– SEO Japan
*リンク先の記事は全て英語になっています。
SEOは、年を追うごとに変化しており、過去に効果があった取り組みが、今でも同じようにうまくいくとは限らない。現在利用しているその手法は、既に廃れている可能性があり、トラフィックの増加につながらないどころか、反対にトラフィックを減らしてしまう危険がある。
それでは、どうすればいいのだろうか?
この記事では、あなたが今すぐにやめるべき手法と、これから取り組むべき手法をまとめてある。下記に掲載する個々の手法を、ぜひ、確認していただきたい。
廃れた手法 #1: リンクが多ければ多いほどランキングは上昇する。
Search Metricsによると、バックリンクの本数は、ランキングを決定する要素において3番目に重要度が高いようだ。
かつて、バックリンクの数とランキングの高さは比例していた。しかし、現在は必ずしもこのルールが当てはまるわけではない。最近では、たった数本のリンクしか張られていない新しいサイトが、歴史の長い権威のあるサイトをランキングで上回ることがある。
その理由を説明しよう。
上記のケースにおける新しいサイトのバックリンクは、よりサイトとの関連性が高いのだ。Googleのペンギンアルゴリズムアップデートにより、リンクの関連性は、リンクの量よりも重要になった。
下の例を確認してもらいたい。Googleで「business credit cards(ビジネス クレジットカード)」と検索してみると、ご覧のように、Nerd WalletのサイトがChaseとAmerican Expressのサイトよりも上位にランクインしている。
Ahrefsによると、1位に表示されているNerd Walletのサイトは、136のリファラードメインから176本のバックリンクを獲得している。一方のChaseのサイトは、69のリファラードメインから293本のリンクを獲得し、American Expressのページは、343のリファラードメインから90,000本のバックリンクを獲得している。
ルートドメインの名前を見てみると、ChaseとAmerican Expressのサイトは、Nerd Walletのサイトよりも多くのユニークなドメインからリンクを獲得していることが分かる。
GoogleのPageRankに関しては、Nerd Walletのサイトは6、ChaseとAmerican Expressのサイトは7と評価されている。
このデータからも分かるように、バックリンクの量に力を入れる必要はない。代わりに、Nerd Walletのサイトのように、質の高いリンクに焦点を絞るべきである。
リンク構築でリンクの量を増やすことばかり考えるのは得策ではない。自分のウェブサイトのコンテンツと具体的に関連性が高いリンクを構築する取り組みを優先しよう。
廃れた手法 #2: キーワードリッチなコンテンツを書くことが最も重要
「business credit cards」のようなキーワードで上位表示を獲得したいのであれば、このフレーズをウェブページに記載する必要がある…と習ったのではないだろうか?過去においては、確かにその通りであった。しかし、現在、Googleのアルゴリズムは、潜在意味解析インデックスを用いている。
潜在意味解析インデックス(LSI)とは、特異値分解と呼ばれる数学的な方法を用いて、構造化されていないテキストの集まりに含まれる用語とコンセプトの間の関係におけるパターンを特定するインデックス、および、検索のメソッドを指す。LSIは、同じコンテキストで用いられているワードは、同じ意味を持つ傾向があるという原則を基にしている。
要するに、Googleは、「corporate credit card(コーポレート クレジットカード)」と言うフレーズが、「business credit cards」と同様の意味を持つと考えているのだ。つまり、「business」の代わりに「corporate」という表現を用いたとしても、どちらの用語の検索結果においてもランク付けの対象となる。
キーワードリッチなコンテンツを書こうとするのではなく、ユーザーフレンドリーなコンテンツを書くべきだ。ユーザーを優先し、ユーザーにとってベストなコンテンツを書けば、Googleは、ランク付けの対象にすべき用語を自然に理解し、それに見合った順位にあなたのサイトを表示するだろう。
そもそも、キーワードリッチなコンテンツを本当に読みたいと思っている人などはいないのだ。例えば、「SEO」というキーワードで上位にランクインしたいからといって、この記事で「SEO」という言葉を100回も記載したとする。すると、読者はQuick Sproutに退屈し、恐らく、リンクを張る気持ちは失せてしまうだろう。その結果、当然ランキングにマイナスの影響が生じてしまうのだ。
ランキングに有効に働くわけではないため、キーワードリッチなコンテンツの作成からは距離を置こう。
廃れた手法 #3: SEO = リンク + コード + コンテンツ
これは5年前のSEOの公式だ。三流のコンテンツと大量のリンクを用意し、オンページの最適化をしっかりやっておけば、上位に表示されることが可能であった。
しかし、現在、この公式は通用しない。そして、上位に表示されているサイトは、ソーシャルメディアのフォロワーを大勢獲得している傾向が見られる。
ソーシャルメディアが直接的にしろ、間接的にしろ、ランキングへの影響があるかどうか信じている方も、信じていない方もいるだろう。しかし、ソーシャルメディアはランキングへの影響を与えている。
その理由を説明していこう。
ソーシャルウェブでサイトの人気が高くなればなるほど、より大勢の人に見てもらえるようになる。そして、見てくれる人が増えれば増えるほど、得られるバックリンクの本数も増すのだ。
