Paperspaceは、GPUやその他の強力なチップに支えられた、ソフトウェア/ハードウェア開発プラットフォームを使って、人工知能ならびに機械学習アプリケーションの開発者たちを支援することを狙っている。本日(米国時間10月16日)、このY Combinatorの2015年冬クラス卒業生は、1300万ドルのシリーズAを発表した。
ラウンドを主導したのはBattery Venturesであり、参加したのはSineWave Ventures、Intel Capital、Sorenson Venturesである。これまでの投資家Initialized Capitalも参加した。本日の投資によって、投資総額は1900万ドルに達した。
Battery VenturesのゼネラルパートナーであるDharmesh Thakkerは、現在のPaperspaceの立ち位置を、有利なものとみている。AIや機械学習が始まると、開発者はそれを処理するために一連のツールやGPU搭載ハードウェアを必要とする。「主要な半導体やシステム、ウェブコンピューティングのプロバイダーたちは、深層学習を真にデータ駆動組織から利用可能なものにするために、クラウドベースのソリューションと連携ソフトウエアを必要としています。そしてPaperspaceはその提供を助けようとしているのです」とThakkerは声明の中で述べている。
Paperspaceはこの点に貢献するために、独自のGPU搭載サーバを提供するが、共同創業者でCEOのDillon Erbは、大きなクラウドベンダーと競争しようとはしていないと言う。彼らは、顧客に対してハードウェアソリューション以上のものを提供する。昨年の春同社は、AIや機械学習のワークロードの展開と管理を容易にする、サーバレスツールのGradientをリリースした。
Gradientをサーバレス管理ツールにしたことで、顧客は基盤となるインフラストラクチャについて考える必要がなくなった。その代わりに、Paperspaceが全ての必要なリソースを顧客のために用意するからだ。「私たちは多くのGPUコンピューティングを行っていますが、現在私たちが注力し投資家の皆さんに今回の資金調達で買っていただいたのは、ソフトウェアレイヤーを構築し顧客のために多くのインフラストラクチャーを抽象化することのできる、とてもユニークなポジションに私たちがいるという点なのです」とErbはTechCrunchに対して語った。
彼は、インフラの一部を構築することは初期の重要なステップだったが、クラウドベンダーたちと競争しようとはしていないと語る。彼らは、開発者たちが複雑なAIならびに機械学習アプリケーションを構築することを助ける一連のツールを提供しようとしているが、それが実行されるのは彼ら自身のインフラストラクチャーの上であろうと、Amazon、Google、あるいはMicrosoftなどの主流クラウドプロバイダーの提供するインフラストラクチャーの上であろうとも構わないのだ。
さらには、GPUの利用に止まらず、AIや機械学習ワークロードをサポートするために開発された強力なチップの利用もサポートする。おそらくそれが、Intelがこのラウンドに投資家として参加した理由の1つだろう。
彼はこの資金調達が、彼らが2014年に着手し、Y Combinatorを卒業する際に立ち上げたこの仕事に対する、一種のお墨付きだと語った。その当時は、プレゼンテーションの中で、そもそもGPUは何かというところから説明する必要があったのだ。今ではもはや彼がそこから説明する必要はないが、この分野にはまだまだ大きな成長の余地が残されている。
「これは本当に、未着手のチャンスなのです、私たちは皆が、インテリジェントなアプリケーションの開発に、インフラストラクチャーを心配することなく着手できるような、頼りになるプラットホームになりたいと願っています」。1300万ドルを手にした彼らは、その道を進んでいると言っても間違いないだろう。
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(翻訳:sako)