サブドメインとは、メインドメインとなるドメインのもとに任意で設定できるドメイン名のことです。ドメインは、ウェブサイトなどインターネット上の「住所」の役割を持ちます。独自ドメインとサブドメインの区別をしたり、サブディレクトリなどの似たような概念もあったりします。
今回の記事では、サブドメインの意味から活用のメリット、サブディレクトリなど関連する概念との違いや使い分けについて解説していきます。
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サブドメインとは
サブドメインとは、メインサイトから派生する関連サイトをメインドメイン(独自ドメイン)直下に設定することが可能なドメイン名のことです。
例として、弊社のメインサイトは「https://nyle.co.jp/」という独自ドメインのウェブサイトです。関連サイトとして、インタビューページの「https://r-blog.nyle.co.jp/」、リクルートページの「https://mid-career.nyle.co.jp/」を運営しています。
この場合、それぞれ「r-blog」と「mid-career」の部分(独自ドメインの左方の文字列)がサブドメインとなります。
サブドメインを取得するには?
サブドメインを取得するには、まずメインドメインとなる独自ドメインを取得しなければなりません。
下記の図は、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の言語別のサブドメイン例です。
独自ドメインの取得後は、任意のサーバーにメインドメインとして登録の設定を行います。その上で、サーバー側でサブドメインごとにフォルダを作成します。レンタルサーバーの場合は、コントロールパネルなどレンタルサーバー業者が提供している管理画面にて、サブドメインとして使用した任意の文字列を指定・登録が可能です。
レンタルサーバーは、業者が提供している契約プランによってサブドメインが取得できる数に制限があったり、サブドメインの設定ができなかったりします。
一方で、業者によってはあらゆる契約プランで無制限にサブドメインを取得できるサービスを実施しているところもあります。予算や今後展開したいビジネスに合わせて、サービス内容を比較検討してみるとよいでしょう。
サブドメインを利用するメリット
サブドメインでウェブサイトを開設・運営することにはメリットがあります。
ウェブサイトを開設するにあたって、新規の独自ドメインを取得するのもひとつの手ですが、ここではサブドメインを利用するメリットを紹介します。
メインドメインの評価を受け継ぐことができる
Googleの検索エンジンは、メインドメインによるウェブサイトとサブドメインによるウェブサイトを、それぞれ個別に評価します。
ドメインへの評価は、サブドメインにもある程度影響すると考えられています。そのため、すでにメインドメインがある場合は、新規に独自ドメインを取得してウェブサイトを始めるよりもサブドメインで運営したほうが有利といえるでしょう。
サブドメインは、メインドメインの評価をある程度引き継いでいる分、特定の領域で順位が付きやすくなるなど、SEO上有利に働く可能性があるからです。
ドメインにかかる費用・工数を節約できる
独自ドメインは取得に費用がかかり、一定期間で更新費用もかかります。
もし自社で商品別やブランド別に独自ドメインを取得するとなると、それだけでかなりのコストになるでしょう。サブドメインであれば無料で作成できるため、コスト面で有利です。複数のドメインを利用するとなると、更新期間などの管理工数も馬鹿にできません。サブドメインであれば、一定負荷を下げられることになります。
海外用サイトの使い分けにも活用できる
サブドメインを使うことで、日本国内用と海外用サイトを使い分けることもできます。
例えばウィキペディアは、上記の図にも表したように下記のサブドメインで、言語別にサイトを分けています。
日本語https://ja.wikipedia.org/wiki/メインページ
英語
https://en.wikipedia.org/wiki/Main_Page
ドイツ語
もちろん、サブディレクトリや新規ドメインを取得して運用することもできますが、それらに比べると手軽に運用できるというのも魅力なのです。また、サブドメインは複数サーバーでの運用も可能ですので、現地のサーバーを利用することもできます。
サブドメインを運用する上で気を付けたいこと
サブドメインにはメリットがある一方で、当然デメリットや制約もあります。
ここではサブドメイン運用の注意点を紹介します。
メインドメインからの悪影響を受けるリスクがある
サブドメインは、メインドメインに対する検索エンジンの評価をある程度受け継ぎます。
したがって、サブドメインはメインドメインの良い評価だけでなく悪い評価をも受け継ぐリスクがあるのです。例えば、サブドメインのウェブサイトが検索エンジンより何らかのペナルティを受けた場合、メインドメインのウェブサイトや、他のサブドメインのウェブサイトも同様にペナルティの影響を受けることも考えられます。
常に同じドメインでの運用であることを考え、まずはメインドメインのウェブサイトを適切に運営していくことが欠かせません。
Google検索結果はメインドメインとサブドメインで表示数の制限あり
現状、Googleは、検索結果に同じドメインに属するページを基本的には2つまでしか表示させません。
これはメインドメインだけでなく、サブドメインも含めて同一ドメインとして認識しています(サブディレクトリも同様)。もしメインドメインのウェブサイトと同じ検索キーワードをターゲットとする場合には、サブドメインのウェブサイトのページが検索結果に表示されない可能性があります。
非常に類似するテーマを扱う場合は、ゼロから評価を獲得することになりますが、新規ドメインで運用することも検討しましょう。
完全に無料でウェブサイトを運用できるわけではない
サブドメインを取得するための費用はほとんどかかりませんが、ウェブサイトを完全に無料で運用できるわけではない点は注意が必要です。
