ターゲットが絞られたトラフィック、そして、強力な被リンクを求めているなら、ゲスト投稿に力を入れるべきである。確かに、グーグルは、大量の、質の低いゲスト投稿に対しては、警告を発している。しかし、ゲスト投稿が、今後もリンク構築の基盤として盤石であることは間違いない。このチャプターでは、この時代を超越したリンク構築戦略から最高の結果を得る方法を学んでいく。
ゲスト投稿を行うサイトを探す
記事の作成に着手する前に、ゲスト投稿を受け入れているサイトのリストを作成する必要がある。交流を続けることで、特別にゲスト投稿の機会を与えてもらえるかもしれないが、まずは、ゲスト投稿を受け入れている点を公に認めているサイトから探すことを薦める。
整理する
多くの質の高いサイトを見つけることが出来るため、混乱する事態を避ける必要がある。そこで、エクセルで、サイトのホームページのPR(ページランク)、ゲスト投稿のガイドライン、そして、ツイッターのフォロワーの人数やコメントの本数等の計測基準(後程詳しく説明する)を記録するスプレッドシートを作成する。
グーグル検索の文字列
手っ取り早く、ニッチに関連するゲスト投稿の機会を探し出す上で役に立つ検索の文字列は、数多く存在する。
その中でも特に効果的なものを幾つか紹介する:
- “キーワード” + “ゲスト 投稿”
- “キーワード+ “寄稿”
- “キーワード” + “この記事の投稿者”
- intitle:ゲスト 投稿 ルール
- intitle:ゲスト ブログ ルール
グーグル ブログ検索
また、知名度は劣るが、グーグルのブログ検索を使って、掘り出し物を見つけることも出来る。
http://www.google.com/blogsearchにアクセスし、「レギュラー」のグーグルで利用した文字列を検索にかける。通常は、全く異なる結果が提示される。
新鮮な結果を得るため、「検索ツール」をクリックし、期間を1ヶ月以内に限定する。
グーグル+ の検索
成長著しいグーグル+は、堂々とゲスト投稿を受け入れているサイトの隠れた宝庫でもある。しかし、グーグルのインデックスほど規模は大きくないため、通常、若干検索クエリの範囲を広くする必要がある。
「新着順」をクリックする。
このサイトは期待できそうだ。
恐らく、グーグルでは見られない結果の組み合わせが提示されるのではないだろうか。
ツイッター
https://twitter.com/search-homeにアクセスし、広範な検索の文字列を入力する。
すると、最近、ゲストによる投稿を配信したサイト、もしくは、別のサイトで記事を投稿した作者が結果に表示される。
My Blog Guest
My Blog Guest(MBG)は、ゲストブロガーの楽園である。このサイトでは、ゲスト投稿を積極的に探しているウェブマスターを見つけることが出来る。PRの低いサイトも多数リストアップされている。しかし、徹底的に調べれば、ダイヤモンドの原石が見つかることもある。
まず、アカウントを作成する(無料)。次に、「Looking for a guest author」(ゲストオーサーを探している)セクションにアクセスする。
サイトにフィットするカテゴリーを選択する。
後は、結果に目を通し、基準を満たすサイトを探すだけだ。ページ上部の「Topic Blog」のリンクをクリックすると、投稿者のいるサイトを楽に探し出すことが出来る:
本格的に調べる
これで、積極的にゲスト投稿を受け入れている、関連するサイトを、ある程度集めることが出来たはずだ。続いて、出来るだけSEOおよびトラフィックの価値の高いブログに焦点を絞るため、リストの絞り込みを行う。PRや関連性(詳しくはチャプター 2: 完璧なリンクを求めてを参考にしてもらいたい)等の明らかな基準以外にも、良質なコンテンツに値するかどうかを判断する上で、注目するべきポイントは幾つかある。
SimilarWeb
ゲスト投稿から得られる、短期および長期のリファラートラフィックの量を知りたいなら、SimilarWeb.comの利用を薦める。このサイトは、ゲスト投稿の今後のトラフィックのポテンシャルを予測する上で役に立つ。
ゲスト投稿リストに掲載されているサイトのドメイン名を入力する。
サイトのトラフィックを正確に把握することが出来るわけではないものの、このツールは、サイトの人気をある程度把握することは可能である。
サイドバーの「Traffic Sources」(トラフィックソース)のセクションに注目してもらいたい。SimilarWebを自分のサイトで使ってみたところ、恐ろしいほど正確なデータが提供された。
Direct(直接)は、ゲスト投稿を行った後に発生する急激な増加を示している。Search(検索)は、サイトの検索エンジンのトラフィックのポテンシャルを表している。検索経由のトラフィックは、長期間に渡って、ゲスト投稿(および自分のサイト)に安定してトラフィックをもたらす。
ブログのコメント
