Snapchatを追随できるか、自撮りアプリB612が3億ダウンロード突破

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Facebookの投稿はずっと残ってしまうし、色々な人とつながっていては気軽に自撮り写真を投稿するのは気が引けると思うこともあるだろう。若い世代には、もっと気軽に写真や動画を共有できるSNSが支持されている。アメリカでは短時間で投稿写真が消えるSnapchatが人気だし、Instagramもそれに似た「ストーリー」機能を取り入れた。

アジアでは、NAVERが提供するSnowが中国と韓国を中心に人気を得ている。そしてもう一つ、NAVER傘下のLINEが提供する自撮りアプリ「B612」もこのトレンドに乗ってユーザー数を順調に伸ばしているようだ。本日LINEは、B612の世界累計ダウンロードが3億件を突破し、月間アクティブユーザーは1億人に到達したと発表した。

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コミュニケーション機能導入前のUI

ご存知の読者も多いかと思うが、B612は自撮り写真や動画を楽しむためのアプリだ。フィルターが豊富にそろっていて、コラージュまで作成できる。アプリを起動するとすぐに内側カメラで撮影できて、画面をスライドさせるとフィルターを変えられるシンプルなUIが特徴だ。筆者がB612を以前に試した時には、UIに文字がほとんどなく、すっきりとしたデザインが印象的だった。

B612は2016年12月、アプリに「Play機能」を加えることで、単に写真を撮って加工するカメラアプリから、コミュニケーションができるアプリに進化した。これによりNAVERはSnapchatと対抗する、時間限定型コミュニケーションアプリを2つ展開するようになった。ちなみにLINEも2016年9月、SNOWに500億ウォン(約45億円)出資している。

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2016年12月以降のUI

大枠の仕組みはSnapchatとそう変わらない。B612では撮影ボタンの下にある吹き出しボタンを押すと、友達にメッセージが送れる画面に切り替わる。連絡先の一覧から友達を選択して、写真や動画を送信できる。投稿したメッセージは24時間で消滅する。

顔認識でエフェクトが付けられる「アニメーションスタンプ」機能や友人とメッセージをやりとりする「トーク」画面で1秒の自撮り動画が送れる機能などはSnowのUIに近い。B612とSnapchatとの違いは、トーク画面の写真や動画をマンガ風のコマ割りで配置したり、それを短い動画にまとめることができる点だ。他にもカメラの動きと連動すARフィルターなども充実している。

先行するSnapchatは、1日当たりアクティブユーザー数は1.5億人で、2016年度の売り上げは2.5億ドルから3.5億ドルだと言われている。だが、Snapchatは2011年9月にサービスをリリースしているので、ここまで来るのに約5年半かかっている。

単純に比較することは難しいが、Snowは2015年9月リリースし、2016年12月時点で1億ダウンロード数を突破した。B612は2014年8月にリリースし、約2年5ヶ月で3億ダウンロードに到達した。どちらのアプリも急速にユーザーを伸ばしている。Snowユーザーは中国、日本、韓国の順に多く、B612も中国、インドネシア、ベトナムなどのアジア地域、そしてブラジル・メキシコなどの中南米でもユーザーが増えているという。B612とSnowは、着実にアジアを中心に地盤を固めていると言えそうだ。Snapchatは今週にも上場申請を提出するという話だが、この調子でサービス展開を進めれば、NAVERはSnapchatが欧米で得た成功をアジア圏や中南米で繰り返すことができるかもしれない。

 

次はPeriscopeがSnapchatを真似たARセルフィーマスクを公開

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SnapchatやFacebookに続いて、Periscopeが独自のARセルフィーマスクを開発している。初回リリースでは、ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプのマスクが用意され、大統領選に合わせて来週公開される予定だ。最新バージョンのiOSアプリでセルフィーモードを選ぶと、画面下部からマスクを選べるようになる。アイコンをタップすると自動的にマスクがユーザーの顔に貼り付けられるようになっており、友だちと並んでカメラに写れば、両方のマスクを同時に利用することもできる。

Twitterの広報担当者は、「今回発表したマスクのことは、選挙の話を持ち出す楽しいきっかけや、投票の呼びかけといったくらいに考えています」と話し、Periscope CEOのKayvon Beykpourも「二人のマスクは笑えるし、その目的も理にかなっています」と語る。

Periscopeによれば、同社はこれ以外のクリエイティブツールの開発も進めており、「私たちは、ユーザーが人の心をつかむライブビデオを制作する上で、助けとなるようなツールを開発しています。大統領選マスクは、その気楽な一例にすぎません。もっと高度なツールを今後公開していくのが楽しみです」と発表している。なお、Periscopeは今年の4月に、最初のクリエイティブツールとなるお絵かき機能をアプリに追加していた。また、大統領選マスクはAndroidアプリには対応していないが、今後発表される新しいツールはAndroidにも対応予定だ。

大統領選はすぐそこだ!ヒラリー・クリントンかドナルド・トランプのマスクでライブ配信をしよう。投票へ行くのも忘れずに。

他のサービスで見られるようなイラストっぽいマスクとは違い、Periscopeのヒラリーとトランプのマスクは、口だけ動く写真をユーザーの顔に貼り付けるようなつくりになっている。実際にPeriscopeの発表には、次のように写真家へのクレジットが表示されている。“Masks image credit:“Hillary Clinton with Supporters” by Gage Skidmore, used under CC-BY-SA 2.0/ modified from original; “Donald Trump” by Gage Skidmore, used under CC-BY-SA 2.0/ modified from original.”

Beykpourが「腹話術人形スタイル」と表現する大統領選マスクは、JibJabのマンガのようにも見える。これについて彼に尋ねると、「JibJabは楽しくて面白いですからね」と話していた。

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Periscopeのマスクを実際に試してみた様子

セルフィーマスクを使えば顔を隠すことができるため、ユーザーがPeriscope上でライブ配信するハードルが下がるかもしれない。恥ずかしさはユーザーをカメラの前から遠ざけている1番の理由で、だからこそSnapchatはマスクを主要機能としたのだ。同様に、Facebookはセルフィーマスク制作を行うMSQRDを買収してすぐにSnapchatをコピーし、Facebook Liveにまでマスク機能を導入した。

これでPeriscopeは他のサービスに追いつけるようになった。これまでは真剣な市民ジャーナリズムや専門家の質疑応答に利用されることの多かったPeriscopeだが、もっと遊び心のある機能を増やすことで一般層を獲得することができるかもしれない。そして今後Periscopeがマスクを追加したり、新たにフィルターをローンチしたりすれば、ユーザーは髪の調子が悪いときや、顔がやつれているときにもストリーミングできるようになる。

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この写真の向かって右側がPeriscope CEOのKayvon Beykpour

ここで問題となるのは、Periscopeがどこまで他社についていけるかということだ。SnapchatとFacebookは、どちらもセルフィーマスクを開発するスタートアップを買収することでスタートから勢いをつけ、さらにその後も積極的にARエンジニアを採用している。一方で、財政的に苦しいTwitterの子会社で、リソースの限られているPeriscopeは、正確な物体認識・追跡技術を開発したり、面白いマスクを素早くたくさんリリースしたりする力では、他社に劣っているかもしれない。

しかし、少なくとも初めてのマスクを公開することで、Perisocopeが今後AR技術を採用していくという姿を見せることができ、それが結果的に他社とのギャップを埋め、AR関連の技術をもったスタッフの採用につながるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter