法人向けテレアポのコツを準備編・実践編・改善編に分けて解説します。
「法人向けテレアポでアポが取れるコツを知りたい」
「法人向けテレアポがうまくいかず悩んでいる」
このような方に向けて、テレアポ初心者の方だけではなく、すでにテレアポを実践している方にも参考になるようにわかりやすくまとめました。
法人向けテレアポの要点とは?
法人向けテレアポを成功させる上で、押さえておくべき3つの要点を解説します。
1.キーマンのアポ獲得が必要である
法人営業では、決済者または意思決定に影響を持つキーマンへのアプローチが要になります。電話に出た相手が購入を判断できる個人営業と異なり、法人向けテレアポではいかにキーマンにつないでもらえるかががポイントです。
2.提案のタイミングが重要である
さらに企業によっては、決算期の変わり目など受注しやすい時期があります。タイミングを見計らったアプローチが求められるのも法人向けテレアポの特徴です。
3.最低限の業界知識が必要である
相手に信頼してもらうために、最低限の業界知識を身につけておくといいでしょう。テレアポにおいても会話の中で業界知識が求められる場合もあるため、事前の調査などある程度の準備をしておくことが望ましいです。
【準備編】法人向けテレアポの5つのコツ
テレアポを行う前の準備段階におけるコツは、以下の5つです。
- 優良な営業リストを使う
- 個別の情報を話せるようリサーチしておく
- トークスクリプトを用意する
- ロールプレイングを行う
- 相手のスケジュールを想定する
順番に解説していきます。
コツ1 優良な営業リストを使う
法人向けテレアポにおいて最も重要なのが、優良な営業リストを使うことです。質の高いリストはアポ獲得率だけではなく、商談の成約率も高くなる傾向にあります。1日の架電限度数があるテレアポの特性上、リストの質は売上に大きく影響します。
一例となりますが、イメージしやすいように、アポ獲得率と商談成約率が異なる場合の最終的な売上の差を表で示しました。
指標
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質の高いリスト
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一般リスト
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架電数/日
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100件
|
100件
|
アポ獲得率
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20%
|
10%
|
商談件数
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20件
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10件
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成約率
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20%
|
10%
|
成約数
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4件
|
1件
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売上(10万/個の場合)
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40万
|
10万
|
営業リストの質の高さを確認するには、アポ獲得率や商談の成約率に影響するいくつかの要素からスコアリングすることをおすすめします。下記に具体例を挙げます。
<スコアリングの例>
- ステータス:無料会員登録済み(+3)、一般収集リスト(0)
- 事業カテゴリ:美容(+2)、飲食店(+1)、その他(0)
- 店舗数:10店舗以上(+2)、2〜9店舗(+1)、1店舗(0)
<スコア表の例>
会社名
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株式会社A
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株式会社B
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株式会社C
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ステータス
|
一般収集リスト
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無料会員登録済み
|
無料会員登録済み
|
事業カテゴリ
|
美容
|
美容
|
飲食店
|
店舗数
|
1店舗
|
10店舗以上
|
1店舗
|
スコア
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2
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7
|
4
|
この場合、スコアの高いB→C→Aの順で質が高いといえるため、その順番でアプローチしていきます。スコアをつける際のポイントは、成約率への影響度合いでスコア数に差をつけることです。例えば上記例では、店舗数は+2ポイントですが、成約率の影響度の高いステータスには+5ポイントをつけています。さらに定期的に見直しも行い、常に鮮度の高い状態にしておきましょう。
コツ2 個別の情報を話せるようリサーチしておく
テレアポの会話ではできる限りその企業特有の情報を加えると、相手に好印象を与え、アポの獲得をスムーズに運ぶことができます。そのためには事前の情報収集が欠かせません。
例えば、「御社が東京に初の新店をオープンされるとのことでしたので、ぜひ東京エリア担当の者も含めて競合や市場について共有しながら、最適な集客方法をディスカッションさせていただきたく思っています」といったトークを織り交ぜていきます。相手にとっても「エリアの情報が聞ける」などのメリットがあるため、商談につなげやすくなるでしょう。
もし相手の企業に特に情報がない場合は「競合の◯◯社もこの面に力を入れているとリリースされてましたよね」など競合情報を引き合いに出すのも効果的です。
コツ3 トークスクリプトを用意する
トークスクリプト(営業台本)を準備することで、落ち着いて会話ができるだけではなく組織内の営業品質の安定化も図れます。基礎となるトークスクリプトがあると会話に余裕が生まれ、コツ2で解説した個別の情報も加えやすくなります。簡単なテレアポのトークの流れは以下の通りです。トークスクリプト作成の参考にしてみてください。
【受付突破】
お世話になっております。企業向けの顧客管理システムXYZを提供している株式会社ABCの◯◯と申します。弊社のサービスが御社のコスト削減につながると考え、ご紹介したくご連絡いたしました。御社の営業管理のご担当者様におつなぎいただけますでしょうか。
↓
【挨拶・導入トーク】
お世話になっております。私、株式会社ABCの◯◯と申します。弊社はXYZという顧客管理システムを提供しておりまして、実際にご導入いただいた企業様のコストを20%削減できた実績があります。ぜひ御社にもご紹介させていただければと思いお電話差し上げました。ちなみに現状、御社は何かお使いの顧客管理システムはございますか?
