SEOに取り組む企業が”今”考えるべき生成AIについて|セミナーレポート

ー法人SEOのプロが徹底討論

アイオイクス株式会社 豊藏翔太 × COUNTER株式会社 宮田和也

本記事は、2024年4月5日(金) に開催されたセミナーレポートです。法人SEOのプロである、アイオイクス株式会社の豊藏氏とCOUNTER株式会社の宮田氏による、SEOと生成AIに関する徹底討論の収録内容です。

討論のテーマ

  • 生成AIによるコンテンツ自動作成がSEOにもたらす影響と対策
  • 生成AIによる検索エンジンアルゴリズムの変化予測と対応策
  • 生成AIを有効活用しながらも、オリジナリティのあるSEOを実現する方法

本記事のまとめ

  • 生成AIの登場によるSEOの変化について、法人SEOのプロである豊藏氏と宮田氏が議論を交わした。
  • 生成AIによるコンテンツ自動生成がSEOにもたらす影響と対策として、生成AIを使うべきか否か、品質担保、オリジナルコンテンツとの棲み分けなどが論点となった。
  • 生成AI時代のSEOに求められる専門性として、Googleのアルゴリズム理解とAIツールの適切な活用が重要とされた。
  • AIをコンテンツに活用する場合、コンテンツの構成は人間が担い、執筆をAIに任せるのが良いとの見解が示された。
  • Q&Aでは、地方でのSEO、生成AIの適切な使い方、YMYL領域での注意点、ペナルティリスクの低減策、優れたSEO会社の特徴などが議論された。

<導入・登壇者紹介>

生成AIの登場により、社会が便利になりつつあります。一方で、人間の必要性も問われ始めてきました。生成AIの登場によりSEOがどのように変化していくのか、法人SEOのプロにお話しいただきます。

豊藏:本日は、アイオイクス株式会社とCOUNTER株式会社が共催するセミナーにご参加いただきありがとうございます。宮田さんとのディスカッションを通して、どのように生成AIと向き合うべきかを考える機会にできればと思います。

宮田:COUNTER株式会社の宮田です。埼玉の越谷市でコンサル力を強みとしたSEO会社を経営しています。自社でAIツールも開発しています。

豊藏:アイオイクス株式会社の豊藏と申します。当社はSEOで20年の歴史があり、海外のSEO情報などを発信するオウンドメディア『SEO Japan』も運営しています。

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<タイトルを決めて、サムネイルから生成AIで企画してみた>

セミナーのタイトルとサムネイル画像をClaude3(クロード3)に読み込ませ、セミナーの内容を企画されたとのこと。まさに生成AIの活用例です。生成AIによるセミナー企画について、豊藏氏にお話しいただきます。

※Claude3は、OpenAIが開発したGPT-4と同様、大規模言語モデルに基づいた生成AI。GPT-4より高性能と話題になった。

豊藏:セミナーのタイトルとサムネイル画像は宮田さんとともに作成しました。そこから先は、AnthropicのClaude3 を使って企画しています。

Claude3へのインプット

  • セミナーのタイトル
  • セミナーのサムネイル画像

Claude3への投げかけ

“このセミナー(画像を添付)を実施しようと考えています。
タイトルは「SEOに取り組む企業が“今”考えるべき生成AIについて-法人SEOのプロが徹底討論-」です。昨今の生成AIのテーマのうち、SEOに関連したパネルディスカッションを行いたいと考えています。
どんなテーマが良いですか?”

Claude 3へのインプット内容

その回答が、以下です。

内容に問題がなかったので、セミナーのページ構成もClaude3にお願いしました。

※実際に作成されたページ

生成AIを使うかどうかは、シンプルに求めるアウトプットが出てくるかがポイントです。

今回は、セミナータイトルとの整合性があり、宮田さんとディスカッションできる内容だったので、生成AIを使って良かったという結果になりますね。

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【テーマ1】生成AIによる検索エンジンアルゴリズムの変化予測と対応策

議論するテーマもClaude3が企画したものとのこと。「生成AIによる検索エンジンアルゴリズムの変化予測と対応策」に関して、6つの切り口、12個の論点が出力されました。

ここからはSEOと生成AIに焦点をあてて、豊藏氏と宮田氏が議論を交わします。

■論点1:コンテンツの質や独自性の評価方法の変化

検索エンジンがコンテンツの質や独自性をどのように評価しているのか、気になる人が多いでしょう。法人SEOのプロであるお二方は、日頃から多くの企業様に聞かれているとのこと。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 機械的に作られたコンテンツかどうか
  • E-E-A-Tなどの評価基準
  • 誰が発信しているのか
  • ドメインの強さ

宮田:コンテンツの質や独自性の評価方法は、2段階で評価するように変わりつつあると思います。

まずは、機械的に作られたコンテンツかどうかの評価。コピーページではないか、そもそも内容が間違っていないか、という観点での評価です。

そのうえで、E-E-A-Tなどの評価基準によって最終的なコンテンツの評価が決まると捉えています。

豊藏:私は、「誰が言っているのか」、「強いドメインかどうか」が重要だと捉えています。

ページ単体を評価するアルゴリズムの強化はとても大切ですが、昨今のAIへのリソース投下もあり、インデックス数を絞るなど、別な形で評価を効率化するのではないかと思っています。

