間違っているのが原因だと私は考えている。

それでは1から順番に考察してみよう。

1.このコンテンツはビジネスの中でどのような位置づけであるのか?

ここがあいまいなサイトが多い。
根本が間違えると全て間違える。

売上を取りたいのか、企業や商品の知名度を高めたいのか、ユーザーからの信頼を得たいのか・・・

といった目的を定めることが最も重要である。目的は一つである必要はないが、明確に説明できる必要がある。

企業では何かを購入するときには稟議がたいてい必要なはずである。
稟議を通すには、決裁者が金を出すに値すると考える理由が要る。

コンテンツもそれと一緒だ。
コンテンツを作ることは、金を出すことと同義である。
もし、1つのコンテンツを作るために2時間かけるならば、少なくとも2時間分の時給分プラスアルファの金をかけるに足る理由が必要だ。

プラスアルファの額は大きい。
給与を払う以上の見返りがあるから、その人を雇っているのである。
給料分ピッタリしか稼いでいない人しかいなかったら会社は倒産する。

また、時給の他に家賃とか光熱費、諸経費といった様々な会社を運営するための経費も一人一人にかかっている。

時給が2000円の社員であれば、1時間の価値は4000円以上になろう。
2時間を要したならば8000円以上をコンテンツに投資したこととほぼ同義である。

これだけの金額を漫然とコンテンツ作成に投下するからWebサイトは失敗するのだ。

「日常業務が忙しくて、コンテンツ作成に手が回らない」

という言葉はよく聞かれるが当たり前だ。

日常業務とは給与以上の価値を会社にもたらすことがほぼ確実なビジネスである。

ところが、これに対して目的が明確でないコンテンツ作成は、ほぼ確実に赤字になるビジネスである。
日常業務を優先するのは合理的な判断だから、コンテンツ作成を行わないのである。

日常業務に優先する目的がない限り普通はコンテンツ作成は行われないし、行われるべきではないと私は考えている。
コンテンツ作成によるメリットは、効果が不明確であるがその投資に見合うリターンが見込めなければならない。

サイコロを振った時に、4以上が出れば1万円もらえるとする。
このサイコロを振るのに、4千円が必要であっても払ったほうが得である。
逆に6千円必要なら損である。

コンテンツを作って得られるかもしれない利益と、日常業務の重要度を上記のサイコロの例のように比較してやるべきなのか?を考えねばならない。

その結果、コンテンツを作るメリットが低いと判断したならば、いさぎよくやらないといった判断をすべきで、何でもかんでもコンテンツを作りさえすればいいってものではない。

※誤解しないために書いておくのだがコンテンツ作成は大きなメリットを、恒久的にサイトにもたらすものであることを最後に書き添えておく。

2.どのようなユーザーを集めたいのか?

サイトにユーザーを呼ぶだけでは目的を達成することは出来ない。
これは住氏の言うコンテンツとセリング(商品紹介)の関係から考えるとわかりやすい。
(セリングはコンテンツではないということ)

広告をどの雑誌に載せるか?

自動車の広告を載せるならば、自動車の雑誌に載せるとか、RV車であればアウトドアライフの雑誌に載せるといった考慮をするはずだ。

どの雑誌を選ぶかは死活的に広告効果に影響するので、誰でも厳しく厳しく吟味する。

かつ、雑誌の内容と広告で訴求する内容は連動しなくてはならない。

アウトドアライフの雑誌に自動車の広告を載せるならば、
「自動車のエンジン性能がこんなに優れている」といった切り口では駄目で、
「こんなに積める」「こんなに便利」「悪路を走れる」
といった訴求になってくるだろう。

ところが、自分でWebサイトでコンテンツを作る場合は雑誌の記事に相当する部分は自由裁量に任されているのに、広告とまったく連携していなかったり、訴求すべき内容とずれていることが多い。
被リンクを集める、バズを狙うといった明確な目的があればいい。それもなく、ずれがあったら無駄である。

3.集めたユーザーをどのようにコンバージョンにつなげるのか?

セリングのページにランディングしたユーザーは、コンバージョンにつながる可能性が高い。
しかし、コンテンツページにランディングしたユーザーは基本的には商品そのものに興味がない。

しかし、コンテンツに投資をする以上は、購入に結び付けなければならない。

2.のように個々のコンテンツに連動した訴求が必要である。
また、1回だけ見てもらうだけではなく、ソーシャルメディアやメルマガなどと組み合わせユーザーとの接触の質・量を高める。
リマーケティングなどと連携させLPと組み合わせてコンバージョンを取る。

といった様々な方策が考えられ、全て自由裁量に任されている。


非常にコンテンツ戦略は考えるべきことが多岐に渡り、簡単なものではないということが言いたかったのである。

最後に書いておきたいのだが、私はSEOにおいて必ずしも充実したコンテンツが必要だとは考えていない。
最低限、充実したセリングのページを作ることだけでもSEOは成り立つ。

充実したページを作ることによって、テキスト量が増えキーワードの掛け合わせが増える。
想定しないような2語、3語、4語・・・といったキーワードの組み合わせで検索結果に露出する可能性が増える。

そんなキーワードは競合がほとんどいない。
だから、コンテンツページを作るメリットが低いと考えたのであれば、セリングページだけを充実させる戦略はあり得るし、費用対効果を考えれば悪くない。

生半可にコンテンツに経営資源を投入するぐらいであれば、コンテンツSEOを捨てるって戦略もよい選択であろう。

Googleの考えるオリジナルコンテンツ・低品質コンテンツの定義とは


オリジナルのコンテンツを作っているのになぜ、

価値のない質の低いコンテンツ

この警告が来た理由は何なのか?

Google ウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムにこんな質問があった。

コンテンツそのものは独自であって、他のサイトからコピーしたものではない。
それにもかかわらず何故Googleはこのようなペナルティを与えたのか?
という質問である。

このようなコンテンツに対してペナルティを課したことは、

  • オリジナルコンテンツとは何であるか?
  • 低品質なコンテンツとは何であるか?

という問いに対して、Googleはどう考えているのか?を端的に表現する、いわば非常に貴重なケーススタディだと思うのだ。

SEO界隈や、アフィリエイターの中で一般的にオリジナルコンテンツとは、他のサイトに同一の文章が存在しないコンテンツと解釈されていることが多い。

しかし、この解釈は間違いということなのだ。
この質問者は、ペナルティの原因はアフィリエイトタグを貼ったことだと思っていたらしいが、そんなことはまず関係ない。

関係ないと言い切るのは語弊があるので、一言この問題についての私の見解を述べておく。
私がもしGoogleのアルコリズムを作る側だったら、アフィリエイトタグがコンテンツ領域に貼られているサイトは、スパムSEOを行っている可能性が他よりは高いと考えるだろう。

企業の公式Webサイトなどと異なり、ブランドイメージを損うことをアフィリエイターは普通あまり気にしない。
また、最悪ペナルティを受けてもサイトを廃棄すればいいので、ペナルティを受ける危険性を承知でブラック、もしくはグレーなSEO施策を行う場合も多い。
アフィリエイトサイトだからということで、ただちにペナルティにすることは絶対にないがそのためやや厳しく判断する。

同じようにブラックな施策をした場合に、アフィリエイトタグが貼られているサイトはペナルティになって、そうでないサイトの場合はペナルティにならないということもあっても不思議ではないと思うのだ。

さて、横道にそれたので元に戻ろう。

今回のペナルティはアフィリエイトタグを貼ったことが原因ではない(少なくとも主要因ではない)。
結局のところ、Googleの言うようにコンテンツが低品質であったためだ。
このコンテンツは、全部オリジナルの文章でありリライトでもないのに低品質に分類される。
その理由は簡単だ。

役に立たないから

である。
GoogleMAPとストリートビューを見れば得ることができる以上の情報がない。
ほぼ何も書いていないに等しいのである。
このようなサイトばかりが施設の名称で検索して上位に表示されたら、ユーザーにとっては大変困ったことになる。
Googleはこのようなサイトを検索上位から排除せねばならないのだ。

さて、いささか乱暴であるのだがこの1例からどのような普遍的な原則を導くことができるのか?について考察してみたい。

1.検索キーワードについてのみ当てはまる文章を書く
2.よそのサイトから容易に得られない情報を書く
3.検索ニーズと合致しなければならない

この3つを満たすコンテンツを作るべきというのが結論だと私は考えている。

1.検索キーワードについてのみ当てはまる文章を書くことについて

タイトルだけを変えて、当該施設と同じビルに入っている別の施設や隣のビルの施設について記述していたとしても、このコンテンツがほぼそのままで成り立つ。
その施設だけに当てはまる情報ではないのである。

2.よそのサイトから容易に得られない情報を書くことについて

よそのサイトから容易に得られる情報は基本的に不要だ。
というかむしろ邪魔である。
1次情報を加工しただけの2次情報は検索結果のゴミを増やすだけで、検索ユーザーから見たら貴重な1次情報を埋もれさせる害しかない。

もし、作るのであればそこに何かオリジナルの考察や、調査、独自の視点が必要になる。
結局はそういったものは自分自身で創りだすものなので、1次情報であると言える。

1次情報がないページは検索ユーザーにとって害であると思って欲しいのである。

3.検索ニーズと合致しなければならないことについて

検索ユーザーが知りたいことがまったく書いていないページに価値はない。
例えば、「タラバガニ レシピ」と検索した時に、「タラバガニのレシピ」ってタイトルでヒットしたページを見たとしよう。

ページにはタラバガニのレシピをを作ったのに「カニ食べるの面倒」って言った自分の夫の話が延々と書いてあったとする。

これはいくらオリジナルであったとしても、検索ニーズにはまったく合致しない。


最後にまとめてみよう。
コンテンツはオリジナルであるだけで品質がいいわけではなく、その上で検索ニーズに合致し、よそにない情報を得ることができなければならない。
そのようなコンテンツが検索エンジンに評価され、そうでなければ、検索ユーザーの役に立たない低品質なコンテンツであるということなのだ。

人工的被リンクによる上位表示対策が確実に死ぬ理由


当ブログでは人工的リンクは、遅かれ早かれGoogleから見破られてしまうためお勧めできないと何度も書いてきている。
しかし、いまだにSEOといえば人工リンクであるという考え方も根強く残っている。

人工的リンクはこれだけのリンクを貼ったことによって、これだけ順位が上がったという因果関係が比較的明確であるのがその理由であろう。

「コンテンツSEOって実際は成果が出るかわからないし、空疎な建前に過ぎない」

という意見も多く聞かれる。
しかしながら、コンテンツSEOによる内部施策についても成果を計測することは可能であり、実際に成果を出すことは可能だ。

参考:コンテンツSEOの成果を定量的に評価する方法

被リンクのつきにくい分野においても、内部施策のみによって成果を出すことは可能だ。
だから人工的被リンクを使うべきではない。

最終的に人工的被リンクは死ぬ

からである。

何故死ぬと断言できるのか?
これが今回のテーマだ。

矛盾するようなのだが、Googleが人工的被リンクを完全に見分けられるようになる日は永遠に来ないはずである。
それでも人工的リンクは死ぬ。

リンクから得られる利益とリンクを作るためのコスト

この上のグラフは

  • 有効な人工的被リンクを作るために必要な平均コスト
  • 有効な1本のリンクから得られる平均利益

を時系列に沿ってグラフ化したものである。
リンクを作るためのコストが上がっていくと、赤い矢印に示した時点でコストが利益を上回ってしまうことを示している。
理論的にはコストをかければ人工的な被リンクであっても、有効なリンクを作れるし有効であり続ける。
しかし、コストが利益を上回った時点において人工的リンクはビジネスとして成立しなくなる。

つまりこの赤矢印のポイントが人工的被リンクが事実上死ぬ地点なのだ。

有効な被リンクを作るためのコストは日々上昇している。
これまでは以下のような被リンクでよかった。

  1. 様々な文章を選んで並べ替えただけのコンテンツを自動生成し
  2. 大量のアンカーリンクを埋め込み
  3. 上位表示させたいページに直接
  4. 上位表示させたい特定の文字列のアンカーテキストを貼る

ところが、

  1. 自動生成系のコンテンツは無効になりつつあり
  2. 大量のアンカーリンクの埋め込みは無効になり
  3. 上位表示させたいページに直接貼るのではなくクッションページを設ける必要が生じ
  4. アンカーテキストの偏りは危険になった

1~4は全て被リンクのコストの上昇につながっている。
特に重要なのが、1.である。

自動でクローリングし、アルコリズムで自動判定するGoogleに対して、人力で立ち向かわなければならないのだ。
だから人工リンクを作る側は様々な対抗策を講じている。

クラウドソーシングや日本語のできる東南アジア人を使って、手作りで記事を作るようにすることでコスト低減の努力を行っている。
普通に作ると1記事にかかっていたコストが500円だったものが、100円で作れば5分の1だ。

このような努力によってコストの低減をはかり、オレンジ色の線を低くするのである。

これによって完全な人工リンクを作れるか?
というとそれはそうでもない。

Googleのリンクグラフの解析能力は日々向上している。

深く解析すればするほど人工リンクは見破られる。
しかし、リンクグラフをより深く解析するためには、コンピューターの演算パワーが必要になる。
演算パワーの進歩はムーアの法則によれば、18ヶ月毎に2倍になると言われている。実際に、1970年代から今日に至るまでこのように進歩が続いている。
2022年頃になると頭打ちになりムーアの法則が成り立たなくなるという予測もあるが、少なくともその頃までは演算パワーの進歩が続くだろうし、それ以降も伸びは鈍化するかも知れないがまた伸びることは間違いない。
ひょっとしたら量子コンピュータの実用化といた技術的なブレイクスルーが起こって、飛躍的に処理能力が伸びる可能性もある。

もし、記事コストを努力や工夫によって5分の1にしたとしても、それは一時しのぎにすぎないのである。

演算パワーが18ヶ月おきに2倍になってしまったら、18ヶ月×3の月数の後には8倍の伸びとなっており、人間の努力や工夫では補えなくなる。

演算パワーによるリンクグラフの解析力が人工リンクを見破る全てではないが、リンクグラフの解析だけではなくその他技術も演算パワーによって進歩する。
演算パワーは指数関数的に増えるのに、人力でできることはたかだか知れている。
18ヶ月毎に倍々ゲームで増える演算パワーに最後まで人力で対抗し続けるのは無理だ。

コンピューター将棋が生まれた時、ほとんどのアマチェアに勝てなかった。
当時、コンピュータが将棋でプロを破ることは無理であるか、はるか遠い未来の出来事であると思われていたものだ。
しかし徐々に進歩して、現在トップレベルのプロ棋士を実力で破るところまでやってきた。
(ちなみに将棋はアマチェアとプロの実力差が非常に大きい競技として知られている。市の大会で優勝するぐらいの腕前でも、プロに1万回挑んでも1回も勝てないってレベルである)

コンピューターの将棋は徐々に世の中における順位を上げていき、人間を圧倒していった。
そして、ついにほぼ全ての人間を倒すに至ったのである。
これもひとえにコンピュータの演算パワーの進歩が最大の原因である。

人工リンクにおいてもこれと同じことが起こっている。

当初は雑な人工リンクすら見分けることが出来なかったため、多くの人工リンク販売業者の跋扈を許してきた。
しかし、現在ではそれよりもマシなリンクを作っても見破られるようになり、かなりの数の人工リンク販売業者は業態転換を余儀なくされている。

今でも人工リンクっぽくないリンクを販売する業者は残っているが、徐々に生き残りが難しくなってきている。
多くの人工リンク販売業者は倒されたのだ。

そうして近い将来完全にコストに見合わなくなって、人工リンクを行うありとあらゆる者は倒されるのである。

アフィリエイトは何故嫌われてしまうのか?


私自身はアフィリエイトを否定するものでは決してない。
むしろSEOを勉強する過程において、アフィリエイトを学ぶことから得られる実践的な知見は大きい。
だからむしろ推奨したいと考えているのである。
SEOだけでは、そこからコンバージョンに至る大部分の過程を学ぶことができない。ところが、アフィリエイトをやることで自分でなんらビジネスを所有していなくても、コンバージョンに至るかなりの過程を実践で学べる。だから、アフィリエイトそのものを推奨したいのだ。

さて、今回の話は、私がアフィリエイトを嫌っているのではなく、

何故世間の人々の多くがアフィリエイトを嫌ってしまうのか?

ということを論じているというわけであるので、誤解のないようあらかじめ申し上げておきたい。

さて、アフィリエイトにはこのような大きなメリットがある。

  • 広告主
    コンバージョンが発生して初めて費用を支払うことができるため、広告の費用対効果が明確である。
  • アフィリエイター
    自分で在庫負担などの金銭的な負担なしで、様々な商品やサービスを売って(紹介して)利益を得られる。

さて、少々話は外れるのだが、近江商人の話をしてみたい。
商才に優れていたと言われる近江(滋賀県)出身の商売人は近江商人と呼ばれた。
成功した近江商人はがめつく商売をすることを嫌い、真っ正直に商売をすることで消費者から信頼を得て成功したと言われている。

近江商人は様々な商売哲学を残したが、その中で最も有名な哲学を体現した言葉が

「三方良し」

である。

・売り手
・買い手
・商売に関わる社会の人々

が全て満足する商売が良い商売であるというのである。
私もこの考え方に賛成である。
これを正しいビジネスのありかたと私は定義している。

アフィリエイトは広告主・アフィリエイター共にリスクの少ないビジネス、販促手法である。
アフィリエイトはWinWinのビジネスモデルであると言われるゆえんだ。

しかし、広告主・アフィリエイターともに売り手側である。

買い手、およびそれに関わる社会の人々にとってもよいのか?

と考えてみるとどうだろう?

まず買い手にとってのメリットとは何か?
消費者自身が気がついていなかった商品やサービスに対する発見を与えることである。

知らないモノを知ったことによって購入の選択肢が増えた。
あるいは、あるモノを買うつもりだったのだが、それとは別のモノの長所を知ったことでよりよい選択をすることができた。
といった場合だ。

商品を提供する売り手自身が気がついていない、消費者視点からみたメリットの紹介。
様々なメーカーを横断した比較といった切り口。

これらはアフィリエイターなればこそできる切り口と言えるだろう。
価格.comなども広告収入で成り立っているわけで、アフィリエイトとも言える。この種のアフィリエイトビジネスは消費者の利益の著しい向上につながっている。

最後にそれに関わる社会の人々についてどう影響があるか?

様々な影響があるが、サーバー業者といった産業の売上が増えたりするといった周辺産業への波及効果があるであろう。

さて、こう書くとアフィリエイトには何も批判される理由はないように見える。
しかし、実際のところアフィリエイトのメリットの本質は、

売り手とアフィリエイターがWinWinであることである。
そこに消費者やその他の人々に対する利益という観点が考慮されていないことが多いのだ。
一言で言うと売る側の都合だけしか考えられず、結果として誰かに害をなすということである。

その結果こういうことがおきる。

1.公平性が考慮されない

アフィリエイトで何かの比較サイトを作る場合を考えてみよう。
商品A、B、Cがあったとして、実際はAが最も価格が安く品質も良かったとする。
その次に良いのがBで、Cは値段も高く品質も悪いとする。

ところが、商品Aにはアフィリエイト広告がなく、Bには広告があるものの広告単価が低い、Cは広告単価が高いとする。

こんな場合、多くのアフィリエイターはCを最も高い評価を与え、Bは相対的に低く評価し、Aは紹介しない。
本来は消費者に対してはAを紹介するべきなのだが、アフィリエイトというビジネスの構造上そういうことにはなりにくい。

消費者の判断を歪める原因になりやすいのである。

2.ステルスマーケティングの温床になりやすい

アフィリエイターの目的は自分が広告するものを買ってもらうことである。
なるべく不利な情報は書きたくない。
まあ、それだけならいい。
嘘八百が並ぶことが多い。

そもそも、ほとんどのアフィリエイターは商品についての知識など一切持ち合わせずに適当に書いている。
数万円もするようなものをいちいち買って評価するなんてことは普通はやれない。
数万円どころの話ではなく、数百円のものだって買うことは稀だろう。

知識を持たずに、売りたいがためにデタラメ、嘘八百の誇大広告を書いた記事は有害以外の何ものでもない。

この手の記事が増えると、逆に売り手にとっても悪い影響が出る時がある。

あまりにもあからさまなステルスマーケティングの記事が増えると、企業姿勢を疑われる可能性が出てくる。
一般消費者はアフィリエイトというビジネスモデルを知らない。
企業が組織ぐるみでステルスマーケティングをやっているって思われたりもする。

だからブランドイメージを大切にする企業はアフィリエイト広告という販促手法を取らないことが多い。

売り手にとっても、買い手にとってもこの種のステルスマーケティングは嫌われるのだ。

3.二次情報が氾濫する

前述のとおり、多くのアフィリエイターは自分でその商品なりサービスなりを実際に使ってみることなく、誰かが書いた情報を元にリライトしたり甚だしきはそのまま丸写ししてコンテンツを作る。
これは何ら新たな価値をネットの中にもたらしていない。
それのみならず膨大な二次情報を生み出すことで、本来必要な一次情報を埋もれさせてしまう。

何かについて調べた時に、アフィリエイトサイトばかりが検索結果に表示された場合のガッカリ感はかなりなものである。
何故そんなにがっかりするのか?
それは、

「そこに自分が欲しいナマの情報があると思えない」
「どうせ似たようなことしか書いていない」

と思えるからである。

4.詐欺が多い

特に情報商材である。
情報商材のアフィリエイトは単価が高いため、かなりメジャーなアフィリエイトの分野の一つであるが、インチキな情報が氾濫している。
このインチキな情報をまき散らしているのがアフィリエイトだ。
アフィリエイトがもし存在しなければ、大多数の人はその種の詐欺的な情報商材を目にすることはないだろう。

またアフィリエイト自体が情報商材のネタとして使われていて、

「何もしなくても、毎日5万円入金される驚異のアフィリエイト」

みたいないかがわしいキャッチコピーで流布している。
見るからに怪しい。この手のキャッチコピーにひっかかるまともな人はまずいない。
ギャンブルのような射幸心をあおる詐欺、それがアフィリエイトであるという図式が多くの人の頭にある。

また、この種の詐欺はアフィリエイターが被害者になる。
射幸心を煽る悪のアフィリエイターが、情報弱者のアフィリエイターをカモにするのだ。
カモにしようという気持ちが溢れまくっているので、アフィリエイトイコールいかがわしいというイメージになるのだ。

5.楽をして稼げるという誤解がある

「何もしなくても、毎日5万円入金される驚異のアフィリエイト」
といったこの手のフレーズがいまだになくならないのは、それがある一定確率で信用されているからだ。
いくらこんなフレーズで引っ掛けようにも引っかかる人がいるというのは、それを信じる人がいるからである。

人は他人が羨ましい生き物だ。
毎日働いていても大して給料をもらえるわけでもない。
それ故に、働きもせずにいい暮らしができるなんてけしからん(実際は羨ましい気持ちの裏返し)!

という気持ちを持っている人がいるわけだ。
実際のところ、アフィリエイトって何もせずに稼げるわけでもないので誤解なのだが、その種の誤解を生み出す表現を日々アフィリエイターが生み出しているのでいつまでたってもなくならない。

6.スパムの温床である

アフィリエイターの多くは、手間をかけずに儲けたいと考えている。
また、ブランドイメージを損なうなんてことを考える必要がない。
だから、スパムに走ることが多い。

検索エンジンスパムは、検索ユーザーの利便性を損なう。
人工リンクを中心としたSEOをゴリゴリやるこで、上位に表示させようとするウェブマスターが多くなると検索エンジンは機能しなくなる。
この検索エンジンの機能不全に大きく一役かっているのがアフィリエイトだ。

上位表示させるためには手段を選ばない。
最悪ペナルティを食らっても、ドメイン移転すればいいやぁみたいな戦略は企業は取り得ない。
企業と異なりいくらでも検索結果を汚染するようなサイトを作ることができる。

またメルマガアフィリエイトみたいなものは、スパムメールの温床になる。
スパムメールはインターネットのトラフィックの多くを占めており、ネットワークの負荷の大きな原因になっている。

7.社会通念上許容しがたい商材を扱う

出会い系などはこの最たるものだ。
「女子高生と出会える」みたいなこんな半社会的な広告を作ったりするのはアフィリエイターである。
いくら出会い系サイトを運営していたとしても、業者自身はそのような広告を作ったりはできないから(本音のところは売上が取れれば万々歳)事実上アフィリエイターを黙認する。


アフィリエイトが嫌われてしまう原因を書いてきた。

私は色々書いてきたが、アフィリエイト自体が悪だと言うつもりはまったくない。
アフィリエイトというビジネスは消費者を軽視しがちになりやすい性質を持っているってことを論じてみただけである。

実際に自分が扱う商品なりサービスをきちんと研究して、分析をし独自の視点からユニークな記事を書いているアフィリエイターも多い。
それは結局のところ消費者の利益にもつながり支持を得られるし、最終的にはそれで稼いでいるアフィリエイターもいる。

消費者視点でのコンテンツを作るアフィリエイターが増えて欲しい。アフィリエイターの社会的認知は向上するだろう。
元々の売る側が気が付かなかった視点での記事を作ることは誰にとってもプラスになる、三方良しのビジネスであるはずなのだ。

さて、最後に付け加えておくと、世の中キレイ事じゃないってそんなことぐらい私だってわかっている。でも、

「キレイ事じゃないんだよ!」

って居直るってことは悪だと思われることを肯定していることに他ならないと思うのだ。
嫌われるのが嫌である、あるいは誤解であると思うならば、消費者の視点からアフィリエイトのビジネスを展開して欲しいと切に願う次第である。

ブラックハットSEOは修羅の道を選択する困難な戦略である


ブラックハットSEOは苦しい戦略である。

大規模サイトを数多く手がけていることで有名なSEOコンサルタントの辻正浩氏は、

実験を続けてアルゴリズムを追いかけるのは修羅の道である

という内容を講演で述べていた。

参照:CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(Part.4)

ブラックハットSEOというのはまさしく修羅の道である。
SEOが専門ではない人にとっては、この辻氏の発言からブラックハットSEOが修羅の道である命題を導く意味がわからないと思う。
だから今回はこの意味を述べてみたいと考えた次第である。

まず

修羅の道とは何か?

であるが、修羅道とは仏教の用語で、争い続ける苦しみが絶えない世界であると言われる。
修羅の道を往く(行く)と言えば、常に戦い続ける非常に苦しい道を選択することを指す。

アルゴリズムを追いかけることは、苦しい戦いを続けることを意味している。
では誰と戦うのか?

それはGoogleとである。


こうすれば検索順位が上がるという法則を
実験や観察から導いて
それを自サイトに適用する

これがアルコリズムを追うSEOだ。
誰でもできることではない。

この要因が検索順位に影響するであろうという仮説を立て、
膨大なURL、キーワードを日々追跡し、
仮説を検証し検索順位の推移からから法則を導く。

そこから法則が導けることもある。
しかし、これは生半可な戦いではない。
今日通用した法則が明日も通用するとは限らない。

Googleは年間に数百のアルコリズムの改変を行っているという。
それだけの変更が行われているのだ。
だから、多大な労力を費やして得た知識はいずれ役に立たなくなるのだ。

私の友人の話であるが、彼はSEO会社でアルコリズムを研究しており、得た知識をノートにまとめていたそうだ。
久しぶりに前にまとめたノートを見てみたら、その中に書かれていた手法のほとんどは現在役に立たなくなっていたという。

アルコリズムの変化とはそんなものであり、現在の知識で一時も安住することはできない。
常に新しい実験による仮説の検証、法則化が必要となる。
これが辻氏の言う修羅の道だ。

ブラックハットSEOとは、検索エンジンのアルゴリズムの欠陥を突いて上位表示させるSEOの手法を指す。
アルコリズムの欠陥を突くというのは、アルゴリズムの隙間を探し出してそれを利用することだ。

常に隙間は塞がれていく。
だから新しい隙間を見つけ出さねばならない。

また、欠陥を突くという行為に対してGoogleは冷酷である。
Googleは欠陥を突こうとするものに対して、ペナルティという罰を与える。
この罰は天の神が地上の者に下す雷(いかずち)に等しい破壊力を持っている。

一度ペナルティという雷を受けたWebサイトは、検索エンジンからのトラフィックを絶たれ事実上死ぬ。

ブラックハットSEOは神ともいえるGoogleからの怒りを受ける恐怖と背中合わせに、アルコリズムの隙間を突き続ける絶え間ない戦いなのである。
修羅の道そのものなのだ。
SEO業者、インハウスSEO、専業アフィリエイター・・・、この修羅の道には果てしない数の屍が転がっている。

いつ路上の屍と成り果てるかわからない。それが修羅の道。

では、

この道を往くのが嫌ならば、Googleに従わなければならないのか?
この道を放棄することは、Googleに敗北することなのか?

答えは否である

Googleに従う必要などない。
Googleなんか本当は無視してもいい。

Googleと戦おうとするから修羅の道を往かねばならないのである。
戦おうとするものは常に相手を考えなければならない。

戦うのではなく忘れてしまえばいいのだ。

Googleを一旦忘れて、どんなサイトがユーザーにとって良いサイトなのか?
それだけを考えて作ってみれば良い。

  • 誰もが納得するクオリティの品質の記事
  • わかりやすく明快なユーザーインターフェース
  • 論理的に正しいマークアップ

これを目指せばよい。
少しずつこれらの観点からサイトをブラッシュアップして行くのだ。
Googleのためではない、あなたのサイトの情報を必要とするユーザーのためである。

Googleっていうのは、特殊ではあるがユーザーであることには変わりない。
ユーザーのために作ればその過程においてGoogleから自然に評価されるのである。

Googleという特定の1ユーザーを欺いて評価されようと考えるからSEOは困難な道になる。
誰に対しても良いサイトを目指すことは、手間こそかかるが楽で平和な道である。

私は倫理的な意味においてブラックハットSEOを断罪するつもりはないのだが、それは困難な手法だからやめておくべきだと言いたいのである。

コンテンツSEOの成果を定量的に評価する方法


私のスタンスは繰り返しにはなるが、

ブラックハットSEOを倫理的な意味で非難するつもりはない。
実利を考えるならホワイトハットSEOを行うことをお勧めする。

というものである。
とはいえ、

「力なき正義は無能である」

という言葉もある。
ホワイトハットSEOが正義だと言うつもりはさらさらないが、私は倫理としてのホワイトハットSEOが嫌いで偽善以外の何ものでもないと思っている。

やるからには成果を出さねばならない。

私は近年コンテンツSEOを中核技術において、成果を出すためかなりの試行錯誤を行ってきた。
最初は成果が出るケースと成果が出ないケースがあり、どうして成果が出るのか?出ないのか?が今ひとつはっきりしなかった。
成功の再現性が今ひとつだったのであるが、昨今ではかなり安定して成果を出せるようになってきた。

ホワイトハットで実利を取ることは可能だ。
そして、ガイドラインに抵触しないためいきなり飛ぶといった不安要素がないため、ホワイトハットSEOをお勧めしたいわけだ。

こう書くと、成果が出ないケースもあるってことは、ホワイトハットにも独自のノウハウが必要なのではないか?
と思われそうだが、そんなものは実はいらない。
今までこのブログに書いてきたことばかりである。ただ愚直にやったら成果がでるということがわかったのである。

ただし、一点難しい点がある。
コンテンツを作るための経営的資源(資金、人員)は限られているため、優先順位をどこに置くかが非常に重要だ。
またもし仮にいくら経営的資源が無限にあったとしても、SEOから得られる利益を超えて資源を投下することはできない。常に経営的資源は有限である。

コンテンツSEOがうまくいかない理由は、

  • 資源の投下が足りない(これが一番多い)
  • 自サイトに集客すべきユーザーとコンテンツがずれている
  • 優先順位の付け方が間違っている(資源の投下量が充分すぎるほどであっても赤字になったり、利益がほとんど得られないこともある)

このいずれかが大きな理由であると私は考えている。この3つが適正であり、最低限のSEOの考慮がなされていれば成果は出る

さて、私は「成果」という言葉を使ったが、それではホワイトハットSEOにおける「成果」とは何であろうか?
ホワイトハットSEOについて様々に語られているにもかかわらず、ホワイトハットSEOの成果とは一体何かについて詳しく述べられているのあまり見たことがない。
なので、私はこう考えているということを書いておきたいのだ。ということでやっとここからが本題だ。

SEOの評価基準は2つある。

  1. ファインダビリティ
  2. コンバージョン

この2つであり、これはブラックハットSEOであろうが、ホワイトハットSEOであろうが全く一緒だ。
ファインダビリティとはSEOにおいては、検索エンジン経由でどれだけ自サイトが発見されやすくなっているか?という意味である。

特にブラックハットSEOにおいては検索順位ばかりがクローズアップされるが、ビッグキーワードにおける検索順位はファインダビリティに非常に大きく影響するから重要なのだ。月間検索回数100,000回のキーワードでの1位表示は、検索回数100回の1位表示に比べて単純計算で1,000倍の価値がある。

SEOの第一目的はファインダビリティを高めることである。
だから、自然検索経由でどれだけアクセスを増やすことができたのか?
を測れば成果を比較的容易に測定できる。

コンテンツSEOの成果であれば、新しく作成したコンテンツをランディングページとするアクセス数をAnalyticsで測るのは容易だ。
そのコンテンツが存在しなければ得られなかったアクセス数である。これは確実に成果と言っていい。

もう一つがコンバージョンである。
結局のところWebサイトに集客するのはコンバージョンを取るのが最終的な目的だろう。
であるならば、コンバージョンを測らなければならない。

同じく新しく作成したコンテンツをランディングページとするコンバージョンをAnalyticsで測ればよい。
ただし、コンテンツSEOの評価を直接コンバージョンのみで評価すると判断を誤る。
アシストコンバージョンを必ず含めなければならない。

ページの種類には2つがあり、

  • コンバージョンを取るページ
  • アクセスを取るページ(コンテンツ)

がある。
コンテンツSEOで集められるユーザーは、ほとんどがすぐにはコンバージョンにつながらない性質を持っている。
だから、直接のコンバージョン数で評価するとほとんど効果がないということになってしまう。
しかし、もっとコンバージョンに至るスパンを長くとって見てみると面白いことに気がつく。

初めてサイトに来訪したのはコンテンツSEOのために作ったページであったとしても、数十日後にコンバージョンしているというケースが多く見られるのだ。
ユーザーとの初めての接点を作ったのがコンテンツSEOであったということである。

アシストコンバージョンを得るのが、コンテンツSEOの最終的な目的と言っても言い過ぎではない。
直接のコンバージョンと、アシストコンバージョンを測定して初めてコンテンツSEOの真の成果を評価することができるのだ。

SEOする前に考えるべき3つのこと


新年早々初めてのブログのテーマは

SEOする前に考えるべきこと

である。

こんなことを書いているのも、私自身がSEOそのもの対して興味があまりなくなってきていたりするせいもあるかもしれない。
SEOって結局のところビジネスの目的を達成するための一手法にしか過ぎない。
ビジネスを高い地点から俯瞰して、目的に到達する方法を色々考えることの方が楽しいと思えるようになってきたからだろう。

大切なことはビジネスの目的を達成することで、その方法の選択は各自に委ねられている。

SEOは目的を達成するための重要な選択肢ではあるが唯一無二ではない。

手っ取り早くコンバージョンを取りたいならLP+リスティングがいいし、露出を増やしたいならSEOだけでなくいかにして口コミを巻き起こすか?に知恵を絞った方がいいかもしれない。
そもそも、SEO以前に集客できたとしてもコンバージョン絶対しないだろうってサイトもあり、集客以前にボトルネックを解消しなくてはならない。

私が最近見た事例では、テレビCMなどに大量に販促予算を使っているにも関わらず、問い合わせフォームの入力が難しすぎた会社がある。
問い合わせフォームを改善しただけで、数ヶ月分のコンバージョンをわずか1週間で稼いでしまったということもある。

まずはSEOに取り組む前に、自分のサイトは何のためにSEOをするのか?
今のサイトは集客してコンバージョンする見込みがあるのか?をよく考えるべきだろう。

さて、今回は私なりにSEO以前に考えるべきことをまとめてみた。
これらをサイトの企画の時点、リニューアルの時点、SEOを行う前に考えて欲しいのである。どちらかというと戦略寄りの話しである。

1.サイトでPRしたいことは誰にとってメリットがあるのか?

実はここが最も重要だ。
いくら露出しても、誰のためにもならないサービスも存在する。
サイトの企画そのものがどう考えても失敗ってケースが多い。

ネットでそれを買いたい、その情報を知りたい人がいるのか?

そんな対象者が存在しないというケースが多い。

私はかつて様々なネット系のサービスの立ち上げに参画したり、その手のベンチャー企業に対しての投資の適格性を判断したりしてきた。
最初はその手のサービスを見聞きすると、心がときめいたりしたものだが、そのうちだんだんうんざりするようになったものだ。

「これはニーズがある。だからやりたい。だから出資して下さい。」

いい加減聞き飽きたわ。って感じである。

「じゃああなたはそれを自分の財布から金を出して買いたいと思う?」

って聞くと、

「いや、私は思いませんが、これを買う人はいるはずです。」

最もその商品なりサービスを知っているはずの人すら買わないものを、見ず知らずの誰が買うものですか?
である。

自分の生活と無関係のBtoB系のサービスだったとしたら、そのサービスを利用する対象者に聞いてみて、

「それ、あったら今すぐ買うわ」

って誰か答えただろうか?
ネットでは面と向かって説明するよりもはるかにメッセージは伝わらない。
面と向かって説明しても買うっていう人がいないサービスに利用価値は全くないのだ。

これは全く新しいサービスだけに限らない。
今まで世の中に普通にある商品やサービスについてもあてはまる。

なんの特徴もないティッシュペーパーを、値段も普通だったら誰が買うか?
と、考えてみればわかる。
こんな例だったらすぐ判断できるのに、いざ自分が普段売っているものだったりすると、思い込みがあるせいで、

「ネットでも売れるに違いない」

と思いがちである。
自分だったら買うか?を考えたほうがよい。

2.自分のサイトでなくてはならない理由があるか?

ティッシュペーパーであってもとても値段が安いとか、使い終わった箱を集めると何か面白いものが作れるといった「何か」価値があれば、ネットで売る意味が出てくる。
そして重要なこと、サイト内に、

「何か」

がきちんとアピールできているか?
が重要なのだ。
これがアピールできていないサイトにはほとんど会社パンフレット以上の意味はない。

あれもできます、これもできます、あれ売ってます、これ売ってます・・・

って書いてあるだけのサイトから何かを買ったり、問い合わせをすることはまずない。
このサイトでなくてはならない理由、それがきちんとアピールできているか?

「アピールすることがない」

と思っている人も多いかもしれない。
ならば、あなたの会社で売っているものはネットの世界において競争力が全くないのである。

独自のサービスを付け加える、今まで誰も考えなかった、ネットの中では好まれる、

といった「何か」が必要である。
抽象論を書いていてもしかたがないので、一つだけ例を挙げておこうと思う。

釣り船の一俊丸はまれに見る成功例だろう。
専門職だと考えられてきた釣り船の船頭さんを、サービス業に転換して大成功した例だ。
釣り船といった昔からあり、かつネットとの親和性が低そうな業種であっても工夫次第ではやれるということだ。

一つ考重要なことがある。

思い切りである。
この釣り船の例だが、禁煙にするといった変革を行ったそうだ。
それによって今までの固定客は全く来なくなったらしい。
今までの成功事例を頭の中から消し去る勇気が必要である。できないのであれば、ネットで商売するのは無理かもしれない。

下請けの工場に対して、

「5%コストダウンしろ、しないと別の会社から買うぞ」

と命じると、それまで散々コストダウンを行ってきた工場だともうコストダウンの余地がなく、ギブアップせざるを得ないことがある。
これとは逆に、

「30%コストダウンしろ、しないと別の会社から買うぞ」

と命じられると、30%のコストダウンは今までのやり方の延長上では不可能なので、根本からやり方を最高せざるを得ない。
やり方を根本から見なおすことで達成できたりする。

こんな無茶な要求の善悪はともかく、このような発想の転換が必要なのである。

3.コンバージョンを阻害する要因はないか?

1.2.がきちんとできているサイトであれば、サイトに集客することができれば、多分コンバージョンが得られるであろう。
しかし、阻害要因があれば話は別である。

記事の冒頭で述べたように問い合わせフォームが駄目だったりというのは論外なのだが、そんなケースも多い。
しかし、そんな論外を除いて重要なことは個人情報を預けるにふさわしい信頼感を感じられるか?
そこが重要だ。

信頼感の欠如は重大な阻害要因である。

サイトの作りが素人っぽい場合であっても信頼感のある作りというものはある。

「そのサイトを運営している人が信用できると思えるか?」

である。
例えば旅館のご主人が一生懸命作ってますって感じのサイトであれば、デザインが素人臭くてもさほど問題にならない可能性が高い。
2.がきちんとアピールできていて、それを欲する人がサイトに来訪したのであればコンバージョンするであろう。

有名な会社以外は、運営者の人となりであったり、会社が確かに運営されていることを最低限示さねばならない。


ここに3つの考慮事項をまとめてみたが、この3つは最低限である。しかし、最低限すら満たしていないサイトが実に多い。
まずは、新年にこの観点から自サイトを見なおしてみるというのはいかがだろうか?

SEO担当者は誰に向かって仕事をしているのか


今日もSEOの技術とは全く関係がない話題である。

最近思うことがある。

悪だと言われまくっているSEO業者であっても、中で働いているSEO担当者は悪とは限らないということを言っておきたいのだ。
結局は誰を自分の主人だと考えて仕事をしているのか?
という問題である。

SEO業者に勤務している担当者には4つの主人が考えられる。

  1. 自分の担当するクライアント
  2. 検索エンジンそのもの
  3. 担当者自身
  4. SEO業者の経営者もしくは上司

今風の言葉で言うならば、
「誰得?」
っていう話だ。

1.自分の担当するクライアント

私は全てのビジネスマンは自分のクライアントの利益を再優先に考えるべきだと思う。

私が考える本来あるべき姿は1番目の自分の担当するクライアントだと思う。
これはクライアントの要望に無条件に従うだけではない。
クライアントの利益を再優先に考えるならば、クライアントよりも更に高い視点、広い視野から見る必要がある。
クライアントのためにならないことは、その理由を説明し、対案を提示して説得する義務を負うだろう。

「被リンクで手っ取り早く上げてくれ」

って言われたら、私がSEO業者の担当者ならクライアントの利益にかなわないことを説明する。
対案は常に持っておく必要がある。
内部改善?ロングテールSEO?PPC?
といった2の矢、3の矢を持って初めて説得力を持つだろう。

それらもコスト的、期間的に見合わないと判断した場合にのみ、出来る限りリスクを回避する方法で被リンクを貼るといった対応がベストだと私は考えている。
被リンクのリスクを出来る限り回避する方法はこちらを参照のこと

また実際のところ担当者はクライアントを第一に考えているかもしれないが、そうできないという事情も多々あったりする。
このあたりの事情は最後の4で書く。

2.検索エンジンそのもの

SEO業者の社内のR&D部門(Research&Development:研究開発)などに所属する人は、検索エンジンそのものだけを見ているといった場合もある。
しかしごく稀であり、大手のSEO業者であっても研究専門の人員を抱えていることはほぼない。

とは言え、検索エンジンだけをひたすら見ているといった担当者は存在してはいる。
こういう生き方っていうものは面白そうだと思うが、私自身はあまりSEOそのものにはそこまでの興味がない。
SEOってものはビジネスにおける一つのレイヤーにしか過ぎないっていうのが私の気持ちだ。

それで生きていけて、楽しいと感じるのであればそれはそれで自分の生き方であり、他人がとやかくいう筋合いではないだろう。
とは言え、SEOはビジネス全体からは言うに及ばず、Webの集客手法の一部にしか過ぎない。
生涯一つのスキルで食っていけるか?たいていの職業において微妙だが、SEOもその例外ではない。
SEOのスキルしかなかったらまったくつぶしがきかない。だから個人的な意見としてはSEOのみに執着することは避けたほうがいいと思う。

参考記事:SEOはいつ死ぬのか?

3.担当者自身

自分の美意識で仕事をする担当者である。
職人気質というか、自分の納得する仕事をすることが最も大切という価値観だ。
これはSEO業者に所属している場合でも、インハウスでSEOを担当している場合でも難しい。

会社は利潤を追求するために存在しているわけで、自分の美意識と利潤の折り合いをつけなければならない。
なので、このタイプの担当者はいずれ独立して価値観に共感してくれるクライアントの仕事だけを請け負うフリーのSEOエンジニアになるか、価値観を第一優先から外して普通のSEO担当者としてやっていくかのいずれかを選択せねばならない。

4.SEO業者の経営者もしくは上司

結局雇われている限り仕方がないっていう話だ。
私が一番書きたかったのはこの担当者のことである。

1~3を大切にしたいという価値観を持っていても、実際は会社員として雇われている限りはままならない。
誰から給料をもらっているか?
本来はクライアントからなのだが、しかし自分に給与を払ってくれるのは会社であり、人事権を持っているのは上役や経営者だ。

自分の良心と会社の命令をどこで折り合いをつけるか?という問題はサラリーマンにとって宿命的につきまとう。
どうやって折り合いをつけるか?なのだが、

  • 抱えている案件が少ないのであれば会社の命令に従いつつも、もっとクライアントに対し手厚くフォローする。
  • 自分で会社をコントロールする。

恐らくはこの2つしか選択肢はない。
そして、前者も後者も中小零細SEO業者しかとりえない選択肢だと思う。
特に評判が芳しくないのは大手SEO業者であり、そのような会社にいる限りはどちらも難しい。

大手だとクライアントに相対しているのはSEO担当者ではなくて営業担当者だし、組織全体を変えることも、組織のトップの考え方を変えようと試みることもほぼ無理だ。

そもそも、SEOというビジネスを大手がやろうとするならば、コンサルタントの手がかかるような営業形態はとりえない。

SEO業というビジネスモデルという記事で過去に書いたが、大手はどうしても人的コストの掛かるSEO施策は行い得ないのだ。

大手SEO業者に勤務している心あるSEO担当者は日々苦悩している。
その業者にいる限り出口のない顧客軽視のトンネルを彷徨う。

自分の力量と人脈に自信があれば独立してフリーのSEOエンジニアになるなり、大手Webサイトを運営する会社にインハウスSEO担当者として転職する道もある。

しかし、今まで怪しい被リンクの構築ばっかりやってきたのであれば、自分のスキルに自信も持てないだろう。
家族がいれば食わせなければならない。

とは言え、辞められないと信じこんで可能性を断つのは早計だ。

大体のサラリーマンは小さな杭でつながれた象のようなものだ。

象を最初に捕まえた時は、大きな木につないで逃げられないようにする。
これを繰り返すと、象はつながれている限り逃げられないものだと思うようになる。
小さな杭につながれているだけなのに逃げなくなるのだ。

自分をつないでいたのはこんなちっぽけな杭に過ぎなかったのか?

と気がつけば、逃げられる、あるいは逃げる準備をすることができる。

もし、自分の良心と現在の仕事の折り合いがつかないのであれば、自分は小さな杭につながれた象なのではないか?
と一度考えてみて欲しいのである。

競合サイトのSEOの状況を詳細に分析する方法(難解なのでコンサルタント・SEO担当者向け)


今回のテーマは競合サイトがどのようなキーワードで集客しているかを調査する手法である。
私はこうやっていますっていうだけではあるが、この手の情報が出回っているのを全く見たことはないので参考になる方もいらっしゃると思う。
わりと難解でかつ面倒、そしてGRCを持っていないとできないため、一般のWebマスターには無縁の内容である。
難解で面倒でもやってみたいと考え、かつGRCを持っている(あるいはこれから買ってもいいと思う)人のみが対象となる記事だ。
それ以外の人は時間の無駄なので、直帰することをお勧めする。

さて、

競合サイトのSEO分析で難しいのが
「どのようなキーワードで集客しているか」

である。

SEOというものは結局のところ、

キーワードを介してWebサイトに
ユーザーを集めるマーケティング活動のことである

従って、SEOの観点からサイトを分析するためにはどのようなキーワードから集客しているかを把握しなければならない。
しかし、自サイトであれば完全ではないもののWebマスターツールやAnalyticsから把握が可能だが、競合のWebサイトがどのようなキーワードから集客しているかを知ることは非常に難しい。
どのキーワードで集客しているかを分析しない限りは、SEOの観点からの分析としては不十分であり意味をなさない。

ビッグキーワードでの上位表示の技術の有無がこれまでであればSEOにおける競合分析であった。
既存のSEO系の分析ツールはだいたいそんな感じである。

しかし、SEOの主戦場はロングテールキーワードに移りつつあり、ビッグキーワードを含めた様々なキーワードでどれだけ集客できているか?
といったはるかに難しい分析が必要になってきている。
既存のツールではまず対応できない。

さて、前置きが長くなった。
その手法である。当然ながらあくまで完全なものではないが、ある程度は役に立つはずである。
当サイトを解析の例としてやってみることにしよう。

1.Yahoo!検索で100件表示で
  ページの一覧を取得する

site:minnano-seo.com

※あくまでもYahoo!検索で、100件表示でなければならない。
ページ送りをして全ての検索結果のページのURLを取得する。

  • 検索結果1ページ目(1位~100位)

    http://search.yahoo.co.jp/search?p=site%3Aminnano-seo.com&search.x=1&fr=top_ga1_sa&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&aq=&oq=

  • 検索結果2ページ目(101位~200位)

    http://search.yahoo.co.jp/search?p=site%3Aminnano-seo.com&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&pstart=1&fr=top_ga1_sa&b=101

  • 検索結果3ページ目(201位~300位)

    http://search.yahoo.co.jp/search?p=site%3Aminnano-seo.com&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&pstart=1&fr=top_ga1_sa&b=301

  • 検索結果4ページ目(301位~400位)

    http://search.yahoo.co.jp/search?p=site%3Aminnano-seo.com&tid=top_ga1_sa&ei=UTF-8&pstart=1&fr=top_ga1_sa&b=401

といったように、検索結果の全ページのURLを取得してメモ帳などに貼り付けておく。
(最後の順位を表す数字の部分だけを変えても可)

2.取得したURLを
  キーワードプランナーにかける

キーワードプランナーでYahoo!検索のURLを解析した結果
※クリックすると拡大します

ダウンロードボタンを押し、CSVファイルを取得する。
この操作を1.で取得したURLを全て行う。

3.CSVファイルを全て足しあわせて
  一つのCSVファイルにする

出来上がったファイルがこれだ。
全部を1つのCSVにまとめたもの

4.重複キーワードを省く

重複キーワードの省き方は私だったらExcelを使って、

1)キーワードで並べ替える

2)ダブりチェック用の列を作り(ここではB列とする)、A列がキーワードだとしたら
B2にこんな関数を入れてやる。
=if(a2=a1,”ダブリ”,”OK”)
その後、これを下までコピーしてやる。
すると、ダブっているキーワードはダブリと表示されるので、これをオートフィルタをかけて削除する。
※その際に、再計算が自動になっていると1行消されるたびにワークシート全体再計算がかかってしまうため、いつまでたっても終わらないかも知れない。
なので念のため、再計算は手動にしておく。

5.ビッグキーワードを取り出す

Googleのキーワードプランナーは良いのだが、ビッグキーワードを見出しにくい欠点がある。
2語の複合キーワードを分割して1語を見出してやる必要がある。

A列がキーワードだとしたら
C列にこんな関数を入れてやる。
=LEFT(A2,SEARCH(” “,A2)-1)
D列には
=MID(A2,SEARCH(” “,A2)+1,99)

こうすることでスペースで区切られた前後のキーワードを分離することができる。
これで取り出したE列とF列をExcelに貼ってやり、4と同様にダブリを消す。

本当は3語のパターンもこれと同様に処理してやるのだが、今回は面倒なので省略する。

6.キーワードプランナーで取得できなかった
  複合キーワードを見出す

キーワードプランナーは万能ではない。
しかし、幾つかの操作を加えてやることで、隙間を埋める事が可能になる。
これはその操作である。

4.と5.で取得したキーワードをキーワードプランナーの、
「キーワードのリストを組み合わせて新しいキーワード候補を取得」
を行い、掛け合わせパターンを作る。

私は使い勝手がいいのでAdWords Editorを使って、キーワード候補を見出している。
キーワード候補
※クリックすると拡大します

サイトテーマと無関係のキーワードが多く見出されるが、これを目視で省いてもよいのだがその必要は基本的にはない。
例)「求人 転職」「無料 アプリ」「中国 ブログ」

7.CSVファイルを全て足しあわせて
  一つのCSVファイルにする

4.5.6.で取り出したキーワードを全て足し合わせる。
足し合わせるとこんな感じ

8.キーワードプランナーで全キーワードの検索数を取得する

これが実に面倒くさいことにキーワードプランナーでは検索数は一度に800キーワードまでしか取得させてくれない。
(まあ、リスティングで使うためのツールだから仕方ない・・・)
検索数を取得する処理
※クリックすると拡大します

この画面から必要な回数だけ処理を行い、何度もダウンロードして、CSVファイルを足し合わせる必要がある。

出来上がったファイルがこれだ。

検索数取得済

9.GRCに投入できるようにデータを整えGRCにかける

GRC投入データ

こんな感じに整えたら、GRCにかけてブン回してやる。

どんなビッグキーワードで上位表示しているのか?
どんなページがランクインしているのか?
想定外の集客がされているキーワードは何か?

といったことがかなり事細かにわかる。

完成したものはこちらである。

最後まで読んでいただくとほとんどがExcel上の作業であることがわかるだろう。
とは言えExcelである必要はなく、文字列の処理ができるプログラミング言語を使って処理しても全く構わない。
(実際はプログラミングで自動化したほうがいいと思う)

この手法の最重要ポイントは大量のキーワードデータを処理することにある。
データによるアプローチがこれからのSEOにとっては最重要であると私は考えているのである。


ウェブマスターツールやAnalyticsで得られるデータと照合してみるとわかるが、この方法はそれほど精度が高く出るわけではない。
実際にこの方法でも取りこぼす重要キーワードが数多くあるし、Yahoo!検索の結果は1000件までしか表示されないので、そういった制約もある。
またあまり大規模なサイトに対しては適応させるのは難しい。
※大規模なサイトに適用する場合は、クローラーを作ってtitle、meta keywords、meta description、hnを取得し形態素解析で単語を抜き出すといった処理が必要になってくる。

もっと精度を上げるなら、更にもうちょっと工夫と手間が必要になる。
特に手間は重要で、手間をかければどんどん精度は挙げられる。

しかし、基本的な考え方はこんな感じであり、他サイトを直接見る方法はないため、現状において非常に有力な手法であると考えている。

SEO世界を根底から揺るがす新アルコリズムを勝手に予想してみる


今回のテーマであるが、Googleにこれから導入されると私が思うアルコリズムを予想してみた。
まあ、あくまでも予想だが案外実現する可能性は低くはないという気はしている。

1.アフィリエイトタグを元に
 同一のWebマスターのサイトを紐付けるようになる

現時点でも技術的には実装は可能だろうが、冤罪が発生する可能性が大変高いためあえて実装していない、あるいは実験中かもしれない。

アフィリエイトタグを手がかりにして同一管理者のWebサイトを特定する。
あるサイトがペナルティを受けた場合に、ネガティブ評価の一つのシグナルとして使う。
このことだけで他のサイトがいきなりペナルティを受けるというわけではなく、他のネガティブな要素と組み合わさったらペナルティが発動するといった使い方になるだろう。

なぜ冤罪が発生するのかというと、例えば、
他人のブログのコメント欄や掲示板にアフィリエイトタグを貼る。
無料ブログなどでは自分が貼っていないアフィリエイトタグが自動的に貼られる。
といったことが起こるからだ。
でもこのような問題があるが、技術的にはクリアできそうな感じもするし、ペナルティ発動の小さなシグナルとして使うのであれば問題なさそうな気がする。

2.まとめの自動作成

現在NAVERまとめといったキュレーション系のサービスが大流行である。
確かにこれらのサービスは便利である。
その大きな原因は検索エンジンの機能がまだ足りないことにある。

現在の検索エンジンは一つのページを探すという目的のために作られている。
しかし、これでは用が足りないことが多い。

日本近海で採れるカニの種類を調べたいとする。

このような調べ事をしたい場合は、検索エンジン単体ではまったくもって無理である。
そのような知識をまとめたページを検索エンジンを使って探すことになる。

このようなことをネットで調べたいといったケースは大変多いため、NAVERまとめといったサービスには需要がある。

また現在の検索エンジンで最も不便だと思う点の改善にもつながる。
検索上位は同じような情報のページが占めてしまい、必要な情報が探せないことがある。
もし、類似情報を全て一つにまとめてくれれば、ページを数多く送って探す必要がなくなるかもしれない。

私のイメージとしてはこんなインターフェースである。
「日本近海で採れるカニ」
と検索すると、

日本近海で採れる蟹のSERPsから未来の検索を占う

こんな感じで表示される。むちゃくちゃ便利じゃないだろうか?
目的の情報へのアクセスのしやすさからいずれはこのようなまとめをGoogleが自動的につくるようになるのではないか?

と私は思ったりしている。
実際に現在でも下記のようなカルーセルと呼ばれる検索結果が導入されているので、まとめ機能をGoogleが実装する日は遠くないと思う。

「高倉健が出演した映画」と検索すると、こんな検索結果が出現する。

高倉健が出演した映画
※クリックすると拡大します。

3.範囲指定の導入

例えばショッピングといった分野では金額から検索することができる。
「液晶テレビ」とショッピング検索すれば、価格で絞り込むことができる。

これがもっと拡大されるのではないか?
と私は思っている。
現時点においては、ウェブマスターがタグ付けすることによってGoogleは金額などを見出している。
しかし、いずれはそんなことをせずとも文脈解析・図形認識などによって、

「この数字は横幅だろう」
「これは製品の色だろう」

といったことがいずれは自動的にわかるようになると思う。
そうすると、自分は木目調の家具で部屋をコーディネートしていたとする。
そんな場合に隙間に入る丁度いいサイズの木目調の家具とかを探せるようになる。

現在はこのようなインターフェースはECサイトなどにもないので、一気にGoogleはECサイトの実装すべき機能を先取りして実装しちゃうかもしれない。
そんな気がちょっとしている。

4.ランキング表示機能

「日本の高い山 順番」

と検索すると、富士山、北岳、奥穂高岳・・・といったように順番に表示されるって機能はできそうな気がする。

「日本 高い山」

と検索すると、検索2位に注目いただきたい。

なんとなくそんな感じである。
これを拡張したら多分イケるだろう。

5.文章のオリジナリティを解析する

私は今日のブログでは実はこれが一番書きたかったことである。
現時点においてコンテンツの価値を計る重要な要素は今でもリンクである。

リンクは比較的容易にスパマーから操作されてしまう欠点がある。
しかし、リンクを評価から外すことはあり得ない。Google登場前のスパムサイトのオンパレードの検索結果に逆戻りするだろう。
リンクに替わる評価基準はないだろうか?

私は一つあると思っている。
リンクを評価基準から外すのではなく、別の大きな評価基準を作るのである。

それは、一次情報がどれだけ存在するか?

である。
AはBである。
という関連性をコンテンツを解析して大量に抜き出す。
その関係性が初めて記述されたページをオリジナルとして認識して、一次情報とする。
このアルコリズムを実現することは非常に難しいが、原理的には不可能ではない。

現在の検索エンジンは基本的には共起語の有無によってしかコンテンツの内容の良否を判断できない。
ところがこのアルコリズムの導入によって、コンテンツの内容の正否と一次情報が判別できるようになる。

「タラバガニキャンディー」はタラバガニのキチン質の甲羅を使って作られた、新時代の健康志向のキャンディーである。
という文章が、田村製菓という小さい町の洋菓子店のホームページにあったとする。

タラバガニキャンディーはキャンディーだ。
タラバガニキャンディーはタラバガニによって作られている。
タラバガニキャンディーはキチン質が含まれる。
タラバガニキャンディーは健康に役立つ。

ますは田村製菓のホームページから上記のような関連性を見い出す。
この時点ではまだ評価としては未定だ。
正しいか?どれだけ評価すべきかわからないからだ。タラバガニキャンディーなるものは存在しないかもしれない。

その後それが楽天などに掲載された場合や、アフィリエイターや、はたまたテレビで取り上げられて様々に引用されたとする。
すると、上記のような関連性が様々なページ上に掲載される。
それによって、上記の関連性は正しいものとしてGoogleに認識されて、田村製菓のページの情報が一次情報として評価される。

こんなアルコリズムである。
ページのオーソリティが高い二次情報の方が上位表示されてしまったり、類似情報に一次情報が埋没してしまうことを防ぐことができる。

一次情報を加工した二次情報が氾濫しており、どれが正しい情報なのかさっぱりわからない状況が多々発生している。
私は少々二次情報の氾濫には以前からうんざりしているのだ。同意見の方もいらっしゃると思う。
真に貴重な一次情報を特定できるようになるのだ。

構文解析や、リアルタイムのインデックスといった非常に難易度が高いハードルがあるが、このアルコリズムが導入されればコンテンツの正当性を測る指標としてのリンクは価値を大きく減じるだろう。
SEOの常識を揺るがすアルゴリズム変更になるだろうが、みなさんはどう思われるだろうか?

今ペナルティでなくてもリンクの否認を行うため被リンクのチェックはすべきなのか?


まずは最も重要な問題について考察してみる。

人工リンクを行っていなくても
被リンクのチェックはすべきか?

これである。
近年被リンクのチェックを行う必要性が高まっている。

本来であれば、人為的な被リンクを自サイトに対して行ったためにペナルティを受け、これを回復するために行うのが被リンクのチェックの目的だ。
しかし、人為的な被リンクを貼ることによって、競合サイトの検索順位を下げることができることを、Googleは近年では暗に認めてしまっている。

もしあなたが〇〇な状態であれば、否認ツールを使いましょう
マニュアルアクションとられていなくても、おかしなリンクを発見したら否認ツールを使うべきですか?

Googleのアルコリズムについての広報を行っているマット・カッツ氏は、これらの記事に書かれているように、

「ネガティブSEOが自身のサイトに行われていると感じた時」
 もリンクの否認が有用であると述べている。

本来こんなことはWebマスターの仕事ではなく、Googleにやってもらいたいのだが現実を考えれば已むを得ない。

とは言え、リンクの否認を行うことを前提にリンクのチェックを行うべきサイトは決して多くはないと私は考えている。
では、どんなサイトがこれを行うべきか?私が考えるのは3つのケースである。

1.Webサイトからの集客の重要性が高いか?

業務を行うことは人件費が発生することだ。
一般論としては人件費の使い道として優先度は低いものの、Webサイトの重要性が高くなればなるほど重要になると考えなければならない。

重要なサイトであれば、1ヶ月に1回程度は見ても良いと思う。
特に競合が激しい分野、つまり検索キーワードが直接ビジネスに直結するような分野、例えば金融関連などでは重要である。
被リンクによるネガティブSEOなんてあり得ないと言い張っても、万が一ではあっても被害が出てからであれば遅い。

実際、この手のネガティブSEOが成功させることは難しいのであるが、ネガティブSEOを狙ってリンクを貼ること自体は容易である。
たいてい自動化されているため、数万というリンクを一度に貼ってもコストはたいしてかからない。
しかも、リンクは低品質であればあるほど低価格である。

低品質なリンクを数万、あるいは数十万も貼られれば、たいていのサイトは大丈夫とは言い切れない。
成功率は低いものの攻撃する側としては比較的低コストでできるから、こんな人の道に外れたことを誰もやらない保証はないのだ。

2.人為的な被リンクを行っていたことがあるか?

人為的な被リンクをこれまで行っていたら、サイトの状況は危険水域にあるかもしれないと思っていたほうがよい。
被リンクによるペナルティは、堤防と一緒である。
ある程度の水位までは耐える。
しかし、ある一定の水位を超えると一気に決壊する。

人為的な被リンクは今現在は確かに検索順位の上昇に貢献しているかもしれない。
しかし、確実に水位を上げている。
一番いいのは人為的な被リンクをやめることなのだが、やっているのであれば特に注意せねばならないだろう。
中古ドメインを使っているといったケースも同様だ。

3.スパムペナルティを受けたことがあるか?

このようなサイトはブラックリスト入りしていると考えたほうがよいと私は思う。
憶測にしか過ぎないのだが、私がもしGoogleだったら、かつてペナルティを与えたサイトについては特に警戒する。

会社の金を横領したという過去がある人物がいたら、収監されて処罰を受けて帰ってきたとしても私だったらお金を任せる仕事はさせない。
私だけではなくて、多くの人もそうだろう。

こういうふうに疑いの目で見られるわけで、恐らくはその人物は終生そう思われる。

Googleもこれと同じだろう。
永遠に猜疑心は消えることなく持ち続けると考えたほうがよいと思うのだ。


さて、上記の3つのケースを除きリンクの否認のために、被リンクのチェックをする必要はないと私は考えている。

最後に、どのようなリンクを否認しなければならないのかについて書いておこうと思う。
実際にGoogleから警告が来た場合は、疑わしきリンクは全て外すなり、否認するのが原則である。

しかし、上記のような場合はあくまで予防であり、危険水準に近づいた水位を下げることが目的である。
ナチュラルなリンクを残さねばならない。

誰が見ても確実にSEO目的のリンクだとわかるようなリンクをはずさない限り、水位を下げる効果は小さい。

手っ取り早く水位を大きく下げるためには、アンカーテキストに着眼するのがよいと考えている。
SEO目的の被リンクは、アンカーテキストにSEOしたい文字列が含まれるのが特徴だ。
だから、それに着眼すればよいのだ。

ウェブマスターツールにはどのページから、どのアンカーテキストでリンクされているかチェックする機能が残念ながらない。
ダウンロードしたURLについて、どのようなアンカーテキストでリンクされているかチェックするといったツールを作ることは、ちょっとプログラムを作れれば難しくはない。

こんなものを作って、重要キーワードに焦点を合わせてチェックすることが有効だ。
重要キーワードでの、低品質なページからのリンクを減らしてやれば、安全性はぐっと高まる。

これはお勧めである。

順位保証による成果報酬型SEO業者の金額設定


いまさら被リンクについて書くのも何なのだが、いまだに被リンクはSEO業者の飯のタネである。

SEO業者が書いているSEOブログの中に、

「Googleのガイドライン違反は危険なのでやめるべきです」

と書いておきながら、サービス案内には順位保証型のSEOが掲載されていたりなんかして、実に香ばしいっていうか・・・
人間には本音とタテマエがあって、本音は隠すことが多いのにここまでくると潔いっていうか、厚顔ぶりにシビれる。

ある程度SEOを知っているのであれば当たり前のことなのだがもし知らないのであれば、覚えておいて欲しい。

順位保証型SEOはGoogleのガイドライン違反なしに成立しない

のである。
順位をあげるために確実性のある方法は2つしかない。

  1. コンテンツを充実させる
  2. 人為的に被リンクを貼る

この2つしかなく、順位保証型のSEO業者が取りうる選択肢は後者のみである。

前者は、不可能ではないのだが不可能に近い。
コンテンツを充実させることで検索順位は上昇するが、ビッグキーワードで一般的な順位保証型のSEOの成果基準となる10位以内にまで達することは非常に難しい。
あまり上がらないこともある。
コンテンツを充実させると、ロングテールキーワードでの集客は取れるようになることは間違いないのだが、順位が上がるかどうかはやってみなければわからない。
しかもコンテンツの充実のためには多大なコストがかかる。

成果が出るか出ないかわからない施策のために、SEO業者自身がリスクを負ってコンテンツを投入することはできない。
また、SEO業者はあくまでSEO業者にしか過ぎないので、自分でコンテンツを作り出すことができない。
というわけでコンテンツを充実させるといった、順位上昇施策によって成果報酬を得る施策は現実的には不可能なのだ。

というわけで後者の人為的な被リンクを貼るという施策しか選択肢はない。
人為的な被リンクはGoogleのガイドライン違反であり、違反を冒さない順位保証型SEOっていうものは存在しないのだ。

「Googleのガイドライン違反は危険なのでやめるべきです」

と言いながら、順位保証型SEOを社業として行うことは矛盾以外の何ものでもない。
私は以前「SEO人のポジションとポジショントーク」という記事の中で、ブラックハットを倫理的に否定するつもりはないと書いた。
ブラックハットを否定するのではないが、この種のポジショントークは否定しなければならないと思っている。
これは明らかに騙しであり、騙そうとする対象は検索エンジンではなくクライアントであるからだ。

「ガイドライン違反はいけません。
でも当社の順位保証型SEO施策は違反ではありません。」

こんな嘘はある程度知識があれば一瞬で見破れる。
しかし、私が憤りを感じるのは正しい知識を持たない素人を騙そうとしていることがミエミエだからである。

熱く語ってしまったが、順位保証型SEOとはイコール人為的被リンクであるということがここまでのおさらいだ。

さて、それでは

順位保証型SEOの金額設定はどのような考え方で行われているのか?

これはSEO業者の立場に立って考えるとわかりやすい。

一見割安に見える料金設定も、業者の都合であることが多いことがわかるだろう。

大手業者であれば何も施策を行うことなく、順位が上がった時だけ成果報酬を取ろうとすることはない。
(順位保証型であれば、所定の順位に達すれば課金が発生するため、実際はほとんど何も施策をしないインチキ業者も存在する)
大手業者や良心的にやっている被リンク系の中小零細業者はボッタクる意図ではつもりはやっていない。

なのになぜ高いか?