↓
【本題】
現状はエクセルシートで管理されているということですね。弊社の顧客管理システムはこれまでエクセルシートで管理されていた企業様が導入しやすいよう、エクセルに似たシンプルな操作画面と、他社様と比べても安価な価格が特徴です。もしよろしければ実際の操作方法や機能なども具体的にご説明させていただきたいのですが、打ち合わせのお時間をいただけますでしょうか?
↓
【アポ取り】
ありがとうございます。来週木曜日または金曜日であれば、午前・午後のどちらがご都合よろしいでしょうか?…では木曜日の15時でいかがでしょうか。…では◯月◯日の15時にお伺いいたします。時間は1時間ほどを予定しております。
↓
【詳細ヒアリング】
ちなみに、当日、より具体的にご提案ができるよう、御社の状況をもう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?現状、管理している顧客数のボリュームはどのくらいでしょうか?ありがとうございました。そうしましたら御社の◯◯といった課題を解決できるようなご提案を当日お持ちできればと思います。当日はどうぞよろしくお願いいたします。
コツ4 ロールプレイングを行う
トークスクリプトが準備できたら、ロールプレイング(模擬実演)で練習すると良いでしょう。テレアポの実務は想像以上に対話が重要です。トークスクリプトどおりの会話になるとは限らず、臨機応変な切り返しや深い商品理解にもとづく説明が必要になることが多いものです。場合によってはそのまま電話で商談になるケースもあります。そのため、ロールプレイングで対応力を鍛えることが成果を高めるために有効です。
ロールプレイングは上司との1on1よりも、現場メンバーたち同士が複数集まって集団で行うことをおすすめします。各自が業務内で体験した顧客の断り文句を出すことで他のメンバーも追体験ができたり、アポ獲得率が高いメンバーの実演からトークを学んだりできるためです。ここで出た優秀な切り返しトークをそのままトークスクリプトに追加して、全員で共有していきましょう。
コツ5 相手のスケジュールを想定する
法人向けのテレアポでは、組織の意思決定に関わる担当者やキーマンへのアポ取りが重要です。しかしそのような重要人物は業務で忙しく、なかなか電話がつながらないことも多いでしょう。かといってやみくもに電話をかけるのは効率が悪いだけではなく、不快に思われるリスクもあります。
そんなときは、話したい相手の1日や週単位の行動を想像・把握して電話をかけるとつながりやすくなるでしょう。以下の例をご覧ください。
- 土日がメインのサービス業がクライアントの場合 →金曜日は事前準備や予約対応で忙しいかもしれない。なるべく週の中頃にかけるようにしよう。
- いつも会議で席を外している場合 →朝会の直後は会議が入っていないかもしれない。始業後の20〜30分後にかけてみよう。
このような具合で時間を変えてアプローチをします。また「会議が多い曜日」や「外出が多い時間帯」など、スケジュールがある程度固定化されていることも多いです。受付に会議で忙しい曜日を聞いてみてもいいでしょう。
【実践編】法人向けテレアポの4つのコツ
次に、実際にテレアポを行う際に意識したいコツを4つ紹介しますので、具体的に解説していきます。
コツ1 話しはじめは関係性をアピールする
法人向けテレアポの大きなハードルは、受付から取り次いでもらうことです。営業電話はすべて取り次がないようにしている企業もめずらしくありません。そのため新規提案のテレアポにおいては、できる限り関係性を提示するのが効果的です。以下の例をご覧ください。
- 「以前弊社の◯◯がお世話になっていたかと思うのですが、このたび担当変更をいたしまして御社ご担当社様の◯◯様にご挨拶をさせていただきたく、ご連絡いたしました。」
- 「御社の◯◯様よりご請求いただいた資料についてのご案内でご連絡いたしました。」
など、過去に関係性があることをアピールします。
もし「関係性のアピールが難しい」という場合、ウェブマーケティングでのリスト獲得をおすすめします。ウェブマーケティングを通じて自社の資料やホワイトペーパーなどをダウンロードしてもらい、その情報をもとにテレアポを行うといった流れです。こうすることで受付に対して関係性を提示できるだけではなく、自社サービスに興味がある相手へのアプローチが可能となります。
