最近、新しいデジタルマーケティングチャンネルが続々と登場している — このようなツールは、イノベーションに優れ、刺激的で、テストしたくなるものの、パフォーマンスを高めるSEOの基礎の徹底を疎かにしてしまうこともある。自然のクリックスルー率(CTR)が良い例だ。
単純にページのタイトルを調整するだけで、ランディングページに到達していた2%の消費者を20%に増やすことが出来る。しかし、自然なCTRは、複数の要素の影響を受ける。それでは、コントロールすることが可能な5つの要素を確認していこう:
1. 検索エンジン結果ページ(SERP)のランキング
マーケッターなら誰もが1ページ目の自然のランクを狙う。しかし、1位と2位、もしくは、1位と6位の間に、大きな違いはあるのだろうか?
Nielsen Norman Groupが実施した調査によると、ウェブユーザーは、F字型のパターンでスクリーンを見ており、80%の時間において上半分の情報に目を通しているようだ(スクロールすることなく見ることが可能な部分 — 通常はランキングの1位から5位)。
このデータを参考にすると、検索エンジンのユーザーは、最初に、そして、より頻繁に上半分に掲載されるランキングを見ていることになる — さらに、移動の習慣により、上半分に掲載されたリスティングをクリックすると推測することが出来る。
その上、Catalystが2013年に行ったGoogleのCTRに関する調査では、平均で1ページ目の自然のクリックの83%は1位から4位に集中することが判明していた。
このように、1ページ目にランク付けされると、より多くのユーザーに見てもらう上でプラスに働く点は明白であり、トラフィックを大幅に増やすためには、上半分にランクインする必要がある。
パフォーマンスを高めるためのアドバイス:
- より多くのCTRをもたらす効果があるため、検索結果ページのなるべく上位(上半分)にランク付けしてもらえるように努力しよう。
- eコマースの非有料戦略をコンテンツを基に情報を作り出す取り組みに集中させよう。インフォメーショナルな検索クエリ(情報を求めるクエリ)に対するSERPのリスティングの上半分は、混雑度が割と低く、ユーザーの注目/クリックを獲得することが可能な確率は高くなる。
2. タイトルタグ
タイトルタグはウェブページ(または、その他のタイプのウェブ文書)のタイトルを明示する。タイトルタグは、SERPで青いリンクとして表示されるテキストであることが多い。
ページのタイトルは、検索エンジンのユーザーが、SERPでページをクリックするかどうかに大きな影響を与え、また、自然なCTRのパフォーマンスを左右する力を持っている。そのため、時間を割いて、慎重にタイトルタグを作成してもらいたい。
以下に、The Boston Calendarが作成した良質なタイトルタグを例として掲載する。このタイトルタグが優れている理由を検証していこう:
- このタイトルは、ターゲットのキーワード(boston calender)をタグの先頭付近に配置している。これは、ユーザーの注目を集める上で効果的であり、また、ランキングを若干押し上げる効力もある。
- このタイトルは45文字であり、省略される可能性は低い。Googleは、通常、65文字を超えるとタイトルのスニペットを省略する。
- タイトル内の複数のワードが、ユーザーのクエリと一致する — その結果、SERP内で太字表記される。
- タイトルがブランドの「トーン」と一致している。これは、マーケティングのチャンネル全体で一貫したメッセージを送る効果がある。
- テキスト「events that don’t suck」(参加して損をしないイベント)は、感情を刺激し、関心を生み出す。
パフォーマンスを高めるためのアドバイス:
- タグを作成する際は、文字数、利用するワード、そして、クエリのマッチングに力を入れよう。
- 自然なクリック数を増やすため、ふさわしく、クリックしたくなるようなタイトルを意識して、調整を行おう。ただし、自然のランキングに影響を与える可能性があるため、ターゲットのキーワードは排除するべきではない。
3. メタディスクリプション
メタディスクリプションは、ユーザーが、実際にページを見る前に、コンテンツの内容を理解することが出来るようにするアイテムである。直接自然な検索ランキングに影響を与えるわけではないが、ユーザーがクリックしてウェブサイトにアクセスするかどうかの判断に大きな影響を及ぼす。そのため、特に重要度の高いページには、必ずメタディスクリプションを用意してもらいたい。
メタディスクリプションを無料広告と考えることも出来る — 事実上、SERPにリスティングが表示される度に、メッセージを送る機会を得られるためだ。ただし、Googleが、SERPのスニペットにメタディスクリプションを表示せずに、公開されているデータ等のソースを、ページのコンテンツに利用する可能性がある点を頭の片隅に置いておこう。
Wicked Wine Candlesのメタディスクリプションを見てみよう。このメタディスクリプションの長所について考えていこう。
- このメタディスクリプションは、ターゲットのキーワード(wine bottel candles)を盛り込んでいる。これはユーザーのクエリと一致しており、太字で表示されている。
- 154文字であり、メタディスクリプション全体が表示されている。Googleは、通常、160文字を超えるメタディスクリプションを省略する。.