その理由は

成功確率にかかっている

のである。

ビッグキーワードになればなるほど、課金金額が高くなるのもこれが理由だ。
いくら被リンクを貼ろうと何をしようと、ビッグキーワードになれば上位表示は難しい。

とにかく1サイトあたり月額30,000円もらいたいと考えたとする。
(これくらいの金額はSEO業者としては割りと普通の設定である感じ)
成果に関係ない固定課金だったら月額30,000円もらえばよい。

ところが、競合サイトとの兼ね合いによって上位に食い込める確率が変わってくる。

上位表示できる確率が5分の1ぐらいしかなさそうと推定したら、30,000円では受注できない。
この場合だと金額を単純計算すると5倍する必要があり、150,000円という金額が適正な金額になってくる。
(実際はこの計算は正しくはない。コインを投げて2回投げても表が100%出るとは限らないのと同じである)。

上位表示できる確率が10分の1であれば、10倍して300,000円が適切であろう。
順位保証による成果報酬型SEOは高く見えるのだが、このような理由で致し方がないのだ。

さて、最近(でもないか)、1キーワードではなく、3キーワードとか5キーワードとかでも上限金額が同じであることが多い。

1キーワード上位表示しても、150,000円だが、5キーワード全て上位表示した場合でも150,000円という設定。

このように割安な感じになる。一見するとお得な気がするがどうしてこうなるのだろうか?

1キーワードだけだと上位表示できる確率は5分の1というケースであれば、5キーワード設定することができれば単純計算で100%の上位表示確率になる。
(実際はいずれのキーワードでも上位表示しない確率は、0.8の5乗となり、32.768%の確率でどのキーワードも上位表示しない。どれかのキーワードが上位表示する確率は67.232%となる)

5キーワード施策しても手間が5倍になるわけではない

どのみち、キーワードは分散させなくてはいけないので、分散させるキーワードについても成果報酬対象キーワードにすればいいだけである。
例えば、「タラバガニ通販」というキーワードで上位表示させようとさせる場合でも、全てアンカーテキストを「タラバガニ通販」にしてしまうわけにはいかない。
全て同じアンカーテキストにしてしまうと、アンカーテキストが不自然にかたよるため順位が上がりにくくなったり、ペナルティになる危険性が著しく増えるからだ。
だから、アンカーテキストはバラけさせなければならない。
そのバラけさせる中に、

「タラバガニ激安」
「タラバガニお歳暮」
「カニ 訳あり」
「お歳暮 カニ 通販」

といった、成果対象キーワードを含めればアンカーテキストが分散して安全性が増す(安全性が増すってだけで、安全になるわけではない)。

なので、施策の手間はさほど増えず、成功率は上がるのでキーワードが増えると安くなったりするわけだ。

とはいっても、これは別にSEO業者がクライアントを騙しているわけではなく、それでクライアント側が納得するならばお互いの利害が一致したということであろう。
運が良ければ複数のキーワードで上位表示することもあるわけだし。

この料金設定は業者・クライアント双方にメリットがあるため、順位保証による成果報酬型SEOとしては最も合理的な料金設定であると思う。

でも、2つ気をつけてもらいたいと思うことがあるので最後に書いておこう。

1.どのキーワードであっても
  上位表示された場合は課金されてしまう

ビジネス的に有用性が低いキーワードでも課金されてしまう。
月間検索数が少ない競合の少ないキーワードが混ざっていると、そのキーワードだけ上位表示されて課金されるという嬉しくない事態が起こり得る。というか、こんなケースが普通に起こる。このリスクを納得した上で施策を依頼するか、全てのキーワードがビジネス的に費用対効果に見合うことを確認するべきである

2.ガイドライン違反なので
  当然ペナルティの危険がある

これは前述したとおり。
リスクを甘受することができるか?
ペナルティを受けた場合の対応策があり、ビジネスに与えるダメージを食い止める策があるのか?

当然ながら最も重要なポイントである。
私は基本的には人為的な被リンクはおすすめしないのだが、ビジネス的なデメリットを理解した上でこれをあえてやるという選択肢はあり得ると思っている。
しかし、デメリットは非常に大きいのでお勧めはあまりできないというのが私の考えではある。

コンバージョン達成プロセスの阻害要因を確認する9つのポイント


タイトルは釣りっぽいが釣りではない。

今回はSEOよりも基本的で、かつ重要な話である。
基本的なことなのに、意外にできていないサイトがとても多いためにこのような記事を書いてみたのである。

Webサイトの目的を達成するには、

  1. Webサイトへ集客する
  2. 目的となるページヘ誘導する
  3. コンバージョンする

といったおおまかに3つのステップが必要になる。
その中の一つのステップでも問題があれば、目的を達成できない。

一連のステップは一本の鎖のようなものだ。
鎖は一番弱いところの強度しかない。

一箇所が弱いと、他がいくら丈夫でも意味がない。
Webサイトもこれと同じだ。
例えば、いくら集客力のあるサイトであったとしても、問い合わせフォームが正常に動作しなければ全くコンバージョンは上がらない。

では、前述のステップに沿ってチェックすべきポイントをまとめてみよう。

1.Webサイトへ集客する

Webサイトへの主な集客チャネルとは何だろう?

  1. SEO
  2. リスティング
  3. ソーシャルメディア

他にも様々あるが、重要なのは大体はこの3つである。順番にポイントを列挙しよう。

  1. SEO
    1-1:検索結果ページに正常に表示されるか?

    サイト名、ブランド名といったキーワードで表示されることを確認する。
    これらのキーワードで検索結果に表示されなくなってしまっていたら、検索エンジンからの集客はほぼゼロだ。
    スパムを行っていなくても、このようなことはたまに起こりうる。

    1-2:検索結果をクリックして正常に自サイトに来られるか?

    来られないケースで多いのは、ウイルスチェッカーに引っかかってしまったケース。
    自サイトをクリックしたにもかかわらず、全く別のサイトに飛んでしまうケースがある。
    昨今このようにWebサイトをクラッキングされてしまうケースが激増しており、一般のWebマスターにとって無関係な出来事とは言えなくなった。
    私も自分の管理下のサイトで何度も痛い目を見ている。

    1-3:ネガティブな事象が起こっていないか?

    上記の2つが大丈夫でも、集客力が著しく低下しているケースがある。
    っていうか、集客力が著しく低下しているケースの大半が上記の2つが大丈夫な場合である。

    重要なサイトであれば最低でも週に1日程度は確認したい。
    ウェブマスターツールによる確認が最も簡便である。「表示回数」の折れ線グラフを確認すれば、検索結果への露出の増減が一目でわかる。
    これが激減していれば、緊急に手を打たねばならないことがわかる。

    スパムを行った結果ペナルティを受けた結果、突然ガツンと下がることは珍しくないのだが、スパムでなくても何らかの事象により大きく下がることはあるので注意しなくてはならないのだ。

  2. リスティング
    広告が表示されているか?

    リスティング業者に運用を丸投げしている場合は特に注意しなくてはならない。
    特に問題なのが少ない予算の会社で、業者はまともな運用をしていない場合が多い。
    月間の予算が30万円ぐらいしかなければ、手数料が金額の20%だと6万円にしかならないので、だいたい1日程度しか手間を割くことができない。
    予算が10万円であれば、2万円にしかならないので3時間程度しか割けない。
    小予算の外注ではきっちりとした運用を期待するのは無理がある(それでもちゃんとやっている会社もあるようだが)。

    本当は小予算であれば自社で運用すべきなのだろうが、それができないならば最低限広告が表示されていることは日々確認すべきだ。

    予算切れだけではなく、その気はなくてもガイドラインに抵触したり、抵触したと誤解されて広告が止まってしまうことがある。

    リスティングのアカウントが開示されない場合は、Analyticsを使って確認しておくべきだろう。

  3. ソーシャルメディア
    ソーシャルメディア運用の目的は定まっているか?

    曖昧であれば、運用の目的を定めるまで運用を停止した方がいいかもしれない。

    無目的にソーシャルメディアは運用してはいけない。
    労力というものは非常に貴重な資源である。漫然とソーシャルメディアに時間をつぎ込むのは罪悪であるといってよい。

  4. 2.目的となるページヘ誘導する

    2-1 スマートフォン、タブレットで見た場合に適切に見られるか?

    WordPressを使っていると、スマートフォンやタブレットからのアクセスだと自動的にデザインが変わる設定になっていることがよくある。
    その場合の見え方については確認をしておかないと、場合によっては問い合わせフォームへの導線が著しくわかりにくい、あるいは存在しない場合すらある。

    2-2 目的となるページはそもそも存在するのか?

    ECサイトだとコンバージョンは購入ということになるが、リスティングなどで集客した場合に、在庫切れになっているなどで実質的にページが存在しないといったケースもある。
    重要なアイテムがずっと在庫切れ表示になっているといったケースも散見されるので、注意せねばならない。

    3.コンバージョンする

    3-1 問い合わせフォームは正しく動作するか?

    問い合わせフォームが正しく動作しなければ、いくら集客してもまったく意味がない。

    3-2 問い合わせフォームに不要な入力項目はないか?

    入力項目が多くなると、コンバージョンは減ることが知られている。
    できる限り入力項目は減らすべきだ。

    私の経験であるが、入力の必須項目の選択肢でどれを選んでよいかわからず(適切な選択肢がなかった)、やむを得ず離脱したことがある。

この程度のことは最小限の確認事項であり、必須なのだができていないケースが多々ある。
もし確認していないのであれば確認することをお勧めしたい。

SEOで有利なポジションを獲るWebライティングの急所


SEOで有利になる書き方とは何か?

これが本日のテーマだ。

title、h1といったタグにはこのページの最重要テーマとなるキーワードを含める。
共起語を文章中に盛り込むといったテクニックは、一般的なSEOのノウハウとして語られることである。

しかし、今回はこういったタグや共起語の埋め込みといったSEOのテクニカルな手法ではなく、文章技術としてのSEOのライティング技術について書いてみたいと思う。

SEOにおいて現在ではコンテンツが最重要視されてきている。
しかし、コンテンツはどうあるべきか?
について書かれている記事はあるものの、コンテンツを生み出す最も重要な材料であるライティングと、SEOの関係について書かれた記事はあまり見たことがない。

ライティングとHTMLのコーディングは別のモノである。
ライティング側の人にとってSEOを考慮すべきポイントは何か?について書いたものがあれば、有用であろうと思ったのでこんな記事を書いてみたわけだ。

しかし、SEOとライティングは関係ないという意見もある。

関係ないという意見は「正しい」

矛盾するではないか?
と思われそうなのだが、矛盾はしない。

人間が読んで、品質が高いと感じるライティングはSEOで有利なポジションを獲ることを可能とする。
つまりSEOがあろうとあるまいと、品質の高いライティングを心がければいいということなのである。
しかし、品質の高いライティングとは何なのか?

共起語といったSEOの知識で説明ができないライティングの良し悪しの観点について考えてみる。

最も重要なことは

具体性の高い文章

を書くことである。

できる限り、文章の指し示す内容が具体的になるようにする。
代名詞、一般的な用語ではなく、できる限り特定の事物を指し示す言葉を用いる。

必要に応じて詳しく描写・説明する。
目の前で行われているかのように描写・専門家のように詳細に説明することができれば、内容についてはGoogleにも伝わる可能性が高いだろう。

タラバガニのWikipediaの説明を例に挙げてみる。

  1. タラバガニは日本近海などに住む肉食の生き物。
  2. タラバガニは日本海などの北太平洋だけではなく世界中にいる。
    日本の太平洋のかなり深い海でとれたという記録もある。
    肉食で様々な小動物を食べ、天敵は人間やタコなどがいる。
  3. タラバガニは日本海、オホーツク海、ベーリング海を含む北太平洋と北極海のアラスカ沿岸、ガラパゴス諸島、チリ、アルゼンチン付近に分布する。
    日本の太平洋沿岸では、駿河湾や徳島県沖の水深約850- 約1,100mの海域での捕獲も記録されている。
    食性は肉食で多毛類、貝類など様々な小動物を捕食する。一方、天敵としては、人間以外にもオオカミウオやミズダコなどがいる。

下に行くに従って具体的である。
1番めはほんのちょっと知っている。
2番めはまあ詳しい人ってレベル。
3番目の文章はほぼWikipediaの記述であるが、専門家レベルの記述である。

3番目の文章が人間から見ると明らかに最も価値が有ることがわかる。

SEOにおいても同様である。
それは2つの意味がある。

  • 専門用語が頻出することによって、Googleは専門性の高い文章であると認識する可能性が高まる
    人間もそのような判断をしている。あまり耳慣れない言葉が並んでいる文章は、専門的な内容が書かれていると思いやすい。
    検索エンジンも同じである。日常ではあまり使わない語彙が高頻度で出現するため、特筆すべき内容が記載されている認識されるかもしれない。

    そして、専門用語についてタラバガニに関係ありそうか?なさそうかをGoogleは認識している。

    専門用語であっても全く関係ない分野(例:熱交換器、玉頭位取り、円周率、霧氷、Python、デスメタル、クラッシャブルゾーン、形態素、フリック入力 等など・・・・・・などって書きすぎだわ)はGoogleはタラバガニに関係ないものとして、これらが多く出現しても、タラバガニの検索順位のための加点をしない可能性がある。
    これも人間の判断と一緒である。例に出てくる用語は何に関係する用語か知っていれば、

    「タラバガニに全く関係ないことばっかり書いてるわ」

    と判断がつくので、いくら専門用語が頻出したとしても無関係なものと判断することができる。
    これはコンピュータにもできる手法なのだ。

  • 様々な検索キーワードでの検索結果へ露出が増える

    タラバガニ日本海オホーツク海ベーリング海を含む北太平洋北極海アラスカ沿岸ガラパゴス諸島チリアルゼンチン付近に分布する。
    日本太平洋沿岸では、駿河湾徳島県沖水深約850- 約1,100mの

    海域
    での捕獲も記録されている。
    食性肉食多毛類貝類など様々な小動物捕食する。一方、天敵としては、人間以外にもオオカミウオミズダコなどがいる。

赤く示した部分が、専門性の高いと思われる用語。
これらは評価に影響するだけではなく、検索キーワードになりうる。

例えば、「タラバガニ 植生」「日本海 オホーツク海 分布」「多毛類 捕食」「徳島県沖 海域 捕獲」といったキーワードで検索されることもあり得る。

検索キーワードは、キーワードプランナーなどで検索回数が多いキーワードを狙うだけではない。

この手のニッチなキーワードに対して広く網を張ることも重要なのだ。 
詳しく専門的に書く、言い換えれば普段使わない用語を盛り込むことは、ロングテールキーワードを狙う王道の手法であるといえる。
これについては、キーワードを意識しないロングテールSEO手法に詳しく書いたので、ご覧いただけたらと思う。

専門的に詳しく書けば書くほど、検索への露出が増える意味でも有利になるのである。


記事の専門性を高めることはSEOがあろうがあるまいがやるべきことである。
それゆえに、SEOとライティングは関係ないとも言われる。

しかし、ライティングの質を高めることは結果的にSEOで有利なポジションを獲ることにもつながるのだ。

SEO人のポジションとポジショントーク


今回の記事はまったくSEOに役に立たないので、ノウハウを読みたい方は離脱することをおすすめするのである。

さて、私はこのブログでは極力特定の立場から離れ、これが正しいのではないか、と思う意見をそのまま書いているつもりである。

そのような目で見ると多くのSEO人は自分の立場、つまりポジションを擁護、あるいは正当化するための発言を多くしていることに気がつく。
このような発言をポジショントークと言うのだが、ブラックハットであっても、ホワイトハットであってもこの呪縛から逃れる事が難しい。

ブラックハットの人の方がポジショントークからの発言が多いと思われがちだが、ホワイトハットも例外ではない。
ホワイトハットがブラックハットを批判することもポジショントークかも知れないのだ。

私は基本的にこう思っている。

SEO人であるならばブラックハットを
倫理的な観点において批判することはほぼナンセンスである

「罪なき者まづ石を擲て」

新約聖書の中の有名な言葉だ。
口語訳を引用してみよう。

「先生、この女は姦淫の場でつかまえられました。
モーセは律法の中で、こういう女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか」
彼らが問い続けるので、イエスは身を起して彼らに言われた、
「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」
これを聞くと、彼らは年寄から始めて、ひとりびとり出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。

SEO人の中で、SEOスパムを行ったことがない人がどれだけいるだろうか?
ほとんどいないはずである。

※たまにはいるかもしれないがあまりいないと思う。ずっとホワイトハットでやってきたという方、気を悪くされたのであれば大変申し訳ございません。

スパムに手を染めたならスパムを断罪する資格はないはずだ。

と常々思うのだ。
SEO人であれば少なくともGRCぐらい使っているはずだ。
GRCのような自動化された検索を実行することはGoogleのガイドライン違反である。

石を投げる資格のある者がどれだけいるのだろうか?

と不思議に思う。
私がSEOを始めたばかりの頃のことを書いておこう。

その特定の分野で検索エンジンから集客したくて、他のWebサイトから情報を取ってくるのではなく自分で全て調べて、全部体験して記事を大量に書いた。
この時に書いた記事の質は圧倒的にナンバーワンであったと思っている。
実際に自分で体験して書いた記事はほとんどなく、そのような一次情報を大量に集積したサイトは存在しなかったのだ。

それでも全然上位表示しなかった。

その分野は検索上位がペラサイト(ほとんど中身の無い1ページしかないサイト)みたいなものが占めていて、

上位表示するためには人工リンクしかない。

と思ったのだ。

太平洋戦争直後、日本全土は深刻な食糧不足に見舞われた。
政府は食料が国民に行き渡るようにするため、食料統制法という法律を作り食料を配給制にする統制を行った。
しかし、配給は滞り正規の配給だけでは生きていくことはできなかった。
だから、ほとんどの国民は法で禁止された闇取引で食料を手に入れた。

そんな頃、東京地方裁判所の裁判官、山口良忠氏は法の番人が法を破るわけにはいかないとして、闇取引で食料を入手することをよしとせず餓死したのである。

これが美談だとされたのは、誰もが法を守っていなかったからだ。
SEOもこれと同じだと私は思う。

もし、Webサイトのキーワードでの上位表示が死活的に重要であり、ガイドライン違反を行うのが当たり前であれば、ガイドライン違反をするしかないのだ。

ガイドライン違反を行って、大きな収益をあげるWebサイトがある。
それを知りつつガイドライン違反をおかさないという運営を行うという考え方は美しいかもしれないが、Webサイトの収益に責任を負う者の態度としてはどうなのか?
という問題。

それでもあえてガイドライン違反を全くしてこなかったのか?

ということを問うべきなのではないか?

さて、前置きが長くなった。
やっと本題だ。

ホワイトハットとブラックハットのポジショントークである。

  • ホワイトハット
    基本的な主張はガイドラインを順守すべきというものだ。

    しかし、これはあくまで建前の可能性がある。

    ・清廉さというイメージを世間に与えたいから。
    ・SEOの実績、実力がないことを隠したいがブランディングはしたい。

    というポジショントークなのかもしれない。
    このポジショントークはあまり害はないのだが、後者の実績・実力のない人・会社のSEOノウハウは中身が空疎な可能性がある。

  • ブラックハット
    ガイドラインなんてものはしょせんはGoogleという一企業が定めたものであって、それを順守する義務などない。
    Googleにガイドライン違反がばれないように、うまく上位表示させるのがSEOだ。という考え方。

    大体はホワイトハットのポジショントークは空疎なだけで、読んで時間を損するぐらいしか実害がない。
    これに対してブラックハットのポジショントークは有害な可能性がある。

    ブラックハットは誰を騙そうとしているのか?

    それが問題なのだ。

    検索エンジンを騙して儲けようとしているのであればまだいい。
    人間をだまして儲けようとしていることがある可能性がある。

    そんなノウハウが無効であることを知りつつ、他人に高額で売りつけようとする輩が非常に多いのだ。
    それは情報商材であったり、腐った被リンクの販売であったりする。

さて、私はどっちなのだろうか?

ということを最後に述べておこうと思う。

私は基本的にはホワイトハットの立場に立つのだが、これを倫理的な観点において推奨するつもりはない。
重視するのは実利である。

ブラックハットの様々な手法はいつか滅びるから、自サイトが使っていた手法が滅びた時に修正をしなくてはならなくなる。
また、Googleが進化した現在ではそのリスクに見合う程、ブラックハットの手法から利益は得られない。

リスクとメリットを天秤にかけたら、ブラックハットは損だと思うし、今後ますますブラックハットは損になるはずだ。
だから絶対ホワイトハットがいい、って言いたいだけのである。

できる限りポジショントークから離れて、私なりの実利重視の中立的な視点から好き勝手にSEOを語っていきたいと思っている次第だ。
今後共よろしくお願いいたしますなのである。

CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(Part.4)

最後に紹介するのは辻正浩氏である。

辻正浩氏

辻正浩氏は昨年のCSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」において「事例で考える『SEOの力』」というテーマで公演をした。
この中で公開されたノウハウの多くは一般的に語られていないものであって、多くのSEOの専門家に強いインパクトを与えたことはいまだに記憶に新しいところである。

そして今回の公演も期待を全く裏切らないものだった。

さて、テーマであるが、

SEOを成功させる一覧ページの作り方

である。
これほど面白いテーマはなかなかない。
最も重要な問題でありつつ、SEOの教科書的な情報源からはなかなか得られない情報だからだ。
私自身もWebサイトを作り始めた時に非常に頭を悩ませたし、今も頭を悩ませる問題である。

さて、本題に入ろう。

SEOへのアプローチには3つある

  • マーケティング
  • コンテンツ
  • 技術
  • この3つがあるが、「技術」について主に説明する。

    SEOに必要な技術要件の多さ

    大規模なサイトになればなるほど、必要な技術要件は多くなる。

    数十ページしかないページであれば、ほとんどSEOの知識は必要なく、
    数百、数千ページとなるとかなり多くなり、
    数億ページとなると非常に重要性が高まる。

    ある程度以上の規模のサイトになると、SEOへの考慮が非常に重要になる。

    Webサイトの構造と必要になる技術要件

    • トップページ
      ・特定ワードで評価させる内部修正
      ・重要なページへのリンク
    • 一覧ページ
      ・たくさんありここが重要
    • 末端ページ
      ・テキストを評価させる内部修正
      ・リンクを受けやすくする仕組み
       など

    一覧ページのSEO要件[初級者向け]

    一覧ページにもコンテンツとなるテキストを配置する

    ページへのリンクを表すテキストの羅列は検索エンジンには評価されにくいからだ。
    検索エンジンに評価されるために、一覧ページの上部にユニークなテキストが必要である。

    title要素

    「検索結果」といったtitleは論外(検索結果に表示されたとしてもほとんどの人はクリックしない)
    一覧のカテゴリの名称入るのは絶対条件

    札幌の一覧であれば「札幌の店舗一覧」といったようにカテゴリの名称が入っていなければならない。

    nanapiの事例
    「LINE(ライン)の使い方徹底ガイド116記事」
    といったようにカテゴリの名称が入っている。
    (※筆者注:LINE・ラインって両方入っているのも小技)

    一覧ページへの内部リンク

    主要ページから内部リンクを貼る。
    SEOだけではなくユーザービリティの観点でも必要である。
    nanapiの事例では、グローバルナビゲーションやパンくずリスト、一覧ページで各記事タイトル下部にそれぞれ設置したパンくずリストなどからリンクしている。

    一覧ページヘの内部リンクの重要性は知っていると言いながら、できていないケースが多いので重要である。

    一覧ページのSEO要件[中級者向け]

    一覧ページのSEO上の役割とは

    • 1ページ目を特定キーワードで評価させる
    • より多くのページにより良い内部リンクを渡す
    • より多くのページを認識させる

    より多くのページを認識させるためには、

    1.ページ送りリンクに配慮する。

    「次へ」で延々とページ送りしないと、後ろのページにたどり着かないという作りはだめだ。
    nanapiの事例では、ページ送りは少ないクリック数で後ろのページにたどり着けるよう配慮されている。

    2.重複コンテンツを避ける。

    重複コンテンツの問題はサイトの規模が大きくなると苦しむところだ。
    重複コンテンツになりやすい理由としては以下のようなものがある。

    アイテムの追加により1ページ目から2ページめへ押し出されたページが全く同じものになることがある。
    1ページに5件しか表示されない仕様であれば、5件追新しいデータが追加されたら2ページ目と新しくできた1ページ目が全く同じになってしまう。

    1ページに表示される件数を増やすと重複になりにくい

    先ほどの例で言えば10件表示される仕様に変更すると、2ページ目には5件のデータが1ページ目から押し出されるが、新しい1ページ目との類似度は50%となるためかなり影響が軽減される。

    また1ページに表示される件数を増やすことは、検索エンジンから同じ一覧ページのインデックス数でも多くのページへ内部リンクできることにつながる。
    一覧ページが10ページだけしかインデックスされなかった場合を想定すると、
    1ページに5件表示の場合は、内部リンクがされるのは50ページ。
    それに対して10件表示であれば、内部リンクがされるのは100ページとなり、後者の方が有利になるということだ。

    また一覧できる数が増えることはユーザービリティの向上にもつながる。

    title、h1にページ番号を入れる

    title、h1が重複すると重複コンテンツと判定される可能性がある。
    そのためページ番号を入れて重複になることを防ぐ必要がある。

    ソース上部の共通情報を減らす

    検索条件設定といった内容のページの先頭部分に膨大なHTMLのソースが存在する場合もある。
    (プルダウンの全選択項目といったHTMLのソースは人間が目で見ている以上に大きく、これらのプルダウンがたくさん並んでいたりすると膨大なHTMLのソースが存在することになる)
    このような場合などは重複コンテンツと判定されやすい。
    iframe化して検索エンジンから認識されないようにするとか、画面の下部に持っていくとかして防止するのがよい。

    パラメータはしっかり整備する

    検索エンジンに認識させるべきでないURLを反映させない。
    (※筆者注 アユダンテ株式会社の安川洋氏も同じセミナーの中で同様のことを述べていた
    これが難しいならばcanonicalを使って正規化、それも無理であればウェブマスターツールのパラメーターの設定を行いパラメータを無効化する。
    とは言え、ウェブマスターツールのパラメーター設定はなるべく行わないほうがよい。

    一覧ページのSEO要件[上級者向け]

    SEO技術面では内部リンクが一番重要であり、すべてを左右すると言える。
    その中でも一覧ページは内部リンクを最も操作しやすいテンプレートであり重要だ。

    どのリンクがGoogleからどれだけ評価されているかは人間からはわかるわけがない。
    わかることは以下の4つである。

    1. ウェブサイトによっても似たようなリンクであっても全く違う
    2. この半年でかなり変わった
    3. 検索エンジンがほぼ無視する内部リンクも増えている
    4. ユーザーを移動させるリンクには評価がある

    高度な内部リンク最適化の二つの道

    • 実験を続けてアルゴリズムを追いかける 修羅の道
    • ユーザー観点での内部リンクを突き詰める 平和な道

    この2つがある。
    (※筆者注:私はこの修羅の道という言葉には深く打たれて感動したのだが、この日のセミナーに参加した人々もやはりそうだったらしい。
    SEOで飯を食う人間であれば、クライアントにはそのようなことはさせなくても、自らは修羅の道を往くべきではないか?というように思う。
    私は最近はアルコリズムをほとんど追っておらず忸怩たる思いがあった。それ故に己の怠惰を喝破されたようでこの言葉には非常に深く打たれたのである。)

    理想の一覧ページとは

    ある要件を忘れているところが多い。

    ページを訪れた人が、わかりやすいページになっていますか?

    一覧ページにユニークかしたテキストを入れることはユーザーの利便性にもつながる。
    これをつきつめたのが、「コンテンツ化一覧ページ」である。

    例えば、「デジタルカメラ 通販」と検索した人の検索意図を考えてみよう。

    このような検索キーワードであっても必ずデジタルカメラを買いたい人とは限らない。
    実際にカメラ屋に行った時に、
    「さあ、どれにします」
    と目の前にデジタルカメラを突き出されたら、困惑することになるだろうがWebサイトもこれと同じである。
    実際の店舗でやられて困るようなことが、Webサイトでは普通に行われていると言える。

    様々なデジタルカメラの購入に関する情報を知りたいといったニーズがあり、買いたいというニーズはその中のごく一部かもしれない。

    「デジカメは今が買い時な理由」

    こんなコンテンツをページの上部に置くのがよいだろう。

    一覧ページコンテンツ化で達成できること

    一覧ページにランディングした時の

    直帰率の低下
    PVの上昇
    コンバージョンレートの上昇
    キーワードの順位の上昇
    流入キーワード数の上昇

    といったことが実現できた。
    ユーザー観点もSEO観点も満足させるのがコンテンツ化一覧ページだ。

    ユーザー観点での改善は技術要件も満たす場合が多い!

    検索エンジンは検索結果に検索結果を出したくない

    多くのユーザーはWebサイト内の検索結果ページが、Googleの検索結果に表示されることを望んでいない。
    検索から訪問するページとして、ユーザが望んでいないページを出そうとするSEOで成果が上がるわけはないのだ。
    (※筆者注:たいていのユーザーは、自分が必要とする情報そのものズバリがあるページが、検索結果に表示されて欲しいと考えるだろう。Webサイト内の検索結果ページには必要とする情報はたいていは存在せず、その中からまた探さねばならないことになる)

    SEOへのアプローチには3つあり全てが必要

  • マーケティング
  • コンテンツ
  • 技術
  • マーケティング、コンテンツこの2つだけだと、せっかく価値があっても見てもらえないという残念な状況に。
    技術、マーケティングこの2つがよくてもコンテンツが欠落しているSEOはスパムである。
    技術、コンテンツこの2つがよくてもマーケティングが欠落していたら売上につながらない。

    まとめ

    バランスのよいSEOを継続するには。
    いいSEO施策はユーザーにも評価される。
    ユーザ利点の薄いSEO施策は安定しない。

    CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(後編)

    次に紹介するのは、アユダンテ株式会社の安川洋氏である。お題は、

    事例で学ぶキーワードとカテゴリー

    安川 洋氏

    である。
    一度だけアユダンテの方とはお話をしたことがある。
    真性のホワイトハットSEOであり、システム連携といった難易度の高い案件などに参画し技術力で食っている会社であるらしい。

    多くののSEO業者はホワイトハットと言いつつ、実際話を聞いてみると、

    「やっぱり被リンクですよ」

    ってな感じが普通であるため、かなり驚いた記憶がある。

    その会社の代表が安川氏であり、やっぱり否が応でも期待するところであったが、期待を裏切らずセミナーの内容は非常に濃いものであった。
    惜しむらくは時間が押していたことと、元々の持ち時間が少なかったため、話された内容を頭のなかで理解するための時間が取れなかったことが残念だった

    さて、本題だ。

    海外レディースファッション通販サイトWajaの事例でECサイトにおけるSEOの急所について語ってくれたのがこのセミナーである。

    SEOとは何か?二つの視点

    何に対してオプティマイゼーションするのか?

    1. ユーザーの視点
    2. 検索エンジンの視点

    この2つの視点がある。
    ※情報供給者の視点で考えてはいけない。

    1.ユーザーの視点

    検索キーワード「H&M」の例
    handm

    ユーザーは意図を検索キーワードに込めて検索を行う。 
    検索結果に表示される説明に検索意図と合致するページがあればクリックするし、なければ戻るボタンを押す。

    「H&M」というキーワードで検索した場合の例。

    検索結果はよく対策されている。納期の説明も書かれているのがよい。

    サイトに来訪したユーザーの意図

    • キッズの商品はどこかな
    • H&Mのドレスがほしいんだけどな

    といったニーズがあって来訪している。
    それらのニーズに答える選択肢があるのであれば、ファーストビューの中にクリックできる選択肢を入れ、ユーザーを適切に誘導できるようにする。
    そうすればGoogleもそれを認識してサイトリンクに表示するようになる。

    ユーザー視点のポイント

    ・キーワードが重要

    子供服を売っているのであれば、「子供服」というキーワードで最適化を行うべきだ。
    「キッズ」というキーワードを使うと、多くの検索ニーズを取りこぼしてしまう。
    しかし、キーワードを組み合わせた時に、「ブランド名 キッズ」の方が「ブランド名 子供服」よりも検索数が多い場合もあるためチューニングが必要だ。

    ・検索結果を見て買いたくなるか
    ・ファーストビューに、ユーザーが最初にしたくなる絞り込みが表示されるか

    ECサイトにはどんなキーワードがあるか

    ※コーディネート、といったような直接的にコンバージョンに結びつかないキーワードは今回の対象にしない。

    キーワードの種類ごとにコンテンツと施策を考える

    • ビッグキーワード(例:海外ファッション/ファッション通販)
      施策すべきページ:トップページ
    • コンテンツ:海外ファッション通販のメリットなど

    • ブランド名(例:カルバンクライン/ケイトスペード)
      施策すべきページ:ブランドページ
      コンテンツ:ブランド名は商品の羅列になりがちだがSEOを考えるとそれだけでは弱い。
      ケイトスペードと検索した人に対して、ケイトスペードの商品を数千羅列したようなページを出すのがいいのか?っていう話だ。
      ブランド名を検索する人はそのブランドの歴史といったものを知りたい人もいるわけで、商品情報だけではなくブランドについての解説といったコンテンツも必要だろう。商品のランキングといったコンテンツもよい。
    • アイテムカテゴリ(例:ダウンコート/財布)
      施策すべきページ:アイテムカテゴリページ
      コンテンツ:そのアイテムにおけるトレンド、ランキング、商品情報
    • ブランド・アイテム掛けあわせ(マックスマーラー ダウンコート/ケイトスペード 財布)
      施策すべきページ:クロスカテゴリーページ(ブランドとカテゴリをかけあわせたもの)

    ブランド軸とアイテム軸

    クロスカテゴリにおいてどっちの軸を優先に考えるべきか?

    「ケイトスペード バッグ」「バッグ ケイトスペード」

    通常は前者になる。ブランド名の方がユーザーに対するコミットメントが強いからだ。

    ブランドはコンバージョン性行が非常に高い。
    ブランドにも、アイテムにも強豪は多くどっちも重要。

    有名なブランドならブランドを優先し、ニッチなブランドであればアイテムを優先すべき。

    ブランドカテゴリ

    ブランドとは?