宮田:私は検索アルゴリズムには、まだまだ分析の余地があると考えています。例えば、生成AIが作ったコンテンツのクセです。

豊藏さんが言うように、ドメインの強さや被リンクの数なども重要です。しかし、Googleの検索アルゴリズムは人の目に見えない部分でコンテンツの質を見ています。ページの質を重視しているからこそ、私たちがまだ見つけられていないアルゴリズムの変数を分析する必要性があるのではないでしょうか。

ただ、Googleは生成AIで作ったコンテンツを否定してはいません。「AIで作ったページだから評価を下げる」ではない点、誤解のないようにお願いします。

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■論点2:生成AI時代のSEOに求められる専門性

SEOの専門性は以前から必要でしたが、生成AI時代になって求められる専門性に変化はあるのでしょうか。開発やITコンサルティングなどのバックボーンを持ち、法人SEOのプロとして活躍されているお二方の考えは必聴です。

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • Googleのアルゴリズムへの理解
  • Googleの考えを理解したうえでAIツールをどう活用すべきか考えられる力
  • Webの知識とGoogleが評価する仕組みを理解する力

宮田:Googleのアルゴリズムへの理解がとても大切だと思っています。SEOは非常に大きな産業となりました。ですが、関わる人のおよそ8割は「コンテンツSEO」をやっています。

そのため、Googleのアルゴリズムを読み解ける「テクニカルSEO(データベースSEO)」に強い人はまだまだ限られている状況です。それだけに、Googleがどういう評価をしているのかを理解することが大切です。

生成AI時代では、Googleを理解したうえでAIツールを使いこなせるかが、企業のSEO競争力に影響すると思います。例えばライターはAIに代替され、ディレクターはGoogleの理解度とAIツールの活用が当たり前になるでしょう。

豊藏:SEOを理解するには、Webの知識が影響します。使われているサーバや技術がどのようなもので、Googleはそれをどう評価しているのか。この仕組みを理解しておかなければなりません。エンジニアが有利な世界と言われる理由はここにあります。

そのため、Webとは何かを知り、「外してはいけないポイント」を的確に押さえることが、SEOの腕につながります。加えて、方向性やビジョンを描く能力を持った人材が強く求められると考えています。

宮田:まったくの同意です。SEOの基礎はGoogleが持つ特許に基づいた考え方なので、そこを押さえられれば大丈夫です。基礎の考え方・仕組みを理解していれば、AI時代も乗り越えられます。

ただ、生成AI時代にコンテンツがどのように評価されるかは、知っておくほうがいいでしょう。

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【テーマ2】生成AIによるコンテンツ自動生成がSEOにもたらす影響と対策

続いてのテーマは、「生成AIによるコンテンツ自動生成がSEOにもたらす影響と対策」です。6つの切り口、12個の論点のうち、以下の3つについて豊藏氏と宮田氏が議論を交わしました。

  • 生成AIを使うべきか、使わざるを得ないのか
  • 生成AIコンテンツの品質担保
  • 生成AIコンテンツとオリジナルコンテンツの棲み分け

■論点3:生成AIを使うべきか、使わざるを得ないのか

生成AIは便利ですが、必ずしも求めるアウトプットが出るとは限りません。そのため、生成AIの活用に対するスタンスは分かれるところです。法人SEOのプロは、生成AIの活用に対してどのように考えているのでしょうか。

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • 市場原理から考えると、生成AIを使わざるを得ない
  • コンテンツの良し悪しで評価される
  • Googleは生成AIの活用に寛容な姿勢

宮田:生成AIは使わざるを得ないと思います。そもそもSEOは相対評価だからです。

ある企業が生成AIでコンテンツを大量に作り、特定のキーワードで検索上位を独占したとします。これに対抗するには、同様に大量のコンテンツを作らざるを得ません。SEOの理論というよりも、市場原理として生成AIを使わざるを得ない、と言えるでしょう。

もう一つ、「生成AIコンテンツに対するGoogleの姿勢と今後の方針予測」にも触れます。これは明確で、コンテンツの良し悪しで評価されます。

Googleは、AIを使っている・使っていないは気にしないスタンスです。AIを使って良いコンテンツを作れるなら「使ってください」なので、寛容と言えますね。

豊藏:1つ悩むのは、AIが作成したと明記するかどうかですね。AIでコンテンツを作ったとしても、人の手が入っているためです。

宮田:そうですね。ただ、AIを使って作ったコンテンツと明記したからといって、Googleの評価は下がりません。検索順位に関しては、心配する必要はないと思います。

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■論点4:生成AIのコンテンツの品質担保

生成AIで作ったコンテンツの品質担保は、コンテンツSEOに関わる人が最も気になるテーマの1つでしょう。Googleは生成AIが作ったかどうか気にしないスタンスとはいえ、コンテンツである以上、評価はしているはずです。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 品質チェックのための校閲は必須
  • 「AIっぽさ」が嫌われる雰囲気があるものの、問題はない
  • ハルシネーションは注意が必要
  • コンテンツを公開した責任を持つ