- このコピーは、同社のスタイルおよびトーンを維持しつつ、製品の説明を行っている。
- コールトゥアクションが、ホリデイシーズンの無料配送の宣伝に言及している。
パフォーマンスを高めるためのアドバイス:
- ページのメタディスクリプションを作成する際は、文字数、利用するワード、クエリのマッチング、そして、コールトゥアクションを慎重に検討しよう。
- 年末年始等の特別な時期やピークの販売期間には、より妥当な内容になるように、メタディスクリプションを調整し、また、今後のセールや製品の宣伝に言及しよう。
- 有料検索を使って、広告のコピーを継続的にテストし、最も効果の高いコピーを特定しよう。
4. URL
URLもまたSERPのランキングの位置に影響を与える要素であり、その結果、CTRにインパクトをもたらす。2009年の8月、Googleは、アルゴリズムを調節し、SERPに表示されるサイトの階層(ブレッドクラムナビゲーション等)を作る仕組みを改善した(NewEgg.comの例を確認してもらいたい)。
リッチスニペットのマークアップ(特定のクエリを持つユーザーを支援することを意図した詳細な情報)が導入され、ウェブマスターは、URLのスニペットをより明確に表し、その一方で、SERP内でクエリに対するコンテキストを提供することが可能になった。
例えば、下のWalmart.comのランディングページは、ブレッドクラムナビゲーションに対して、セマンティックマークアップを活用している。その結果、表示されるURLは、有益な情報を与え、また、クリック可能なナビゲーションの選択肢となる。
パフォーマンスを高めるためのアドバイス:
- URLを作る際は、フォルダの構造、利用するワード、クエリとのマッチング、ブレッドクラムナビゲーションのスニペット等に注意しよう。
- 良質なフォルダの構造、および、サイトの改造を用いて、ブレッドクラム等の標準的なナビゲーションツールを活用しよう。
- 検索エンジンを意識して、ブレッドクラムの情報を用いてページをマークアップしよう。
- 年末年始等の特別な時期やピークの販売期間には、クリスマスプレゼント等のタイムリーなコンテンツ専用のセクションを用意しよう。このセクションをメインのナビゲーションに加えてもらいたい。このセクションは、検索結果のURL内に表示され、クリスマス/タイムリーなアイテムを購入する意図を持つユーザーを引き寄せる可能性があるためだ。
5. リッチスニペット
リッチスニペットは、一時的なブームで終わることはなく、今後も、CTRを引き上げる上で活躍する。
Googleはリッチスニペットを導入し、米国のメジャーな3社の検索エンジン(Google、Bing、Yahoo!)は、schema.orgを共にサポートすることを発表した — つまり、ウェブマスターは、メジャーな検索エンジンが認識する方法で、ページをマークアップすることが出来るようになった。
事実上、ウェブサイトのオーナーは、HTMLのマークアップをウェブページに加えて、検索エンジンにページ上の具体的な要素を特定させ、場合によっては、この要素を検索結果に表示させることが出来る(Googleではリッチスニペットとして表示されることが多い)。Googleは、リッチスニペットを導入して以来、アルゴリズムを何度もアップデートしており、検索結果に表示されるリッチスニペットの数は増加の一途を辿っている。
HTMLをマークアップすると、ランディングページが、検索エンジンのユーザーの注目を集める効果のあるリッチスニペットと共に、SERPに表示される可能性がある。多くの企業が、ウェブサイト全体で構造化データマークアップを既に導入している。
例えば、下のOverstock.comのページは、ブレッドクラム、総合的な製品レビュー、そして、製品の価格を含む、複数の製品関連の構造化データマークアップでマークアップされている。
SERPでブランドを目立たせる効果が見込めるリッチスニペットとして、オーサーシップを挙げることも出来る。コンテンツを目立たせるだけでなく、ウェブで配信したその他のコンテンツを読者が見つけやすくする効果も期待できる。
下に掲載したマット・カッツ氏のウェブサイトは、オーサーシップマークアップでタグ付けされている。オーサーシップにより、Google+の写真が検索結果に表示されている。
パフォーマンスを高めるためのアドバイス:
- 構造化データマークアップを使って、出来るだけ多くのページをマークアップしよう。Googleが、各種のマークアップのフォーマットとコンテンツのタイプの詳細を紹介しているので参考にしてもらいたい。
- Googleの構造化データテストツールを使って、特定のページのマークアップをテストし、ページがGoogleの検索結果にどのように表示されるのか事前に確認しておこう。
2014年を通じて、新しく、刺激的なデジタルマーケティングツールが、続々と登場するはずだ。是非、試してみてもらいたいが、まずはSEOの基本を抑えることに力を入れてもらいたい。CTRに対する徹底的な最適化を行うこともその一つである。機転を利かそう — 自分でどうにかすることが出来るCTRの要素に注目し、必要な調整を行っていくべきである。そうすれば、パフォーマンスにプラスの影響が表れるのではないだろうか。
この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。
この記事は、Search Engine Landに掲載された「Got SEO Basics? 5 Tips To Boost Your Organic CTR」を翻訳した内容です。