Uber(ウーバー)のCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏のAxiosのインタビューでの発言(およびその後の謝罪)は、リニューアルされた「#boycottUber」(Uberをボイコットせよ)キャンペーンにおける同社への批判の炎にいっそう油を注ぐ結果になった。
一連の行動は、放置すればコスロシャヒ氏が2017年のCEO就任時に排除すると約束した有害なカルチャーを再発させかねない同社の弱点をさらけ出した。
まず確認すると、インタビューの中でコスロシャヒ氏は、サウジアラビアによる米国在住のジャーナリストであるJamal Khashoggi(ジャマル・カショギ)氏の殺害を「重大な過ち」だったと言い、歩行中にUberの自動運転車にはねられて死亡したElaine Herzberg(エレイン・ヘルツバーグ)氏の死になぞらえた。そして「人は過ちを犯すものであり、それは永久に許されないという意味ではない」と付け加えた。
コスロシャヒ氏は、この「殺人は許される」コメントを取り消そうと試みた。同氏は謝罪を表明し、AxiosのDan Primack編集者は、CEOが番組収録後すぐに彼の席を訪れ、カショギ氏について「用いた言葉」について遺憾の意を表したことを伝えた。
我々にはコスロシャヒ氏の発言が聞き覚えがあるように感じる。それは彼が以前にも重大な違反について「人は変われる、間違いは起きる」的態度をとったことがあるからだ。
2018年の TechCrunch Disrupt SFのインタビューでコスロシャヒ氏は、女性や人種的マイノリティーに対して無神経な発言をしたと報じられていたUberのCOOを務めるBarney Harford(バーニー・ハーフォード)氏を擁護した。コスロシャヒ氏はハーフォード氏を「素晴らしい人物」であり、ダイバーシティーとインクルージョンに関して「優れた人物の一人」だと評した。
「主要なニュース機関に無神経と報道された1つのコメントがその人を表しているとは思わない」と当時コスロシャヒ氏は言った。「それはフェアじゃない。私もこれまで無神経なことを言ってきたし、それを学習の機会にした。問題は、その人が変わろうとしているか、改善しようとしているか、だ。その人は間違ったことをしたことを理解し、行動を変えられるのか?そして私は10年来ハーフォード氏を知っており、100%彼の側に着く」。
この「人は間違える」というスタンスは危険な立ち位置に見えないかもしれない。実際人は間違いを犯し、寛容は美徳であるべきだ。しかし、数年来害悪と悪行が横行していた会社で「うっかり」と重大な違反のリスクを同列に論じるのは、コスロシャヒ氏のこれまでの取り組みを元に戻すことだ。
この直近の出来事に加え、Uberのドライバーの扱いに対する懸念や同社の自動運転システムが交通規則を無視して横断する歩行者を考慮に入れていなかったというNTSBの最新レポートは、果たしてカルチャーは良い方向に変わったのだろうかという疑問を投げ掛ける。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )