SpaceXが有人宇宙飛行システムの重要な節目を年内達成へ

SpaceXはCEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏の立てた大胆なスケジュールの1つを、比較的順調に守っている。予定遵守に関する同社の実績からすると、珍しいが歓迎すべき事態だ。SpaceXは、Crew Dragon(クルードラゴン)カプセルに初めて宇宙飛行士を乗せる際に利用するパラシュートの最新システムの7回目のテストを完了した。

このパラシュートシステムは、現在テスト中のCrew Dragonが実運用にに入った後、搭乗する宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから地球に戻る際、安全に下降するためになくてはならないものだ。SpaceXはこのパラシュートシステムを複数回開発しており、現在のバージョン3は耐久性の高い材料と新しい新しい縫製技術によって最大の強度を実現している。

マスク氏は10月に、このMark 3システムのテストに10回連続して成功することが、SpaceXが有人宇宙船で新パラシュートシステムを使用するための信頼レベルだと言っていた。そしてNASAのJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタイン)長官は、その10回のテストが年内に完了する可能性を示唆していた。SpaceXは米国時間12月3日にこれまで7回のテストに成功しており、目標の10回を2019年中に達成する見込みであることを公表した。

これは2020年前半に全体デモンストレーションおよび実際の有人飛行を実施するという、ブライデンスタイン長官がSpaceXともう一つの商業有人飛行パートナーであるボーイングについて最近繰り返し語ってていたスケジュールにも沿っている。ボーイングは、有人飛行プログラムに不可欠なもうひとつのマイルストーンである脱出テストを今月行う予定だ。

今週SpaceXは、クルードラゴン用パラシュートの最新改定版Mark 3の7回目のシステムテストに成功した。このパラシュートは@space_stationから宇宙飛行士が地球に戻る際に安全な着陸を可能にするために用いられる

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SpaceXが有人宇宙船「クルードラゴン」のパラシュート試験に13回連続成功

SpaceXは、13回に渡るパラシュート試験に成功した。同社の宇宙船であるCrew Dragon(クルー・ドラゴン)で利用予定の第3世代パラシュートシステムだ。直近のテストでSpaceXは、短く編集ビデオをTwitterで公開し、パラシュートの一つを意図的に作動させないシステムの実験を見せ、仮に部分的に不具合が起きた場合にも飛行士がが安全に着地できることを示した。

NASAの宇宙飛行士を乗せたCrew Dragonを打ち上げる計画のSpaceXにとってこれは大きな一歩だ。先月NASAのJim Bridenstine(ジム・ブライデンスタイン)長官はカリフォルニア州ホーソンのSpaceX本社を訪れ、SpaceXのElon Musk(イーロン・マスク)CEOとこの商用クルー計画の進捗状況について話あった。その時Musk氏は、改善したMark 3パラシュートシステムのテストを最低10回成功させてから飛行士を乗せると話していた。

「宇宙飛行士を飛ばす前に、最低でも10回連続でテストに成功させるつもりだ」と当時Musk氏は話した。「パラシュートの動作が安定していることを10回のテストで確実にするためだ」

当時Musk氏は、年内に少なくとも10回テストする予定であることも言っていたので、13回という数字は十分計画を満たしており、これはMusk氏が概して楽観的な目標日程を設定するSpaceXにとって、予定より早い進捗という珍しい事態だと言える。

Crew Dragonに使われているこの第3世代のパラシュートは、ナイロンの代わりにザイロンを使用している。SRI(スタンフォード研究所)で開発されたポリマー材料で、パラシュートで使用する糸の強度をナイロンの約3倍にできる。SpaceXは縫製パターンも変更し、新しいパラシュートの負荷バランスを最適化している。

SpaceXの次のステップは打ち上げテストで早ければ今週水曜日にも行われる。地上で行われCrew Dragonの脱出用エンジンをテストする。その後は空中での脱出用エンジンテストを年内に実施することを期待しており、非常時に離陸後のFalcon 9ロケットからCrew Dragonが脱出するところを見せる。

NASAとSpaceXは両者とも、今後のテストが順調に行われれば来年早くに有人飛行が実施できると楽観的な見方をしている。

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SpaceXがクルードラゴンのパラシュート試験のビデオを公開

SpaceXは同社の宇宙船Crew Dragonの回収用パラシュートシステムの試験風景を詳細に紹介している。最新のビデオには貨物機や高高度バルーンから落下する映像などのテスト風景が収められている。Crew Dragonカプセルのテストバージョンが砂漠のテスト地域に向かって落ちていくところや、宇宙飛行士を送り出すミッションを終えた後、緩やかに着地するための複数パラシュートアレイを展開する様子などが見られる。

イーロン・マスク氏の民間航空会社は、このCrew Dragonパラシュートシステムを以前からテストしているが、4月にデモ用Crew Dragonカプセルの代わりに金属製のそりを使って行われた「高度な開発テスト」がNASAの期待に答えられず失敗に終わったこと以外、ほとんど情報がなかった。ともあれ、最終的な完成システムに向けて提供されたデータによれば今回のテストは両者にとって「成功」だったようだ。

SpaceXは、今日公開されたビデオで信頼性試験や認定試験など7種類のテストを紹介している。同社はまだこのパラシュートシステムが認定を受けたとは発表していないが、ライバルのボーイングは6月にStarliner有人宇宙船の認定を受けている。

パラシュートシステム以外でもSpaceXは、NASA職員を乗せた有人飛行の認定を受けるためにさまざまな試験を実施している。また最近同社は、4月にCrew Dragonがエンジン試験を中断した失敗理由の調査の進捗や、有人試験飛行に向けた改善点についても詳しく報告した。

SpaceXはCrew Dragon初の有人試験ミッションの目標を2019年中としており、以前は7月末の実施を目標にしていた。現時点でSpaceXの宇宙船が今年中に宇宙飛行士を乗せて飛ぶところを見られる可能性は極めて低い。

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