自身のWebサイトに最適な指標が見つかればベストですが、特に初めて取り組む場合は、どんな指標から見ていくか、非常に迷ってしまいます。
今回の記事は、ニール・パテル氏による、ユーザー体験の測定方法を紹介した記事となります。あらゆるWebサイトで共通の指標と言えるものが多いため、多くのWebサイトにとって有益な情報であると思います。
ユーザー体験(UX:User Experience)はWebサイトのデザインとマネジメントにおける主要な要素だ。それは、あなたが自覚している以上の影響を与えるかもしれない。
ユーザーが初めてあなたのWebサイトを訪問した場合、なにが起きるだろう? すぐに読み込まれるだろうか? ユーザーが適切な場所にいることを、Webサイトは伝えられているだろうか? 次に何をすべきか、明らかになっているだろうか?
ユーザー体験は、あなたのWebサイトを使用する際の、人間の体験を意味する。そのため、ユーザー体験をどのように計測すべきか、疑問に思うかもしれない。
なぜ、ユーザー体験を測定することが重要なのか?
Webサイトのユーザーは潜在的な顧客だ。Webサイトを案内する能力は、ユーザーの体験となり、あなたの会社への印象となる。
Webサイトに訪れても疑問が解決されなかった場合、どう思うだろうか? オンラインショップでチェックアウトの方法がわからなかった場合、どう思うだろうか?
ユーザーがWebサイトを使用することを難しく感じた場合、それだけで価値のないものと感じてしまうかもしれない。その一方で、シームレスな体験を提供することができれば、コンバージョンへと導くことができ、リピーターとなってくれるかもしれない。
どちらのほうが、高い収益を得る結果となるかは明確であるはずだ。
ユーザーがWebサイトをどのように使用しているかを理解し、フラストレーションとなる箇所を修正することが、どれほど重要であるかを理解できただろうか。
しかし、そのユーザー体験は、どのように測定すればいいのだろうか?
便利な指標を用いてユーザー体験を測定する
ユーザーがWebサイトを訪れた際(また、Webサイトから去ってしまった際)、そこで起こっていることを理解するため、特定の指標を追跡し、分析することで、推測を減らすことができる。
ユーザー体験の主要な指標の種類が2つある。客観的指標と主観的指標である。
客観的な指標は、タスクの処理時間、成功率、ユーザーのエラー数など、追跡と比較のために正確な数字が伴っている要素である。
一方、主観的指標とは、Webサイトを使用する体験について、ユーザーがどのように感じるか、その情報を与えてくれるものだ。それには、使いやすさや満足度などが含まれることもある。
主観的指標は、おすすめ数、満足度、評価などを含む、Webサイトの体験の質を測定する。行動的な指標は、Webサイトに滞在する間、ユーザーがどのようにWebサイトとかかわっているかを数字で表現する。
GoogleはHEARTフレームワークを作成しており、ユーザー体験の全体像を把握するために、客観的指標と定性的指標を組み合わせている。
このフレームワークは、どの指標があなたにとって重要なのかを判断する手助けとなる。ユーザーの幸福度、エンゲージメント、採用、リテンション、タスクの成功などを測定するのだ。
ユーザー体験を測定することで、ユーザーがあなたのWebサイトで何を行っているかを把握することができる。しかし、その理由や課題に対して直接取り組むことはできない。
例えば、カスタマーサービスの課題のように、対応すべき顧客の名前を集めるといったことはできない。
その代わり、これはWebサイトで起こっていることを把握するための最高レベルの視点となり、異なる機能や解決策を試し、A/Bテストの結果がポジティブであるかを確認することができる。
下記は、UXデザイナーが、最高のユーザー体験と満足度を提供するために、Webサイトを作成、更新する際に使用する、複数の種類の測定方法をまとめたリストである。
1.フォームを活用したユーザーとの関わり
フォームは、「Webサイトのオーナーに連絡を取る」「特別な情報やオファーを得るためにサインアップする」「特定の製品の見積もりや仕様を尋ねる」などを行うための一般的な方法だ。
顧客の情報は貴重な情報だが、情報量が多すぎることや、記入が面倒なフォームを嫌うユーザーは多い。
顧客があなたのWebサイトのフォームをどのように感じているかを把握するための簡単な方法は、Hotjarのようなツールを使うことだ。
このツールを使えば、ユーザーに入力されなかった項目や、記入を拒んだ情報などを把握することができる。
Hotjarには、ユーザーがあなたのWebサイトのフォームを実際に使用した場面を動画で録画する機能もある。
ユーザーは匿名となるが、このツールで提供される情報をもとに、フォームで変更すべき箇所を特定することができる。入力することに躊躇した項目、入力をスキップした項目などを確認できる。
ユーザーがフォームの入力を完了せず、情報を送信しなかった場合、彼らのデータを失うことになる。そのため、必要最低限の情報を入力させるようにしよう。
また、モバイルユーザーでもフォームを入力しやすい仕様にしよう。彼らはキーボードではなく、タッチスクリーンを使用するのだ。
2.ユーザーはWebサイトをどのように回遊するか
あなたのWebサイトを訪問したユーザーが何を行い、どこをクリックしたかを把握できれば、素晴らしいと思うだろう。
ユーザー体験を測定したいのであれば、これは価値のあるインサイトとなる。
ヒートマップを使用すれば、ユーザーがクリックした箇所を特定することができ、Webサイトのレイアウトとデザインがユーザーにとって便利であるか、不便であるかを確認することができる。Crazy Eggはそうしたツールの1つだ。
ポジティブなフィードバックもネガティブなフィードバックもしっかりと確認しよう。特定のレイアウトの色がユーザーを引き付け、別のレイアウトの色はユーザーに敬遠されているかもしれない。
コール・トゥ・アクションのような、特定の機能の配置場所がエンゲージメントに影響することもある。
例えば、ユーザーは特定のボタンには反応し、他のボタンには反応しなかったとする。こうした情報に基づいて、ユーザーが好む機能を追加したり、無視されている領域を調整したりすることができる。
また、別のページをデザインしたり編集したりする場合、この情報に基づいて、ユーザーが気にいる機能を実装することも可能だ。
ユーザーがクリックする箇所を追跡し、測定することで、重要なインサイトを得ることができる。Crazy EggにはConfettiという機能があり、ユーザーのクリックが発生した場所を示してくれる。
Webサイト内の別のページから来たのか?製品ページのクリックを発生させる目的の、ソーシャルメディアの広告から来たのか?ツールを使用することで、これらの情報を把握することができる。
3.ユーザー体験を測定するためのユーザービリティのテスト
Webサイトのユーザービリティをテストするために、特別な専門家が必要であるわけではない。時には、チーム外のメンバーからのフィードバックがより価値があることもある。
信頼できる人々(友人、家族、特定の顧客)に依頼し、Webサイトのユーザービリティをテストしよう。
彼らにサイト内を回遊し、フォームを入力し、可能であれば購入まで行っていただこう。新規のユーザーが行うであろうことは何でも行ってもらおう。
何がうまくいき、何がうまくいかないだろうか? どのステップを完了することができず、どの要素に時間がかかるだろうか? これらは全て、スムーズな体験を実現するために調査すべき領域だ。
サイト内でユーザーにとって欲しい行動によるが、Webサイトがユーザーフレンドリーであるか、特定のタスクを素早く完了することができるか、フィードバックを得よう。
例えば、フォームが送信できない、購入が完了できないなど、Webサイト内のプロセスで立ち止まってしまう箇所がないか、発見することを依頼するのだ。
4.ページビューとページの滞在時間を追跡しよう
ユーザーがWebサイトに快く滞在してくれる場合、あなたのWebサイトが回遊しやすいことを意味している。Webサイトの体験に満足し、楽しんでいるため、複数のページを閲覧してくれるだろう。
ユーザー体験を測定する場合、セッション時間の理想の長さはどのくらいか、疑問に思うかもしれない。それはWebサイトによるものであるし、ユーザーに何を行って欲しいかにもよる。
一般的に、ユーザーがコンバージョンに向かうために必要な次のステップについての情報を得るために十分な時間を滞在して欲しいはずだ。次のページに進むためやニュースレターのサインアップをするためのコール・トゥ・アクションを見つけることが、成功への道だ。
しかし、長すぎる滞在時間は、問題の存在を示していることもある。
フォーム入力の未完や特定のページに長時間滞在した後にページを去るなど、別の指標も確認しよう。ページ自体が複雑な場合や、設置したコール・トゥ・アクションがミスマッチである場合も考えられる。
5.ユーザー体験を測定するためのカスタマーサクセス調査を行う
カスタマーサクセス調査は、訪問者があなたのWebサイトにどの程度満足しているかを測定するものだ。ユーザー体験の測定を開始するに最適なものだ。
満足度、あなたの製品やサービスをお勧めするかどうか、サイト滞在中に目的が果たせたかどうか、などを尋ねよう。ユーザーは探しているものを見つけることができただろうか?
Qualarooのようなツールを使用し、顧客の意見を集めよう。その情報に基づいて、Webサイトを改善していくのだ。
我々の目的は可能な限りシームレスな体験を提供することであり、あらゆる障害を取り除くことは、時間と労力を費やす価値があると言える。
6.カスタマーサービスのチームを活用する
ユーザーが求めているものが見つからなかった場合、誰を頼るだろうか?カスタマーサービスのチームだ。
サービスチームは繰り返される質問やWebサイトの仕様についての不満を多く知っているかもしれない。
それらの中に、すぐに修正すべき課題や情報の差異が見つかるかもしれない。Webサイトの更新について不満を持つユーザーもいるかもしれない。
素晴らしい機能とは、ユーザーが活用して初めて価値のあるものとなる。
共通の課題と顧客の不満を追跡し、ユーザー体験における問題点を探すためのデータとしよう。
7.ユーザー体験を測定するため、読み込み速度を追跡する
ユーザーをとどまらせ、あなたが提供するものを見て欲しければ、Webサイトの読み込みは素早く行われるべきだ。ページの読み込み速度は、検索エンジンのランキングとユーザー体験において、重要な影響を持つ。
Unbounceによると、70%近くの消費者が、ECサイトでの購入にページスピードが影響すると述べている。また、36%以上の消費者が、読み込み速度が遅いECサイトは次回以降使わなくなると答えている。手放した消費者による売り上げへの影響は大きなものとなる。
どのような要素が、ページの読み込み速度を遅らせてしまうのだろうか? 大きいサイズの画像や動画がその要因となることがある。
下記の動画では、ページの読み込み速度を改善するための方法を紹介している。
GoogleのPage Speed InsightsはWebサイトの読み込み速度を確認する便利なツールである。
どのページに問題があり、なにが遅延を発生させているかを探す手助けとなる。多少の努力で、100%のスコアを獲得することも可能だ。
ページの読み込み速度があまりにも遅い場合、画像の修正や動画ファイルの圧縮などを検討しよう。OptimizillaやTinyPNGなど、あらゆるプラットフォームで活用できるツールを検討しよう。
結論
あなたはWebサイトを作成して以来、最大限の努力をしてきたかもしれない。しかし、ユーザーにとって優れたWebサイトを作成することは、終わりのないタスクでもある。
有益なWebサイトは、あなたのビジネスの手助けとなる。そのため、常にユーザー体験を測定し、あなたのWebサイトがどの程度効果的であるかを確認するべきである。
もちろん、デザイン、レイアウト、画像、コピー文はすべて重要だ。しかし、機能性もまた、同じくらい重要なのだ。訪問客をコンバージョンに導きたいのであれば、コンバージョンへの障壁を発見し、修正しなければならない。
ユーザー体験を最高レベルに保つために、合理的に課題を解決する方法は確実に存在する。デジタルコンサルタントは、ユーザー体験の測定を可能とし、さらに重要なことに、あなたが集めたデータやフィードバックを実際に活用する術を身につけている。
ユーザー体験を測定するため、今回紹介した指標を活用した経験はあるだろうか? そして、その結果は、いかがなものだっただろうか?
また、単純なSEO目的ではなくとも、Webサイトを訪れるユーザーに良い体験を提供することは、常に行っていきたいものです。なかなか測定が難しい領域ではありますが、少しでも皆様のWebサイトの改善の参考になれば幸いです。
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