最近はSEO業者の話題を続けて書いているのだが、また今回もそれ系の話題である。
マンネリのようなのだがスパムSEO業者からのテレアポを受けて色々思うことがあったので、また書いてみたいと思った次第なのだ。
私がSEO施策を担当しているサイトがあり、電話番号を会社案内に明示している。
そのサイトはSEOとは全く無関係の業種であるため、Webの販促に関する営業電話は実によくかかってくる。
基本的にはよほど忙しくない限り営業電話は話を聞くことにしている。
営業電話は会社に居ながらにして向こうから情報を持ってきてくれるという面があるため、
「なるほどね」
「お、そんな手法があるもんか」
「こんなビジネスモデルがあるのか」
といった発見があることも時々ある。
私が担当しているプロジェクトは比較的予算があるので、テレアポから契約したようなケースも時々ある。
テレアポは迷惑なのだが、販促手法としては今後もなくならないはずだ。
テレアポにはテレアポにしかない有用性が二つある。
- テレアポでしか掘り起こせない潜在的顧客層は非常に大きい。
会社のオーナーは誰しも売上アップを願っているが、売上をアップさせるための情報を能動的に探すことはまずない。
売上を上げるためのソリューションを提案するためには、テレアポはいい方法と言える(あくまで売る側の立場として)。余りにも誰もが願っているにも関わらず、当たり前になっているようなことはテレアポといったプッシュ型でアプローチするのがよいのだ。
Webの販促手法の中ではディスプレイネットワークやソーシャルメディアといった方法もあるが、まあテレアポほど説明はできないという欠点はある。
SEOの営業がテレアポ頼みという会社が多いのはこれが理由であったりする。SEOなんて超ビッグキーワードだけど、運よくこんなキーワードで上位表示されたとしても検索数はたいしたことないし。
・・・でも個人的にはでもこの手のテレアポは不要なのでご遠慮願いたい。 - 今現在世の中で認知されていないサービスを売るため。
テレアポみたいにゴリゴリっとアプローチしないと難しいだろう。
この種のテレアポは時間を取って聴くことにしている。ビジネスのヒントになることもあるし、あるいは実際に契約してサービスの提供を受けることもある。
「自分の話をきいてくれないとあなたは損をするから絶対聞いてほしい」って心の底から思っているのであれば、テレアポで売るのもそれほど悪くないと思う。
さて、横道にそれたので戻ろう。
スパムSEOの営業である。
「うちのSEOはスパムじゃありません。」
と電話の担当者は言っていた。
「うちは社内でSEOしているんで・・・」
と答えたら、腹の立つことに、
「御社のサイトを見ているんですけど、うちの方がレベル高いと思いますよ。」
って何をぬかすかスパムSEO業者!
余りにも腹が立ったので、アポを取らせて事務所に呼ぶことにした。
待ち構えていたのだが、結局アポをすっぽかして来なかったというオチである。
提案内容はこの業者の設置したブログシステムで記事を書くと、ブログのタイトルの中に地域名が設定した地名がランダムに自動的に入り、地域名との掛け合わせで集客できるという手法だそうな。
これがなぜスパムなのか理解できないならばSEOをやめた方がいいと私は思う。
地名と記事中のキーワードの掛け合わせでそのページに来訪したユーザーに対して、検索意図に合致したコンテンツを見せようとしていないからである。
地名との掛け合わせで来訪したユーザーに対して、必要な情報を何も提供していない。
こんなSEO(もどき)は単なるだましであって、こんな子供だましがレベルが高いって勘違いしているのは、笑えすぎてはらわたがよじれるようだ。
まあ、それだけではなくてほかの業者も、色々・・・
「うちは被リンクは使わずに内部で上げるんです。」
って言ってもスパムではないと思ってはいけない。
トップページの上部にiframeっぽい領域をCSSで作って、
「この中に検索キーワードを含む文章を毎日入れていくことで、更新頻度を上げ、キーワード比率を高めることでビッグキーワードで上位表示されるようにします。」
ってトークも聞いた。
この業者は月額料金は安いモノの
「12か月分料金前払い」
ってどんな嫌がらせですか?という感じである。
iframeみたいなつくりだから大量の文章を埋め込んでもユーザーは見えないから問題なかろうって発想が隠しテキストと一緒である。
スクロールすればユーザーは読めるから隠しテキストではないのだが、
「検索エンジンにだけ見せよう」
というよこしまな発想方法が隠しテキストと一緒である。
これは確かに即座にペナルティになることはないだろうが、いずれペナルティを食らう可能性がある。
HTMLのソースが上部から徐々に肥大化するので、領域の下部にあるリンクへクローラーが巡回しにくくなったり、本来ヒットすべきトップページの下部に含まれているテキストでの検索順位が下がったりといったように、全体的なファインダビリティが減少する可能性も出てくる。
これらは一例であるが、スパムSEO業者はたいていこう言うのである。
「私達の施策はスパムではありません」
このスパムではないという根拠は、
「人工被リンクではないから」
という一点に尽きる。
人工被リンク以外でもGoogleのガイドラインに明確に書かれていないスパムは無数に存在する。
では、これをどうやって見分ければいいのか?
「その施策をやったら得をするユーザーがいるのか?」
を考えてみればいい。
誰も得をする人がいないが、検索エンジンからの集客を増やすことを狙うといった施策はスパムを疑わなければならない。
※クローラーに対してやさしいサイトを作るといった検索エンジンに対する配慮は、直接人間には関係ないが検索エンジンもユーザーである。
検索エンジンがよりページやサイトの内容を理解できるようするのはSEOの基本であり、まったくもって正しい。
内部施策とはユーザーの役に立つコンテンツを作ること、もしくは検索エンジンに理解させやすくすることしかない。
それ以外はスパムを疑わなければならない。
こう考えれば有用な施策と無用、あるいは有害な施策を見分けることができるだろう。