コツ2 結論ファーストで話をする
相手に何かを伝えたいときは、結論から話すことが重要です。相手は、電話の意図がわからないまま話し続けられると結局何が言いたいかわからず、アポを断る要因になりかねません。結論を先に伝えることで話の要点を理解できるため、その後の説明も聞いてもらいやすくなります。
相手から何か質問された場合も同様です。まず質問に対し「YES/NO」で答えてから根拠を後付けするような話し方を意識してみましょう。
コツ3 一方的な会話をしないようにする
一方的な会話をしないことも、テレアポにおいて重要です。聞いている相手目線に立ち、「なるべく短い文章で区切る」、「質問を投げかける」など相手が話せるタイングを作ります。こうすることで相手にストレスを与えないだけではなく、相手の情報を得ることも可能になります。
特にテレアポに慣れていない場合は、一方的に話し続けてしまいがちです。事前に準備するスクリプト内に、間を取るポイントや質問なども盛り込んでおくと良いでしょう。
コツ4 商談アポ前のヒアリングを実行する
テレアポの目標は「アポ獲得」ですが、ゴールは「売上拡大」です。そのため、できる限りテレアポの段階で簡単なヒアリングを行いましょう。
本格的な提案までをテレアポの時点でヒアリングができれば、業務の効率化ができます。下記の図のように、商談に臨む営業担当者がヒアリングや仮説提案のために足を運ぶ必要もなくなるでしょう
【改善編】法人テレアポのコツ
最後に、テレアポをよりブラッシュアップしていくための以下2点のコツについて紹介します。
- データをもとに改善をする
- テレアポを習慣づける
こちらも詳しくお伝えしていきます。
コツ1 データをもとに改善をする
テレアポの効果改善には、データをもとにした改善作業が重要です。架電数やアポ獲得率、獲得率の高い顧客層などのデータをもとに「目標設計→アクション→分析→改善のPDCA」を回していきましょう。
まず、これまでの商談成約率やアポ獲得率のデータをもとに売上逆算した目標設定を行います。
<目標設定の例>
売上目標
|
50万円
|
必要成約数
|
5件
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商談成約数
|
30%
|
必要アポ数
|
17件
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アポ獲得率
|
20%
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アポ架電目標数
|
85件
|
立てた目標は一定スパンでフィードバックを行い、課題点を抽出します。架電数の目標は達成したにも関わらず、必要なアポ数に満たない場合は、「スクリプトや営業リストに課題がある」と仮説を立てることが可能です。
コツ2 テレアポを習慣づける
テレアポは断れらることも多く、負荷の高い業務のため苦手な人も多いでしょう。気持ちで頑張ると先延ばしにしてしまいがちのため、習慣化するのがおすすめです。
例えば、
- 毎週月曜日の13時〜14時は集中テレアポタイムを作る
- 「月初に20件アポが取れたら、月内のテレアポ業務は無し」という目標を掲げる
- 毎日ランチ後の時間は30分だけテレアポの時間にする
など、自分ルールを決めます。
このように目標を掲げて実行していくことで「テレアポ業務(アポ獲得)がクリアできた」という達成感も感じられ習慣化しやすくなります。チームへの目標共有や、チームで集まっての実践もモチベーションとなり効果的です。
テレアポのコツを押さえたら実践しよう
テレアポを成功するためには、相手企業の状況の理解や相手への配慮が必要です。特に法人営業は長期的な関係を築いていくことが多い傾向にあります。テレアポの段階から売込みにこだわりすぎず、誠心誠意を持って付き合っていく心構えが大切です。ぜひ今回お伝えした「法人向けテレアポで成功するためのコツ」を実践し、相手企業と良好な関係を築いてください。
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