ウェブサイトを運営する上で欠かせないのがSSL証明書の取得で、これには費用がかかります。SSL証明書とは、ユーザーが通信しているサーバーが実在し、通信相手がなりすましではないことを第三者機関である認証局(CA)が保証するものです。
さらにSSL証明書は、通信中のユーザーのログインIDやパスワード、個人情報、クレジットカード情報などの重要な情報を第三者が閲覧できないよう暗号化してくれます。
SSL証明書を取得していないサイトにアクセスすると、警告が出たりブラウザの設定によってはアクセスをブロックされたりすることがあります。SSL証明書は、ウェブサイトを運営するためには絶対に必要であり、取得費用を避けることはできません。
ただし、マルチドメイン証明書やワイルドカード証明書を活用することで、サブドメインで新たにウェブサイトを開設する場合は、個別に証明書の取得費用が発生しないこともあります。サブドメインでウェブサイトを増やしていく展開を計画しているなら、マルチドメイン証明書やワイルドカード証明書の導入を検討するとよいでしょう。
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新規ドメインのメリットとデメリット
新規ドメインとは、新たに発行された独自ドメインのことを指します。
ウェブサイトを新設するにあたっては、新規で独自ドメインを取得します。もしくは、既に取得している独自ドメインをメインドメインとして、サブドメインを取得する方法の2通りです。新規ドメインによる運営には、それぞれメリットとデメリットがあります。
新規ドメインのメリット
新規ドメインのメリットとは、ウェブサイトの内容に合ったオリジナルのドメインが作れることにあります。
例えば、会社名の独自ドメインでコーポレートサイトを運営している会社が、商品のブランディングサイトを作る場合は、新規ドメインを取得するといいでしょう。既に保有しているドメインによるウェブサイトとは完全に異なるウェブサイトを開設する場合は、会社として検索結果の独占を狙うほうが望ましいといえます。
SEOの観点ですでに解説したように、検索結果への表示数に制限があるため、新規ドメインの利用は有利です。
新規ドメインのデメリット
新規ドメインのデメリットとは、運用歴がないため検索エンジンからSEO評価を受けるのに時間がかかってしまうことです。
さまざまな施策を積み重ねることでSEOは向上していきますので、短期間で成果を出すのは難しいです。新規ドメインによる運営をするなら、構築の段階からSEOを意識したわかりやすいウェブサイト作りを心がけることが第一にあります。SEO施策を行い、効果が出るまでの期間も考慮して運用を計画することが大切です。
ケースバイケースではありますが、基本的に新規ドメインでの運用はいろいろと手間がかかることが多いでしょう。新規ドメインは、SEO観点で見ると対応する点が増えるため、特段理由がない場合は、サブドメインか次に紹介するサブディレクトリでの運用がおすすめです。
サブドメインとサブディレクトリを使い分けよう
メインドメインによるウェブサイトのもと、新たなコンテンツを打ち出したいとき、「サブドメインにするか、サブディレクトリにするか」という選択肢が生じます。
ここでは、サブドメインとサブディレクトリのどちらを用いるか、使い分けのポイントを解説します。
メインサイトのテーマとの距離感で使い分ける
サブドメインとサブディレクトリの使い分けは、メインドメインのウェブサイトのテーマとこれから作るコンテンツがどの程度離れているかが目安となります。
テーマの隔たりが大きければサブドメインを、テーマが近ければサブディレクトリを使うとよいでしょう。例えば、クレジットカードに関するメディアを運用しながら、新たにスイーツに関するメディアを展開することになったとします。この場合は、サブドメインでの運用が推奨されます。クレジットカードとスイーツでは、テーマが大きく異なるからです。
テーマが異なるコンテンツをサブディレクトリにしてメインサイトに組み込んでしまうと、メインサイトのテーマ性にブレが生じます。その結果、検索エンジンがサイトのテーマを上手く認識できない可能性が出てくるからです。
一方で、インターネット業界のようなある種フラットな企業や自社サービスに関連するコンテンツの場合は、メインドメインからの影響を受けやすいサブディレクトリでの運用のほうが効果的になる場合もあります。企業としてのバックグラウンドは、運営者の不明なメディアに比べれば透明性がある分、Googleは評価を高める傾向にあるのです。
以上のように、使い分けはケース・バイ・ケースですが基本的な考え方は、テーマの近さで考えることをおすすめします。
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コンテンツの性質で使い分ける
サブディレクトリでアップしたコンテンツが検索エンジンのセーフサーチ(露骨な表現を含むコンテンツを非表示にする機能)に引っかかった場合、メインサイト自体が検索結果から除外されてしまう恐れがあります。
また、いわゆるYMYL(Your Money Your Life)のコンテンツをメインドメインで運用している場合に、そのテーマと大きく異なるテーマを扱う場合には、サブドメインで運用することをおすすめします。お金や健康などの分野は根拠のない俗説も多く流布されているため、GoogleはYMYLのコンテンツに対して厳しい評価基準を設けているのです。
そのため、同じドメインに混ぜて運用してしまうと、検索エンジンが「専門性が低い」という評価をして順位に悪影響を与える可能性があります。
サブドメインを活用して、自社ウェブサイトのグループを充実させよう
新規の独自ドメイン、サブドメイン、サブディレクトリなど、コンテンツを発信するための選択肢はさまざまあります。
すでに独自ドメインでウェブサイトを運営していて、さらにいろいろなテーマのコンテンツ作りに挑戦したい場合もあるでしょう。独自ドメインで積み上げた評価を土台に多様なテーマのコンテンツをサブドメインで発信して、自社のウェブサイトのグループを充実させてみてはいかがでしょうか。
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