コンバージョン率改善で最初、二番目、三番目にテストするべき3項目

コンバージョン祭Weekにお届けする今回の記事は、テストを行う際に、どこから始めたら良いの?というコンバージョン改善初心者に贈るコンバージョン率改善の基本ステップ的な記事を。事例も含めわかりやすい内容になっており、SEO Japanで紹介している記事がディープすぎるという初心者テスターの方には最適かも。 — SEO Japan


What to Test First, Second, Third

ウェブサイトのテストは、非常に重要度が高い。しかし、どうでもいいことに貴重な労力を投じている人達は多い。ボタンの色を変えたところ、1.2%改善したものの、オファーを手直しすれば、320%改善する可能性もある。 結果を大幅に改善する変更のテストから着手するべきである。

コンバージョンの最適化のことがよく分からないなら、まずはこの記事を読むべき(日本語)だ。

何を最初にテストするべきか?

最初にオファーをテストするべきだ。オファーは、ビジターに与えるモノではなく、ビジターが — 特定の行動を起こすことで(ニュースレターに参加する、製品やサービスを買う、無料トライアルを始める等)ビジターが得られると理解するモノである。

実際に得られるものと、ビジターが得られると考えているものは大きく異なることが多い。オファー、そして、伝えるアプローチが、大きな違いをもたらす。

以下にニュースレターへの参加を呼び掛けるオファーを掲載する:

説得力に溢れる(?)オファーだったのではないだろうか?残念ながら、この手のオファーはとても多い。「Join our FREE newsletter」(無料のニュースレターに参加しましょう)とオファーで言っておきながら、実際にはニュースレターを購読させている。

コールトゥアクションボタンの色を緑やオレンジに変えてテストすることも出来るが、インパクトはとても小さい。オファー「JOIN MY FREE NEWSLETTER」が駄作であることは明白である。

Eメールの購読率をアップさせたいなら、良質なオファーを考案(& 提供)しなければならない。

最高のオファーをいきなり作ることが出来る可能性は非常に低い。必ず2つのオファーを用意し、スプリットテストを行うべきだ。オーディエンスが何を求めているのかを発見することが、主な目的である。オーディエンスの望みとニーズにオファーがマッチしているなら、結果に出るはずだ。

効果の高いオファーを見つけたら、さらに結果を良くする努力をしよう。チャレンジャー(新しいバージョン)を作り、効果の高かったオファーのバージョンと同時にテストにかけ、比較してもらいたい。

あらゆるタイプのコールトゥアクションに同じ原則が当てはまる。

製品を買ってもらいたいなら、お金を払って何を得られるのか明確に伝える必要がある。あるいは、オファーを異なる方法で提示するべきだ。オファーを改善する上で役に立つこの11点のチェックリストを参考にすると良いだろう。

オファーをテストしていこう。コンバージョン率に大きな影響をもたらすはずだ。

二番目に何をテストするべきか?

ヘッドラインと価値提案をテストする

ヘッドラインは、ビジターが最初に目にする要素である。価値提案は、「競合者ではなく、このサイトからなぜ買うべきなのか?」と言う疑問への答えを提示する役目を持つ。

この例を確認してもらいたい:

上の画像では、ヘッドラインは、大きなフォントを用いたテキストであり、その下のテキストの段落、そして、右側の画像が、価値提案を構成する。

消費者は気が短く、ページの最初の一部分しか読んでくれない。ヘッドライン、もしくは、価値提案が、注目を掴むことが出来ない、そして、もっと知りたいと思わせることが出来ないなら、その時点でセールスは見込めない。

上の例では、もっと良いヘッドラインを用意することが出来たはずだ。分かりやすいが、インパクトが薄い。コンバージョンと結果を改善する効果にもっと焦点を絞ると、もっと良いヘッドラインに生まれ変わる気がする — なぜなら、それがサービスを依頼する理由だからだ。

ヘッドライン、または、価値提案が曖昧になっているかどうか(「もっと力をつけましょう」、意味のないものになっているかどうか(ようこそ!)、そして、そもそも、存在するかどうかを確認してもらいたい。

(製品のカテゴリーによっては)大半の顧客は製品を購入する前にリサーチを行い、様々なサイトをチェックする。そのため、オファーだけでなく、ヘッドライン、そして、価値提案を差別化する必要がある。

ウェブデザインサービスを提供する会社にとって、ウェブサイトを作りますと言う価値提案は、稚拙だと言わざるを得ない。なぜなら、全ての競合者が全く同じことをするためだ。しかし、どんなことをするかを告知しているだけの企業はとても多い。これだけでは不十分である。

どのように優れているのか、どのような違いがあるのかを説明しなければならない。ヘッドラインを若干曖昧にすることは不可能ではないが、続いて、明確で具体的な文章を用意する必要がある。

三番目に何をテストするべきか?

