グロービスのアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」の1st Track選出のスタートアップ14社

グロービスは11月27日、「G-STARTUP」のデモデイを東京・麹町で開催した。グロービスのアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」の第1期の参加企業が約3カ月の支援プログラムを経て、事業開発の成果を発表する場だ。

グロービス・キャピタル・パートナーズ/代表パートナーの今野穣氏

G-STARTUPはユニコーン企業を00 社輩出するプラットフォームを目指して2019年4月に立ち上がったプログラムで、外部メンターが審査に入るなどオープンかつニュートラルな環境が特徴。イベントにはエンジェル投資家を始め約50名の出資検討者も完全招待制で参加した。今回のデモデイのピッチコンテストは以下の5名が審査員を務めた

■審査員長
川田尚吾氏(DeNA/共同創業者)

■審査員
有安伸宏氏(エンジェル投資家)
立岡恵介氏(グローバルブレイン/ジェネラルパートナー)
堀新一郎氏(YJキャピタル/代表取締役社長)
今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ/代表パートナー)

Spornia.

現在はスポーツ選手のひと握りしか、スポーツによってマネタイズできない現状を打破するサービスを開発・提供。スポーツによって稼げる環境を構築するサービスを提供する。具体的には、サッカー教室などのイベント、YouTubeなどに動画を公開した際の広告収入(アドセンス)、オリジナルグッズ販売、スポーツ選手を広告などに使いたい企業とのマッチなどを通じて、選手のマネタイズをサポートする。まずはミドル層のプロアスリートをターゲットとして、イベント支援などを進めていくという。

Crossborders Innovation

求人の案件と登録した人材をワンクリックでマッチングさせるAIアシスタント「hachico」を開発・運営。プレゼン内容は非公開。

オリジナルライフ

結婚準備の情報収集を便利にするスマートポータル「WeddingNews」を運営。プレゼン内容は非公開。

Liigo

アジアにフォーカスしたツアーやアクティビティの検索サイト「Liigo」を運営。ベルトラやBooking.com、アソビューなどアクティビティサイトを串刺し検索可能で、宿泊先や観光情報、レストランなどの情報も調べられるほか、独自のチケットやクーポンの配布も実施している、エアトリなどの大手旅行メディアとの提携を済ませており、Liigoを経由することで独自の旅行プランを短時間で組み立てることができる。今後はLiigo独自のプランなども提供も検討しているという。

ユノ

ビジネスケータリング専門のマーケットプレイス「Chefs Cater」を運営。通常は電話で予約や見積もりが必要なケータリングサービスを、ネットだけで完結できるのが特徴。一般的なケータリングでは、セントラルキッチンなどでライン作業で調理が進むため、料理のバリエーションが乏しいが、Chefs Caterでは街中のレストランなどが調理した料理を、Chefs Caterが依頼した配送専門のドライバーが指定場所まで運ぶ。調理と配送を分けることで飲食店側の業務負担を減らせるほか、配送を専門に請け負うドライバーにはビルなどの建物の入館方法、搬入場所などの情報が蓄積されるので、利用者側も安心して配送を任せられるというメリットがある。

ガラパゴス

AIを使ったデザインシステム「Air Design」を開発・運営・大手広告代理店と提携して、各社が所有する広告データをAIが取り込むことで、ウェブサイトのさまざまなランディングページ(LP)を自動生成できる。LPで使われるテキストデータも収集・分析しており、よく使われるワードなどを一覧できるのでキャッチコピーを考案する際の参考にもなる。
生成したLPは、フォントの種類や大きさ、背景色などカスタマイズすることも可能だ。

Grune

xR技術を活用した展示場のシミュレーションシステムを開発。現在の住宅展示場は、3億円程度の建設費用がかかり、しかも数年で立て替える必要がある。しかし現在では、契約数が下落傾向にあるという。同社はまず、この現状を解決するため住宅展示場に同社のVR技術を持ち込み、実際の建物の中で壁紙や家具などをVR空間上で入れ替え見られるようにする。これにより、住宅展示場でのコンバージョンレートを上げることを目指す。将来的には住宅展示場をVRでリプレースすることを目指す。

ダイバーシーズ

民住サービス「Homii」を運営r。同サービスは現代版の下宿で、空き部屋のマーケットプレイス。一般的な民泊とはことなり、あくまでも下宿という形態なので、民泊新法で定められている年間提供日数180日以内という制限が適用されない。利用者はHomiiから下宿先を選んで、家主に謝礼を支払うだけで長期滞在が可能になる。ダイバーシーズでは謝礼の10%程度を手数料として徴収することでマネタイズする。