その上、ソーシャルメディアは、コンテンツを配信し、出だしの勢いを得る場所として最適な場所なのである。
より上位にランクインしたいのであれば、リンク構築だけに力を入れるのではなく、ソーシャルプロフィールの構築にも注力しよう。手始めにこのガイドを参考にするとよいだろう。
廃れた手法 #4: ランキングの追跡
以前、私は自分のサイトのランキングを定期的にチェックしていた。SEOエージェンシーの会社を経営していた頃は、クライアントのサイトのランキングも確認していた。
しかし、この方法は時代遅れになっている。
ランキングはかつてほど重要ではなくなっている。上位へのランクインを望む気持ちは理解できる。しかし、検索はロングテールの時代に差し掛かっている。下記のデータを見ればよく分かるだろう。ヘッドタームの検索量は8%減少し、トラフィックの大部分が、ロングテールのフレーズを経由するケースが増え始めている。
これでも納得できない方のために、もう1点データを紹介する。私が運営するKISSmetricsとQuick Sproutのトラフィックの90%はロングテールのフレーズから寄せられ、さらに、検索経由のコンバージョンの87%を占めている。
ヘッドタームのランキングを操作しようとするのではなく(パンダとペンギンの両アップデートが導入されて以来、難易度は上がり続けているため)、ロングテールのトラフィックの力を入れたいところだ。
この流れの良い点は、ランキングをいちいちチェックをせずに済むことだ。代わりに、コンテンツマーケティングを軸に、ロングテール戦略を策定する必要がある。このガイドで詳しく説明しているので、目を通しておいてもらいたい。
廃れた手法 #5: ページの多さとトラフィックの量は比例する
Wikipediaは、コンテンツを豊富に持つ、トラフィックの多いサイトの典型的な例だ。そのため、トラフィックを増やしたいなら、ページを増やす必要がある…と考えたくなる。
しかし、ページの質が高くなければ、上位にランクインすることはない。コンテンツ、とりわけ、質の低いコンテンツを大量に加えると、プラスではなく、マイナスの影響をもたらす可能性がある。
Googleは、パンダと呼ばれるアップデートを導入し、品質の低いコンテンツを掲載しているサイトを狙い撃ちにした。このようなサイトはペナルティーを科され、その結果、検索トラフィックが激減した。
Wise Geekが良い例だろう。このサイトは、コンテンツを大量に揃え、ランキングの上位を独占していたものの、コンテンツの質が低かったため、パンダアップデートの餌食となった。
何千もの大量の記事を掲載するサイトを作るべきではない。質の高いコンテンツの作成に力を入れよう。KISSmetricsとQuick Sproutは非常に良い例と言える。どちらのブログも月間ビジターが50万名を優に超えるものの、大量の記事を投稿しているわけではないのだ。
廃れた手法 #6: 上位にランクインするためには大量のテキストが必要
高順位を獲得したいのであれば、全てのページに2,000語以上を記載する必要があると示したデータがある。しかし、Upworthyがこのデータが間違いであることを証明している。
Upworthyは成長著しいコンテンツサイトであり、Huffington PostとBuzz Feedを上回るペースで成長している。しかし、1ページ当たりのコンテンツの量はそれほど多くはない。
タトゥーに関するこのページを見てもらいたい。
このページに掲載されているテキストは、たったこれだけだ。それでも、「tattoos」というキーワードで2位にランクインしている。
しかも、上位にランクインしているキーワードは他にもある。SEMrushによると、検索エンジン経由で月に750,000名のビジターを獲得しているようだ。
Upworthyの例は、テキスト以外にも有益なコンテンツが存在することを改めて確認させる。動画と画像もまたランキングで健闘しているのだ。Upworthyは、この視覚的なコンテンツを記事の中でうまく活用している。
上位にランクインしたいなら、様々なタイプのコンテンツを使おう。ポッドキャスト、動画、クイズ…可能性は無限大だ。
廃れた手法 #7: ランキングの高さとトラフィックの多さは比例する
SEO業界には、ランキングが高ければ高いほど、検索トラフィックが増える、といった誤った概念が存在する。
当然ながら、あなたのサイトを検索結果上で見る人は増える。しかし、それがそのままクリック数の増加も意味しているわけではない。
なぜなら、狙っているキーワードの検索量が少ない場合があるためだ。あるいは、メタタグが魅力的ではなく、ユーザーがあなたのサイトをクリックする引き金になっていない可能性もある。
この問題は、次の2つの方法で解決することができるだろう。
- Google Adwordsのキーワードプランナーツールを使って、狙うべきキーワードを見つける。
- このガイドで説明している手順に従い、クリックスルー率を上げるための取り組みを行う。
結論
廃れたSEO戦略に時間を無駄に使うのを止め、トラフィックを増やす戦略にエネルギーを注ぐべきだ。
今回紹介した7つの手法を用いれば、30日から60日後に検索トラフィックは増え始めていくはずである。難しいことではない。必要なポイントに留意しておけば、割とシンプルな取り組みだと言える。
その他にも廃れたSEOの手法をご存知なら、是非、コメント欄で紹介してもらいたい。
この記事は、Quick Sproutに掲載された「7 Obsolete SEO Tactics You’re Wasting Your Time On」を翻訳した内容です。