スタートアップ企業は、様々な取り組みに追われ、多忙を極めている – 人材の採用、営業、経理、ペーパーワーク、開発、テスト、資金調達 – その他にもまだまだ仕事はある。スタートアップは、所属する業界に関わらず、基本的に不安定なビジネスであり、起業したばかりの頃は、多くの仕事に進路を阻まれ、前に進めないことが多い。
起業家は、それぞれの分野ではエキスパートである。中には、インターネットビジネスの運営を心得ている人もいる。しかし、SEOにまでは気が回らないケースが多い。ただし、ウェブサイトを最適化するために、SEO専用の予算やマーケティングチームを結成する必要はない。その代わりに、早い段階でSEOのベストプラクティスを導入しておくことで、ビジネスが成長していくにつれ、利益を得られるようになる可能性がある。
新しいウェブサイト(そして会社)を作る際は、適切にSEOを実施して、会社名を検索した人が、そのウェブサイトを見つけられるようにしてもらいたい。SEOを強化すると、製品やサービスを検索するユーザーに、競合者のサイトではなく、自分のサイトを訪問してもらえる確率は高くなる。SEOにおいて最大の成果を得るには、数ヶ月間に渡って最適化を行う必要があるため、最低限の取り組みであっととしても – 後ではなく、早い段階で始めておきたいところである。
以下に、スタートアップの新しいウェブサイトにとって、欠かせないSEOのアドバイスとタスクをまとめたチェックリストを掲載する。数分間で済むものもあれば、開発者の助けが必要なものもある – いずれにせよ、サイトに大きなメリットを与えるものばかりである。
一般的な設定
- グーグルアナリティクスをインストールする。
- グーグルアナリティクスで、お問い合わせフォームの送信や製品の購入後の「ありがとうございます」ページに「目標」を設定する。
- グーグルウェブマスターツールを設定する。
- グーグルウェブマスターツールとグーグルアナリティクスを接続し、ユーザーが自然な検索結果からサイトを見つける経緯の詳細を把握する。
- robots.txtファイルを作成して、サイトのルートディレクトリにアップロードする。
- sitemap.xmlファイルを作成して、サイトのルートディレクトリにアップロードする(もしくは、可能ならばCMS内でこの機能を有効に設定する)。グーグルウェブマスターツールにサイトマップを投稿し、インデックスしてもらう。
キーワードリサーチ
- 提供する全ての製品とサービスのリストを作る。自分のウェブサイトで、どのように紹介しているのか確認してもらいたい。顧客、そして、消費者は、どのように製品やサービスに言及しているだろうか?フレーズの組み合わせを出来るだけ多く挙げていこう。
- グーグルのキーワードプランナーの「新しいキーワードと広告グループの候補を検索」を使って、キーワードのアイデアを増やす。
- 十分な量のキーワードの組み合わせが浮かんだら、全てのキーワードをキーワードプランナーに入力して、パフォーマンスを確認する。
- 比較的ボリュームが多く(大勢のユーザーが検索している)、尚且つ、比較的入札単価の低い(競争が激しくない)フレーズを探して、候補を絞っていく。残ったフレーズがターゲットのキーワードになる。
- ターゲットのキーワードを意味が似ているフレーズごとに分類し、それぞれのグループにウェブサイトの該当するページに振り分けていく。グループにフィットするページが見当たらないなら、今後のブログの記事で当該のキーワードを利用する計画を立てる。
オンサイトの最適化
- ページに割り当てたターゲットのキーワードの中から1つ、または、複数のフレーズを使って、各ページに対するタイトルタグを作成する。タイトルタグ内には、会社名を盛り込むべきである。タイトルタグは60文字以内に抑える必要がある。
- ページに割り当てたターゲットのキーワードの中から1つ、または、複数のフレーズを使って、各ページに対するメタディスクリプションを作成する。タイトルタグは155文字以内に抑える必要がある。
- 各ページのURLにターゲットのキーワードを盛り込む。
- ページにH1タグを一つ(のみ)与える。その際、なるべく、ターゲットのキーワードを使ってもらいたい。妥当な場合、追加のヘッダー(H2 – H6)をページの下に向かって、順番に加えていく。
