ここ数年、ブロードバンドのインターネットは、水道や都市ガスのような社会インフラと見なされるべきものであると、多くの人が指摘してきた。ネットにつながっていることは、生活のほとんどあらゆる面で不可欠なこととなっている。ところが、最近の報告によると、米国内では、高速接続が、一般に考えられているほど普及していないようだ。
最新のRural America and Technology(アメリカの田舎とテクノロジー)という調査では、NPDは米国の家庭の31%がブロードバンド(ダウンロード速度が25Mbps以上)のインターネット接続を備えていないと指摘している。調査対象となったのは約1億世帯だ。当然ながら、ブロードバンドを備えていない世帯は田舎に集中している。そこでは、ブロードバンド接続があるのは人口の5分の1未満に過ぎない。
ブロードバンド接続は、ほんの少し前まで贅沢なものと見なされていた。それが急速に仕事から健康、そして娯楽まで、現代の生活には不可欠なものとなってきた。このように都市と田舎で、テクノロジーへのアクセスが偏ることは、アナリストが言う「デジタルデバイド」の最たるものとなっている。そして、ここで言う「田舎」は、米国の国土の面積のほぼ97%を占めているのだ。
この報告の明るい側面は、5Gの普及が、こうした数字に根本的な変化をもたらす可能性を指摘していること。「5Gが展開されてくれば、米国の田舎に大きな影響を及ぼすでしょう。ブロードバンドのキャリア市場の限界を打破し、これまではアクセスできなかった世帯にも、ブロードバンドを届けることができるようになるはずです」と、NPDのEddie Hold氏は、報告に添えられた声明の中で述べている。「製造業者や小売業者にとっては、最新のデバイスを導入することで、新たな消費者を獲得する機会を得ることになるはずです」。
ただし、これまでの5Gの普及の速度と、カバーエリアの狭さ、さらには第1世代の5Gデバイスの価格の高さを考えると、こうしたことが実現するまでには、まだ数年はかかりそうな気がする。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)