宮田:生成AIで作ったコンテンツの品質担保は、従来どおり校閲し、人がチェックするのがいいですね。コンテンツの整合性や品質は、誰が作ったかに関わらず確認すべきです。

ただ、AIが作ったコンテンツには、特有の「AIっぽさ」があります。これが何となく嫌われる雰囲気があるだけで、特に問題はありません。

豊藏:私は品質の平準化の問題が大きいと思っています。生成AIを使う時間帯や状況、インプットによって、アウトプットが安定しない部分があるためです。調子が悪いと品質をコントロールしきれない印象を持っています。

そのため、公開したコンテンツの品質に責任を持つことが大切です。私にとって生成AIは、「すごく優秀な外注さん」みたいなものです。誰が作ったのかが見えないだけに、少し怖さがありますね。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

■論点5:生成AIコンテンツとオリジナルコンテンツの棲み分け

生成AIに適したコンテンツと人が作るべきコンテンツの線引きについて、議論していただきました。YMYL領域や取材記事など、コンテンツと言ってもさまざまです。生成AIを使うかどうか、どのように判断されているのでしょうか。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 競合が少ないキーワードは生成AI
  • YMYL領域で生成AIはリスクが伴う
  • サイトの有機性に繋がる手の込んだコンテンツは人の手
  • コンテンツ公開後のレピュテーションにも注意が必要

宮田:私は、競合が少ないキーワードは、生成AIで一気にコンテンツを作ってしまえと思うタイプです。初期に多くのユーザーを獲得し、そのテーマのスコアを一時的に上げることが重要だからです。

一方で、YMYLなどの分野で確認の甘いコンテンツを大量に公開すると、後戻りできない危険性があります。キーワードや領域によって生成AIを使うかどうか、線引きしたほうがいいですね。

取材記事やレポート記事、体験記事など、手の込んだコンテンツはサイトの有機性に繋がります。ユーザーエンゲージメントに大切なコンテンツなので、ここにお金をかける企業が増えると思います。

豊藏:なるほど、分かります。

宮田:ただ、インタビュー記事もAIが作れるようになるんだろうなとも思っています。

豊藏:コンテンツの品質も大切ですが、SEOのリスクを考えることも重要です。

ある企業がオウンドメディアでAIが作ったコンテンツを大量に公開したとします。一時的に成果が出る反面、検索結果に表示されるコンテンツは誰に見られているかわかりません。もしネガティブなレピュテーションが事業に影響する領域だった場合、SEOの取り組み自体がリスクに繋がる可能性があるのです。

そういう領域で事業を行う企業は、丁寧にコンテンツを作るべきですね。

先ほど宮田さんがおっしゃったように、オリジナルコンテンツをどのようにAIと絡めていくかは、今後のAIの技術進歩にとっても大きなテーマだと思います。

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【テーマ3】生成AIを有効活用しながらも、オリジナリティのあるSEOを実現する方法

最後のテーマは、「生成AIを有効活用しながらも、オリジナリティのあるSEOを実現する方法」です。時間の関係上、議論された論点は1つでしたが、コンテンツ作成においてどこを生成AIに任せ、どこに人の手を入れるべきか、お二方の考えを知ることができました。

■論点6:オリジナリティのあるコンテンツ企画の立て方

コンテンツを作る際、生成AIで構成を作る、執筆させる、そもそもコンテンツのテーマを考えさせるなど、使い方は人によってさまざまです。法人SEOのプロは、コンテンツを作るにあたって生成AIをどのように使っているのでしょうか。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 執筆は生成AIでいい
  • 構成は人が作るべき
  • コンテンツのネタを練ることが重要
  • インプットが品質を左右する

宮田:ペルソナを決めるとか構成案を出す部分までAIでやっている企業があるんですが、「それって大丈夫なの?」と思っています。執筆はAIでいいんです。ですが、最初の構成を決めるのは人間がやるべき。理由は、AIが出す構成案のレベルが低いからです。そこの部分は人間がやるべきだと考えています。

豊藏:ネタをしっかりと作ることが重要ですね。いかにオリジナリティのあるネタを作れるか。インプットをどのように構築するか。ここが品質に大きく影響すると思います。

まだまだ議論を交わし足りないお二方でしたが、セミナー終了の時間となってしまいました。ここで中締めし、延長戦としてQ&Aに続きます。

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<Q&A>

【質問1】都会と地方のSEO対策の違いについて教えてください。

宮田:SEOには2つの区切りがあります。1つがドメインベースで獲りにいくもの。もう1つがエリアのキーワードで獲りにいくものです。

例えば、事業ドメインであれば「クレジットカード」というキーワードで1位を取りにいくことになります。一方、地方であればやや難易度は下がります。SEO会社にはエリアに強いところがあるので、地方でのSEOを強化するなら、そういった企業に任せてみてはいかがでしょうか。

【質問2】生成AIで記事を作る際の適切なインプット量を知りたいです。また、効果を上げるために、アウトプットでチェックするべきポイントも知りたいです。

宮田:アウトプットのチェックに関しては、先ほどお話した通りですね。

豊藏:プロンプトがどうこうと言うよりも、目的をきちんと言語化し、明確にすることのほうが重要だと思います。情報量を詰め込むよりも、シンプルにどういうことを自分がしたいのかを突き詰めて考えていく。そのほうが、AIを上手く使えると思います。

【質問3】SEOに生成AIは比較的使いやすいのですが、企業のホームページを作成する際には、まだうまく使いこなせていません。SEOとは異なる使い方のポイントがあれば教えてください。

宮田:SEOコンテンツ以外でも使えると思っています。まず作りたいページの構成をしっかりと決めて、後はライティングをするというやり方であれば、既存のプロンプトでも十分に使えると思います。

【質問4】再生医療のクリニックを経営しています。AIを社内に取り入れ記事を書きたいのですが、どのように取り組めばよいでしょうか。生成AIによって医学的な記事も書けるのかどうかを教えてください。

宮田:先ほども申し上げたように、医学的なコンテンツであっても構成をしっかりと作って、執筆はAIに任せるのは大丈夫です。ただ、その情報が正しいかどうかが非常に重要です。YMYL領域は、Googleの評価基準が高いですよね。それだけに誤った内容があると、ページやドメインの評価が著しく落ちてしまいます。

その品質を担保できれば、問題はありません。ただ、再生医療の領域はYMYLのど真ん中なので、生成AIを使うのは若干危険かなと。まだ生成AIに情報が少ない現在の状況でやるのであれば、我々のような専門家に相談いただくのが最適と思います。

【質問5】AIの可能性に期待する一方で、AIを使ったコンテンツはGoogleからのペナルティを受けるのではと心配です。どのようにすればペナルティリスクを下げられますか?

宮田:基本的に有益なコンテンツであれば問題はありません。私自身、構成だけ自分で作ってほぼノールックで作ったコンテンツと、ガチガチにチェックして作り込んだコンテンツを比較しましたが、結果はほとんど変わりませんでした。

ただし、YMYLのように評価基準が高い領域で雑にコンテンツを作るのは危険です。しっかりと人力でファクトチェックしてください。

生成AIは、コンテンツの質に影響するというよりも、コンテンツを作るスピードに大きく影響していると思います。従来は人力で1ヶ月かけていた制作が、生成AIなら1週間でできます。これまでは1ヶ月に数本程度だったコンテンツが、一気に30本・40本と更新できるんです。例えば私の知り合いのサイトで、1ヶ月に500ページを作ったところがあります。

豊藏:それはすごいですね!

宮田:ただ、結果的にページの評価は落とされました。

仮説ですが、ページの更新スピードに対して、サイトの成熟度が追い付いていなかったことが原因です。普通に考えて、ドメインを新規で作って1ヶ月で記事コンテンツが500ページも更新されるというのはおかしい。明らかな大量作成は怪しまれるので、そこは気を付けたいですね。

いきなり何百記事も入れるのであれば、きちんと被リンクをもらって「このサイトはお金をかけて運営している」ことを示さないといけません。ドメインが若い場合は注意した方がいいでしょう。

【質問6】SEOを依頼する際、どんなSEO会社に発注すればいいですか?

宮田:検索エンジンがどうだ、順位を上げるのが上手い、といった部分ではなく、しっかりと対話してコンサルティングしてくれる会社がいいと思います。残念ながら、市場環境やクライアントのビジネスまで深く理解した提案ができるSEO会社は少ないのが現状です。クライアントと対話して、深く理解してくれるコンサル力のあるSEO会社が求められているのではないでしょうか。

豊藏:本当にその通りです。SEOは手段でしかないんですよね。要は、知識が多い・少ないではなく、お客様の会社のことを理解した上で、SEOをどのように活用するべきかを考えることが我々の仕事です。私も普段からできるだけ専門用語とかを使わないように気を付けています。

それから「できる・できない」をハッキリとお伝えすることも意識しています。できないことは「できない」と言える人のほうが信用できると思うので、参考にしていただければと思います。

今回のセミナーは以上で終了となりました。

こちらの動画は、今回登壇頂いたCOUNTER様の運営するCOUNTER MARKETING CHANNELにて全編公開中です。

SEOに関してご相談があれば、ぜひお気軽にアイオイクス株式会社の豊藏氏、COUNTER株式会社の宮田氏にお問い合わせください。

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。

SEOに取り組む企業が”今”考えるべき生成AIについて|セミナーレポート

ー法人SEOのプロが徹底討論

アイオイクス株式会社 豊藏翔太 × COUNTER株式会社 宮田和也

本記事は、2024年4月5日(金) に開催されたセミナーレポートです。法人SEOのプロである、アイオイクス株式会社の豊藏氏とCOUNTER株式会社の宮田氏による、SEOと生成AIに関する徹底討論の収録内容です。

