huddl.aiが提案するインテリジェンスなオンライン会議

新型コロナウイルスのパンデミックによって直接顔を合わせての会議ができなくなり、我々は否応なくオンラインの世界に押し込められた。そして、Zoom、Cisco WebEx、Google Meet、Microsoft Teamsといった製品が日常の一部となってしまった。この渦中に、経験豊富な起業家が会議テクノロジーに人工知能の要素を採り入れようと3年半前に創設したスタートアップであるhuddl.ai(ハドルエーアイ)が、あえて飛び込んだ。

同社の創設者でCEOのKrishna Yarlagadda(クリシュナ・ヤーラガダ)氏は、いくつもの企業がビデオ会議のコンセプトを提案している中で、彼のスタートアップには一歩先を行くビジョンがあるという。「私たちが前に進めば、次にはインテリジェスの時代が来ます」とヤーラガダ氏はTechCrunchに話した。

同社が提供するツールには、重要な要素を特定し、会議の長いメモから鍵となる情報を拾い集める手間を省いてくれる議事録AIツールも含まれる。「そもそも、どんな会議にも目的があります。または何かの結論を求めて会議を行います。そこにHuddlの出番があります」と彼は言う。

ヤーラガダ氏は、今のソリューションは、単にクラウドルームへのリンクを提供し、クリックしたメンバーが参加できるようにするだけのものだと言う。Huddlは、そのプロセス全体に新しい構造を持ち込もうとしている。「私たちは、ユーザー中心のアーキテクチャーを開発しました。また、ミーティング・メモリーと呼ばれるレイヤーも追加しました。これは基本的に、会議の中心的な項目、つまり議題、要処置事項、モーメントを把握し、検索を可能にするものです」と同氏は説明する。

huddl.aiはそうした会議の要素をモーメントと呼び、会議の柱となる3つの要素を取り込んだ。それは、議題と参加者が会議中に記したメモ、内蔵ツールで参加者がキャプチャーしたスクリーンショット、そして、会議の内容を録音した音声だ。ユーザーは、これらの要素をまとめて検索でき、自分にもっとも関連する部分を抜き出すことができる。

画像クレジット:huddl.ai

さらに、SlackやSalesforceなどの企業向けアプリと統合し、必要ならば会議中に適切なツールの項目に移動することもできる。「基本的に私たちがやろうとしているのは、60分の会議の5分版を制作して、メモリーに収め、検索可能にすることです。会議の後で、このコンテンツは生きてきます。そしてAPIや統合を通じて、適切なプログラムで共有できます」と彼は話す。

例えば、営業会議で要処置項目があった場合はSalesforceに移動できる、エンジニアの会議でソフトウェアにバグが見つかった場合はJiraで共有できる。

同社は2017年に設立された。現在までに870万ドル(約9億3000万円)のシード投資を得ている。従業員数は50名。そのうち10名な米国にいて、残りはインドにいる。今年は、米国とインドの事業所で15〜20名を採用する予定だ。
画像クレジット:LeoPatrizi / Getty Images

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

Zoomアプリコンテストで議題・議事録作成プラットフォームのDocketが優勝

ZoomはアプリのMarketplaceのコンテストDocketを勝者と決定した。Docketはオンライン会議の生産性をアップすることを目的として2019年1月に設立されたスタートアップだ。 同社によればリモートであれ対面であれ会議の70%以上が事前に議題が参加者に周知されないまま開かれてきたという。

Docket はすべての会議で主たる議題が周知される必要があったと考えている。このアプリでは議題を作成してメンバーと共有できるだけでなく、議事録を取り、何が決定されたのか関係者と共有することができる。Docketにはタスクマネージャ機能があるので、会議が終了した後、参加者は何をなすべきかこのツールを使って管理できる。

Docketはアーカイブ機能があり、会議別に議事録、決定事項、To Doリスト、メモなどを保存できる。ユーザーは後から必要に応じて情報を検索、確認し、また個々の会議の有効性を評価できる。

Docketは、Evernote、Slack、それにもちろんZoomと統合できる。例えばDocket Bot for Zoomを使用すると、Zoomの多彩な機能がすべて利用でき、トップ画像のように議題を事前周知できる。また会議中に参加者が追加するるメモはZoomチャットに直接表示される。参加者はZoomチャットから離れることなく共同でメモを取ることができる。

またDocketはZoomの文字起こしと録音を取得し、Docketの会議資料に添付する。参加メンバーは会議後にどういう決定がなされたのか、文字通りの表現を検索できる。

Crunchbaseのデータによれば、Docketはスタートアップ・スタジオのHigh Alpha、Simon Equity Partners、Elevate Ventures、Allos、Venturesから 150万ドル(約1億6000万円)のシード資金を調達している。また Zoomの最大の投資家であるEmergence Capitalは、2015年にHigh Alphaに投資している。

ZoomのMarketplace Appコンテストは2019年10月にZoomtopiaで発表され、勝者はZoom自身とEmergence、Horizons Ventures, Maven Ventures、Sequoia Capitaなどの投資家によって選ばれた。

Docketはこれらのベンチャーキャピタルからの最大200万ドル(約2億1500万円)の資金提供とZoomのプロダクトの責任者からのコンサルティングを受ける。またこのZoomにはDocketの開発を優先的にサポートしていくという。副賞としてDTEN のD7 55インチオールインワンのタッチボード、3年間のZoom Roomsライセンスと10人分のZoom Proライセンス3年ぶんが贈呈される。
docket
Docket以外の最終予選通過者は、AmbitionBloomDiscuss.ioFridayiScribeHealthPledgelingSessionSocial27Tiledの各チームだった。これらファイナリストには、Logitech(日本ではロジクール)の好意により、ビデオ会議キット「Logitech Pro Personal Video Collaboration Kit」(パーソナル・ビデオ・コラボレーション・キット)が贈られた。

原文へ

(翻訳:滑川海彦@Facebook