QCCCA

位置情報ベースのセーフコミュニティサービスを開発・運営。現在QCCCAでは、「痴漢レーダー」というサービスを提供しており、痴漢被害に遭った、もしくは被害を目撃した利用者が場所や時間などを書き込める。このサービスを発展させて、安全な街作りを支援する。現状では、自治体がメールなどで配信している不審者情報は一方的に情報が送られてくるだけで利活用しづらい。同社は利用者からの書き込みなどによる危険と安全のデータを蓄積しつつ、交番やコンビニの数や距離などの地理情報を掛け合わせて分析。分析されたデータを基に、地域パトロールのルートや監視カメラの設置場所の最適化、地域コミュニティの活性化などを計画している。これらの危険・安全のデータを企業向けに販売するほか、災害時になどには支援物資の受け渡しのインフラとしての整備も計画している。

MORGHT

YouTuberのファンコミュニティーサービスを開発・運営。YouTuber本人ではなくコミュニティリーダーが運営するファンクラブのようなもので、メンバーは共通の話題で盛り上がれる。コミュニティリーダーは、広告表示やアイテム課金、グッズのフリーマーケット運営などを通じた収益化も可能。またYouTuberが所属する事務所との連携も検討しており、YouTuber本人の売上を分配するスキームも検討中とのこと。

Curio

スペース貸しサービス「Daysk」を運営。景色のいいレストランやバー、カフェ、神社など一般的なスペースレンタルサービスで借りられない物件を多数取りそろえているのが特徴。席単位で予約が可能なので、物件所有者は、閑散期の飲食店の一区画などを気軽に貸し出すことが可能だ。利用者は1時間100〜200円程度で、コワーキングスペースなどとは異なる環境を利用できるうえ、カフェなどの飲食店では席があらかじめ確保されているので安心だ。夜しか営業しないバーを日中丸ごと借りることも可能だ。

expeet

スキルシェアサービス「expeet」を運営。今回、掃除部分野にフォーカスしたマッチングサービス「clin」を開発し、清掃員と企業や民泊業者などをマッチングする、。申し込みから見積もり、注文までをすべてオンラインで済ませることができるのが特徴。清掃員は運営元があらかじめ面接してスキルをチェックしたスタッフが派遣される。

buzzreach

治験のマッチングプラットフォーム「buzzreach」を開発・運営。現在の治験は、製薬会社が病院を指定して実施するのが主流で、治験を受ける患者などが不足しているほか、治験の情報がオープンになっておらず新薬を必要とする患者に届いていないという問題がある。この問題を解決するのがbuzzreach。製薬会社が治験の情報を登録できるデータベースを構築しており、登録された治験情報を必要とする患者に共有される。今後は、服薬管理や医療機関との連携なども検討するという。

dreamstock

スマートフォンを活用して、世界中の子供がサッカーでプロを目指せるサービスを提供するサッカー版LinkedI。ブラジルのマーケットにフォーカスしており、ヨーロッパのトップリーグで活躍する選手だけでなく、2部リーグやヨーロッパ以外でプレーする選手の発掘を目指す。当初はサッカー専門の動画共有サイトとして誕生したサービスだったが、投稿される動画のクオリティーが高かったことから、サッカーチームとのマッチングを思いついたという。すでに数人のプロ選手がサービスに登録しており、選手が移籍した際は移籍金の10%を程度を手数料として徴収する。アマチュアの選手は、dreamstockと提携する世界各国のチームが開催するセレクションに動画を投稿し審査を受けることで,プロチームへのキャンプへの参加などの特典が得られる。

グロービス経営大学院が在校生や卒業生起業家に投資するG-Growthを開始、1号案件はクラウドRPAのBizteX

グロービス経営大学院は10月26日、在校生または卒業生が起業したスタートアップを対象とする投資プログラム「GLOBIS Alumni Growth Investment」(G-Growth)を始めることを明らかにした。1社あたり最大で1億円を投資するという。

グロービスでは2003年よりオリジナルMBAプログラムのGBDAをスタート。同プログラムを前身として2006年にグロービス経営大学院を開学した。GBDAも合わせるとMBAプログラムの累計卒業生は3800名を突破。近年では在校生や卒業生が起業したスタートアップが投資家から出資を受け、事業を加速させる事例が増えているという。

これまでも最大1000万円を出資するビジネスプランコンテスト「GLOBIS Venture Challenge」の開催や2000名以上が参加する公認クラブ活動「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ」の運営支援を行なっていたが、こうした動きをさらに後押しする取り組みとして、新たに投資プログラムを開始するに至ったようだ。

G-Growthの対象となるのはグロービス経営大学院のMBAプログラムの在校生と卒業生、そしてGDBAの卒業生が起業したスタートアップで、かつ高い成長性が期待できる企業。累計1億円以上の調達実績があることを条件とし、売上が伸びて規模拡大に向けた資金を必要とするステージのスタートアップに1000万~1億円を投資する。

今回同プログラムのスタートと合わせ、投資第1号としてクラウドRPAサービス「BizteX cobit」を展開するBizteXに2000万円を出資したことが明らかになった。BizteX代表取締役の嶋田光敏氏は2015年度の卒業生。同社は今年の8月にシリーズAで約4億円の資金調達を実施済みだ。