大きく、目立つボタン、および、ボタンのコピーをテストする

目立たせるだけ?– その通りだ。効果はあるのか?– 驚くほどある。

アンネ・ホーランドにインタビューした際、次のような話をしてくれた:

私達は、毎年テストアワードを開催しているのですが、今年は、幅が300ピクセルのワイドなボタン(既に割と大きい部類に入ります)を3倍大きくしたサイトに、最優秀テスト賞を送りました。あんなに大きな投稿ボタンは見たことがありません。画面の半分近くを占めていました。しかし、驚くことに、反応率はアップしたのです。

ボタンの色をあれこれと気にするのではなく、サイズにこだわろう。ページの上半分に、大きく、明確な言葉のボタンを掲載しよう。クリックした後に起きることを明確に伝えると、クリックしてもらえる確率は高くなる。

SAP BusinessObjectsは、通常の青いリンクを大きなボタンに変えて、コンバージョン率を32.5%改善することに成功した。この例に習い、主なコールトゥアクションを目立たせ、見つけやすい場所に置き、様々なアイデアをテストしよう。

コンバージョンをアップさせる原則

上述したポイントを考慮する際は、次の原則を常に頭の片隅に置いておこう:

  • 分かりやすさは、説得力に勝る。曖昧なメッセージを避け、具体的に説明するべきだ。また、不必要に大袈裟なメッセージも回避しよう。
  • ユーザーは会社に関心があるのではなく、ユーザー自身、そして、問題に対する解決策を重視している。この点をコピーに反映させよう。
  • 過ぎたるは及ばざるがごとし。邪魔をする可能性のある余分なアイテムは全てそぎ落とすべきだ。 ユーザーをコンバートさせる上で貢献する要素のみを維持しよう。ユーザーを適切な方向に導いてあげるのだ。
  • ユーザーが必要とする情報を全て提供するコピーこそが、最高のコピーである。情報不足によって、セールスの半分が失われる。ユーザーが自分自身を納得することが出来る情報を与える前に、「買ってくれ」と頼むべきではない。

トラフィックが少ない場合

トラフィックが少ないなら、狙いをより十分に絞る必要がある。登録ボタンを黄色にするか、または、オレンジ色にするか等、たいして重要ではない変更に貴重な時間を費やすことは許されない。

Amazonのようなサイトなら、1%コンバージョン率がアップするだけで、利益が大幅に増える。小規模なビジネスにとって、1%の増減は、ほとんど影響がない。1%よりも、100%の改善を目指そう。

テストの結果が妥当かどうかを判断する前に、統計的な有意性を達成する必要があり、トラフィックが少なければ少ないほど、この有意性を得るまでにかかる時間は長くなる。 信頼のおけないデータに基づいてビジネスの決定を下すと、自滅する可能性が高いため、テストをスピードアップすることは出来ない。

トラフィックが少ないなら、多変量テストを避け、スプリットテストにこだわろう — 遥かに早く最終的な回答を得られるためだ。

MarketingExperimentsは、良い例を紹介している: 3000/月のビジターを獲得し、過去のコンバージョン率が7%の場合、6つの組み合わせ(2の支払いのデザイン x 3つのカートのデザイン)をテストすると、妥当な結果が得られるまで、最長で3年間を要することもあり得る。

最後のアドバイス

  1. 一度に1ページずつ最適化しよう。コンバージョンに出来るだけ近いページ(製品ページや買い物かごの画面等)を選び、コンバージョンを解決するべきだ。なぜなら、最も利益を増やすポテンシャルが高いからだ。
  2. ウェブサイトが目も当てられないくらいひどいなら — テストしても時間の無駄だ。新しいサイトを作ろう。ちょっと調整するだけでは、見にくいアヒルを白鳥に変えることは出来ない。

この記事は、ConversionXLに掲載された「What to Test First, Second, Third」を翻訳した内容です。

コンバージョン率改善というと、どうしてもボタンの色や写真、コピーなどミクロ的な話が注目されがちですが、最初にテストすべきなのは「オファー」であり、それが最も重要、という点は意識したいですね。テストは多数やっていても、肝心のオファーはそのまま、というテストおたくな方も意外といるのではないでしょうか。初心者もベテランも読みたい記事でした。 — SEO Japan

投稿者:

SEO Japan

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