Webサイトの改善策として重要な、しかし、忘れられがちな「サイト内検索」。
今回の記事は、この「サイト内検索」の重要性を解説した記事となります。「サイト内検索」が頻繁に利用されるサイトとあまり利用されないサイトがあるとは思いますが、しっかりと分析をすれば、意外な改善点が浮かび上がることもあります。
改善点の手がかりとなりうる「サイト内検索」。その活用法を振り返ってみましょう。
Webサイトへの訪問客は、改善につながる多くのデータを残してくれている。こうしたデータをコンテンツ改善の計画に役立てよう。
多くのマーケターが活用しきれていないが、最も基本的で価値のあるデジタルマーケティングツールが一つある。サイト内検索だ。
あなたのサイト内でユーザーが検索している情報から学ぶべき内容は多い。マーケターはこのデータを分析し、ユーザー体験の改善やより多くのリード、顧客、売上の獲得に活かすべきである。
サイト内検索とは?
サイト内検索は、特定のキーワードやフレーズを入力することで、ユーザーがWebサイト内で探している情報を提供する機能である。
サイト内検索を利用することで、ユーザーは目的の情報に直接アクセスすることができ、サイト内のナビゲーションを使用するよりも早く到達できることもあるだろう。
Google Analyticsのレポート
Google Analyticsは「行動」内で「サイト内検索」のレポートを提供している。このデータを見ることで、Webマスターとマーケターは、自身のサイトのコンテンツをユーザーがどのようにして探しているかを理解することができる。
「サイト内検索」のレポートは、ユーザーについての非常に価値ある情報を提供している。下記に抜粋してみよう。
- ユーザーがWebサイト上のコンテンツを探す際に使用したキーワード
- ユーザーが検索を開始したページ
- 検索した後、ユーザーがアクセスした目的のページ
- 検索した後のユーザーの滞在時間
- 検索をした後、サイトを離脱したユーザーの割合
下記は「サイト内検索キーワード」のGoogle Analyticsのレポートの例である。
※元記事では「サイト内検索のカテゴリ」のレポートと記載されていますが、画像から「サイト内検索キーワード」のレポートと判断しました。
また、下記は、「検索ページ」のレポートの一例である。
サイト内検索のレポートへのアクセス方法
自身のWebサイトでユーザーがどのようにして検索しているかを見るためには、Google Analyticsのビューの設定で、「サイト内検索」をオンにする必要がある。
備考:URLに検索カテゴリのクエリの文字列が含まれている場合、サイト内検索のカテゴリもオンにする必要がある。
サイト内検索のデータを活用する最適な方法
トップページのコンテンツを最適化する
トップページはユーザーのニーズに沿って設計されるべきである。サイト内検索で最も頻繁に使用されているキーワードを確認しよう。
現状のトップページは、「そのキーワードに関連するコンテンツが含まれているか」、また、「サイト内検索で使用されたキーワードがコンテンツ内でも使用されているか」という点を確認しよう。
トップページにてユーザーが探している情報を提供することで、自然検索結果の順位改善や、トラフィックや見込み客の増加などが期待できるだろう。
サイト内検索のデータを確認した結果、多くのユーザーが特定の商品やサービスを探していることがわかった場合、トップページからこの商品やサービスについての情報に簡単にアクセスできるようにしよう。
トップページのスライダー、コンテンツのウィジット、該当ページへのリンクのデザインなどが改善の対象となるかもしれない。
追加コンテンツの必要性を特定する
サイト内検索のデータを確認することで、ユーザーにとって重要となるトピックを特定することができるだろう。
サイト内検索のデータをもとにWebサイトを改善したり、ターゲットユーザーが必要としている情報をコンテンツに追加したりするなどの計画を立てることができる。
サイト内検索のデータを利用することで、ユーザーのニーズとコンテンツのギャップを特定することができ、ユーザーが最も関心のあるトピックをコンテンツに追加することができる。
例えば、Webサイトには商品に関連する情報は豊富にあるが、ユーザーが求めているのはサポートやサービスについての情報、といったことも起こりうる。
サイト内検索はユーザーについての直接的で、アクショナブルなデータを提供してくれる。このデータをもとに、Webサイトの改善についての優先度を決定したり、サポートやサービスについての追加情報の作成を判断したりすることが可能だ。
Webサイトのナビゲーションを改善する
ナビゲーションはユーザーが目的の情報に簡単にたどり着くことができよう、設計すべきだ。ユーザーが際限なくサイト内検索を使用するといった状況を作るべきではない。
サイト内検索は、「最も検索された」という観点で、貴重なデータを提供してくれる。ナビゲーションの選択肢から、ユーザーが求めるコンテンツを発見でき、アクセスできるようにしよう。
頻繁に検索されるコンテンツは、サイト内の奥深くに設置すべきではない。目的のページにたどり着く前に、ユーザーに対し多くの経路を通過し、複数のクリックを強いることになってしまうからだ。上記の例では、「サービスとサポートのページは、メインのナビゲーション内に含めるべき」と判断できる。
サイト内検索の結果ページを改善する
サイト内検索のデータを分析した結果、多くのユーザーがサイト内検索を使用した後、サイトから離脱してしまっていることがわかったとしよう。その場合、サイト内検索の結果ページを改善すべきかもしれない。
まずは、最も頻繁に検索されるトピックやキーワードの検索結果画面から確認すべきだ。
- 関連性のあるページを返しているか
- 検索結果ページのナビゲーションは見やすいか
- 複数のデバイスやブラウザで適切に表示されているか
こうした条件を満たしていないのであれば、下記の項目を確認してみよう。
- ユーザーが検索する情報に基づいて、サイト内のコンテンツの配置を見直す
- コンテンツを最適化し、頻繁に検索されるキーワードが含まれているようにする
- 適切な結果を返すように、サイト内検索のアルゴリズムを深く理解する
目的のページの選択と改善
Google Analuyticsのレポートのプライマリディメンションにて、「検索のリンク先ページ」を選択できる。「検索のリンク先ページ」とは、ユーザーがサイト内検索を行なったのち、直接アクセスしたページのことである。
「検索のリンク先ページ」を読み、そのページはユーザーが探している内容を提供しているコンテンツであるかを確認しよう。
コールトゥアクション(CTA)に関連するように目的のページを改善すれば、ユーザーは次のアクションを起こしやすくなり、必要な情報を得て、あなたへの問い合わせを行うかもしれない。
サイト内検索のデータを分析する方法
Webマスター(Web担当者)とマーケティング担当者は、サイト内検索のデータをカスタマイズすべきだ。下記のような指標を設定し、カスタムレポートを作成できる。
- メディア:ユーザーが訪問した際の流入元
- ランディングページ:ユーザーがランディングしたページ
- 開始ページ:ユーザーが検索を開始したページ
- 検索キーワード:ユーザーが入力した検索キーワード
- 検索のリンク先ページ:ユーザーがサイト内検索を行った後、訪れたページ
- 検索回数の合計:該当のキーワードで検索されたユニークな数
このカスタムレポートはサイト内検索のファネルとして活用でき、サイト内検索を使用したユーザーのサイト内の遷移を明らかにする。サイト内検索のユーザージャーニーの一例を記載しよう。
サイト内検索を通じて、ユーザーは非常に重要なデータをWebサイトに提供してくれる。
ユーザーニーズの把握、Webサイトの全般的な改善、見込み客への必要なデータの提供、コンテンツ作成のプランなどに、サイト内検索のデータを活用しよう。
サイト内検索という、あなたが手にすることができる、最も基本的で価値のあるツールの一つを忘れてはならない。
サイト内検索の機能を充実させることはもちろん、実際にユーザーが残してくれたデータを元に、サイトの設計やコンテンツの見直しをすることも重要です。
ユーザーへのアンケートやA/Bテストも必要ですが、サイト内検索のデータも決して無視することはできません。
Webサイトの改善策として、サイト内検索のデータを活用できていない方は、これを機にデータを確認してみてはいかがでしょうか。
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