投資家のプレッシャーに晒されるTwitterの2015年の展望

GoogleやFacebookに比べ、何かと機能拡充や成長のスピードが遅いと揶揄されるTwitter、最近はInstagramにユーザー数を追い抜かれたなんて話もありました。さて、そんな崖っぷち?のTwitterが、2015年に勝負をかけるべき分野について有名メディアMashableがまとめてくれた記事を今回は。日本でも大人気のTwitterですが確かに一時に比べ落ち着いた感もある今日この頃、さて来年はどうなる? — SEO Japan


Future-of-twitter-thumb

画像: ルーク・レオナルド/Mashable

昨年のこの時期、株式公開後Twitter、そして、同社の社風がどの程度変化するのかについて、活発に議論が行われていた。そして、皆さんもご存知のように、どちらも大きく変化した。

株式を公開してから3ヶ月間、Twitterの株価は70ドル/株まで高騰し、順調なスタートを切った。しかし、2月に初めての業績報告を行うと、Twitterは突然失速を始めた。収益と利益に関しては金融街の専門家の予想を上回る数値を上げていたものの、ユーザーの増加ペースは予想を下回っていることが判明した。その結果、株価は一夜にして20%以上も下落した。

その後の業績報告でも、この傾向が鮮明に明らかになり、Twitterの経営陣は何よりもユーザーの増加を優先し、Facebookのようにメジャーなサービスに成長したことを投資家に証明しなければならなくなった。CEOが重役を兼任したり、経営陣のテコ入れを図ったりしたものの、結果はついてこなかった。その一方で、経営陣は製品のアイデアを重視するようになった。

先日の記事でも取り上げたが、Twitterの元社員はMashableに対して、同社は常に成長を優先していたことを打ち明けている。しかし、とりわけIPOの後、会議室で激しい議論が交わされるようになったようだ。

このような努力の結果は、来年を通じて徐々に現れてくるだろう。

Screen Shot 2014-11-19 at 4.38.28 PM

画像: Twitter

新しいTwitter

今月、Twitterが初めて開催したAnalyst Dayイベントで、Twitterの経営陣は製品開発をスピードアップし、様々な新しい機能をリリースするための計画を発表して、投資家の信頼を取り戻そうと試みていた。

Twitterは、新たに登録したユーザー — そして、フォローしたくなるような会話を見つけることが出来ない既存のユーザー — に対して、キュレートしたタイムライン(フォローするユーザーを予め用意したタイムライン)を導入し、フォローするユーザーを探す手間を省く。こうすることで、ユーザーに説明するプロセス、および、ユーザーの維持を改善したいとTwitterは望んでいる。

また、Twitterは利用していない間にユーザーが見逃した可能性があるツイートをハイライト表示する機能、ネイティブ動画編集機能およびシェア機能、最新ニュースのアラート等の導入を始めている。その結果、ユーザーエンゲージメントが上向く可能性がある。少なくとも、動画に関しては、さらに強力な広告の選択肢をもたらすはずである。

一部のTwitterの関係者は、メッセージ送受信アプリの台頭により、TwitterのDMが圧倒されている現状に頭を抱えている。分析イベントで、Twitterは「プライベートなメッセージにおいて重大な機能」を導入すると予告していた。

これは全て「Twitterらしさ」の基盤を弱めることなく、出来るだけサービスの拡大を試みる戦略の一環である。

Twitterが最近雇用したCFOのアンソニー・ノトは、先日の業績報告会で「当然、Twitterは今後もリアルタイムのネットワークであり続ける。ユーザー体験について考える際、我々はこの点を最も重視する。しかし、ユーザーにとって非常に大事な出来事が、アプリを開く数時間前に起きることもある。我々はこのような特有の機会を見つけ、たとえつい最近起きたことではなくても、非常に大事なコンテンツとして提供する」と話していた。