討論のテーマ

  • 生成AIによるコンテンツ自動作成がSEOにもたらす影響と対策
  • 生成AIによる検索エンジンアルゴリズムの変化予測と対応策
  • 生成AIを有効活用しながらも、オリジナリティのあるSEOを実現する方法

本記事のまとめ

  • 生成AIの登場によるSEOの変化について、法人SEOのプロである豊藏氏と宮田氏が議論を交わした。
  • 生成AIによるコンテンツ自動生成がSEOにもたらす影響と対策として、生成AIを使うべきか否か、品質担保、オリジナルコンテンツとの棲み分けなどが論点となった。
  • 生成AI時代のSEOに求められる専門性として、Googleのアルゴリズム理解とAIツールの適切な活用が重要とされた。
  • AIをコンテンツに活用する場合、コンテンツの構成は人間が担い、執筆をAIに任せるのが良いとの見解が示された。
  • Q&Aでは、地方でのSEO、生成AIの適切な使い方、YMYL領域での注意点、ペナルティリスクの低減策、優れたSEO会社の特徴などが議論された。

<導入・登壇者紹介>

生成AIの登場により、社会が便利になりつつあります。一方で、人間の必要性も問われ始めてきました。生成AIの登場によりSEOがどのように変化していくのか、法人SEOのプロにお話しいただきます。

豊藏:本日は、アイオイクス株式会社とCOUNTER株式会社が共催するセミナーにご参加いただきありがとうございます。宮田さんとのディスカッションを通して、どのように生成AIと向き合うべきかを考える機会にできればと思います。

宮田:COUNTER株式会社の宮田です。埼玉の越谷市でコンサル力を強みとしたSEO会社を経営しています。自社でAIツールも開発しています。

豊藏:アイオイクス株式会社の豊藏と申します。当社はSEOで20年の歴史があり、海外のSEO情報などを発信するオウンドメディア『SEO Japan』も運営しています。

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<タイトルを決めて、サムネイルから生成AIで企画してみた>

セミナーのタイトルとサムネイル画像をClaude3(クロード3)に読み込ませ、セミナーの内容を企画されたとのこと。まさに生成AIの活用例です。生成AIによるセミナー企画について、豊藏氏にお話しいただきます。

※Claude3は、OpenAIが開発したGPT-4と同様、大規模言語モデルに基づいた生成AI。GPT-4より高性能と話題になった。

豊藏:セミナーのタイトルとサムネイル画像は宮田さんとともに作成しました。そこから先は、AnthropicのClaude3 を使って企画しています。

Claude3へのインプット

  • セミナーのタイトル
  • セミナーのサムネイル画像

Claude3への投げかけ

“このセミナー(画像を添付)を実施しようと考えています。
タイトルは「SEOに取り組む企業が“今”考えるべき生成AIについて-法人SEOのプロが徹底討論-」です。昨今の生成AIのテーマのうち、SEOに関連したパネルディスカッションを行いたいと考えています。
どんなテーマが良いですか?”

Claude 3へのインプット内容

その回答が、以下です。

内容に問題がなかったので、セミナーのページ構成もClaude3にお願いしました。

※実際に作成されたページ

生成AIを使うかどうかは、シンプルに求めるアウトプットが出てくるかがポイントです。

今回は、セミナータイトルとの整合性があり、宮田さんとディスカッションできる内容だったので、生成AIを使って良かったという結果になりますね。

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【テーマ1】生成AIによる検索エンジンアルゴリズムの変化予測と対応策

議論するテーマもClaude3が企画したものとのこと。「生成AIによる検索エンジンアルゴリズムの変化予測と対応策」に関して、6つの切り口、12個の論点が出力されました。

ここからはSEOと生成AIに焦点をあてて、豊藏氏と宮田氏が議論を交わします。

■論点1:コンテンツの質や独自性の評価方法の変化

検索エンジンがコンテンツの質や独自性をどのように評価しているのか、気になる人が多いでしょう。法人SEOのプロであるお二方は、日頃から多くの企業様に聞かれているとのこと。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 機械的に作られたコンテンツかどうか
  • E-E-A-Tなどの評価基準
  • 誰が発信しているのか
  • ドメインの強さ

宮田:コンテンツの質や独自性の評価方法は、2段階で評価するように変わりつつあると思います。

まずは、機械的に作られたコンテンツかどうかの評価。コピーページではないか、そもそも内容が間違っていないか、という観点での評価です。

そのうえで、E-E-A-Tなどの評価基準によって最終的なコンテンツの評価が決まると捉えています。

豊藏:私は、「誰が言っているのか」、「強いドメインかどうか」が重要だと捉えています。

ページ単体を評価するアルゴリズムの強化はとても大切ですが、昨今のAIへのリソース投下もあり、インデックス数を絞るなど、別な形で評価を効率化するのではないかと思っています。

宮田:私は検索アルゴリズムには、まだまだ分析の余地があると考えています。例えば、生成AIが作ったコンテンツのクセです。

豊藏さんが言うように、ドメインの強さや被リンクの数なども重要です。しかし、Googleの検索アルゴリズムは人の目に見えない部分でコンテンツの質を見ています。ページの質を重視しているからこそ、私たちがまだ見つけられていないアルゴリズムの変数を分析する必要性があるのではないでしょうか。

ただ、Googleは生成AIで作ったコンテンツを否定してはいません。「AIで作ったページだから評価を下げる」ではない点、誤解のないようにお願いします。

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■論点2:生成AI時代のSEOに求められる専門性

SEOの専門性は以前から必要でしたが、生成AI時代になって求められる専門性に変化はあるのでしょうか。開発やITコンサルティングなどのバックボーンを持ち、法人SEOのプロとして活躍されているお二方の考えは必聴です。

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • Googleのアルゴリズムへの理解
  • Googleの考えを理解したうえでAIツールをどう活用すべきか考えられる力
  • Webの知識とGoogleが評価する仕組みを理解する力

宮田:Googleのアルゴリズムへの理解がとても大切だと思っています。SEOは非常に大きな産業となりました。ですが、関わる人のおよそ8割は「コンテンツSEO」をやっています。

そのため、Googleのアルゴリズムを読み解ける「テクニカルSEO(データベースSEO)」に強い人はまだまだ限られている状況です。それだけに、Googleがどういう評価をしているのかを理解することが大切です。

生成AI時代では、Googleを理解したうえでAIツールを使いこなせるかが、企業のSEO競争力に影響すると思います。例えばライターはAIに代替され、ディレクターはGoogleの理解度とAIツールの活用が当たり前になるでしょう。

豊藏:SEOを理解するには、Webの知識が影響します。使われているサーバや技術がどのようなもので、Googleはそれをどう評価しているのか。この仕組みを理解しておかなければなりません。エンジニアが有利な世界と言われる理由はここにあります。

そのため、Webとは何かを知り、「外してはいけないポイント」を的確に押さえることが、SEOの腕につながります。加えて、方向性やビジョンを描く能力を持った人材が強く求められると考えています。

宮田:まったくの同意です。SEOの基礎はGoogleが持つ特許に基づいた考え方なので、そこを押さえられれば大丈夫です。基礎の考え方・仕組みを理解していれば、AI時代も乗り越えられます。

ただ、生成AI時代にコンテンツがどのように評価されるかは、知っておくほうがいいでしょう。

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【テーマ2】生成AIによるコンテンツ自動生成がSEOにもたらす影響と対策

続いてのテーマは、「生成AIによるコンテンツ自動生成がSEOにもたらす影響と対策」です。6つの切り口、12個の論点のうち、以下の3つについて豊藏氏と宮田氏が議論を交わしました。

  • 生成AIを使うべきか、使わざるを得ないのか
  • 生成AIコンテンツの品質担保
  • 生成AIコンテンツとオリジナルコンテンツの棲み分け

■論点3:生成AIを使うべきか、使わざるを得ないのか

生成AIは便利ですが、必ずしも求めるアウトプットが出るとは限りません。そのため、生成AIの活用に対するスタンスは分かれるところです。法人SEOのプロは、生成AIの活用に対してどのように考えているのでしょうか。

このパートで登場したポイントは、以下の3つです。

  • 市場原理から考えると、生成AIを使わざるを得ない
  • コンテンツの良し悪しで評価される
  • Googleは生成AIの活用に寛容な姿勢

宮田:生成AIは使わざるを得ないと思います。そもそもSEOは相対評価だからです。

ある企業が生成AIでコンテンツを大量に作り、特定のキーワードで検索上位を独占したとします。これに対抗するには、同様に大量のコンテンツを作らざるを得ません。SEOの理論というよりも、市場原理として生成AIを使わざるを得ない、と言えるでしょう。

もう一つ、「生成AIコンテンツに対するGoogleの姿勢と今後の方針予測」にも触れます。これは明確で、コンテンツの良し悪しで評価されます。

Googleは、AIを使っている・使っていないは気にしないスタンスです。AIを使って良いコンテンツを作れるなら「使ってください」なので、寛容と言えますね。

豊藏:1つ悩むのは、AIが作成したと明記するかどうかですね。AIでコンテンツを作ったとしても、人の手が入っているためです。

宮田:そうですね。ただ、AIを使って作ったコンテンツと明記したからといって、Googleの評価は下がりません。検索順位に関しては、心配する必要はないと思います。

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■論点4:生成AIのコンテンツの品質担保

生成AIで作ったコンテンツの品質担保は、コンテンツSEOに関わる人が最も気になるテーマの1つでしょう。Googleは生成AIが作ったかどうか気にしないスタンスとはいえ、コンテンツである以上、評価はしているはずです。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 品質チェックのための校閲は必須
  • 「AIっぽさ」が嫌われる雰囲気があるものの、問題はない
  • ハルシネーションは注意が必要
  • コンテンツを公開した責任を持つ

