マイクロソフトのナデラCEOが「信用を裏切ってはならない」と政府関係者に講演

Microsoft(マイクロソフト)CEOのサティヤ・ナデラ氏は米国時間10月9日、ワシントンDCで開催された政府関係者向けカンファレンス「Microsoft Government Leaders Summit」で、自分たちのツール技術に対するユーザーの信用を維持することが何よりも重要であると聴衆に訴えた。

「ユーザーの信用を得ることはどんなビジネスにとっても不可欠である」とナデラ氏は言った。「重要なのはなんと言っても信用だ。プラットフォームとツールを提供する我々にとって信用がすべてだからだ」。しかし、これはマイクロソフトのようなプラットフォームメーカーだけにとどまらないと彼は言った。こうしたツールを使う組織も信用を最優先しなければユーザーを失うリスクを負うことになる。

「つまり、みなさんが採用するテクノロジーも、みなさんが作るテクノロジーも、すべてが信用を得なくてはいけないことを意味している。信用を勝ち取ることができれば、指数関数的な恩恵に預かることができる。もし、信用を失墜すれば、指数関数的に壊滅する」と彼は言った。

マイクロソフトは信用というものを3つの次元で捉えているとナデラ氏は言う。プライバシー、セキュリティー、および人工知能利用における倫理だ。このすべてを合わせることで顧客の信用を得るための基盤を作る。

ナデラ氏はプライバシーを、人権であり純粋で単純ものと捉えていて、プライバシーを尊重するか顧客の信用を失うかはメーカーにかかっていると語った。「データガバナンスに関わる投資が、プライバシーを真剣に考えているかどうかを決めることになる」と彼は言う。マイクロソフトでは、データの利用方法、サービス規約、テクノロジーの利用方法の透明性を監視することで実行時にも確実にプライバシーが守られるよう講じている。

ナデラ氏は昨年要請した連邦プライバシー法の制定に再度言及した。欧州のGDPRや、来年1月に迫るカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)施行を受け、統一された連邦法がビジネス規制に有益であると考えている。

セキュリティーに関してナデラ氏は当然、マイクロソフトでの実施方法を基準に定義したが、どう実施しているかに関わらず、信用を勝ち取るアプローチのひとつとしてセキュリティーは必要であることを明確に訴えた。彼は聴衆に向かっていくつか重要な質問を投げかけた。

「サイバースペースは、私たちが仕事をするためだけの場所ではない。そこは実践的なセキュリティーの心構えはなにか、あるいは最高のセキュリティー技術が行き届いているかを考えるべき場所であり、それはアプリケーションであれ、基盤技術であれ、エンドポイントであれ変わらない。そして何よりも個人ついて、誰もが考えなくては行けない分野だ」とナデラ氏はかたった。

最後に語ったのは、登場したばかりの人工知能を倫理的に使うことについてだった。政府関係者の前で話すには微妙な話題だが、ナデラ氏は臆せずに切り出した。「人は『AIはよくわからない、特にディープラーニングは』などと言う。しかし考えてみてほしい。そのディープラーニングモデルを作ったのは自分たちだ。実際、モデルを学習させるためのデータやパラメータの数や種類など、多くのことは自分でコントロールできる。だから、私達はAIを作る上での責任を放棄してはならない」

マイクロソフトや米国政府がこうした高い志を遂げられるかどうかはわからないが、ナデラ氏はそれが同社にとってもこの聴衆たち自身にとっても利益にもなることを注意深く説明した。最後までやり通すせるかどうかは本人たち次第だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook