建設職人と建設現場のマッチングサービスや建設業界向けの給料先払いサービスなどを提供する助太刀は6月9日、建設機械レンタル最大手のアクティオとの業務提携を発表した。今回の提携により、インパクトレンチやサンダー、高速カッターといった建設機械を助太刀の専用アプリからレンタルすることが可能になる。発注する時間にもよるが、最短で翌日からのレンタルが可能だ。このレンタル機能は、8月上旬に助太刀アプリへの搭載が計画されている。送料を含む建機のレンタル料の支払いは必要だが、助太刀アプリ側での追加料金などは発生しない。
助太刀は2017年3月設立のスタートアップ。同名のマッチサービスである「助太刀」は、サービス開始から2年で13万社超の事業者のネットワークを構築しており、利用者は常に30〜50人のユーザーと繋がっているのが特徴。建設業界は70職種以上に細分化されているが、異職種との繋がりは薄く、主な仕事は地域の同職種のコミュニティや得意先から受けるケースが多いのが現状だ。そのため、シーズンや月によって仕事量が極端な差が出ることもしばしばで、一人親方やスタッフが数人しかいない中小の工務店では経営基盤が安定しないという問題があった。助太刀はこういった問題を解決するサービスで、ネット経由で異職種や営業地域外から発注をアプリ経由で受けられるようになる。
一方のアクティオは、5万社超の建設会社との取引実績がある建機レンタル最大手。これまでの同社の主な顧客は大手ゼネコンだったが、助太刀との協業により中小の建設会社にサービスを拡充できるメリットがある。従来の建機レンタルは現場から複数の人間を介し、最終的には発注担当者が電話やFAXで相手先とやり取りするため、タイムラグやヒューマンエラーによって、時間がかかったり、必要な建機が工事開始日に揃わなかったりという問題が発生していた。
8月に助太刀アプリに搭載される機能では、建設職人や現場監督が直接スマートフォン上で建機をレンタルできるだけでなく、消耗品も発注できる。まずは第1フェーズとして、横浜を中心に宅配便の段ボールで送付できる建機に絞ってレンタルサービスを開始し、来春をメドに全国展開を進めるとのこと。
助太刀の代表取締役社長兼CEOの我妻陽一氏は「将来的には建機だけなく、ユンボなどの重機も助太刀アプリからレンタルできるようにしたい」と語る。今回の協業により助太刀は、仕事の受発注から建機や消耗品の手配、給与支払い、保険加入など、建設職人をより多方面からサポートするサービスに進化する。