ブログのコメントとリファラートラフィックの間には直接的な相関関係が存在する。ブログのコメントは、サイトが「本物」かどうかを特定する際に、グーグルが、基準として注目している可能性がある。私自身、ブログの記事が獲得する傾向のあるコメントの本数に着目している。
目標にする本数は、具体的に決まっているわけではない。しかし、記事1本につきコメントが1-2本(あるいは、それ以下)しか投稿されないサイトは対象にするべきではない。
ソーシャルシェア
明白なトラフィックのメリットの他にも、ブログの記事をSERPで上位にラインクインさせる上で役に立つソーシャルシグナルも注目に値する(つまり、サイトに送られるリファラートラフィックが増える)。また、ソーシャルシグナルは、リンクの価値を高める効果もある。これは重要なポイントである。記事がシェアされるかどうかは、基本的にゲスト投稿の内容に左右されるが、過去のソーシャルシェアの実績は、予測の基準として有効である。Blog Social Analyzerを使えば、このデータを容易に入手することが出来る。
まず、ゲスト投稿を行う予定のサイトのRSS フィードを探す(大半のサイトはドメイン/feedを利用している)。
続いて、http://www.rypmarketing.com/tools/rss-social-analyzer.phpにアクセスし、当該のサイトのRSSのURLを貼り付ける。
すると、最新の記事が獲得した、ツイート、フェイスブックのいいね!を含むシェアの量が表示される。
多くのソーシャルシェアを手に入れる傾向があるなら、ゲスト投稿もまた大勢の読者にシェアしてもらえる可能性が高い。
ツイッターの範囲
ゲスト投稿のトラフィックとSEOのポテンシャルを特定する上で、ブログのツイッターのフォロワー数と範囲もまた有効である。ツイッターのフォロワーの人数は、ツイッターのプロフィールに掲載されている:
フォロワーの人数でサイトの人気をある程度理解することが出来るものの、Followerwonkを使えば、影響力の高さを知ることが出来る。このツールは、誰がフォローしているのかを分析する。フォローしている人物の影響力が高ければ高いほど、「ソーシャルオーソリティ」も高い。
http://followerwonk.com/bioにアクセスし、ユーザーの経歴欄にあるワードを幾つか入力する(ユーザー名以外)。
すると、ソーシャルオーソリティが表示される。
出来る限り、ソーシャルオーソリティが20以上のサイトをターゲットにするべきである。
良質な記事を作成する
ゲスト投稿を受け入れ、基準を満たすサイトを見つけたら、次に記事を作成する工程に移る。ゲスト投稿が承認され、山火事のように広がる環境を作るためには、当該のサイトで成功する傾向のある記事のタイプを把握するのが一番である。投稿する記事をサイトのオーディエンスに対して調整することが出来るようになるためだ。
人気の高い記事
当該のサイトで特に人気を集めている記事を手っ取り早く見つけたいなら、大半のブログがサイドバーで提供している、人気の高い記事のウィジェットをチェックすると良い。QuickSproutでも、過去のポピュラーな記事を掲載している。
私がQuickSproutに寄稿するとしたら、インスタグラムのフォロワーを獲得する方法に関する記事を書くか、あるいは、ビジネスの名言をリストアップする(投稿済み)。もちろん、SEO、スモールビジネスの成功、あるいは、ソーシャルメディアを使ってトラフィックを獲得する方法を取り上げても構わない。
LinkTally.com
大半のサイソバーのウィジェットは、5-10本の記事しか表示しない。記事のアイデアが浮かんでいるなら、LinkTallyを使って、そのトピックのパフォーマンスを知ることが出来る。例えば、QuickSproutにコンバージョンの最適化に関する記事を投稿したいと仮定する。サイトの検索バーにトピックのキーワードを入力していく:
最初に表示された2-3つの結果のURLをコピーする。次にhttp://linktally.com/のURLの欄に貼り付ける。
すると、当該の記事が獲得したソーシャルシェアの数が表示される。
大量のシェアを確保する傾向のある特定のトピックを見つけたら、そのトピックに狙いを定めるべきである。
Open Site Explorer
被リンクを多く獲得しているページを見て、ゲスト投稿のトピックを判断する手もある。意外にも大量のリンクが張られた記事が必ずしも多くのソーシャルシェアを獲得するとは限らない(その逆もあり得る)。そのため、注目する価値があると言えるだろう。
http://www.opensiteexplorer.org/にアクセスして、サイトのホームページのURLを入力する。
「Top Pages」(上位のページ)タブをクリックする:
Page Authority(ページオーソリティ)が特に高いページを探す。