宮田:生成AIで作ったコンテンツの品質担保は、従来どおり校閲し、人がチェックするのがいいですね。コンテンツの整合性や品質は、誰が作ったかに関わらず確認すべきです。

ただ、AIが作ったコンテンツには、特有の「AIっぽさ」があります。これが何となく嫌われる雰囲気があるだけで、特に問題はありません。

豊藏:私は品質の平準化の問題が大きいと思っています。生成AIを使う時間帯や状況、インプットによって、アウトプットが安定しない部分があるためです。調子が悪いと品質をコントロールしきれない印象を持っています。

そのため、公開したコンテンツの品質に責任を持つことが大切です。私にとって生成AIは、「すごく優秀な外注さん」みたいなものです。誰が作ったのかが見えないだけに、少し怖さがありますね。

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■論点5:生成AIコンテンツとオリジナルコンテンツの棲み分け

生成AIに適したコンテンツと人が作るべきコンテンツの線引きについて、議論していただきました。YMYL領域や取材記事など、コンテンツと言ってもさまざまです。生成AIを使うかどうか、どのように判断されているのでしょうか。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 競合が少ないキーワードは生成AI
  • YMYL領域で生成AIはリスクが伴う
  • サイトの有機性に繋がる手の込んだコンテンツは人の手
  • コンテンツ公開後のレピュテーションにも注意が必要

宮田:私は、競合が少ないキーワードは、生成AIで一気にコンテンツを作ってしまえと思うタイプです。初期に多くのユーザーを獲得し、そのテーマのスコアを一時的に上げることが重要だからです。

一方で、YMYLなどの分野で確認の甘いコンテンツを大量に公開すると、後戻りできない危険性があります。キーワードや領域によって生成AIを使うかどうか、線引きしたほうがいいですね。

取材記事やレポート記事、体験記事など、手の込んだコンテンツはサイトの有機性に繋がります。ユーザーエンゲージメントに大切なコンテンツなので、ここにお金をかける企業が増えると思います。

豊藏:なるほど、分かります。

宮田:ただ、インタビュー記事もAIが作れるようになるんだろうなとも思っています。

豊藏:コンテンツの品質も大切ですが、SEOのリスクを考えることも重要です。

ある企業がオウンドメディアでAIが作ったコンテンツを大量に公開したとします。一時的に成果が出る反面、検索結果に表示されるコンテンツは誰に見られているかわかりません。もしネガティブなレピュテーションが事業に影響する領域だった場合、SEOの取り組み自体がリスクに繋がる可能性があるのです。

そういう領域で事業を行う企業は、丁寧にコンテンツを作るべきですね。

先ほど宮田さんがおっしゃったように、オリジナルコンテンツをどのようにAIと絡めていくかは、今後のAIの技術進歩にとっても大きなテーマだと思います。

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【テーマ3】生成AIを有効活用しながらも、オリジナリティのあるSEOを実現する方法

最後のテーマは、「生成AIを有効活用しながらも、オリジナリティのあるSEOを実現する方法」です。時間の関係上、議論された論点は1つでしたが、コンテンツ作成においてどこを生成AIに任せ、どこに人の手を入れるべきか、お二方の考えを知ることができました。

■論点6:オリジナリティのあるコンテンツ企画の立て方

コンテンツを作る際、生成AIで構成を作る、執筆させる、そもそもコンテンツのテーマを考えさせるなど、使い方は人によってさまざまです。法人SEOのプロは、コンテンツを作るにあたって生成AIをどのように使っているのでしょうか。

このパートで登場したポイントは、以下の4つです。

  • 執筆は生成AIでいい
  • 構成は人が作るべき
  • コンテンツのネタを練ることが重要
  • インプットが品質を左右する

宮田:ペルソナを決めるとか構成案を出す部分までAIでやっている企業があるんですが、「それって大丈夫なの?」と思っています。執筆はAIでいいんです。ですが、最初の構成を決めるのは人間がやるべき。理由は、AIが出す構成案のレベルが低いからです。そこの部分は人間がやるべきだと考えています。

豊藏:ネタをしっかりと作ることが重要ですね。いかにオリジナリティのあるネタを作れるか。インプットをどのように構築するか。ここが品質に大きく影響すると思います。

まだまだ議論を交わし足りないお二方でしたが、セミナー終了の時間となってしまいました。ここで中締めし、延長戦としてQ&Aに続きます。

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<Q&A>

【質問1】都会と地方のSEO対策の違いについて教えてください。

宮田:SEOには2つの区切りがあります。1つがドメインベースで獲りにいくもの。もう1つがエリアのキーワードで獲りにいくものです。

例えば、事業ドメインであれば「クレジットカード」というキーワードで1位を取りにいくことになります。一方、地方であればやや難易度は下がります。SEO会社にはエリアに強いところがあるので、地方でのSEOを強化するなら、そういった企業に任せてみてはいかがでしょうか。

