ビヨンセがスタートアップ投資家にーーコンサート会場でのグッズ販売を効率化するSidestepに出資

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スヌープドッグ、アシュトンカッチャー、ジャスティンビーバーに加わり、愛称クイーンビーで知られるビヨンセも彼女の卓越したビジネススキルをテック業界へと持ち込む。ビヨンセと彼女が創業したマネジメント会社Parkwood Entertainmentは、Sidestepに15万ドルを投資した。Sidestepは、コンサートで販売されるグッズを購入し、列に並ばずともショーで商品を受け取れるアプリだ。

SidestepはもともとビヨンセのFormationワールドツアーでTシャツやポスターを販売していた。Sidestepの2週間に渡るツアーでの成果を見て、ビヨンセとParkwoodはSidestepのシードラウンドに出資することを決めた。

SidestepのCEOであるEric Jonesは「彼らはビヨンセのツアーをテクノロジーに焦点を当てたものにしたいと言っていました」そして、「小さくてどうしようもなスタートアップが世界でも最大級のツアーに参加している」というアイデアを気に入ったようです。

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ビヨンセは、過去にスイカの飲み物会社 WTRMLN WTRに投資している。また、ビヨンセはジュース機械メーカーJuiceroとの仕事関係があるとしているが、同社はそれについて語ることを拒んでいる。ビヨンセはストリーミングサービスTidalのステークホルダーでもある。彼女は自身の楽曲の早期アクセスをTidalに提供したことによるものだ。今回のビヨンセのSidestepへの投資は、より直接的にアーティストが収益をあげることを助けるかもしれない。

薄利なストリーミングサービスのロイヤリティーで金持ちになることを夢みているミュージシャンは考え直した方がいい。ストリーミングで有名になった後、コンサートチケットやグッズの販売でこそ金持ちになれるだろう。

しかし、コンサート会場のグッズ販売ブースに長い列ができていては、多くの人はショーに遅れないようにTシャツや他のグッズの購入を諦めてしまう。そこでSidestepの出番だ。

このスタートアップは、ツアーで販売されるグッズの注文をスマホアプリから受け付ける。グッズはツアーの前、ツアー中、さらにはツアー後でも購入可能だ。注文したら、会場ではグッズブースの列を飛ばし、専用のグッズ受け取り場所でQRコードをかざせば、商品をすぐに受け取ることができる。自宅へ配送を依頼することも可能だ。これがあれば、欲しいTシャツのぴったりのサイズを購入することができ、売り切れの憂き目に会う心配も減る。

ビヨンセ以外には、 Guns N’ Roses、Fall Out Boy、Selena Gomez、Weezer といったアーティストのグッズもSidestepで購入することができる。このスタートアップはアーティストに対し、どういった人がグッズを購入しているかのデータを大量に提供する。Sidestepはカスタマー側に手数料10%を課金して収益を得るモデルだ。

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Sidestepはビヨンセ、俳優のJared Leto、レディー・ガガの前マネージャーTroy Carter、Culture Ventures、LADodgersの前CEOを含む複数の投資家らから総額170万ドルを調達した。このアプリはすでに200万ドル分の売り上げがあり、それは去年の10倍の額だ。同社は、今年開催されたTechCrunch 1st And Futureスポーツスタートアップ・ハッカソンに参加している。

Sidestepは他のグッズ関連スタートアップMerchbar、Amazon風のウェブサイトを持つYoshirtなどと競合することになる。Yoshirtでは、ファンはブランドのロゴや写真を使ってデザインし、カスタマイズしたアイテムを購入することができる。また、10%も高くなるのなら、列に並んだ方がいいと考える人もいるだろう。しかし、ストリーミングのロイヤリティーでアルバム売上の減速分の埋め合わせができないのなら、アーティストは何が何でもシャツの売上を上げようとするかもしれない。そうなれば、こういったスタートアップは繁盛するだろう。

一方で、ビヨンセといった投資もするトップパフォーマーは、ハリウッドだけでなくシリコンバレーにもお金を積むようになってきたようだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website