- ホームページから、ウェブサイトの全てのページにクリック三回以内でアクセスすることが出来るようにする。三回以上クリックしなければ到達出来ないページ(またはセクション全体)があるなら、メインのナビゲーションからもしくは、適切なカテゴリーリンクからリンクを張る手法を検討してもらいたい。
- サイトの別の場所からリンクを張る際は、アンカーテキストとしてリンクを張るページに関連するターゲットのキーワードを一つ利用する。
- ウェブサイトでイメージを多用しているなら、イメージにALTタグを加えて、ユーザーが見ている視覚的要素を検索エンジンに理解してもらう。
コンテンツ
- サイトの全てのページに、サイト内(外)に存在しない300ワード以上のコンテンツを掲載する。
- ドメインでブログを開設し、出来るだけ頻繁にコンテンツを配信する(最初は月に二回を目指す)。個人的に興味があり、読みたいと思う記事を作成する。
- テキストにこだわらずに、動画、ポッドキャスト、オンラインセミナー、インフォグラフィック、イラスト、PDF等を作成する。
- 製品やサービスに対する主なオーディエンスのタイプを2-3特定し、それぞれのタイプに対して、固有のコンテンツを作成する。オーディエンスのニーズを最も反映する、困っている点、または、特徴を特定しよう。
- 毎回宣伝ばかりする行為を避け、オーディエンスの興味を引く関連するトピックを取り上げる。サイトに何度も戻って来てもらうことで、コンバートする確率は高くなる。
リンク構築
- ライバルのサイトを2つ挙げ、Mozのオープンサイトエクスプローラーに入力する。「Only External」(外部サイトのみ)、を選び、「Inbound Links」(被リンク数)をチェックし、オンラインでライバルのサイトに言及しているサイトを確認する。特に信頼のできるサイトを探し、自信のある製品やサービスの宣伝を行う。
- ブログの読者が多い、あるいは、ソーシャルメディアでフォロワーが多い、所謂、業界の「インフルエンサー」を特定する。接触し、コンテンツをアピールするチャンスが生まれるまで、当該の人物の動向を追う。
- PR活動を活用し、全ての宣伝にサイトへのリンクを盛り込む。リンクのアンカーテキストに会社名を用いることを心掛けてもらいたい。
- 関連会社、地方自治体、業界団体のウェブサイトのリスティングを使って、手っ取り早くリンクを獲得する。
上のプロセスを余裕で終えた方々へ
やる気満々の皆さんのために、ボーナスのラウンドを紹介する。
- グーグルのオーサーシップマークアップをブログに加える。
- CrazyEggの追跡ツールをホームページと重要なコンバージョンのページにインストールする。1000回クリックされたら、ビジターがメインのナビゲーションやコールトゥアクションを利用しているかどうか評価する。
- グーグルアナリティクスのウェブテストを使って、トラフィックの多いページの代わりのメッセージ、イメージ、または、ページの構造をA/Bテストで確認する。
- グーグルウェブマスターツールを使って404エラーを確認し、301 リダイレクトを介して修正する。
- グーグルのページスピードツール、YSlow、または、GT Metrixを使って、サイトのスピードをチェックし、サイトのスピードアップにつながる領域を探す。
- グーグルのモバイルメーターを使って、モバイルデバイスのユーザーにサイトがどのように表示されているのか確認する。 モバイルフレンドリーではないなら、もしくは、モバイル版のサイトの読み込みが遅いなら(3秒以上)、顧客を失う可能性が高い。
これで、自然なリードをもたらす準備は整ったはずである。マーケティングランドの来月のコラムでは、「スタートアップ必見 ソーシャルメディアの確認リスト」を提供する予定だ。
今回のリストに加えたいSEOのタスクがあるなら、コメント欄で発表するか、もしくは、@theashleykemper宛てにつぶやいてもらいたい。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「SEO Checklist For Startup Websites」を翻訳した内容です。