【質問2】生成AIで記事を作る際の適切なインプット量を知りたいです。また、効果を上げるために、アウトプットでチェックするべきポイントも知りたいです。

宮田:アウトプットのチェックに関しては、先ほどお話した通りですね。

豊藏:プロンプトがどうこうと言うよりも、目的をきちんと言語化し、明確にすることのほうが重要だと思います。情報量を詰め込むよりも、シンプルにどういうことを自分がしたいのかを突き詰めて考えていく。そのほうが、AIを上手く使えると思います。

【質問3】SEOに生成AIは比較的使いやすいのですが、企業のホームページを作成する際には、まだうまく使いこなせていません。SEOとは異なる使い方のポイントがあれば教えてください。

宮田:SEOコンテンツ以外でも使えると思っています。まず作りたいページの構成をしっかりと決めて、後はライティングをするというやり方であれば、既存のプロンプトでも十分に使えると思います。

【質問4】再生医療のクリニックを経営しています。AIを社内に取り入れ記事を書きたいのですが、どのように取り組めばよいでしょうか。生成AIによって医学的な記事も書けるのかどうかを教えてください。

宮田:先ほども申し上げたように、医学的なコンテンツであっても構成をしっかりと作って、執筆はAIに任せるのは大丈夫です。ただ、その情報が正しいかどうかが非常に重要です。YMYL領域は、Googleの評価基準が高いですよね。それだけに誤った内容があると、ページやドメインの評価が著しく落ちてしまいます。

その品質を担保できれば、問題はありません。ただ、再生医療の領域はYMYLのど真ん中なので、生成AIを使うのは若干危険かなと。まだ生成AIに情報が少ない現在の状況でやるのであれば、我々のような専門家に相談いただくのが最適と思います。

【質問5】AIの可能性に期待する一方で、AIを使ったコンテンツはGoogleからのペナルティを受けるのではと心配です。どのようにすればペナルティリスクを下げられますか?

宮田:基本的に有益なコンテンツであれば問題はありません。私自身、構成だけ自分で作ってほぼノールックで作ったコンテンツと、ガチガチにチェックして作り込んだコンテンツを比較しましたが、結果はほとんど変わりませんでした。

ただし、YMYLのように評価基準が高い領域で雑にコンテンツを作るのは危険です。しっかりと人力でファクトチェックしてください。

生成AIは、コンテンツの質に影響するというよりも、コンテンツを作るスピードに大きく影響していると思います。従来は人力で1ヶ月かけていた制作が、生成AIなら1週間でできます。これまでは1ヶ月に数本程度だったコンテンツが、一気に30本・40本と更新できるんです。例えば私の知り合いのサイトで、1ヶ月に500ページを作ったところがあります。

豊藏:それはすごいですね!

宮田:ただ、結果的にページの評価は落とされました。

仮説ですが、ページの更新スピードに対して、サイトの成熟度が追い付いていなかったことが原因です。普通に考えて、ドメインを新規で作って1ヶ月で記事コンテンツが500ページも更新されるというのはおかしい。明らかな大量作成は怪しまれるので、そこは気を付けたいですね。

いきなり何百記事も入れるのであれば、きちんと被リンクをもらって「このサイトはお金をかけて運営している」ことを示さないといけません。ドメインが若い場合は注意した方がいいでしょう。

【質問6】SEOを依頼する際、どんなSEO会社に発注すればいいですか?

宮田:検索エンジンがどうだ、順位を上げるのが上手い、といった部分ではなく、しっかりと対話してコンサルティングしてくれる会社がいいと思います。残念ながら、市場環境やクライアントのビジネスまで深く理解した提案ができるSEO会社は少ないのが現状です。クライアントと対話して、深く理解してくれるコンサル力のあるSEO会社が求められているのではないでしょうか。

豊藏:本当にその通りです。SEOは手段でしかないんですよね。要は、知識が多い・少ないではなく、お客様の会社のことを理解した上で、SEOをどのように活用するべきかを考えることが我々の仕事です。私も普段からできるだけ専門用語とかを使わないように気を付けています。

それから「できる・できない」をハッキリとお伝えすることも意識しています。できないことは「できない」と言える人のほうが信用できると思うので、参考にしていただければと思います。

今回のセミナーは以上で終了となりました。

こちらの動画は、今回登壇頂いたCOUNTER様の運営するCOUNTER MARKETING CHANNELにて全編公開中です。

SEOに関してご相談があれば、ぜひお気軽にアイオイクス株式会社の豊藏氏、COUNTER株式会社の宮田氏にお問い合わせください。

投稿者:

SEO Japan

002年開設、アイオイクスによる日本初のSEOポータル。SEOに関する最新情報記事を多数配信。SEOサービスはもちろん、高機能LPOツール&コンサルティング、次世代SEOに欠かせないインフォグラフィックを活用したコンテンツマーケティング等も提供。 SEOブログながら、ウェブマーケ全般。アドテク、ソーシャル、スタートアップ、インフォグラフィック等。