ゲスト投稿の記事を作成する際、トピックとして考慮してもらいたい。
eメールでまとめる
記事の作成に入る前に、私は、トピックのアイデアリスト、そして、既に投稿した自分の作品へのリンクを記したeメールをサイトのオーナーに送ることがある。この工程を経ることで、記事を投稿する価値がある点を強調することが出来る。
以下に、効果的な台本を掲載する。
件名: …(相手のサイト)へのゲスト投稿
はじめまして、…(相手の名前)様
いつも…(相手のサイト)を楽しく読ませて頂いています。今回は、オリジナルの、価値がふんだんに詰まったゲスト投稿の記事を提案させて頂きたいと思います。
…(相手のサイト)でパフォーマンスの優れたトピックを調べてみました。すると、次のアイデアが浮かびました:
-タイトル #1
-タイトル #2
-タイトル #3
私が以前…(オーソリティサイト)と…(オーソリティサイト)に投稿した記事をご確認して頂くことも可能です。
ご感想を聞かせて頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
…(自分の名前)
記事を作成する
最後に、読者を虜にする記事を作成する。ケーススタディ、長いリスト、詳しいhow-toガイド等は、特に受け入れられる確率が高い。あらゆるタイプのコンテンツにも言えることだが、ゲスト投稿用の記事にも、刺激的なタイトルを書き、コンテンツの要点を描き、好奇心をくすぐる文章を綴るアプローチが有効である。
まず、記事のトピックをグーグルで検索する:
20位までの結果のタイトルを確認する。
優れたタイトルをエクセルにコピーする。
見つけたタイトルと調和するオリジナルのタイトルが出来上がるまで、捻りを加える。
この例では、「12 Ways Market on Pinterest Like a Fortune 500」と言うタイトルを考案した。
次にワードプレスのエディターを使って、記事の小見出しを加え、記事の要点を作る。
後は空欄を埋めれば、完成だ。
リストサイトでのゲスト投稿
リストサイトをターゲットにゲスト投稿を行う、一風変わったアプローチもある。リストサイトとは、トップ 10リスト、トップ 20リスト等を投稿するサイトを指す。このタイプのサイトは、ユーザーが作成したコンテンツを何も言わずに受け入れてくれる。もちろん、リンクも与えてくれる。サイトはユーザーが作った記事を「ゲスト投稿」とは呼ばないため、ゲスト投稿の機会を探すためにSEOのスタッフが利用する検索の文字列では、浮上しない。
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リストサイトを探す
以下の文字列を使えば、楽にリストサイトを割り出すことが出来る:
- トップ 10 リスト
- “リスト 投稿”
- “トップ 10″ + “投稿”
結果が表示されたら、「リストを投稿する」ページがあるかどうか確認する。
ページが見つからなかったら、最近投稿されたリストをチェックする。作者の経歴欄が掲載されているなら、恐らく、eメールで問い合わせれば、リストを投稿してもらえるだろう。
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ガイドラインを読む
通常のゲスト投稿と同じように、リストサイトは、割と厳しいルールを課していることが多い。ただし、通常は、フォーマットに関するものであり、あまりシビアではない。それでも、リストを投稿する前に、一度、目を通してみるとよい。
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リストを作って、投稿する
どんなトピックに関するリストを作っても構わないが、出来れば、自分の分野に関連するリストを作るべきである。例えば、減量に関するサイトを運営しているなら、「問題になった減量方法 トップ 10」や「実際に脂肪を燃焼する10の食べ物」等のリストを作成したい。
以下にリストを投稿することが可能なリストサイトを紹介する:
- http://list25.com/(PR6)
- http://listverse.com/(PR6)
- http://www.toptenz.net/(PR5)
- http://topfivelists.co.uk/(PR1)
- http://www.top5ives.com/(PR2)
- http://www.makefive.com/(PR4)
このようなオーソリティサイトでのゲスト投稿は、作者と検索エンジンの関係を親密にするはずだ!
ページにPRをとことん注入したいなら、チャプター 11: ページランクを注入するに進んでもらいたい。それでは、暫しのお別れだ。
この記事は、Quick Sproutに掲載された「The Advanced Guide to Link Building : Chapter 10」を翻訳した内容です。[G+]