早い段階の会議で、VCに、出口戦略を問われたら、一番近い出口に向かって、歩く、いや、ダッシュしよう。
投資家には、投資から撤退するアプローチよりも、マーケットに参入するアプローチに関心を持ってもらいたいはずだ。
幸いにも、スタートアップの世界では、以前ほど出口「戦略」に関する議論は聞かれなくなった。かつては、出口戦略を語らずに、事業計画を完成させることは出来なかった。その場合も、結局、毎回同じ2つのオプションからの選択を迫られたのであった。1. 買ってくれる可能性のある会社のリストを作る 2. 株式を公開する。
現在、大半のテクロノジー関連の起業家は、出口戦略に関する詳細な議論どころか、事業計画書すら作成しない(誰も読まないため、良い判断だと言えるだろう)。
以下に、出口戦略が矛盾していると私が思う理由を挙げていく。
事業を行う目的は、顧客に対して何らかの価値を築くことにある — その結果、関係者に対するメリットがもたらされるのだ。起業に挑戦する際は、「駄目だったら、どうやって逃げればいいのか?」ではなく、「どうすれば成功させることが出来るのか?」を問うべきである。
飛行機、映画館、そして、酒場に入る時は、出口を確認することを薦めるが、マーケットに参入する際は必要ない。
価値を築き上げるにはどうすればいいのか?、顧客候補に接触するにはどうすればいいのか?、– そして、競合者と一線を画すにはどうすればいいのか?に対する答えを得るための戦略の構築にエネルギーを使ってもらいたい。実際に撤退する必要性に迫られたら、出口を探せばよい。
因みに、個人的には、スタートアップの撤退には悪い印象を持っていない。実際に、撤退は日常茶飯事であり、スタートアップの世界におけるライフサイクルの一環である。私は双方の立場を経験したことがある(スタートアップの売却、スタートアップの買収)が、起業家が、不自然な形で、撤退計画を練らされ — 誤って、「戦略」と呼ばれるケースの方がよっぽど問題だと思う。
この記事は、OnStartupsに掲載された「Exit Strategy Is An Oxymoron」を翻訳した内容です。