原題:AMA With Google Search
Moderator: Danny Sullivan, Founding Editor, Search Engine Land (@dannysullivan)
Speaker:Gary Illyes,Webmaster Trends Analyst,Google(@methode)
ダニー:このセッションを始める前に、まずはある動画を紹介させていただきたい。
長年に渡りSMXに参加していたマット・カッツ氏を偲ぶ(?)動画が流される。
ダニー:御存知の通り、SMXに必ず参加していただいたマット・カッツ氏が今回はいない。しかしながら、ゲイリー・イリーズ氏が参加してくれている。マット。今までありがとう!!
それでは最初の質問をしてみよう。
新しいマット・カッツは誰なんだい?(会場大爆笑)
ゲイリー:(少しの間を置いた後に)今までマットが一人でやっていたことを、これからはチームでやることになる。スパム対策を担当する者、アップデートを報告する者などでわかれる。兎にも角にも、マットは素晴らしい人であることは間違いない。
ダニー:OK!それではパンダとペンギンの話をしよう。実際のところ、今はどんな感じなんだい??
ゲイリー:パンダについてだが。。。この2-4週間以内にアップデートを行う。具体的な日時は伝えられないが、パンダ担当のチームがデータの更新を行なっている。そうだね。2週間以内とはここでは言えない、という感じのスケジュールだ。
ペンギンについて何かを伝えるのは難しい。アップデートを継続的に行うように取り組んでいるが、予定よりも数ヶ月遅れている。変更すべき箇所が沢山あるんだ。
ダニー:パンダのデータ更新のスケジュールについて聞きたい。数ヶ月に一度更新されるというスケジュールかな?
ゲイリー:Googleの目標としては、数ヶ月に一度よりも多く更新したいと思っている。しかし、データの中にノイズが入っていたりするため、実際に行うには非常に難しいと言える。
ダニー:ペンギンの更新頻度はもっと高くなるのでは?
ゲイリー:ペンギンは継続的な更新を目標としている。しかし、パンダについては、今のところは、手動でのアップデートが必要とされている。
ダニー:ジョン・ミュラー氏のパソコンにあった“Google penalty server” とはいったいなんなのだろうか?
注:先日行われたハングアウトで、あるユーザーから自身のサイトがペナルティを受けているかどうか?という質問に対しジョン・ミュラー氏がペナルティの有無を即答していた。その時のキャプチャに、ジョン氏のパソコンが写っており、どうやらなんらかのツールを使い、ペナルティの有無をすぐに確認していたようであった。それに対する質問を投げている。
ゲイリー:そうだね。我々は該当のサイトがペナルティを受けているか、すぐに調べることが出来るツールを持っているよ。
ダニー:ちょっとそのツールを見せてくれない?(会場爆笑)
ゲイリー:ええとね。無理だね。(会場大爆笑)
ダニー:我々がどの時点でペナルティを受けたか判断する方法はあるかな?
ゲイリー:Googleは、Googleが取り組んでいることをもっとはっきりとみんなに伝えようとしている傾向がある。ブログなどで、我々が取り組んでいることを報告しているが、間違ったことに注力している人が驚くほど多い。我々が意図したところと別の箇所に注目してしまうんだ。結局のところ、高品質なコンテンツを作ることでリンクを集めることができる。結果として、Googleのランキングも上昇する。個人的なサイトで実践済みだ。このやり方がうまくいくはずだ。
ダニー:アップデートについてはっきりと言ってくれないから、我々が勝手に名前をつけているよ。(ピジョンアップデートやモバイルゲドンのように)
ゲイリー:OK.それじゃ、ピジョンアップデートを今から”タイタニック”とでも改名しようか?(会場爆笑)ちなみに、前もって説明することは大事だが、それが不可能な場合もある。ハッキングされたサイトに対するアップデートがあった場合、それを事前に通知することは難しいだろう。
ダニー:話題を変えよう。クオリティアップデートについてだ。
ゲイリー:担当のチームが取り組んでいるんだけど、クオリティアップデートについてはあまり話せることはないかな。
ダニー:Googleはどのようにしてサイトの品質を査定しているの?どんなシグナルがあるか、詳細に話してくれないか?(会場爆笑)
ゲイリー:クビになってしまうよ(会場大爆笑)
ダニー:クリック率はどうかな?Googleはデータを取っていると思うが。
ゲイリー:クリック率を直接ランキングに反映させることはない。ノイズが多すぎる。
ダニー:全く使用していない?
ゲイリー:場合によるだろう。パーソナライズの場合は、過去にクリックしたサイトを考慮するかもしれない。例えば”Apple”と検索した場合、その人がコンピュータの会社か、果物を探しているか、過去のクリックしたサイトを参考に、検索結果に反映する場合もある。もしも、パーソナライズではない検索結果の順位を操作するために果てしなくクリックを続けるのであれば。。。ご勝手にどうぞ、という感じだ。
ダニー:モバイルゲドンについては?
ゲイリー:どのくらいの影響があったかを伝えることは難しいが、今回のアップデートは成功したと思っているよ。
ダニー:影響が大きかったという人もいれば、少なかったという人もいる。潜在的な影響は非常に大きいということは理解できるが、実際の規模はどうだったのだろうか?
ゲイリー:影響を受けたURLとクエリの数は、パンダとペンギンを合わせた数よりも大きかったよ。しかし、今回のアップデートの直前に、非常に多くのサイトがモバイルフレンドリーに適用したという事実はある。結果として、Googleが予想していた規模よりも、実際の規模は小さかったね。ざっくりと、50%くらい影響があると思っていたが、実際には17%くらいだった、というようなイメージだ。
ダニー:App Indexingについて。Googleはアプリの作成を薦めているように感じる。しかし、全ての人がアプリを必要としているのだろうか?
ゲイリー:全ての人がアプリを必要としているとは考えていない。情報提供型のサイトなどは必要ないだろう。しかし、例えば、中古車販売のサイトであれば、アプリは必要と言えるだろう。Googleとしては、ユーザーに、コンテンツを利用する新たな方法を提示しているだけだ。必要であればインストールすればいい。これは、ユニバーサル検索と似ていると思う。Webサイトのみならず、動画や画像を検索結果に表示することで、様々な形を提供しているのだ。
ダニー:ダイレクトアンサーの数は増加していると感じている。他のサイトのトラフィックを奪っているのではないか?SEOはもはやなくなってしまったのか?
ゲイリー:いや、SEOがなくなったとは思わない。SEOはユーザーにとって有益であると思う。ちなみに、我々はダイレクトアンサーをフィーチャー・スニペットと読んでいる。
ダニー:確かに、ダイレクトアンサーのお陰でトラフィックを多く獲得しているサイトもあるだろう。どのくらい増えたか、教えてくれるかな?
ゲイリー:詳しくはわからないけど、Googleが完全な答えを表示できていない場合は、特にトラフィックが増えているのでは?ブランディングにも貢献できていると思うけど、測定は難しいね。
ダニー:ダイレクトアンサーに取り上げられた場合、オーソリティを獲得したと認識してもよいのか?
ゲイリー:ダイレクトアンサーに取り上げられたということは、そのクエリに対する答えを提供しているということだ。それ以上はない。
ダニー:エンティティについて。リンク以上に強いシグナルと言えるのだろうか?
ゲイリー:構造化データが無いサイトを理解することはGoogleにとっては難しいことだ。ナレッジグラフなどで使用しているソースは、Wikipediaが多いね。他のソース、そうだね、データベースとしておくが、そこから情報を引っ張ってくる場合もある。
ダニー:Twitterが検索結果に表示されるようになった。
ゲイリー:私が知るかぎりでは、SEOにおける影響は少ないと思う。通常は、シグナルとして使う要素は、長い間有効であるものが条件となっている。Twitterの場合、ファイアーホース(Twitterが保有するデータベース)に依存しているため、ファイアーホースが使用できなくなると、非常に困ってしまうよね。
ダニー:クロムやアンドロイドなどからユーザーのデータを取得して使っているか?
ゲイリー:ノイズが多くてランキングシグナルとしては使えない。さっき話したクリック率と同じような感じだ。
ダニー:動画コンテンツは?
ゲイリー:通常の検索では考慮していないが、動画検索だとそうとは言えない。
ダニー:サイトのセキュリティについて。
ゲイリー:個人的には非常に重要だと考えている。
ダニー:コンテンツの品質について
ゲイリー:ユーザーにとって有益なコンテンツであれば、ユーザーはそれを好む。リンクを張るようになり、結果としてランキングもあがるかもしれない。これがクオリティ。
ダニー:絵文字は結局どうなるのだろうか?
ゲイリー:近いうちになくなるだろうね。