独立型アプリ

Facebookはより機敏で、個別の利用により適切に対応するため、独立型アプリのリリースを強化している。Twitterもこの流れに乗るようだ。

Twitterのディック・コストロCEOは、今月のイベントで、独立型アプリをリリースするとアナリストに向けて発表していた。コストロCEOはアプリの詳細には触れなかったものの、同社のスタッフはTwitterのコンテンツを別の方法で用いる可能性があることを示唆していた。あくまでも憶測に過ぎないが、メッセージ送受信アプリやニュースに焦点を絞ったアプリが候補として挙げられる。

「Twitterを世界で一番デイリーユーザーが多いサービスへと導く上で有効で、Vineのように、Twitterとは別のアプリとして提供することが可能な、Twitterを補完するアプリが存在すると我々は信じている」とコストロCEOは語っていた。

現時点で、Twitterは独立型アプリにおいて、ある程度の成功を収めている。Vineは大勢のユーザーを獲得しているが、反対にTwitter Musicは今年の前半で閉鎖に追い込まれていた。

Twitter COO Ali Rowghani (R) stepped down on Thursday. Rowghani is seen here in 2010 with Twitter cofounder Ev Williams.

Twitter COO Ali Rowghani (R) stepped down on Thursday. Rowghani is seen here in 2010 with Twitter cofounder Ev Williams.

画像: Flickr Joi Ito

経営陣の入れ替えの可能性

Twitterは1年も経たないうちに製品部門の統括者を2度変えている(現在3人目)。また、COO、CFO、メディアの責任者等の入れ替えも行ってきた。

IPO後の数ヶ月間は、従業員が株を売却するため、多少の入れ替えはやむを得ない。しかし、Twitterの重役の入れ替えは、あまりにも激しい。この原因としては、駆け引きだけでなく、ユーザーの増加を重視する投資家からのプレッシャーも挙げられている。

「チームに対する全ての変更は、正しい理由で、正しいタイミングで、正しい決定の下に行われている。」とイベントでコストロCEOは述べていたが、CEO本人も「際立っている」点を認めている。

Twitterは意欲的な製品戦略を掲げており、新たにCFOに就任したアンソニー・ノトは、この戦略、および、Twitterの強みを投資家に伝える面で前任者よりも優れているのだろう。順調にユーザーが増加している点を証明することが出来るまで、経営陣は冷や冷やしながら仕事に取り組まなければならない。もちろん、コストロCEOも例外ではない。

FacebookやGoogleのCEOとは異なり、コストロCEOは設立者でもなければ、大量の株を保有しているわけでもない。要するに、ウォールストリートの意思に左右される運命にある。コストロCEOと仕事をしたことがある数名の従業員が、同CEOが投資家に追い出されるのは時間の問題ではないかと述べていた。その答えは2015年になれば分かるはずだ。

買収

予想通り、IPOの後、Twitterは大きな買収を数回実施した。ソーシャルTV分析サービスコマーススタートアップ、そして、Androidのロック画面アプリ等だ。この取り組みは2015年も継続される可能性がある。

今年の9月、Twitterは転換社債と言う形で新たに18億ドルの資金調達を行った。これは1年前弱にIPOで得た資金とほぼ同じ額である。今回の資金調達により、今後の買収に用いる軍資金が集まったことになるが、FacebookやGoogle等のライバルと比べると利用可能なキャッシュは遥かに少ない。

事実、コストロCEOは買収に関して様子見の状態だとあるメディアに打ち明けている。


この記事は、Mashableに掲載された「Twitter: What to expect in 2015」を翻訳した内容です。Copyright reference no. 110250.

特別なことが書いてあるわけではありませんでしたが、というか、粛々とかつ大胆にやるべきことを素早くやっていくしかないということなのですかね。独立型アプリは最近のトレンドと思いますが、Twitter自体が元々独立型アプリのような存在だったわけですし、Vineのプチ成功等もありますが、今後どんなアプリを出していくのか気になります。映像以上に画像・写真が最も親和性高い気がしますが、Instagramがありますしね。当然、InstagramがTwitter化してくる可能性もありますし、来年は Instagram vs Twitter の戦いもさらにヒートアップしそうです。しかし今となってはFacebookがInstagramに支払った1000億円、当時は高すぎる等の非難もありましたが実は安かったのかもしれません?! — SEO Japan

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。