    ブランドとは指名で購入されるということ
    ブランド名が命。「トリーバーチ」なのか「Tory Burch」
    日本語で検索されることが多い。アルファベットは綴りが長くなると、アルファベットで検索されることはまずない。
    「トリーバーチ」といったように検索される。

    ブランドの並べ方について

    アルファベット順でよいのか?
    人気のブランド、SEO的に重視すべきブランドをフィーチャーするようにする。
    これらの特別なブランドについてはフラグを立てて(他のデーターと違うことをデータ項目として持たせておくこと)前に並べる、複数のページで表示されるといった対策が必要だ。
    お店でも売れ筋を全面に押し出して陳列するのと同じである。

    アイテムカテゴリ

    勝てるキーワードを選ばなければならない。
    例えば、「ワンピース」1語、これで勝てるか?
    ワンピースは漫画のワンピースが検索結果の多くを占めてしまうから、これに勝つのはまず無理だろう。

    そこで「ワンピ」といったキーワードを考える。この検索結果にはワンピースは混ざらない。
    でっかいキーワードで無理矢理1位にしようすることは得策ではないのだ。

    巨大なワンピースジャンルのなかにも宝物がある。

    「マキシワンピース」「マキシ丈ワンピース」「リネン ワンピース」「フォーマル ワンピース」
    こんなキーワードである。
    (「リネン」は素材だよね?カテゴリじゃないんじゃない?そんなこと気にしなくていい)

    属性カテゴリの処理

    属性カテゴリとは・・・レディース、メンズ、子供服、ベビー服マタニティなど

    基本的にはレディースとメンズはユーザービリティ的に分けたいが、検索数が少なくSEOの観点におけるキーワードとしては優先度が低い。
    検索数の多い子供服・ベビー服を第一階層に置き、レディースとメンズはアイテムで絞り込んで、その後の絞り込みとしたほうがよい。

    絞込階層の例)
    Tシャツ -> メンズ
    子供服 -> Tシャツ

    バランスを整える

    カテゴリで絞り込んでいくと、特定カテゴリが多すぎたり、少なすぎたりしてバランスが悪くなることがある。
    統合する・分割するなどしてアイテム数のバランスを整える必要がある。

    クロスカテゴリの処理

    複数のカテゴリを指定して絞り込んだ場合の表示結果。
    絞り込みの要素は2つがよい。3つ以上の絞り込みを使う場合には細心の注意が必要になる。

    存在しないカテゴリを作らないように注意すること。絞込んだ結果が存在しないクロスは作らないようにする。
    リンクがグレーアウトまたは非表示といった処理を行う。また、絞り込み結果が少ないものは他のカテゴリに統合する。
    4つ以上の絞り込みを行う場合は、ファセットナビゲーションを用いることになるが、階層構造を検索エンジンに伝えることができないため用いないほうがよい。

    絞り込みの主軸を考えることが大切。
    最優先となる主軸はブランドを持ってくるべき。URLもパンくずリストも。

    例)
    URL: /brand/handm/t-sharts
    パンくずリスト: ブランド >> H&M >> Tシャツ

    2.検索エンジンの視点

    検索エンジンの中の人はこう考える

    • ユーザーが「マンゴ」と検索した場合
      どの「マンゴ」のことか分からないなあ。取りあえずは検索結果の中に少しずつ色々入れたほうがいいな。
    • クロール中にトレンチコートをオススメ順に並べたページと価格の並べかえを見つけた。
      どっちも検索結果に表示するのはユーザーの利便性が下がるからどっちかだけにしよう。
    • クロール中に似たような大量のページを見つけた
      いちいち重複を確認するのも大変だから、サイト全体が低品質だってことでいいとしよう。
    • クロールバジェットとは

      1サイトのコンテンツボリュームに対するGoogleの評価価値のこと。
      PageRankが高いとこれが一般的には大きいと考えられる。

      (※筆者注:クロールバジェットについてはWeb担当者Forumパンダ・アップデート後の重複コンテンツを知る – 重複コンテンツ対策完全ガイド #1に詳しい)

      クロールバジェットに対してはこれを増やす、節約する2つのアプローチがある。

    • 自然なリンクを増やすことで、サイト価値を増すことでクロールバジェットを増やす。
    • 価値のないページをクローリングさせないことで、クロールバジェットを節約する。

    canonicalに出会ったクローラーの中の人

    あれもこれもcanonicalってやめて欲しいって考える。
    どれもこれもcanonicalってなっているとせっかくクローリングしたのに、その処理が全部無駄になってしまう。

    canonicalは使うな

    間違えて使うぐらいなら使わない方がよい。
    canonicalを使わなくても、重複コンテンツの排除は可能だ。

    検索キーワードにならない並べ替えの表示結果はAjax、FORM POSTなどを使ってインデックスさせないようにする。
    URLにパラメータを持たせるのではなく、Cookieを使用する。

    といったような方法を用いることで、canonicalを使わなくても重複ページを回避することが可能だ。

    重複コンテンツの排除

    商品数がゼロのページ。
    並べかえ、一部の絞り混み、おすすめ順のページと安い順のページはほぼ確実に重複になる。
    絞り込みの順番が違うことにより異なるURLが生成される場合は非常に危険。

    URLの設計が大切

    • 階層を強く意識したURL
      絞りこみの主軸をメインにURLを構築し、パンくずもこれに合わせる(前述の通り)。これによって検索エンジンが主軸を重要だと認識する。
    • ページネーション
      1ページ目
      /brand/handm/shirt/
      2ページ目
      /brand/handm/shirt/2/
      最後は/で終わるようにする。実装する技術要素に依存しなくなる。
      .php .asp .htmlといった拡張子がつくようなURLにすることは好ましくない。
      PHPで実装されていたサイトを、別の言語で実装し直すとURLが変化してしまったりする。
      1ページ目に戻った時
      ◯ /brand/handm/shirt/
      × /brand/handm/shirt/1/
      1ページ目に戻るときは、/1/ にならないようにする(重複コンテンツになってしまう)。
    • 絞り込み
      主な絞り込み条件にならない条件をURLに反映させない。
      例)/color/red/,/size/m/
      色とかサイズといった条件で検索する人はいないので、上記例のようなURLは存在させないほうがよい。
    • クロールさせないテクニック
      ・robots.txt 特定のページだけを除外しようとするのは面倒
      ・nofollow,noindex クロールバジェットの節約効果が低い
      ・Ajax
      ・FORM POST
      ・ウェブマスターツール 他の手法と併用可。しかし、設定ミスなどでまとめてインデックスされなくなるなどの問題もある。

    CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(中編)


    3人めのスピーカーはGoogleの中の人、長山一石氏である。
    長山 一石(Google)

    お題は、

    スマートフォン向けサイトとGoogle検索

    である。

    このテーマはSEOの技術論的に難しい部分である。
    また、サーバーやプログラミングの知識がない一般のWebマスターにとっては、知識としては知っていたとしても方法論として手が出しにくい部分だ。

    しかし、いつまでもこの問題を回避するわけにはいかない。
    こうしているうちにもスマートフォンからのアクセスの割合は伸びている。
    また、スマートフォンは常に身につけているデバイスなので、思い立った時にすぐ使われる。
    言い換えれば検索ユーザーのモチベーションが高いケースが多い。
    どうこの問題と向き合わなければならないか?考えなければならないところに来ているわけだ。

    さて本題である。


    モバイルはスマートフォンだけではない。
    タブレットもフィーチャーフォンもある。

    サイトをスマートフォン向けに最適化することは必須になってきている。

    1.重要な事は表示速度

    1秒以内に表示させないと集中力が途切れると言われている。
    1秒以内に表示されることは大変である。

    GoogleではPagespeed insightsという、表示速度を高速化することを支援するツールを提供している。このようなツールなども使いながら、できる限り高速化することが望ましい。
    above the fold(ファーストビュー)についてはせめて早く表示できるようにしたほうが良い。

    2.クロール可能か確認する

    スマートフォン向けページ・PC向けページそれぞれのリダイレクトに気をつけよう。
    リダイレクトに失敗するケースがあり、

    • 下層ページにアクセスされた場合でも、トップにすべてリダイレクトさせてしまう
    • 無限のリダイレクトループしてしまう
    • クローキングになってしまう
    • リダイレクトされない

    といった失敗がよく見られる。
    レスポンシブルWebデザインであれば、このような失敗は起きないのでお勧めである。

    まだ、同一URLでコンテンツを変えて(筆者注:ダイナミックサービング)もよい。

    Vary HTTPヘッダーを使うのもよい。
    リレーションシップアノテーションを設定するのもよい。

    3.それでもリダイレクトを行う場合の注意

    JavaScriptを使ったリダイレクトは避ける。
    一対一で対応するURLへとリダイレクトする。
    アノテーションを利用する。
    GoogleBotを特別扱いしない。
    クローラビリティを確保すること。

    携帯端末に最適化されたウェブサイトの構築方法に詳細は掲載されているので詳しくはご覧頂きたい。

    必ずしもレスポンシブルWebデザインにする必要はない。
    正しくアノテーションや、Vary HTTPヘッダーを設定し正しく動作していれば問題ない。

    しかし、これらについては設定が誤っている場合は、GoogleBotだけではなく実際に閲覧するユーザーが困るケースがあるので、レスポンシブルWebデザインを使うことをお勧めしたい。

    4人目のスピーカーもGoogleの中の人、金谷武明氏である。

    再審査リクエストの手続きとポイント

    非常に今ホットな話題だ。
    再審査リクエストがうまく行かず苦しんでいるという話題が、Googleのウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムに寄せられている。
    また、このフォーラム内にも「再審査リクエスト」というディスカッションのカテゴリが設けられ、興味深い報告も数多くなされている。
    この問題に苦しんでいる人も、そうでない人も一度ごらんになることをお勧めする。

    Google社の金谷 武明氏

    再審査リクエストはスパムを行った人だけでなく、正しくサイトを運営している人からのリクエストも少なくない。
    金谷氏自身もともとソニー・コンピュータエンタテインメントに在籍していたため、インハウスでSEOを行っている担当者の気持ちも理解できる部分があるとのこと。
    といったわけで、ウェブマスターに対して再審査リクエストに正しく対応できるようにするためのポイントを話してみる。

    再審査リクエストの流れ

    1. 違反内容の確認
    2. 違反の修正
    3. 再審査リクエストの送信

    概要としては上記の通りだが、詳細については以下。

    1.違反内容の確認

    1. ウェブマスターツールに届いたメッセージを確認し、違反内容を把握する。
      このメッセージをよく読んでいないケースも結構ある。
    2. 手動対策ビューアーで違反箇所を確認する。
      対策の必要なページが表示されていることもある。
    3. HP製作会社やSEO会社に確認する。
      過去に契約したSEO会社にも確認する。
      制作会社などが善意で思ってスパムリンクを設置したと言うケースもあるため、Webマスターがまったくあずかり知らなところでスパムリンクが貼られていることもあるため、考慮が必要。

    2.違反の修正

    • サイトへの不自然なリンクの場合

      サイトへのリンクを確認する。
      ここに出てくるリンクはすべて確認しなければ審査は通らないと思った方がよい。
      また、再審査を抜きにして考えても、ユーザーや同業者がそういったリンクを見つけることもあるため、ブランディングなどの観点から対策した方が望ましい。

      しかし、Googleとしてもどうしても外せないリンクがあることは承知している。
      そのために否認ツールがあるわけだが、否認ツールを使う前に可能な限り修正することが必要だ。

      すべてのリンクを否認したという申請がくることもあるが、まず審査は通らない。全部外すことが原則である。
      (筆者注:全てのリンクを否認ってSEO関係者の間ですごくウケてた。気持ちは分かるけど、ドメイン変えたほうがいいんじゃね?って感じだ)

    • ハッキングされた場合

      Fetch as Googleで確認する。
      通常のブラウザで確認できない場合でも改竄箇所を確認することができる。

      根本的な原因の修正に取り組む。根本的な原因を解消していないと何度も同じことを繰り返してしまう。

      根本的な修正の例)テンプレートをアップデートするなど

    • 修正方法がわからない場合

      ヘルプ記事を参照する。
      再審査リクエスト専用カテゴリを利用する(このカテゴリの設置は日本独自の取り組みである)。
      フォーラムはGoogle社員も見ているし、詳しい人からのアドバイスももらえるので活用して欲しい。

    再審査リクエストには詳細な経緯を書くことが必要

    修正が困難な場合は以下のように経緯を記載すること。

    • SEO施策を依頼した会社名
    • 依頼時期とその内容
    • 削除のために行った対応とその経緯
    • 削除が困難となっている理由

    SEO会社でも悪質な例がある

    削除の依頼に応じない、リンクの削除依頼に対して高額な費用を要求するなど。

    SEO会社がホワイトハットを名乗っていてもそうとは限らない。
    評判を調べてみることをお勧めする。

    やってみてもらいたいこと

    ウェブマスターツールにログインして、手動対策ビューアーを試して欲しい。
    上記のフローの多くは、ウェブマスターツールの機能である。

    なにも悪いことをしているつもりはなくても、過去に何があったのかわからないので、確認しておくのはよいことである。

    質疑応答

    しょっちゅう再審査リクエストに登場する、やばいSEO会社の名前について教えて下さい。
    (Web担当者Forum安田英久編集長の質問)

    同じSEO会社の名前はしょっちゅう出てくる。でも、言えません(笑


    この後、Googleの方々と名刺の交換をさせていただいたのだが、本当にみなさん腰の低い方々だった。

    以前、グーグル秘録 (文春文庫)という本を読んだのだが、その中の記述にGoogle社は社員採用の基準として人間性を重視していると書いてあった。
    長時間飛行機の隣の席に同乗して、一緒に過ごしてみたいと思えるか?
    といった観点から人柄を見るのだという。
    なるほど、と思った次第である。

    それはともかく、Google社員の方にあったのはこの日が初めてで、GoogleってBotじゃなくって本当に人間がやっているんだ。

    って初めて実感しましたって感じである。

    次は3名、SEOのソリューションを提供する会社の方のプレゼンテーションがあった。

    1. Ginzamarkets
    2. データアーティスト株式会社
    3. アイ・エム・ジェイ Marketing & Technology Labs

    こちらについては割愛する。
    というか、集中力が持たなくなったのであった。

    その次がパネルディスカッション

    インハウスでのSEOの価値向上対策

    であった。

    • 三澤 直哉氏(楽天株式会社)セントラルSEOチームマネージャー
    • 木村 將(エムスリー株式会社)システムエンジニア
    • 山田 研一(Gengo)Director of Marketing
    • 長束 鉄也(Retty株式会社)取締役
    • 安田 英久(Web担当者Forum)編集長

    安田編集長を除いてはインハウスSEOの担当者で、第一線で活躍していらっしゃる人たちである。
    個人的には三澤氏と木村氏とはお話をしたことがある。三澤氏と木村氏はとっても気さくで、気取らないナイスガイである。

    さて、このパネルディスカッションの間もなんというか集中力がなくって、筆記ができずかなりグダグダであった。
    それなりに覚えているところだけ書いてみる。

    インフォグラフィックの効果と金額

    この話題が中心になっていた。
    大体80万円ほどかかったらしい。
    (筆者注:それがどれくらいのリターンを生んだのかはどうやらわからなかったらしい)

    SEOのKPIはどう設定すべきか

    (筆者注:結論ははっきり出ていなかった。私もSEOのKPI設定は非常に難しいと思っている。
    私見ではあるが、成果報酬SEOではない通常のSEOのために投下したコストを把握するのは困難で、コンバージョンがSEOの効果によるものなのかも厳密に分けることもできない。大半のSEO施策は、SEOがなかったとしてもやるべきことがほとんどだから)

    CSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」についてレポートしてみる(前編)




    昨年のCSS Nite LP, Disk 24に引き続き今年も2013年9月21日(土)に開催されたCSS Nite LP, Disk 29「SEO 2013」に参加してきたので、そのレポートをしてみる。

    ちなみに昨年のレポートはこちら
    CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(前編)
    CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(中編)
    CSS Nite LP, Disk 24「インハウスSEO」についてレポートしてみる(後編)

    昨年のイベントは日本のSEOにおけるエポック・メイキングな出来事であった。

    正しいSEOのあり方とはいかなるものであるのか?

    多くの人々対して正しい路を指し示したイベントとなったと言えよう。
    よろしければ昨年のレポートもご覧頂きたい。

    そして、今年もその方向性は変わることはなく、より深く深化している印象を受けた次第である。

    さて、前置きはそれくらいにしてレポートである。

    1.住太陽氏
    理由と経路のマーケティング

    トップバッターは住太陽氏だ。

    住太陽氏

    住太陽(すみ もとはる)氏には大阪の飲み会でじっくりお話をさせていただいた事がある。
    最初はペンネームかとずっと思っていたのだが、本名って知ったときはちょっと驚いた。

    そのことを本人にお話した時に、

    「そうなんや、みんなリングネームだと勘違いすんねん。いちいち本名だって説明せなあかんから面倒なんや。」

    ってなことをおっしゃっていた。こんな感じで千葉での暮らしが長かったのにもかかわらずコテコテの関西弁。
    リングネームっていうのがまたシビれるよなぁ・・・。
    日本におけるSEOEの草分けであるにもかかわらず、気さくで、ざっくばらんな人柄が素敵な人物である。

    運営されているWebサイトも情報の量、質ともに凡百のSEOの書籍をはるかに圧倒しており、論理的構成も素晴らしい教科書のようなWebサイトである。
    ご存じない方は是非ご覧いただきたい。

    とこれまた前置きが長い。

    今回荷物を軽くするために、ノートPCを持たずタブレットとBluetoothキーボードを持って行った。
    しかし何度やってもペアリングに失敗し、キーボード入力ができないという事態に遭遇。

    住氏のセミナーが始まってしばらくたってもペアリングしようとそればっかりで最悪だった。
    なので、分かる範囲で書くのだ。

    SEOは簡単になった

    以前はコンテンツを作っても、SEOを考慮しないとクローリングしてもらえないといったこともあったのだが、今はこのようなことをほとんど考えなくても良くなった。
    私は大阪で住氏と話をした時に、

    「最近SEOは技術要素が多くなって難しくなった気がするんですが・・・」

    って話をしたことがある。

    「そんなことない。SEOは最近めっちゃ簡単や。canonicalとかわかんなければ使わなければいいだけや」

    とおっしゃっていた。
    そうだよなぁ。確かに・・・。と深く頷いた次第である。

    さて、話を戻そう。

    ユーザの段階によって必要な情報は異なる

    1. 潜在客
    2. 見込客
    3. 利用客
    4. 顧客
    5. 得意客

    ユーザーの段階は上記の1~5があり、それぞれ提供すべき情報も異なり、適した集客手法も異なる。
    潜在客にはSEOがよく、見込客にはリスティング、利用客にはFacebookやメルマガといった手法がよい。

    この中では見込み客だけがサイトへの訪問の理由が異なり、広告と最適化されたランディングページが適切な集客手法となる。

    セリングとコンテンツは異なる

    コンテンツをちゃんと作れば上位表示は簡単になった。
    しかし、誤解されがちなことだがセリング(宣伝)はコンテンツではない。

    一部にSEOは難しくなったという意見もあるが、セリングとコンテンツを混同しているからである。

    コンテンツを作れと言われると、宣伝ばかり熱心に書く人が多いのだがこれが間違いなのだ。

    誰も商品やサービスの自慢は聞きたくない。
    オーガニック検索結果は、調べ物をしている人が知識を得るために見る場所であって、売り込みを表示させる場所ではない。だから、セリングでの上位表示は難しいと言える。
    売り込みを表示させるのはリスティングの欄がある。
    そう考えれば、検索結果に露出させるのは難しくない。

    広告を見る理由

    CMを見るためにテレビを見る人はいない。
    広告を見るために雑誌や新聞を読む人はいない。

    面白いコンテンツ、つまりテレビで言えば番組、雑誌や新聞であれば記事があるから、それを見るためにチャンネルを合わせたり、購読という行動をとる。
    その合間に広告は見られるのである。

    SEOとは何か

    検索している人に、答えを提供することだと考えておくとよい。

    ニーズが顕在化していない人に対して売り込みをしてもうまくいくわけがない。
    それよりも、課題や問題に対してプロとして答えるコンテンツを作ることが基本である。

    自社が検索ユーザーにとって役立つ会社であることを示し、このようなコンテンツを通じてユーザーとの関係を構築するのがSEOである。

    こう考えればSEOは非常に簡単。
    検索順位が何位であろうがあまり関係ない。
    本当にユーザーが悩んでいることであれば、検索順位が低くても探してもらえる。

    商品の宣伝を一生懸命探す人がいないのと対照的だ。

    告知経路を作る

    どんなに素晴らしいコンテンツだっても、ネットの片隅にひっそり公開しただけでは見てもらえない。
    告知経路を整備して、コンテンツ作成と同時進行で行う必要がある。

    せっかくコンテンツを作っても誰も見てくれないと心も折れますしね。

    今まではニュースレターやRSSを購読してもらうといった消極的な手法しかなかった。
    しかし、現在はFacebookによって積極的に広告ができるようになった。

    1. 「いいね」の増加
      これは使える
    2. ブログへの投稿の宣伝
      これは使える
    3. URLの宣伝
      これは使えない
    4. ドメインに言及する投稿の宣伝
      amazonが行っている手法
      (すいません。筆記が間に合いませんでした・・・)

    SEO/SMOの完成

    1. コンテンツの作成
    2. コンテンツの告知
    3. 拡散
    4. 反応 フィードバック、リンクが集まる

    この流れを作ることが用意になったのが現在の状況だ。
    今まではコンテンツの告知が難しかったので、フェースブック広告ができたおかげで積極的な告知策が簡単になった。

    ※ちなみに住氏の記事の末尾にはいつもこのようなお願いの文章が入っている。
    共有のお願い
    住氏ほどの人でもやっぱり、モチベーションが重要なんだなぁっと思うと感慨深い。


    2.鈴木謙一氏
    SEOの最新トレンドに乗り損ねるな
    〜 海外SEOカンファレンスに見る2013年、
    そしてこれからのSEOの潮流 〜

    次は鈴木謙一氏だ。

    写真はちなみに昨年のCSS Nite LP, Disk 24の時の写真である。
    SEOをやっている人間であれば、知らない人はいないと思うので解説はいらないと思うが、ちょっとだけ書いてみたい。

    海外SEO情報ブログを購読していらっしゃる方は多いと思う。
    私はSEOブログって基本的にそれほど役に立たないものだと考えているのだが(このブログは何なんだよって話ですね。すいません)、この「海外SEO情報ブログ」は間違いなく役に立つ。
    このブログだけ購読すればいいのではないか?とすら思う。

    また、Web担当者Forumの「海外&国内SEO情報ウォッチ」というコーナーを連載しており、良質なSEO記事をまとめて紹介してくれている。
    「海外SEO情報ブログ」と「海外&国内SEO情報ウォッチ」に紹介されている記事だけ読めば、SEOが専門でない人にとっては、SEOの情報は充分すぎるほど充分だと思う。

    SEOをよくわかっていない人が情報を仕入れすぎるのは、逆に有害であると私は考えている。
    自分の中に正誤の基準がないうちに、様々な情報を取り入れると混乱してわからなくなるからだ。

    その意味では、有意義かつ正しくかつ最新の情報源であるため、SEOに詳しくない人はこのブログだけ読むことをお勧めしたい。
    (私のブログは別に読まなくてもいいです。本当は読んで欲しいですけど・・・)

    鈴木氏はコンサルタントとして著名であるが、良き父であることもいろいろな記述から伺える。
    この日は息子さんがいらっしゃっていて、このセミナーをご覧になっていたとのこと。
    ワークライフバランスをこれほど高いレベルで実現している人も少ないと思う。

    本来、ワークライフバランスとは誰にもあってしかるべきものなんだろうけど、誰もを納得させられるほど仕事ができるのが前提なのかもと思う時がある。
    そんな働き方を実現している鈴木氏は私のロールモデルの一つだ。

    またまた、前置きが長くなったが本題である。

    前提となるSEOの定義

    1. ユーザの役に立つコンテンツを作成し、
      惹きつけるコンテンツ
    2. それを検索エンジンにて企画に理解してもらい
      クロール/インデックス
    3. 検索結果で魅力的に表示して、検索ユーザーにクリックしてもらい
      ランキング/卓越性
    4. 訪問したユーザーを満足させること
      ユーザーエクスペリエンス/コンバージョン

    それを踏まえた上で、下記の3つの最新トレンドについて解説する。

    1.セマンティックウェブ・セマンティック検索
    2.モバイル対応
    3.著者情報

    1.セマンティックウェブ

    • ナレッジグラフ

      文字列を単なる文字の並びではなく、人間が理解するように意味のあるもの(エンティティ)として理解する技術。

      Google検索の富士山の表示例

      富士山のナレッジグラフ

      これを見ると「富士山」という言葉を、Googleは山だと理解しており、山として重要な属性を収集して表示しているのがわかるだろう。

      「タイガース」 日本の球団だけでなく、バンド名、アメリカの球団でも「タイガース」が存在しており、別のエンティティとして認識している。

      「中央区」 東京、大阪、札幌、神戸市に存在するが、別のエンティティとして認識している。

      「トムクルーズ」映画俳優であることを認識しており、カルーセルに出演した映画が表示されている。

      「AKB48」は所属しているメンバーまで認識している。

      「スリランカの首都」質問の意図を理解し「スリジャヤワルダナプラコッテ」という答えを返す。

      「ミッキーマウスの産みの親」質問の意図を理解し作者名と写真を返す。

      「石田純一の奥さん」質問の意図を理解し石田純一の現在の配偶者と過去の配偶者、及び婚姻を継続していた期間を返す。
      (びっくりしました:作者注)

      ナレッジグラフは検索の仕組みを根本から覆すパワーを秘めている。
      検索エンジンは人間の認識に大きく近づいてきており、これは人間にとって有用なコンテンツを作れということを示唆している。

      今はまだ、ナレッジグラフは完全なものとは言い難いが、今から準備しておけば、ナレッジグラフの進展によって、将来有利なポジションを得られるようになるだろう。

    • 構造化データでマークアップ

      検索エンジンは原則的には文字列を認識するだけ。
      「5」という文字があったとして、それが「長さ」「重さ」「金額」といったどのような意味を指し示しているのが検索エンジンには理解できない。

      そこで構造化データでマークアップすることで、文字列がどのような意味を持っているのかを検索エンジンに指し示すことができるようになる。

      Googleは「レビュー」「商品」「パンくずリスト」「音楽」「レシピ」などをサポートしている。
      構造化データを用いることで、検索結果にリッチスニペットが表示されるようになりクリック率も上がるため、是非構造化データを使ってほしい。
      その際これから新たに構造化データを導入するなら、schema.orgを使うことを推奨する。

    • リッチスニペット以外の構造化データの利用

      本来は検索エンジンのためだけに存在するわけではない。

      ナレッジグラフ、組織のロゴ、In-depth articlesといった表示をさせるためにも重要だ。特にローカルビジネスでは構造化データを設定しておくことを勧める(って意味だと思うのですが、間違っていたらご指摘下さい)。

      Googleは構造化データを使って欲しいと考えており、様々なツールを提供しサポートしている。
      構造化データの利用シーンは見えるところ、見えないところの両方で今後も増えると予想しており、今から種まきをしておくべきだと思う。

    2.モバイル対応

    • 日本におけるスマートフォン普及率

      4人に1人、2年前の4倍以上の25%に達している。
      モバイルは非常に重要で無視できない。2、3年後にはデスクトップのトラフィックを上回るようになるだろう。

    • Googleのサポートする3つのモバイルサイトの構成について
      メモが追いつきませんでした。多分レスポンシブルWebデザインと、ダイナミックサービングと、モバイル用URLのことだと思うのですが・・・。

      とは言え、スマホでアクセスするための専用サイトを作ることがモバイル対応ではない。アップルはモバイル専用サイトを持たないが、これもれっきとしたモバイル対応だと思う。
      iPhoneブラウザはPCのサイトをきちんと見ることができることを売りにしており、それゆえにあえてスマホ用のサイトを作っていないと考えているが、その考え方も正解だろう。
      結論としては、モバイルユーザーが使いやすい、不自由しないサイトを提供することが本当のモバイル対応ということだ。

    • ユーザーエクスペリエンス!が重要

      Googleはユーザーエクスペリエンスを阻害するサイトの評価を下げることを明言している。
      遅さはユーザーエクスペリエンスを低下させる。

      Above the Fold、つまりファーストビューのコンテンツを1秒以内に表示させることを目標とすべし。実際は7秒程度かかっているサイトが多い。

    • 3.著者情報

      コンテンツの著者情報を検索結果に表示する機能。導入により以下のようなメリットがある。

    • 検索結果からのCTRがアップ
    • 認知度、信頼度アップ
    • スクレイピング対策

    検索結果のアイトラッキングの調査では、顔写真に視線が集まることが確認できている。

    また、著者情報は現在は順位には反映していないが将来的には反映させるだろう。
    スパマーは匿名で活動するため、著者情報と紐付けられたコンテンツにスパマーはあまりいないと考えられる。
    また、信頼の置ける著者であれば、その人が書いているということにより、何でもない掲示板の情報であっても上位表示させることもありうる。

    ブランド構築にも寄与する。
    自分のサイトがFacebookといった誰もが知っているビッグブランドになれなくても、ニッチでブランドとして認知されるのでもよい。
    巣鴨の地元で知られているコロッケ屋でもいいではないか。

    SEOはWebサイトの企画と切り離して考えることはできない


    SEOは一般的にはサイトが完成してから行われることが多い。
    しかし、それではSEOを充分に行うことはできないのだ。

    SEOはただ単に上位表示の技術ではない。
    SEOはマーケティングである。

    私は常々このブログでも書いているが、

    情報を発信したいWebマスターとその情報を知りたいユーザーを
    検索キーワードを通じて結びつけるマーケティング活動

    これがSEOである(ちなみにリスティング広告も同じである)。

    だから、SEOのためには、

    1.ユーザーニーズを洞察する

    これがまず必要であり、これが全ての基礎になる。

    • このサイトを見るべき人は誰か?
    • 何をアピールしたいのか?
    • いつ見てもらいたいのか?
    • どこで見てもらいたいのか?
    • なぜ見てもらいたいのか?
    • どのように見てもらいたいのか?

    といった思考過程が必要である。

    以前私は、「ロングテールSEOの基本 No.2」という記事の中で、キーワードは5W1Hで発想すべきということを書いた。

    ユーザーはどのような顕在化した、あるいは潜在的ニーズを持っているか?
    ニーズはどのようなキーワードとして投影されるか?

    これを洞察するためには徹底したユーザー視点が必要であるのだ。
    その過程はサイトの企画を考えることをほぼ等しい。

    根源的な問いがSEOには必要であり、これなしにはSEOはありえないのだ。

    その次のステップとしてユーザーのニーズを洞察した上で、

    2.ユーザーの必要とする情報は何かを知る

    ことが必要になる。
    考えるべきことは、一つ一つの記事の内容ではない。
    自サイトに来るべきユーザーの求めている情報の体系とは一体何であるか?
    である。

    このステップはSEOの技術的な意味においても非常に重要だ。

    これまでの人為的外部施策を中心としたSEOであれば、外部のサイトからの被リンクによってビッグキーワードの順位をあげるのが主流だった。
    しかし、この手法はリスクが高まったことにより時代遅れとなってきている。

    どのような情報を集積して、如何に整理するかが最も重要になってきている。

    現在は外部リンクなしでも充実したコンテンツがあれば、かなりのビッグキーワードであっても上位表示するようになってきた。
    しかし、上位表示には一貫性のあるコンテンツの階層構造が必須である。

    サイト構成が重要だ」の中で、内部施策によりビッグキーワードで上位表示させるための方法を書いた。
    キーワードの抽象度が高まれば高まるほど、言い換えてみればビッグキーワードになるほど、様々な関連情報へアクセスできる、情報の起点のページが有利になりやすいことを書いた。別の表現で書くならば「目次ページ」が有利になりやすいということだ。

    目次ページにどのようなコンテンツを並べるかは、サイトの企画に他ならないわけでどのようなサイトを作るべきか?
    と不可分に結びついている。というか同義である。

    3.ユーザーが求めているキーワードとその意味を知る

    単にユーザーニーズからキーワードを導いても充分ではない。
    キーワードには検索意図があり、その検索意図を満足させるコンテンツを作らなければならない。

    検索キーワードに関するコンテンツであったとしても、検索意図に合致していなければ上位表示しにくい。

    また、検索意図に合致していたとしても、検索意図を満たす内容でなければならない。
    これには2つの意味がある。

    1)検索意図を満足させないコンテンツは結局コンバージョンに結びつかない

    いくらユーザーを誘引したとしても、検索意図を満足させることができなければ「戻るボタン」で検索結果に帰ってしまう。
    検索ユーザーを騙す、あるいは不完全な知識しか提供しないコンテンツでの集客は、本来の目的を達成することができないということだ。

    2)検索順位が上がらない

    ユーザーを満足させることができないコンテンツでは検索順位が上がりにくい。
    不思議なことなのだが、ロングテールSEOを実践していると気がつくことである。
    Googleは共起語の出現頻度といったアルゴリズムを用いて、コンテンツの価値を測っている。
    共起語チェッカーといったツールもあるが、Googleの検索APIなどをたたいて検索スニペットなどから、共起語っぽいものを拾っているだけである。

    Googleが認識している真の共起語は我々には分かり得ない。
    だから、共起語をコンテンツに盛りこもうなんて姑息な努力に意味はないと私は思っている。
    あくまでユーザーのニーズに沿うための文章を作る過程において、共起語は自然に織り込まれるはずなのだ。それこそがGoogleの考える価値ある文章であろう。

    順位をあげるために共起語を入れるのではなく、ユーザーのニーズが先にありその結果として共起語が文章内に存在するのが正しいのだ。

    4.コンテンツを作るための戦略を立案する

    全ての検索キーワードにおいて、完全にユーザーのニーズを満たすコンテンツを作ることが理想である。
    しかし、現実問題としてそこから得られる利益との兼ね合いがある。
    必然的にコンテンツの作成に投入できるコストには制限が生まれる。

    ブランディングの兼ね合いでコストをかけてもよいコンテンツもあるし、SEO目的しかなければ得られるコンバージョン数や検索数に厳しく制約される場合もある。

    そのコストの範囲でどのように最良のコンテンツを作るのか?
    ここには戦略が必要だ。

    社長が書く、その分野の専門の担当者が書く、その道の権威に依頼する、外注のライターに依頼する、CGMで集める・・・

    様々な方法があるが、自サイトで取りうる運用体制を抜きに考えることはできない。
    いくら理想を言っても絵に描いた餅では仕方がないのだ。

    現実解と理想をいかに折り合いをつけ最適解を導くか?
    ここまでサイトの企画段階において考えなければならない。


    まとめてみよう。
    SEOはサイトの企画・運営と不可分の関係にあり独立して存在するものではない。

    被リンクではない現在のSEOでは、それだけ切り離して施策できるものではないということなのである。